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本書に収録された五つの物語を記述するにあたり、「僕」こと隠館厄介は多量のメモを作成した。

あるとき、「僕」の机上には黒塗りが施された10枚のメモが並べられ、置手紙が添えられていた。

「あなたのメモを使ってクロスワードパズルを作りました。

A～Zの26文字には、それぞれ平仮名もしくは長音記号（ー）が対応しています。

濁音、半濁音は区別しません。つまり「は」と「ば」と「ぱ」は同じアルファベットです。

もちろん「や」と「ゃ」などの小書き文字も区別しません。

さて、これらのアルファベットを使用して、私の名前を記述してください」

①SDカード紛失事件の犯人は、■■ソフトを使うつもりだったらしい。

②百万取引事件にて、僕がお札の■■に着目したのは、ある意味惜しかった。

③須永先生の別荘の部屋は■■、書斎、AV室、ベッドルームの４つ。

④ヒントにあったデリケートな場所とは■■の中のことだった。

⑤須永先生の26番目の著作は『■■』。

⑥推理作家にもかかわらず、須永先生の作品では誰一人■■しない。

⑦80冊以上を読破した時点で今日子さんは言った。「仮説はありま■■」

⑧厨房で働いていた経験が生きた。身体に書かれた文字を消すコツは、■■と同じだ。

⑨清掃業で働いていた経験が生きた。床の髪の毛の始末には■■を使った。

⑩電気屋で働いていた経験が生きた。今日子さんの部屋のエアコンは作動時に■■が鳴らない。

これは親愛なる忘却探偵からの挑戦状だろう。なんとしてでも正解したい。

➡（半角英字大文字）