アドヴァイザーからの助言は、学生の人生に影響を与える契機となります。
本学では、入学時より専任教員(助教以上)がアドヴァイザー(指導教員)として学生一人ひとりについています。アドヴァイザー制度に関する詳しい内容は、ehandbookをご参照ください。
リベラルアーツ教育の使命は、グローバル社会の一員として自ら考え、責任ある役割を果たせる人材を育成することにあります。そのためICUのリベラルアーツ教育では、全人教育に重きをおいています。ICUコミュニティの一員である先生方には、学生の抱える学問、就職、その他に関する悩みに専門的かつ思いやりのある助言をすることが求められています。アドヴァイザー制度の主な目的は、学生がそれぞれの専門領域を発見していけるよう積極的にサポートすることにあります。アドヴァイザーは、学生が自らの探究心より専門領域を発見し、“自発的学修者(intentional learners)”となるようにサポートすることが求められます。これらの目的を達成するため、以下にガイドラインとしていくつかの事柄を列記いたしましたので、参考にしてください。
1. 履修登録日に学生はそれぞれのアドヴァイザーと面談し、新学期の履修計画の確認及び承認を得ることが義務づけられています。そのため、アドヴァイザーとなっている教員は、履修登録当日に自らのオフィスで待機することになっています。アドヴァイザーは、各学生が前学期に何を学び、それが総合的学修計画にどのように生かせるのかを尋ねるようにしてください。もし学生が中長期的な学修計画を立てていないようでしたら、より長い視野で学修計画を立てるように促してください。また、新学期に履修する科目がいかにその学修計画に沿ったものであるのかも併せてお尋ねください。学生が様々な学問分野に触れることは非常に重要ですが、同時に、学んだことに一貫性を持たせることも必要であるからです。
※学生は、自身の学びの振り返りとしてアカデミックプランニング・エッセイを書きます。これはicuMAPに蓄積されますので、アドヴァイジーのエッセイに目を通し、登録日の指導に役立ててください。
2.受講単位数の制限規則、登録変更について学生との確認を行いましょう。特に、GPAが2.0未満の学生には特別の注意を払い、標準単位数を超えての履修を承認しないようにしてください。また、登録変更期間後には登録の変更を行えませんので、アドヴァイザーは変更期間内に登録変更を済ませることを学生に伝えてください。
標準受講単位数、登録変更期間の詳しい内容は、ehandbookをご参照ください。
3.学生の成績や健康状態に配慮し、登録履修科目数や単位数の調整及び指導をお願いいたします。3学期間続けて、もしくは合計で4学期間GPAが1.0未満の場合、学生は除籍になる可能性があります。そのような場合、学生とよく話し合い、成績不振の原因を探るように試みてください。時には、学生に学修・教育センター、カウンセリングセンター、ヘルスケアオフィスなどへ相談に行くように勧める必要もあります。
4.学生がアドヴァイザーの専門外に関する履修科目の相談を必要としている場合は、その科目に詳しい教員を紹介し、その教員と早急にアポイントメントを取ってください。
5.登録日の時間には限りがありますので、学生が何か問題や質問を抱えているようであれば、後日改めてそれらについてゆっくり話し合うようにしてください。また、このような場合には学生にただ「今度また来なさい。」と言うのでなく、できるだけ時間や場所などを具体的に決めるようにしてください。
※Low Grader (LG)学生への対応について:成績不良学生への初期対応はアドヴァイザーの重要な任務の一つであり、学修・教育センター(CTL)でもサポートが可能です。アドヴァイジーの中にLG、LGではないがLGに順ずる成績不良学生、GPAが急落した学生、その他支援が必要と思われる学生がいる場合、レジ日の面談では特に時間を割いて丁寧に当該学生の状況を把握するようにしてください。その際、icuMAPに掲載されている学生のエッセイ(入学前エッセイなど)を予め目を通しておくことをお勧めします。
Low Grader (成績不良者) の定義に関してはこちらをご参照ください(教務グループ)
<参考(動画)>
アドヴァイジングについては、米国National Academic Advising Association(NACADA)によって作成された“Core Values of Academic Advising”について理解されておくと良いでしょう。
この“Core Values”は学生、同僚、組織、社会そして自らのために果たさなければならない使命を自覚するために作られたものであり、アドヴァイザーとしての指針ともなります。
なお、メジャー制度下で学ぶ学生を対象として、メジャーについて包括的で最新の情報を提供し、学生が自身の学修に関する主体的な判断をするための支援を行うアカデミックプランニング・サポートがあります。アカデミックプランニング・サポートの詳細については、こちらをご参照ください。
アドヴァイザーは学生の抱える修学上、生活上の問題に対し配慮するよう心がけてください。学生が目標を見いだす手助けとなり、彼らが大人として成長する過程で直面する無数の問題を解決していくことに対し、常に敬意と理解を示すようにしてください。うつなどの精神的問題や健康上の問題には特に慎重に対処し、必要があれば学内のカウンセリングセンター、ヘルスケアオフィスに行くことを勧めてください。学生の同意が得られれば、電話予約をとってあげましょう。精神的問題は、初期段階で発見、対処されれば、よりよい結果を期待できるものです。もちろんアドヴァイザーは自らの能力を超えて行動する必要はありません。もし、何か気付いた点があれば、カウンセリングセンター、ヘルスケアオフィスの専門家に相談するようにしてください。個人のプライバシーに関わる問題でもあるので、アドヴァイザーは連絡の方法にもご配慮ください。
学生の父母などの要望により面談を行ったり、こちらの必要に応じて父母や身元保証人に連絡を取る場合があります。そのような場合、学生に対する守秘義務を守るよう配慮してください。デリケートな問題を本人以外に話す際には、学生本人の許可を取るようにしてください。
教員は週に 2 時間以上、アドヴァイジーが自由に訪れることのできるオフィス・アワー(研究室等に必ず在室する時間帯)を設けることになっています。特に、Late Registrationや登録変更期間は、学生がアドヴァイザーの助言や署名を必要とします。また、学生が休学、復学、留学、退学する際にもアドヴァイザーの署名が必要となります。アドヴァイザーの署名が得られない場合、例外的にデパートメント長がアドヴァイザーの代わりに署名を行うことがあります。
オフィス・アワーの変更がある場合には、下記URLより必ず更新してください。
https://campus.icu.ac.jp/icumap/InstructorTop.aspx
アドヴァイザーは、学生が奨学金申請、留学、就職、大学院進学などを行う際に推薦状を書くことを求められます。推薦状に具体的で適切な情報を盛り込むために、学生との面談を行ってください。どのような場合においても、教員が学生に自らの推薦状を自分で書いてくるよう指示してはなりません。また、就職に関する推薦状は、必ず就職相談グループを通すように学生に指導してください。学生には、急な推薦状の依頼を避け、教員が余裕を持って準備できるように配慮をするよう日頃から伝えておくことが望ましいでしょう。