自分が生きる理由を知りたかった。
私にはズバ抜けて凄い才能があるわけではない。
こんなやつがいきていいわけがない。
そう思ってたのに______....。
「行ってきます!!」
私は中学校の制服を整えて茶色のローファーを履いて家を出た。
しばらく歩いていると、後ろから走る音が聞こえた。
「おはよっ!!」
私はびっくりして振り返った。
すると、そこにいるのは咲希だった。
咲希は頭もいいし運動神経抜群。
そのうえ容姿も整っている。
まさに完璧人間だった。
「おはよ!咲希」
私があいさつを返したあといつも通り他愛ない話が始まった。
ー咲希ー
私が学校に向かっていると見覚えのある後ろ姿を見つけた。
私はその後ろ姿を追いかけた。
そして私は声をかけた。
「おはよっ!!」
すると、その子はびっくりして、振り返った。
その子を見ると私の思った通り朱里だった。
「おはよ!咲希」
朱里があいさつを返してくれたあと、いつも通り色々な話をして学校に向かった。
私達が学校に着いた瞬間咲希の周りに人が集まってきた。
やっぱり咲希は人気者だ。
そんな咲希を少しずるいと思ってしまう私はダメな人間かもしれないけど。
そう思いながら私は咲希をおいて自分の教室に向かった。
すると咲希が私の方に走ってきた。
「ちょっと待ってよ〜!朱里ー!いつも先にいかないでって言ってるじゃーん!」
「あっ!ごめん!忘れてた!」
「もー、一緒に行こっ!」
どうして咲希は私のことをこんなにもかまうんだろう。
でもそんな咲希のことが私は大好きだった。
この生活がずっと続いてほしいな。
「うん!いこっ!!」
〝キンコーンカーンコーン〟
帰りのチャイムが鳴った。
それと同時に咲希が私の机に向かってきた。
「一緒に帰ろっ!!」
「う…うん!」
そして私達は教室を出ていった。
学校の外に出ると車がいつもより多く走っていた。
今日は気を付けて帰らないと。
そう思った瞬間_____....。
〝ブーーーーーーーーーーッ〟
車のクラクションの音がなった。
私死ぬんだ_____....。
〝ドンッ!!〟
「あーーーーー、いてて…。」
私は今どこにいるんだろ…。
周りをみわたすと、私は雲の上にいた。
「ここはどこ…?」
「ここは天国ですよ、咲希さん」
「て…天使〜!?」
「ん…?てことは私死んだってこと〜!?」
「はい。あなたは朱里さんをかばって死にました」
「そう…だったんだ。でも朱里が無事ならよかったよ!!!」
「貴方は本当に優しい人なんですね」
天使はやさしく笑った。
「いえ‥そんなことないです…!!!」
「そんな貴方にご褒美です。一週間の間、下界に降りることを許可します。」
「え…!?」
「ではごゆっくりお過ごしください。」
そう天使は微笑みながら私に言った。
そして私の眼の前に手を出した瞬間私の肩を押した。
すると私はすごい勢いで雲の上から落ちていった。
「わあああああああああ!!!!!」
ドスッ。
「いててて…。」
気づけば私は家の前にいた。
暇だし家の中に入ってみるか。
そう思って、私は家のドアを開けた。
やっぱり、お父さんとお母さんはいないか…。
仕事かな…。
少し会いたい気持ちもあるけど、しょうがないよね。
自分の部屋に行こう…。
さみしい気持ち押し殺し階段を上った。
自分の部屋につくと何も変わらない見慣れた風景が目の前にあった。
「懐かしいなぁ…」
私があたりを見渡してみると一つ見なれない封筒がおいてある。
手紙…??
私は不審に思い中身を開けてみる。
中にはなにか文字が書いてある紙が入っていた。
咲希へ
私を助けてくれてありがとう。
そしてごめんなさい。
私の不注意のせいだよね。
私より咲希のほうが生きてたら良かったのに…。
なんて後悔しても遅いよね…
本当にごめんなさい。
なんて今更言っても遅いよね…。
朱里
「朱里…。」
私は急に朱里に会いたくなった。
そして私はすぐに家を飛び出した。
「やっと見つけた…!!」
6日目にしてやっとみつけた。
朱里は学校にいた。
朱里は今どんな風にしてるのかな?
私は少し期待をして教室のなかに入った。
しかし私は入った瞬間驚愕した。
朱里の机をよく見ると〝人殺し〟〝死ね〟〝学校くんな〟などひどい言葉が書かれていた。
私のクラスメイトがそんなことをかいていることがショックだった。
でもそれ以上に私のせいで朱里がいじめられていることが悔しかった。
こんなに酷いことになってるなんて私は気づかなかった。
ごめんね朱里。
私は辛すぎて、泣きながら逃げ出した。
「ごめんね…。ごめん。朱里。」
私は起きたら、屋上にいた。
いつのまにか、屋上について寝ちゃってたんだ…。
空を見たらもう夕方だった。
「明日までか。ここにいられるの…。」
「なんか複雑だな…。寂しいような少しホッとしたような…。はぁ…。」
〝ドンッ〟
急に屋上のドアが開いた。
屋上に入ってきたのは、朱里だった。
「朱里…」
でも私の声は聞こえるはずもなく、朱里は屋上を歩いている。
そして、柵の前についたときに立ち止まった。
「ねぇ、咲希。助けてくれてありがとう。でもごめん。私やっぱ咲希がいないとダメかもしれない…。」
私は今から朱里がなにをしようとしてるか察した。きっと今から死のうとしている。
「朱里ーーーー!!」
私は走って朱里の手の甲をつかもうとした瞬間______....。
「____ッ....!!」
私の手が朱里の手をかすった。
そうだ。あまり人と関わってなかったから気づかなかった。
私は幽霊だ。
私はいま誰にもふれられないんだ______....。
その瞬間咲希は飛び降りた。
それでも私は諦めきれられなくてがむしゃらになって朱里の手をつかもうとした。
でも全てが無力で____....。
私はなんで無力なんだろう。
朱里を助けることを私には…。
私には、出来ないんだ。
自分の無力さに凄く腹が立った。
「ねぇ、咲希…!」
その時どこからか朱里の声が聞こえた。
振り返るとそこには朱里がいた。
「…っ!!あ…朱里…!!」
「久しぶり…だね、咲希!」
「ごめんなさーーーーい!!!わ…私がむ…無力だから…朱里を傷つけてばっかで…。」
私はなにかの糸が切れたみたいに大泣きした。
「そんなに泣かないで‥?むしろ助けてくれて感謝してるくらいだもん!!でもその期待に応えられなくてごめん…。」
「そんなことどうでもいいの!!私が勝手に助けただけだから。」
「でも何で助けてくれたの?」
「私は朱里に生きてほしかったの。私は今の人生につまらなさを感じてた。でも、朱里は違う。全てのものに興味を持っていて楽しそうに見えた。
だから私は朱里に生きてほしいんだ。」
その話をした瞬間泣き出した。
「でも…わ、私は…咲希のほうが絶対生きてた方がいいと思うの」
「どうして…??」
「だって、クラスの人気者だし、完璧人間だもん…!」
「でも、人気者とか完璧人間でも、人生を楽しめなきゃ意味ないよ??一番大切なことってどれくらい人生を楽しめるかだと思うの」
朱里は泣きながら私の話を聞いている。
「つまり朱里は私にとって希望でしかないんだ。私は人生を楽しめなかったから、私は私の人生を朱里に授けたんだ。
だから、生きて_____....。」
「え……。でも私は死んで______.....。」
「そんなことないよ!!まだ下界に魂がいるってことは、まだ死んでないんじゃない?」
「_____っ!!でも決まったわけじゃ_______....。」
「でも死んでるとも決まってないよ??大丈夫!!信じていれば生き返れるよ?」
「_____...。分かった。信じてみるよ!!」
その瞬間朱里の体が光り始めた。
「きっと魂がもどろうとしているんだ!!」
「う…うん」
朱里が光ってきえてった。
「朱里____...。頑張って。」
7日目。
今日が最終日。
心配だなぁ。朱里。私は今日も朱里を見に来た。
「ねぇ、朱里さん?この道を通らないでくれます?人殺しが。」
クラスメイトの子が朱里をいじめている。
「ん?何?私は今、自分の人生を楽しんでるの!邪魔しないでくれる?」
「はぁ!?生意気な口ききやがって、この人殺しが!!」
「その言葉で咲希は喜ばないよ?咲希のためになることを一緒にしない?」
「ッ!!_____…もうッ!!知らないッッッ!!!!」
という会話が聞こえた。
もう私が心配する必要なさそうだね。
その時、空が光った。
空からは天使が降りてきた。
「お時間です。咲希様。」
「分かった。すぐ行く。」
私はそのまま消えていった。
朱里頑張ってね_______....。
咲希へ
ねぇ、咲希聞いているかな?私、頑張るよ_____。
朱里