Good practice

学生から好評だった春学期のコースと担当教員からのコメントです。なお、Good practice でコメントをお寄せいただいた一部の先生方には、8月18,19,20日に予定しているワークショップ(Webinar/ビデオ) でご講演いただく予定です。

現代人類学の諸問題

担当:E・K先生

登録人数:180

時間割:3/M,3/W,3/F

学生からのコメント

「毎回スライドがまとまっており、今日学ぶ内容を常に把握できた」

「参考資料が毎回読み物として面白く、自分の教養を養う意味でも大変役立った」

「『見慣れたものを異文化のように見る力』『文化を語ることへの批判的思考』というコース目標に即した課題が出されていた」

「毎回授業のはじめに学生が書いたコメントシートへの先生からのレスポンスがあるので、他の生徒の意見を知ることができた。また一つの問題に対する多角的な視点を見つけることができた」

「動画が長くても30分程度に分かれていたのが良かった。集中力が切れなかった」

「文字だけだと理解が進みにくいが、図やビデオで例を示して下さり理解に役立った」

「全てオンデマンド授業でしたが、内容が整理されていて、モチベーションを保ったまま毎回楽しんで受講できた」

「Not only anthropology, but I learned whole different topics such as postmodernism, and feminism, which I think it is a good introduction class. The professor also connects the subject to anthropology.」

「当たり前を『異文化』のように観ること。『異文化』に類似点を探すこと。そんな見方や発想を養う事ができた」

「なんでも人類学の調査対象になり得るとわかった」

教員からのコメント

飽きさせない(飽きない)ことを追求。

  1. スライドに遊びを。「デザインアイデア」(画面右側に出てくる)を多用。「挿入」>「アイコン」「図形」「オンライン画像」「SmartArt」を多用。

  2. 話を簡潔に。20分台で話題と録画を区切る。自分の録画を見てムダの多さに愕然、やり直すことも(体力消耗)。

  3. 学生コメントを冒頭でスリリングに紹介。できるだけ多様なコメント(要約)を、対立するグループに分けて表示。

日本国憲法

担当:H・M先生

登録人数:150

時間割:3/M,3/W,3/F

学生からのコメント

「予習課題に取り組んだ後に講義を聞けば、法学のバックグラウンドがなくても十分議論に参加できた。法学の知識が求められるわけではなく、むしろその外側からの意見が求められると感じた」

「各単元が易しい文章かつ読みやすい長さでまとまっており、わかりやすかった。また、単元ごとに関連資料がmoodleに上がっていたので、自習が進めやすかった」

「投票機能が有効に活用されていて良かった」

「自分が取った中では最もZOOMを上手く使っている授業だった」

「学生の発言を積極的に促し、それがどんな意見であっても否定しない。またそこから派生してその日の授業トピックを深掘りしたり、話題を広げたりしてくださった」

「毎回ブレイクアウトルームで意見交換するので、自分の意見もアップデートでき、授業内容も整理されて良かった」

「ディスカッションが毎回悩まされる問いばかりで取り組み甲斐があった」

「オンライン授業の大成功例だと思う」

教員からのコメント

授業の流れは以下の通りでした。

  1. 毎回のZoom授業前に,Moodle のForum Discussion機能を用いて,予習課題への回答を書き込んでもらいます。

  2. 授業開始10分前から投票機能を表示して,授業内容に関連する問題について考えてもらいます。

  3. 投票結果を示しつつ,冒頭の15分程度で前回の補足等を行い,質疑応答をします。

  4. 20-25分間程度のグループ・プレゼンテーションを行い,ディスカッション・クエスチョンを提示してもらいます。ここでも投票機能を用います。

  5. ブレイクアウトルーム機能を用いて,15分間ほど,5人程度でディスカッションを行います。

  6. 残りの時間,全員で質疑応答を行います。

  7. 授業後は,Moodle のForum Discussionを用いてコメント・質問を書いてもらい,教員から詳しい返事を書くことで,双方向のやりとりをします。


  • チャット機能を用いると他の人が話している間にも次の質問をすることができ,双方向のやりとりが非常に効率的になります。大教室よりも教員との距離が近くなった,というコメントもありました。

  • 私語,居眠り,騒音等によって気が散る心配,マイクを回す手間等も一切なくなるため,100名以上の大人数で双方向を徹底するためには,教室よりもZoom及びMoodleを活用する方がはるかに優れていると感じました。また,学習障害を抱える学生にとってはオンラインの方が安心して参加できる場合がある,というのも重要な点かと思います。

  • 今学期の受講生はとても積極的で,プレゼンテーションやディスカッションの質はこれまででもっとも高く,新時代におけるオンライン授業の大きな可能性を感じました。例年のように,夏休み中も授業の延長で有志による自発的な勉強会・読書会が続いています。熱心に取り組んでくれた学生に感謝しています。

現代心理学入門

担当:K・N先生・N・N先生・M・I先生

登録人数:180

時間割:3/M,3/W,3/F

学生からのコメント

「毎回授業後にスライドをアップしてくれたのでノートがまとめやすかった」

「一度の授業につき4、5回は『質問ありますか』と聞いてくれた。またチャットの質問にも一つ一つ丁寧に答えてくれた。オンラインだったが学びに全く支障がなかった」

「先生たちが毎回丁寧にコメントシートのフィードバックをくださるので、授業の内容を深めることができた。また、他の人のコメントを聞いて新しい見方を得ることもできた」

「Moodle上に毎回ZoomのURL、コメントシートの提出場所、授業のスライドが提示されていたので助かった」

「授業中のアンケートや、グループディスカッションなど、参加の機会がたくさんあった」

「3人の先生からそれぞれの分野に特化した話が聞くことができ、心理学という学問の幅広さ、奥深さを実感した」

「教授の対応がとても丁寧で、授業の雰囲気もとても和やかだったので、授業が終わるのが名残惜しかった」

教員からのコメント

履修者160名以上という大人数授業でしたが,できるだけ双方向のコミュニケーションが可能になるようにZoomを用いた同期型授業の形態を取りました。一方で100番台の授業であることから大学1年生の履修が多く,オンライン授業の履修に必要な基礎的なITスキルに不安があったため,Zoomの接続,録画の見方やMoodleでのテストなどについて,方法を授業中に丁寧に説明し,必要に応じて練習の時間を設けました。

授業中は,学生参加の機会を多くするため,Zoomの投票機能を用いて実験デモに参加してもらったり,質問に回答してもらったりしました。Zoomの投票機能は,質問への回答者の割合を受講者と共有できるため,自分以外の人の反応を知ることができて学生さんに好評でした。また質問タイムを授業中に設けてZoomのチャット機能などを用いて学生の疑問に対応する時間を設けました。大人数授業の場合,ミュート解除して発言することに勇気がいるようで,チャットでの質問がかなり多かったです。また,Zoomのブレイクアウト機能を用いてグループディスカッションを行って学生同士が議論できる場を設けました。2年生以上の履修者がうまく1年生を引っ張って議論を行ってくれたようで,1年生から先輩への感謝のコメントが多く寄せられました。さらに,Moodleで提出してもらったコメントシートにフィードバックすることで学生とインタラクションをはかるよう努めました。

春学期のオンライン授業は異常事態下での学習であることに留意し,学生さんに無駄なストレスを与えないようにしました。具体的にはオンタイムで授業に参加できなくても成績評価に不利にならないように注意し,Zoomでオンタイムに参加しても授業の録画をMoodleでみても出席としてカウントする(結果としてZoomでの出席者が140-150人程度),コメントシートの提出時間を普段よりも延長しその日中とする点などを工夫しました。

環境研究

担当:T・N先生、R・F先生

登録人数:150

時間割:3/M,3/W,3/F

学生からのコメント

「講義に使用するスライドを配布してくださったので、内容を復習したり考え直したりしやすかった」

「いつも質問に答えてくださり、すぐにわからない答えもGmailなどで答えてくださった」

「沢山の先生方が様々な観点から環境についての講義をしてくださったので、視野が広がった」

「プレゼンテーションやディスカッションの機会が多く、オンラインであっても満足感があった」

「I enjoyed having different guest speakers each time. It was interesting to see environmental studies from many perspectives.」

「メール対応やzoomのトラブルへの対応など、教員によるサポートがしっかりなされていた」

「オンライン環境を生かし、たくさんのゲストスピーカーのお話を聞いたり質問する機会を用意して下さり、双方向型の授業がオンライン上でも実現していた」

教員からのコメント

 この授業では、ICUのミッションやリベラルアーツ教育、ディプロマポリシーを踏まえ、学生が、責任ある21世紀の地球市民として健全な自然環境と持続可能な世界を造り出すために何ができるかを考え、自らの行動につなげていくことを目標にしている。そのため、1) 環境課題の多角的な視点を知る。2) そのうえで自分なりの視点を見つけ、主体的に調査・探究する。3) 収集した情報を批判的に捉え、思考し、自分なりの考えを築く。4) グループでそれらを共有し、さらに探究・対話を重ね、その問題を自分事として捉えて、課題解決に向けたキャンパスでのアクションを提案する。5) プレゼンテーションを通し、自らの理解を深めつつ、対話により新たな気づき・学びを再構成する。6) それらの学びを日常的な行動、働きかけ、活動に繋げる。を学修目標としている。そのため、授業は1)~3)を目的とした、環境メジャー担当教員による各専門分野から見た「環境」ついての講義、および実社会で環境に関わる活動されているゲストによる講義を、また4)~6)を目的としたグループプロジェクトからなる、アクティブラーニング型授業を実施している。10年に渡り試行錯誤し、これまでにこの授業をきっかけに、大学に環境配慮の提案をしたり、活動を始めた学生や学生団体がいくつも出てきている。

 3月中旬にオンライン授業が決まったときには、この形態を変える必要があるかと思い愕然とした。が、Zoomの存在を知り、すぐにCTLとIT centerに相談に伺い、サポートを得ながら、このアクティブラーニング型授業の形態を維持しつつ、オンラインでの授業を提供する方法を模索した。基本的には、Zoomで同期型の講義を実施し、グループプロジェクトはZoomのBreakout roomで行うことにした。加えて、これまでからMoodleを使うことはあったが、特に今回はMoodleがプラットホーム的な役割を担った。

 オンライン授業を行うに際し、いくつかの配慮や工夫を行ったので、参考までにここにまとめる。


1)最初の2週間の課題

他の色々な授業から出される課題も想定し、学生に過度の負担をかけないように、しかしこの授業を受講する上でのイントロダクションになるような課題を出した。

1. あなたにとっての環境は? 

2. あなたにとっての豊かさとは? 

3. ナス(写真)が生産から消費・廃棄されるまでにどのように環境に影響を与えるか?

4. 住んでいる家の周り、窓から見える風景といった慣れ親しんだ風景をどう切り取れるか?またその風景は日常生活の環境と、また地球規模の環境とどうつながっているか?

観察した風景を行ったことのない人がわかるように、そして自分の日頃の生活がその風景にどう影響を与えているか、地球規模の環境問題が観察した風景にどう影響を与えているかを考察する。

などである。これらの課題は、資料を読んで内容をまとめるようなタイプの課題ではなく、外出ができず時間があるこのような時だからこそ可能な、自身の価値観を振り返るとともに、自分と環境との繋がりを意識する機会となるような課題とした。提出された課題のフィードバックは、Moodleに、テキストマイニングを用いた分析データをもとに全体に対してコメントしたり、短いビデオを作成しメッセージを掲載して、対話を意識した。

2)Zoomでのディスカッションに慣れるための工夫

 Zoomでの授業を開始してからは、いかに対話をするかが課題であった。講義をしながら問いかけると対面では目があった学生が答えることが多いが、オンラインでは「目が合う」という感覚がなく、主体的に答える学生も言い出すタイミングを計って意見が出にくい状況がある。また意見が出ても、常に学生と教員の対話になりがちで、学生同士のディスカッションがあまりアクティブになりにくい。グループプロジェクトでは、150名を6人ずつ25グループに分けてのグループワークを行ったが、いかにZoomを通した対話に慣れてもらうかが課題であった。

 グループワークではZoomのBreakout機能を用い、まずは楽しく対話する工夫をした。グループは興味ある環境テーマのアンケート調査を行い、1年生、2年生、3/4年生の各学年がバランスよく入るように設定した。1回目のグループワークでは、連絡係、時計係、書記係、発表係などを決めたが、あえてじゃんけんで決めるように提案した。自己紹介に続いて、興味ある環境テーマについての自分なりのイメージをシェアしてもらったが、このときには、A4の紙を4つに折って広げ、テーマに関する自分の持つイメージや探求したいことを4つのキーワードで表し、書いたものを「せ〜の」で見せ合い、Zoomを通しての日常的なコミュニケーションを促し、対話に慣れてもらうように工夫した。コメントシートには、Zoomを通しての初めてのグループワークで、ディスカッションがうまく成り立つのか不安だったが、思ったよりスムーズに楽しく話せたとの声もあった。

 授業内で3度のグループワークを行ったが、グループごとにその日にやるべきことを共有し、積極的な対話がなされていた。また授業時間外でも何度かグループごとにZoomを設定して、対話や作業を重ねていたようである。

3)オンラインだからこそ可能なチャレンジ

 オンライン授業では対面授業とは違う、オンラインだからこそできることもあるだろうと考えた。その一つが現場からの中継である。例えば考古学の林先生に「考古学で見る環境適応と文化崩壊」というテーマで講義をお願いしていたが、ちょうどキャンパス内で発掘作業をされていたこともあり、発掘現場から作業を見ながら講義を中継した。また「自然と向き合う豊かさ〜酒造りを通して〜」というテーマで東村山の日本酒蔵の蔵人さんにお願いた講義でも、教員が酒蔵を訪ね、蔵を案内してもらい、中継でお話をお聞きした。さらに野川公園の自然保護センターで保全活動をされているNPOの方からも、現場から野川公園を歩きながら中継でお話をしていただいた。どうしてもパターンが決まりがちなオンライン授業であるが、メリハリをつけるように工夫すること、特にオンラインの利点を活用することが教員に与えられた役割かと考える。

4)講義後の質疑とオンラインコメントシート

 70分授業で60分の講義を行い、最後の10分を質疑と考えていた。しかし学生からは口頭での質問だけでなく、チャットでもどんどん質問が出され、授業時間終了を告げた後も引き続き質疑が続いた。多くの講義で30分近くの質疑が続いたが150名中60-80名くらいは残っていた。またコメントシートは「出欠のみが目的ではなく、その授業から何を学んだか、どのようなことを考え、疑問を持ったかなど、授業の振り返りであり、学んだことを言語化し、自身の学びを再構成することが目的である」ことを伝え、提出をその日の夜中までにMoodleにuploadするように設定した。驚くべきことに、コメントというより、A4 1-2枚ものレポートを提出する熱心な学生が多くあった。授業後の30分もの質疑がよい振り返りの機会になったものと思われる。普段の授業なら、授業後の昼休みにサークルのミーティングや次の授業があり、じっくりと振り返りをすることが難しいが、コロナ感染拡大で外出ができないこともあり、じっくり授業に集中できたのかもしれない。

5)オンライングループプレゼンテーション

 学期末のグループプロジェクトのプレゼンテーションは、例年、各グループで取り上げた環境テーマについての探求内容とともに、その問題解決に向けた、自分たちあるいはキャンパスでできるアクションの提案をポスターにまとめ、ポスターセッションを2回にわたって行っている。オンラインでは、25グループがそれぞれにZoomを立ち上げて、1回の授業時間に20分ずつ3セッションを行った。それぞれのセッションは6人が3組のペアを作り発表を行い、自分の発表時間以外は他のグループのプレゼンに参加して質疑をし、Peer-evaluationを提出するという、Zoom を用いてポスターセッションを再現した。プレゼンを2回に渡って行ったので、発表者は2回の発表のチャンスがある。プレゼンへの参加は、あらかじめMoodle上で予約し、参加者が偏らないように協力を求めた。プレゼンに参加した学生はプレゼンに対するPeer-evaluationをその日のうちにMoodleにuploadし、教員がそれを整理して、各グループにフィードバックし、学生たちはそれを参考に振り返り、2日目に挑んだ。振り返りではもっとプレゼンを良くするために、Peer-evaluationからの気づきをどのように生かすかを考えてもらった。

 学生から25グループものプレゼンがあるのに、4つしか聞けないのは残念なのでプレゼンをビデオに撮ってそれをMoodleに公開してもらいたいとのリクエストの声が上がり、各グループにビデオ録画を依頼し、Moodleに公開した。

6)最後に

 授業全体を通して、授業開始10分前にはほとんどの学生がZoomにアクセスし、遅刻もほとんどなく出席し、集中して受講してくれていた。Zoomでの授業開始時に、学生に「我々教員もオンライン授業は初めての経験で、どうすれば充実した授業となるのか、対面の時と同等の教育効果が得られるかが課題だと考えていることを伝え、我々もできる限りの工夫をするが、一緒に充実した授業になるように協力してもらいたい」と伝えたこともあってか、Zoomの接続や音声が途切れるなどの不具合、Breakout設定の不具合など、トラブルも何度かあったものの、非常に協力で、主体的に授業を参加してくれている実感があった。学生のモチベーションを維持するためには、平常時からメリハリのある授業を心がけてはいるが、オンラインであればなおさらであり、オンラインの利点、オンラインだからこそできる授業を工夫する必要がある。オンライン授業には対面とは異なる様々な制限があるが、制限された条件下でも充実した授業、教育効果を低下させないための創意工夫、そして学生たちがほとんど外出もできず、一日中自宅のPCなどの前に座り、授業を受け続けているという特殊環境にいることを考慮し、細やかな配慮や授業を楽しめる工夫が求められると考える。

 オンライン授業に関するアンケートでの学生からのコメントは、このアクティブラーニング型授業に対するコメントとオンライン授業に対するコメントの両方が認められる。前者についてはオンラインでこれまで行ってきたアクティブラーニング型授業と同様の授業をどこまで実施することができるかというチャレンジに対するコメントであり、また後者はオンライン授業だからこそできることを実施したいというチャレンジに対するコメントで、いずれも我々としては嬉しいコメントである。しかしこれらのコメントは、学生たちがオンラインという特殊な状況にも関わらず、主体的に真剣に授業に取り組んでくれたからこその結果であると思う。

社会史文献基礎講読

担当:T・Y先生

登録人数:11

時間割:5/TH,6/TH

学生からのコメント

「Moodleのフォーラムの活用や、関連資料のアップロードなど、学生が不自由ないように様々に工夫してくださった」

「『社会史』という講義タイトルから、社会のメインストリームではない部分ついて学ぶことができると期待していた。実際その期待が満たされたの満足している」

「フランスの書物を中心に進めつつも、トピックに関連する日本の事例もにも言及してくださるなど、周辺領域についても学べた」

「最初に『歴史学は問いを立てることから始まる』という観点を提示してくれた。同じ事象も研究アプローチ法によって全く異なった解釈ができるという認識を持ちながら学ぶことができた」

「TAが活躍していた授業だった。質問に答えるだけでなく、その周辺知識も教えてくれたので、夏休み中の学習にもつながると感じた」

教員からのコメント

社会史文献を一冊購入し、受講生全員で丁寧に読み、発表、ディスカッションを行う少人数の講読コースです(受講生13名)。そのため、オンライン授業はZoomを使用し、資料配布、発表レジュメ、コメントシートや課題の提出・共有などはMoodleで行いました。

はじめに、共通テクストの入手方法案内のほか、受講生の通信環境やテクスト入手状況も随時、確認、対応しました(授業のお知らせは、Moodleのフォーラムとメールを併用)。発表者は、フォーラムからレジュメを提出し、学生は各自、授業前にダウンロードする方法を採用。テクストの内容に関して、オンライン・リソースを利用してできる限り調べていただきましたが、図書館利用制限中なので、重要な関連文献などはこちらからMoodleでPDFを提供、利用して、理解を深めるよう心がけました(テクストと受講生の研究関心をつなぐ関連文献も積極的に提供・利用)。課題の分量などは、通常授業と比べて大きな変化はありません。

Zoomでは、適宜、画面共有やチャットを利用。Zoomでの会話に慣れるためには、はじめに自己紹介や研究関心など話す時間を設けることが効果的かもしれません。発表に対してコメントをする役割を学生に分担させる方法もとりました。ディスカッションで、発言のタイミングをうまくつかめないときは、こちらから順番に指名して発言を促すことも意識しました。学生が積極的に発言できるように工夫することが今後の課題です。

リベラルアーツ英語プログラム(Stream 3):読解と論文作法

担当:J・G先生

登録人数:20×2クラス

学生からのコメント

「毎回『今日取り組むこと』『それによって身につく力』を共有してから授業が開始するので、何をすればいいか明確だった」

「エッセイに対するコメントが丁寧で適切。またチュートリアルでも質問に細やかに答えてくださるので、自分に何が足りないのかを客観的に知ることができた」

「質問メールを送るとすぐに対応をしてくださった」

「毎回授業前にその日に使うスライドを示してくれたので予習に役立った」

「先生の講義やセクメとのディスカッションを通じ、どれほど自分に教養が足りていないか自覚したし、それが学びのモチベーションになった」

「コースを通じて、論理的で誰もが納得する文章を書く方法を理解することができた」

「受け身ではなく、学生から積極的に発信していかなければ授業が成り立たないと感じた」

「エッセイでは一つの主張を軸として情報を提示することが求められたので、自分の主張に一貫性を持たせるよう心がけるようになった」

「I am convinced that my English skill has very improved.」

「ひとりひとりに向き合いながら教えてくださり、学生の意欲も向上させてくれた」

「実践的で有益かつ楽しい授業だった」

教員からのコメント

I tried to create a sense of community in the class by having the students collaborate to create class notes for some of the course readings. This was done by having the students work together in small groups to make a set of notes for the section of the reading that had been given as homework. Although this note-taking activity was started in class, the groups were required to work together outside of class to complete their group notes.

Once each group had finished their notes, they copied them to a document which was shared with all members of the class so that all of the students in the class had access to the notes. I did have some concerns that this activity may have allowed some students to have a free ride. However, it seemed that the students felt they had a responsibility to work together to complete their notes, resulting in more communication between the students outside of class, and a greater understanding of the readings.

In addition, as I was worried that the online environment may make some students reluctant to ask me questions, I wanted to ensure that the students felt that I was approachable and willing to assist them in their learning. One way I tried to do this was by changing the way that I provided feedback on their writing assignments. Usually, I provide feedback in the form of written comments on their work. However, in the Spring Term, in addition to my written comments, I also recorded spoken comments using Loom (an add-on to Google Chrome). I felt that this not only allowed me to provide extra explanation to my comments, but also made the comments more personal.

健康科学

担当:M・T先生

登録人数:90

時間割:5/TU

学生からのコメント

「毎授業の始めにコース全体のどこまで進んでいるのかを示してくださり、またその日の授業で覚えてほしいこと、学んでほしいことを簡潔に伝えてくださった」

「ハンドアウトは70分間の授業にふさわしい情報量であり『健康』に対する理解を深めてくれた」

「時世を考えて感染症のトピックを扱うなどの工夫があり、とても分かり易かった」

「課題は、自分が習慣にしたいものを習慣化できるように2週間ほど実践するものだった。これはコースの4つの目標すべての要素を含んでおり取り組み甲斐があった」

「毎週コメントシートに対する回答や補足情報を教員が共有してくれるので理解が深まった」

「授業中のチャットにも、メールでのちょっとした質問にも丁寧に答えてくださった」

「専門のゲスト講師を招いてくださるなど、飽きの来ない内容だった」

「コロナについても取り扱ってくださった。『正しく怖がることの大切さ』に気付かされた」

「Zoomのチャットやブレイクアウトルーム機能を活用して学生同士の意見交換の機会も設けてくださったので、楽しく授業に参加することがでた」

教員からのコメント

授業内容・課題は、学生たちが授業で取り上げたテーマを自分事と捉え、課題を見つけ、日常で実践につなげられることを目指しました。

「感染症」や「心」に関しては専門の先生方にも協力を仰ぎ、学生たちが抱える不安や、疑問に答えられるようにしました。

コメントシートに記載された質問に対しては、翌週に「リプライ」として回答をまとめ、また、他の学生の意見や調べたことを共有するようにしました。

「健康」に関しては、理解と実践が繋がらないことが多いため、それぞれどのような工夫をしているか、ブレイクアウトルームで共有する機会をつくりました。

グローバル時代のアジアの宗教運動

担当:B.E・B先生

登録人数:66

時間割:5/W,6/W,7/W

学生からのコメント

「I went in blind for this class, but it turns out that I enjoyed the content presented in the course, such as the adoption of technology into religion.」

「I could learn about religious communities going worldwide in this class. It wasn't every time something mainstream known by everyone, but it was interesting to learn about them.」

「Making a group project online was very difficult, but I could learn a new way of doing a group project. It was a good experience.」

「様々な宗教的価値観を、現在の状況だからこそ得られる視点で学ぶことができた」

「The readings and the discussion forum were pretty interesting since that created a somewhat usual "classroom-like" feel to this online class.」

「I enjoyed the guest we had for one of the classes, the author of the article we had to read this week. It was interesting to hear about his point and explaining his article with our professor's questions.」

「This course was one of the most creative and interactive online courses that I took this semester. Even you provided it from the opposite side of the earth. I could know many creative and exciting side of religion in Asia.」

教員からのコメント

I prepared all asynchronous lectures for students to watch when it is convenient for them. All lectures were made with Kaltura Capture because it has a few advantages: files are much smaller than Zoom, students have a few options to choose on how to watch (picture-in picture, ppt only, lecturer only, etc.), it generates subtitles that are 90% accurate -- many students are happy about this last point.

I also added a Kaltura Quiz in each video. Questions were very simple, but students can't answer them without watching the video. This also allowed me to take attendance: only those who watched and answered questions within 48 hours counted as present. You can watch any of the videos on the ANT214 Moodle site to get an example.

I opened a Discussion Forum and posted simple questions on current events related to the class. For example: How do Muslims celebrate Rammadan in the times of coronavirus? Students shared interesting news stories from around the world and commented why they found the article relevant. Some students also posted their own questions and others replied. Although the class had more than 60 students, participation was very good. However, it was a lot of work for me to read and answer these postings almost everyday! But it worked well in the sense that it made the class interactive.

Given that I used several readings authored by scholars I know personally, I asked for their help. I interviewed one of them on Zoom and then uploaded the video as a Kaltura Video/quiz. I think it worked very well. I will try to do as many as possible next term. It worked like having a guest lecturer and it only required a 15 minute 'interview' with a colleague of mine. It looked like this: https://moodle3.icu.ac.jp/mod/lti/view.php?id=64609

For 5 readings I also added Moodle Quizzes. These had more serious questions than the weekly Moodle quizzes about concepts discussed in class.

Students were assigned a group project in both of my courses that was titled "Virtual Field Trip". In the GE course, they had to choose a city in the developing world, 'travel' there and prepare a presentation answering questions about housing, crime, employment, poverty, etc. For ANT214, they had to visit a religious congregation and find out what they were doing to adopt digital technologies in the present coronavirus situation. They participated in online prayer groups, Za-zen and Bible study groups in Singapore. I allowed them to choose how to make their final presentation. Some of them really enjoyed being able to design their projects creatively and with flexibility, some final presentations were excellent. Most of them uploaded narrated pdfs, some did videos with conversations between them. My favorite for the GE course was a group that did it on Instagram.

The group projects were really good. If you are interested, I can send you the links to some of them or perhaps you can see them on the Moodle site. Some student groups enjoyed designing blogs like these:


GE projects:

https://bigdurianjakarta.blogspot.com

https://sites.google.com/icu.ac.jp/groupl-vft-to-bangkok-/home?authuser=1

https://sites.google.com/view/society-and-culture-2020/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0?authuser=3

https://drive.google.com/open?id=12-t5NTnrH75-4hOD4HG5n8xbaA17cYH7


ANT214:

https://drive.google.com/file/d/13DAiN6k3LIh0175XoFqWtxrqQeWUf1yJ/view


One more thing: my videos were around 30 minutes long and I felt they were too long and boring, but students told me some of their professors were uploading 90 minutes videos that were just too much. What I tried to do in my videos was only to introduce some concepts, and later give students several different assignments that they had to work on their own or in groups: group project, discussion forum, Kaltura quiz, final essay. Overall, I asked students to submit a lot of small pieces of work, but I think it gave them a good sense of how they were doing in the class and made it feel more interactive.