シラバスデザイン

シラバスデザイン

CTL鄭 仁星(教育学教授)
執筆年:2017年 肩書は執筆当時のもの

シラバスとは

シラバスは、コースの内容が記されたものであり、学生とのコミュニケーションのツールでもある。よって、コース受講を通して得られる知識やスキルを把握できるよう、コースの概要、学習目標、スケジュール、評価方針を提示する必要がある。これは、学生のモチベーション維持にも貢献する。

また、シラバスを作成することは学生(受験生を含む)と教員双方にとって重要なことである。ICUでは、毎学期の最初の1週間は履修変更が許されている。そのため、シラバスをもとに学生が履修を判断することも少なくない。

よってシラバスは以下の手助けとなる。

学生

・履修計画

・学習目標の把握

・履修のための予習

教員

・コースのマネジメント

・教育理念やコース内容、課題や成績に関する情報共有

・指導改善

受験生

・ICUのコースの理解

Jay Parkes と Mary B. Harris (2002)はシラバスの役割を1)契約 2)記録 3)学習ツールとしている。

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効果的なシラバスを作成するには…

1)論理的根拠のもと、作成する:学生を引きつけるシラバスには、「なぜこのコースは面白いのか・重要性なのか」といったことが理由づけられて説明されている。これを含まないシラバスは学生のモチベーションを下げかねない。学生を引きつけるためには、できるだけ詳しくコース内容を記載することが必要である。

2)コースを詳細に説明する:シラバスには、コースの構造や内容、また、学生に期待するものが詳細に記載されていなければならない。こうした説明を含めることで、コースに対する学生の不安や誤認を事前に防ぐことができる。無論これは、シラバスは長いほどいいという訳ではない。むしろ、コースの目的や内容、評価方法、スケジュール、教員の連絡先、コースの方針がはっきりと簡潔に述べられているべきである。コース計画を作成する際は、ICUのシラバステンプレートを活用してほしい。

3)見直し・改善を行う:最初から完璧なシラバスを作成することはできない。コース終了と同時に、次回のための改善や情報の更新を行うべきである。下記のPDCAサイクルを参考にしてほしい。

・P (Plan):学習目標とスケジュールを設定する

・D (Do):シラバスを使い、授業を行う

・C (Check):学生や他教員を通し、コースの評価を行う

・A (Action):評価をもとに、コースとシラバスの改善を行う


シラバス作成

ICUでは、シラバスには以下のことが記載されていることが求められている。

・コースの説明

・学習目標

・週ごとの内容

・アセスメント・評価の基準と方法

・課題や試験の予定日

・教材情報

・指導言語

・授業外学習時間

・教員情報


シラバスのテンプレートも用意されているため、ぜひ参考にしてほしい。

ICUシラバステンプレート (PDF)

・ICUシラバステンプレート (DOC)

*最新のシラバステンプレートに関してはこちらをご参照ください。

参考資料

  1. シラバス・チュートリアル(ミネソタ大学)

  2. シラバスデザイン(カリフォルニア大学バークレー校)

  3. 効果的なシラバスの作成について(コーネル大学)