デジタルリテラシー(以下DL)とは、「わたしたちが日々アクセスし生み出し続けているデジタル資源を、解釈し、評価し、理解し、管理、活用、制作する能力」のことです。
社会の変化にともない、識字能力としてのリテラシーが、デジタルツールを活用した情報デザインを含む実践的な能力として捉え直されています[1] 。
また、コンピューターリテラシー、ICTリテラシー、情報リテラシー、メディアリテラシーの能力を含む総合的な概念とされています[2]。
ユネスコは、「Digital Literacy Global Framework(以下DLGF)」において、DLの能力を7つに分類しています(右図)。DLGF や関連する先行研究 [3] [4] から、世界各国のDL育成の文脈で重視されている主な能力が、(1)批判的思考、(2)デジタルツールを活用した創造的問題解決(協働を含む)であることが示唆されます。
DLは「デジタルツールを活用して思考を外化し、他者と共有し、批判的な省察を加えながら発展させていく能力」であるといえるでしょう。
大学初年次教育の文脈にあてはめると、デジタル時代におけるコミュニケーションや協働を円滑にするためのリテラシーであり、これからの研究者にとってのスタディ・スキルであると位置づけることができます。
[1] C.M.ライゲルース, B.J. ビーティ, R.D. マイヤーズ 編(2020)『学習者中心の教育を実現するインストラクショナルデザイン理論とモデル』, pp176-181, 北大路書房.
[2] UNESCO(2018)『A Global Framework of Reference on Digital Literacy Skills for Indicator 4.4.2』, Information Paper No.51.
[3] NMC(2017)『2017 Digital Literacy Impact Study』, Horizon Report.
[4] 森本洋介(2014)『メディア・リテラシー教育における「批判的」な思考力の育成』, 東信堂.
最終更新日:2021.05.07