学生からの
改善希望点
アンケートから抽出した改善希望点と、それに対する解決策のヒントです
授業全般
授業提供方法
授業内容と使用ツールが合っていない
オンデマンド授業は、知識やスキルの習得に適しているといわれています。Quizや課題とくみあわせることで、事前学習や復習用コンテンツとしても活用できます。一方Live配信はディスカッションやグループワーク等双方向のコミュニケーションに適しています。
例えば、通常講義で教員が解説していた内容は短い事前収録動画とし、学生はオンデマンド動画を視聴。ディスカッションやグループワークはZoomを使ったLive配信で行う等、複数のツールを組み合わせることで、通常講義に近い授業が行えます。また、この方法はZoom等Live配信による通信量の増加にも配慮することができます。
学修・教育センターにご相談いただければ、授業内容に即したツールをご紹介することができます。ご相談はctl@icu.ac.jpにお願いいたします。
スライドや資料の共有を行うだけの授業がある
Hybrid/Online授業の実施の際には、資料の配布のみでなく、Live配信やオンデマンド動画の活用することで通常授業に近い形での講義を行うことができます。また、講義の内容に関して、設問解答、添削指導、質疑応答等の機会を確保することで学生の理解をより深めることができます。
◆学生から教員に対する質問の機会を確保する方法
[非同期ディスカッション]
[同期ディスカッション]
◆オンデマンド動画やLive配信の活用
・オンデマンド動画の作成方法 [Kaltura]
海外在住の学生のことを考慮していない
外国から履修する学生がいる場合はオンデマンド授業が望ましいです。難しい場合はライブ授業を録画し、視聴できるようにするなど配慮をお願いします。またコメントシートの提出期限に幅を持たせるなどの工夫も必要です。
ライブ授業
教員のオンライン授業に関するリテラシーや技術不足
突然カメラオンを要求され戸惑った
カメラオンを要求する際にはその理由を明示するようにして下さい。また要求することがある旨をシラバスやMoodle等にあらかじめ記載しておくと、学生は事前準備ができ負担が軽くなります。
(例) 「授業開始時や教員から指示があったときにはカメラをオンにしてください」
「授業中は通信量、データダイエットの観点からカメラはオフで結構です」など
背景の映り込みが気になるという学生にはバーチャル背景の提案も選択肢のひとつです。
板書がないのでわかりにくい
板書の代わりに資料を共有できる方法がいくつかあります。以下のリンクをご参照下さい。
・Zoom注釈(Zoomの画面にコメントやスタンプを書き込む)
タイムマネジメント
授業時間がルーズ(開始・終了時刻を守らない)な授業がある。次のオンライン授業に間に合わないことがあった
通常の授業と同様に授業時間の遵守をお願いいたします。また、次の時間帯に授業が入っている学生にとっては集中力や疲労回復のためにも休憩時間は必須です。 終了時刻には必ず授業を終えるようにして下さい。
長時間にも関わらず休憩がない
集中力・疲労の回復のためにも休憩時間は必須です。 567などの縦型授業の場合、特に休憩時間を意識的に確保して下さい。
その他
部屋を他人に見られたくない
バーチャル背景を設定すると周囲が映らなくなります。学生から相談された場合はこちらのページをご案内下さい。
ICU同窓会やCTL公式Twitter上にて、ICUオリジナルバーチャル背景の配布も行っております。
やむを得ない事情で授業に参加できなかった際に、キャッチアップが難しい
様々な状況や環境に学生が置かれていることを勘案し、ライブ授業も録画をして、Moodle等にアップロードすることををお勧めしています。
Kalturaの録画方法
ライブ授業にも関わらずディスカッションなどがなく、講義形式の授業がある
ICUの学びの中心には常に「対話」があり、これはオンライン授業であっても変わりません。可能な限り双方向性を意識した授業設計をお願いいたします。Zoomのブレイクアウトルーム機能、チャット機能の詳細はこちらです。
ディスカッションなど双方向性がないにも関わらず、決まった時刻に出席をとる
通常講義のように授業開始時に出席を取る方法以外に、Hybrid/Online講義では、以下のような方法でも出欠を確認することが可能です。
・オンデマンド動画のQuizに回答して、出欠を確認する[リンクは後日公開予定]
コメントシートの提出期限が短く、十分に書けないことがある
オンラインコメントシートは学生から「紙での提出よりも時間が取れるので自分の考えをまとめることができ、学びが深まった」と好評です。また時差のある環境から履修している学生のためにも、授業後すぐの提出ではなく、ある程度の幅を持たせて期限を設定するようにして下さい。
オンデマンド授業
ビデオクリップのタイトル
タイトルが「lesson6」「video3」などで内容がわかりづらい
取り上げているトピックや内容が分かるタイトル(「戦後の日米関係」「DNAの構造」 など)をつけるとより親切です。
タイムマネジメント
長時間の非同期型のビデオ(1時間半を超えるものなど)がある
オンデマンド授業は対面授業と異なり、情報提供以外の時間でより多くの課題(情報の収集、ディスカッションなど)が想定されています。短い解説ビデオとその他の課題を組み合わせることを推奨します。
学生アンケートからは「トピックごとに30分以内のビデオクリップにまとまっている講義が集中しやすかった」という意見が寄せられています。
コマ数に対し、極端に授業時間が短い授業がある
オンデマンド授業は対面授業と異なり、情報提供以外の時間でより多くの課題(情報の収集、ディスカッションなど)が想定されていますが、配信ビデオの情報量があまりに少ないと学生は戸惑います。ビデオは15分程度を目安として、他のディスカッションなどと合わせて70分ぶんの授業内容を確保するように心掛けて下さい。
授業の質
動画をアップロードするだけで、議論が全くない授業がある
Hybrid/Online授業の実施の際には、講義の内容に関して設問解答、添削指導、質疑応答等の機会を確保する配慮が必要です。学生の理解をより深めることができます。
◆学生から教員に対する質問の機会を確保する方法
[非同期ディスカッション]
・Moodle フォーラム
[同期ディスカッション]
◆オンデマンド動画やLive配信の活用
プレゼンテーション
コミュニケーションの不便さ
発表時、オーディエンスの反応がわかりにくくて不安
プレゼンテーション中は教員のマイクのみオンにして声で反応を伝えるよう心がけたり、学生にZoomの反応ボタン(「いいね!」や「拍手」など)の活用を推奨すると、学生の不安も軽減されます。順番に学生の代表を選んでリアクション係をお願いするという方法もあります。
黒板が使えないのが不便
板書の代わりに資料を共有できる方法がいくつかあります。以下のリンクをご参照下さい。
・Zoom注釈(Zoomの画面にコメントやスタンプを書き込む)
グループワーク
コミュニケーションの不便さ
5人以上になるとストレスに感じる。誰がリードしたり、まとめたりするかで時間がかかって本題に進まない
学生アンケートの結果を総合すると、グループワークのサイズは5人以下が適当なサイズのようです。
グループワークをオンラインでやるのは非常にやりづらい。その場の空気を共有したり、手元の資料を見せたり、一緒に検索したり、身振り手振りで話したりできない
対面での授業のようにグループワークを行うことは難しいですが、オンラインの特徴を生かして複数のツールを組み合わせることで様々なグループワークに対応できます。
Zoom(手元の資料やPC画面を見せる等、視覚的でライブ型のグループワークに向いています)
Google Driveでファイルを共有(共有ファイルを同時に編集することができるので、プレゼンテーションファイルの同時編集やレポートのピアレビュー等に向いています)
Moodle Forum / Slack (文字情報やファイルの共有に向いています。また少し時間をかけてアイディアをまとめながら書き込めるところが学生に好評です)
ディスカッション(ライブ)
コミュニケーションの不便さ
非言語コミュニケーションが伝わりにくい
学生にZoomの反応ボタン(「いいね!」や「拍手」など)の活用を推奨してみて下さい。代表がリアクション係をするという方法もあります。
カメラをつけていない学生の状況がわからない
当初からカメラオンを要求されることが明示されている授業にも関わらず、カメラオフにしている学生にはその理由を聞いてみても良いかもしれません。
ただ、カメラオフの理由は様々で、中には過酷な環境や脆弱なネット環境で授業を受けているためオンにできない学生もいます。必ずしも授業参加に消極的であるとは限らないという点も学生に伝えていただければと思います。このような情報はCTLからも学生に発信していきたいと思います。
人数が多すぎる・少なすぎる
学生アンケートの結果を総合すると、オンラインディスカッションの人数は5・6人が適当のようです。
また「3・4人で分けられたが、入室はするものの議論に参加しない(できない)学生などがいて、結局2人で話していた」というケースも報告されています。 ディスカッションがうまく機能しないグループについては教員やTAが移動を促すなど臨機応変な対応をお願いいたします。
ディスカッション(フォーラム)
コミュニケーションの不便さ
人数が多いため全員のテキストを読むのが大変
フォーラムや課題、コメントシートの投稿の際に一定の文字数制限を指定することを推奨します。
Moodle上で学生が入力時に文字数のカウントが可能です。
課題
分量が通常より増えた
平均的な履修単位数かつ通学時間がなくなったにも関わらず、日々課題に追われている
今回のアンケートからは、教員と学生の春学期の課題量の認識に差があることが浮き彫りになりました(学生の方が多く「通常より増えた」と感じているようです)。
コース目標の達成に必要な課題を減らす必要はありませんが、慣れない環境下で勉強している学生がいることを考慮しつつ、課題量を設定していただければと思います。
また、言語学の教員から米国のライス大学が公開している「Course Workload Estimator」を紹介していただきました。適切な課題量の試算が可能ですので、ぜひご参考になさってください。
課題を把握しづらい
Moodleに課題情報がアップされた通知が来ない
新たなコンテンツが追加された時や、レポートの締め切りのお知らせなどを、Moodle コースの一番上に配置されている「アナウンスメント(Announcement)」でタイムリーにお知らせを出すことをおすすめします。
詳しい方法についてはこちらをご覧下さい。
Moodle上の情報量が多く、追いにくい
コース内リンク(コンテンツの見出し)を作成する、Topicのタイトルに日付を入れることで情報を整理することができます。
またGoogle ToDo リストを使ってタスク管理をする方法もありますので、相談を受けた場合は適宜学生にご案内下さい。
口頭でしかアナウンスがない
Zoom などでのアナウンスは、特に学生のネットワーク状況が悪かったときなどに聞き逃してしまうことがあります。音声での情報伝達が苦手な学生もいますので、テストやレポートの内容や締め切り次回の授業範囲など重要な情報は、テキスト情報でもわかりやすく提示してください。
Moodle コースの一番上に配置されている「アナウンスメント(Announcement)」でお知らせを配信すると、メールでお知らせが届き、その内容がMoodle上にも蓄積されるので、わかりやすいと思います。
詳しい情報はこちらをご覧下さい。
宿題の提出方法(メール提出、Moodle提出、フォーラムへのコメント書き込み等)がまちまちで混乱する
講義の受け方(Zoom配信やオンデマンド動画の視聴等)、課題の提出方法は受講生にわかりやすいように、MoodleやGoogleClassroomの上部に記載をお願いいたします。
情報共有
情報提供方法が教員によってまちまち
Moodle掲示、資料内に記述、授業内でアナウンスなど、情報共有方法が教員によってバラバラで、どこに行けば参照できるのかがわからない
講義の受け方(Zoom配信やオンデマンド動画の視聴等)、課題の提出方法は受講生にわかりやすいように、MoodleやGoogleClassroomの上部に記載をお願いいたします。
オンライン授業のURLや、授業資料・動画の公開期限、コメントシートの提出締切時間などがはっきり提示されていない
講義の受け方(Zoom配信やオンデマンド動画の視聴等)、課題の提出方法は受講生にわかりやすいように、MoodleやGoogleClassroomの上部に記載をお願いいたします。
授業ごとにzoomの入り方が異なる(毎回IDが変わる授業、曜日によってIDが変わる授業、初回からIDが変わらない授業等)
Zoom Meetingの作成は、各講義ごとにMoodleのActivityからZoom Meetingを選択して作成をお願いいたします(説明リンクは後日公開します)。
最新情報をMoodleの最上部に載せる教員と最下部に載せる教員がおり、混乱する
講義の受け方(Zoom配信やオンデマンド動画の視聴等)、課題の提出方法は受講生にわかりやすいように、MoodleやGoogleClassroomの上部に記載をお願いいたします。
またコース上部にコース内リンクを作成すると目次のようになり、視覚的に見やすくなります。
体調不良
身体的不調
腰痛・眼精疲労・頭痛・耳鳴りがある
これらの症状は、不活動、姿勢の悪さなどに起因する場合もありますが、その他の疾病の可能性もありますので、不調が続く場合は医師の指示を仰ぐよう伝えて下さい。
保健体育科の教員から以下の情報をいただきました。
[保健体育科教員からのコメント]
モニタを見るときに首は前に出て姿勢が悪くなるため、壁に沿って「気をつけ」をした姿勢になったときに、後頭部で後ろにある壁を押すようなイメージで、首を正しい位置に戻してみてください。
椅子に座る姿勢は、立位の1.4倍、腰椎に負担がかかるので腰痛にも注意です。血流にも影響します。同じ姿勢でいないことが大切ですので、休み時間は、立って部屋の中を歩く、踵上げ、伸び、腕振りなどを行いましょう。
ラップトップのPCであれば、段ボールや棚を利用して立位で目線の高さにおけるようにし、立って受講するのも良い方法です。
ヘルスケアオフィスから以下の情報をいただきました。
オンラインで作業をする際に役立つポイント(厚生労働省)
ヘッドセットの影響で耳の付け根に負荷がかかる
根本的な解決方法はありませんが、以下のように対処されている先生がいらっしゃいました。
軽量なヘッドセットを右のみ、左のみと一定の時間で交互に使うようにする
ヘッドセットではなくマイク付きイヤフォンを使う
精神的不調
ストレスを感じる
カウンセリングセンターでは精神的な不調に関して専門のカウンセラーが個別のオンラインカウンセリングを行っています。申し込みの連絡はICUのアドレスから、online-counseling@icu.ac.jpまでお願いします。それ以外の一般的な問い合わせに関してはicu-counseling@icu.ac.jpで受け付けています。
保健体育科の教員から以下の情報をいただきました。
ストレッサーの種類は様々ですので、原則的には専門家が個別に事情を聞く必要があります
軽い運動がストレスを低減することは知られているのでウォーキング、ジョギング、ストレッチ、スローエアロビックのような軽運動をお勧めします
日本運動疫学会の声明文の中で有益なリンクが紹介されています
ヘルスケアオフィスから以下のサイトを紹介していただきました。
経済的負担
プリントアウトの負担
コミュニケーション不足
教員とのコミュニケーション不足
教員とコミュニケーションが取りにくい
学生アンケートからは以下の取り組みが好評でした。
オンライン授業後に一定時間教員が残り、質問受付の時間を取る
オフィスアワーを設け、時間中はZoom内で待機する
Moodleのフォーラム機能を活用して質問に回答する
SlackやGoogle ClassroomのStreamを活用して質問に回答する
学生間のコミュニケーション不足
横のつながりが生まれにくい
Moodleのコース内に学生が自由にコミュニケーションの取れるフォーラムを作成することをお勧めします。教員に聞くほどではない些細な質問などがピアのアドバイスによって解決するケースも見られます。
機器・ネットワーク
ネットワーク
家族もテレワーク・オンライン授業で通信量が足りない
こちらに対策がまとめられています。学生から相談を受けた際にはご紹介下さい。
中国からアクセスできないコンテンツがある
Google classroom、Google driveなどのGoogle社が提供するサービスは中国からアクセスすることができません。そのため先生方には極力Moodleを使っていただくようお願いしております。
Youtubeなどで代替がきかない教材に、学生からアクセスができないと連絡があった場合には、VPNサービスの利用を検討するようお伝え下さい。
Gmailが中国から使えない
Google社が提供するサービスは中国からアクセスすることができません。学生からGoogle関連サービスが利用できないと連絡があった場合には、VPNサービスの利用を検討するようお伝え下さい。
受講環境
授業を受講する環境にない
過酷な環境(テント・公園・締め切った部屋・風呂場・玄関・ベランダなど)で受講している
秋学期から、通学可能な学生については大学構内の教室でオンライン授業を受講することが可能になります。一方で遠隔地を中心に、学修環境の整備が難しい学生も一定数残ると考えられます。
教員の皆様は、過酷な環境や脆弱なネット環境で授業を受けている学生がいることを念頭に置きつつ、授業を進めて頂ければと思います。
その他
コースのキャンセル
今学期はコースのキャンセルが多く履修計画が狂った
コースキャンセルは学生の履修計画に大きな影響を与えます。非常時ではありますが、可能な限りキャンセルを回避する方策を探っていただければと思います。この点については今後もCTLから学内に発信していきたいと考えています。
図書館
教科書
教科書の購入が困難。大人数の授業の教科書はAmazon等でも売り切れてしまう
学修リズムの乱れ
モチベーション維持やタイムマネージメントが難しい
学生アンケートからは「コメントシートや課題提出の〆切が毎週同じ曜日・時間のコースはリズムが保つことができて良かった」という意見が寄せられていました。
学生に対してはGmailやGoogleカレンダーと連動したタスク管理ツール「Google ToDoリスト」を紹介しています。