中1学年の先生!
☆先生のおすすめ本を教えてください☆
☆依頼・取りまとめ☆
図書委員 3C 藤代莉実
(2025年度 前期)
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★菱山浩一 先生★
(音楽)のおすすめ本 『誰でも簡単! 世界一の4:6メソッドでハマる 美味しいコーヒー』
粕谷哲 著
毎日のコーヒーが最高の一杯に!「4:6メソッド」で君もバリスタの仲間入り!?
コーヒーを淹れるのがちょっと上手な音楽の菱山です。私の人生を大きく変えたとっておきの一冊を皆さんに紹介します。
普段あまり本を読まない人も、コーヒーを飲まない人も、きっと読み終わる頃にはこの本の魅力に引き込まれているはず!
その本とは、粕谷哲さんの『誰でも簡単! 世界一の4:6メソッドでハマる 美味しいコーヒー』(自由時間サプリ)です。
驚くほど美味しいコーヒーが、自宅で淹れられるようになる!
この本の最大の魅力は、なんといっても「美味しいコーヒーが、誰でも簡単に淹れられるようになる」という点です。著者の粕谷哲さんは、アジア人として初めてワールドブリューワーズカップで優勝した経歴を持つ、まさにコーヒーのプロフェッショナル。そんな彼が考案した「4:6メソッド」という抽出方法は、驚くほどシンプルなのに奥深く、レシピ通りに実践するだけで、今まで飲んでいたコーヒーとは全く違う、感動するほど美味しい一杯を自宅で再現できるようになります。
「自分でコーヒーを淹れるなんて、ちょっと難しそう…」と感じる人もいるかもしれません。でも、この本を読めばそんな心配は無用です。
特別な器具をたくさん揃える必要もなく、手軽に始められる工夫が満載。
朝、自分で淹れたコーヒーが美味しいと、それだけで一日が彩り豊かで鮮やかに感じられますよ!
「挑戦すること」の大切さを教えてくれる一冊!
この本が教えてくれるのは、美味しいコーヒーの淹れ方だけではありません。実は、「挑戦することの大切さ」も学ぶことができるんです。
私自身、コーヒーの競技会に出始めた頃は、なかなか思い通りの味が出せずに試行錯誤の連続でした。
豆の挽き目を変えてみたり、使う水の銘柄、お湯の温度を1℃ずつ微調整してみたり…。
それでも諦めずに色々な方法を試していくうちに、少しずつですが、確実にコーヒーを淹れる腕が上がっていくのを実感できました。
この経験は、日々の勉強や部活動にも通じるものがあると感じています。最初から完璧にできることなんて、ほとんどありません。でも、うまくいかなくても諦めずに挑戦し続けること、そして改善策を考えて実践することで、私たちは確実に成長していきます。
真剣に向き合うことで、「挑戦すること」の楽しさと、そこから生まれる成長の喜びを思い出させてくれたのが、この本です。
「再現性」の高さに目からウロコ!
そして、この「4:6メソッド」のもう一つの大きな特徴が、「再現性の高さ」です。このメソッドは、感覚に頼るのではなく、シンプルながらも明確な手順が確立されています。だからこそ、誰が淹れても、何度淹れても、安定して美味しいコーヒーを淹れることができるのです。
例えば、友達に「この前淹れてくれたコーヒー、すごく美味しかったから、また淹れてほしい!」と言われた時に、前回と同じように美味しい一杯を提供できる。これは、ただ美味しいものが作れるだけでなく、その品質を安定して提供できるという点で、非常に画期的な考え方です。
この「再現性」という概念は、コーヒーの世界だけでなく、学校の実験レポートのまとめ方や、プレゼンテーションの構成、さらには日常生活の様々な場面にも応用できる、とても大切なスキルになるはずです。
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『誰でも簡単! 世界一の4:6メソッドでハマる 美味しいコーヒー』は、美味しいコーヒーを淹れる技術だけでなく、挑戦する心、そして物事を論理的に捉える「再現性」という考え方まで、私たちに多くの気づきを与えてくれる一冊です。
音楽と美味しいコーヒーで毎日をドラマチックにしていきましょう。
★加藤雅子 先生★(国語)のおすすめ本【 POPで紹介!】
『坊っちゃん』夏目漱石 著
★平岩翔太 先生★(社会)のおすすめ本
『サピエンス全史』ユヴァル⁼ノア⁼ハラリ 著
本書では、なぜ人類がほかの生物を差し置いて地球上の支配者となったのかを、人類の誕生以来の歴史からひも解いていきます。
個人的に気に入っているポイントは古代世界における人類の発明として宗教が紹介される部分です。日本人にとってあまりなじみのない宗教ですが、人々を結びつける機能という面に注目すると新たな視点を持つことができ、非常に興味深いです。
本書においては人類のターニングポイントとして他に農業・中央集権・科学革命といったトピックを紹介しています。中学歴史や歴史総合で世界史に興味を持った人におすすめの一冊です。
★松丸慶汰 先生★
(英語)のおすすめ本
『暇と退屈の倫理学』國分功一郎 著
たとえば、魚釣り。
魚がほしいならスーパーに行けばいいのに、人はわざわざ釣りに出かけます。
釣れるかどうかもわからないのに、道具をそろえ、朝早くに町を出て、長い時間をかけ海や川でじっと待つ。餌を変えようか?投げ方を変えようか?あれこれ考えてみる。それでも釣れない。 なぜそんなことをするのでしょう?
本当にほしいのは、魚ではないのです。
「退屈だなあ」
誰しもが直面する厄介なような、心地良いような、そんな感情。
ゲームをしても、動画を見ても、なんだかつまらない― 暇に退屈した人は何かを消費することに必死です。すると、こんな問いにも出会うのです。
「あなたの“好き”は、本当にあなたの中から生まれたものですか?」
もしかすると、SNSや広告、まわりの空気や得体のしれない何かに流されて、「これが好きに違いない!」「私はこれがやりたいんだ!」と、そう思わされているのかもしれません。
「私って何が好きなんだろう?」
考えてみたい人に、ぴったりの一冊です。
★佐藤桃子 先生★ (体育)のおすすめ本 『嫌われる勇気』
岸見一郎, 古賀史健 著
本屋さんに行ったときにすぐ目につき、題名もインパクトがあって、読んでみよう!と思って買いました。 誰もが直面する人間関係の悩みや、自分が他人からどう思われるのかが気になったり、嫌われないようにふるまってしまうといった悩みに、アドラー心理学を基にした対話形式で応えてくれる、大変読みやすい本です。
★吉村 渉 先生★
(英語)のおすすめ本
◆『影法師』
百田尚樹 著
◆『三国志』
吉川英治 著
◆『英語教師のための第二言語習得論入門』
白井恭弘 著
◆『影法師』百田尚樹 著 侍の二人を描いた小説。恋沙汰もあり面白いですよ。自己犠牲の一つの在り方を学ばせてもらった小説です。あっぱれ!
◆『三国志』吉川英治 著 現代の小説とちがって少し難しい表現もあります。が、全く気にならないくらいストーリーに引き込まれます。しかも、情熱が底から湧いてきます。一読あれ!
◆『英語教師のための第二言語習得論入門』白井恭弘 著英語の教員になるにあたって幅広く知識や考え方を身につけられました。また、とてもわかりやすく一冊目に最適な本でした。英語の先生になりたい人はぜひ読んでみてください。Read!
私がこの本を読む前に題名を見て思ったことは「宇宙はやべーことが沢山で作者もやべーとしか言いようがなかったんだろうな」という共感でした。私自身も宇宙の話は好きでよく情報集めをしているのですが、そんな私から見ても宇宙は「やべー」としか言いようがありません。
なぜなら宇宙は、私たちが普段何気なく使っている「やべー」という言葉がたくさんの意味を持っているのと同じように、宇宙も沢山の顔や星を持っているからです。宇宙をいっしょくたに言うことは不可能に近いですが、せめて言うなら『宇宙とは我々地球人の常識が全く通用しない場所である』ということだけです。例えば、宇宙には沢山の星がありますがきっと誰もがブラックホールというものを聞いたことがあるはずです。ブラックホールも星のひとつですが、そんなブラックホールに近づいたらどうなるか、気になったことはありませんか?
広大で果てしない宇宙にも寿命があると知ったらどう思いますか?宇宙が終わるときのシナリオはどうでしょう?
この本はそんなやべー宇宙のほんの一部の、沢山の話をまとめているのです。 図書委員4E 小沢 理杏 (2024年度)
『この人を見よ!歴史をつくった人びと伝 「手塚治虫」』
突然ですが、皆さんはよく漫画やアニメなどを見たりするでしょうか。
今や日本を越えて世界中で親しまれている文化であるこの2つは、日本人なら一度は見る機会があると思います。
では、そのアニメや漫画を今のようなかたちで、文化として確立した人が誰かご存知でしょうか。もちろん、答えはたくさんあると思いますが、僕はこの質問をされたら絶対にこの人物の名前を挙げます。それこそがこの本のタイトルにある手塚治虫です。『鉄腕アトム』や『ブラックジャック』の作者として知っている方も多いかと思いますが、実は今では当たり前になっている映画的な描き方でストーリーのある漫画や、30分アニメを最初に作ったのも手塚治虫です。それまで漫画は、子供向けの本として舞台を見ているときのように画角が一つしかなく、2コマや4コマが普通でした。また、今のように30分アニメを毎週放映するというのも、当時は、仕事量的に考えて不可能だと言われていました。この本の中ではそんな手塚治虫の60年という短く起伏に富んだ人生が詳しく紹介されています。 図書委員4G 工藤 光之佑 (2024年度)
高校教頭 古川圭介先生より
『大人のための印象派講座』
三浦 篤 著
印象派の印象が変わる1冊!
豊富で広範な情報に基づいた解説が素晴らしい、現・大原美術館 館長の著作です。
著者は東大名誉教授なので、文章は学術的で少し固めかもしれませんが、大変面白いです。 (2024年度)
**豆知識** 大原美術館とは…
日本初の西洋美術中心の私立美術館
で、倉敷美観地区(岡山県倉敷市)の一角にあり、所蔵の美術品のみならず建物や庭も含め、たいへん見どころの多い美術館です。倉敷を基盤に幅広く活躍した事業家の大原孫三郎が、前年死去した画家児島虎次郎を記念して1930(昭和5)年に設立しました。
https://www.ohara.or.jp/
★市ノ瀬邦彦先生★(英語科)のおすすめ 『お探し物は図書室まで』 宮地 美陽子
☆ 依頼人 ・ インタビュアー ☆ 図書委員
1B大野正冬(2024年度)
私がおすすめする本は、『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)です。自分の娘と妻がこの本を読んでいて、二人ともとても面白かったと感想を述べていたので、きっと間違いがないと思います。2021年度本屋大賞で2位を獲得したので、読んで損はないはずです。
この本は、町の小さな図書室を舞台に、立場も年齢も異なる5人の人々が出会い、成長していく姿を描いた作品です。
物語は、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、悩む人々に適切な本を選んで後押しするところから始まります。彼らはそれぞれの問題や悩みを抱えて図書室を訪れ、司書さんのアドバイスを受けながら、新たな視点を得ています。例えば、学業に悩む中学生や、仕事に疲れたサラリーマン、孤独を感じる高齢者など、さまざまな人々が登場します。表向きの構造は、「読者に本との出会いの大切さを伝えるもの」に見えますが、むしろ、いろいろな点で人生がうまくいってない人たちが徐々に現状を打破していく様子に心動かされますし、司書さんが選ぶ意外な本が絶妙な形で登場人物を後押しする展開に「お、そうきたか!」と思わずうなってしまう点がとても気に入った本です。
特に他人とのつながりなどで悩んだり、そこまでいかなくても「自分はもっと、ああだったらいいのに」と思うことって誰にでもあると思います。そんなときに私たちに絶大な勇気とヒント、自分を変えるきっかけを与えてくれると思います。
ぜひ、『お探し物は図書室まで』を手に取ってみてください。
☆市ノ瀬先生にインタビュー☆
1年生の学年部長であり、生徒に親しまれる市ノ瀬先生に本にまつわるエピソードをお聞きしました!
「妹さんの言葉」…市ノ瀬先生が大学生の時、妹さんに「食を削ってでも本を買え」と言われたそうです。その言葉は、本を読むことは簡単で生活にいらないものでなく、食べることと同じくらい大事なことであるという意味だそうです。
市ノ瀬先生はこの言葉から、本を読むこととは、自分のため、学習のために読むのではなく、自分が楽しむことであるということを学んだそうです。みなさんも市ノ瀬先生のように、自分の楽しみのために本を読みにぜひメディアセンターに足を運んでみてください!
★近藤 亘先生★
(地歴公民科)
のおすすめ本
『首都防衛』
宮地 美陽子
☆依頼人☆
図書委員 3B 後藤 啓希
(2024年度)
日本で暮らしていれば、季節を問わず何らかの自然災害に遭うリスクをともなう。暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火といった自然災害と常に隣り合わせである。そのため、平凡な日常が一瞬にして失われてしまう自然災害に対して、われわれは日頃から災害リスクを認識し、あらゆる事態を「想定」する必要がある。そこで、大きな示唆を与えてくれるのが東京都知事政務担当特別秘書を務める宮地美陽子氏の『首都防衛』(講談社新書)である。この本は発刊以来大きな話題となっていたことから昨年の年末年始にかけて読み、私の防災・減災意識がさらに高まる契機となったので紹介したい。タイトルに「防衛」とあることから他国からのミサイル攻撃やテロなど安全保障に焦点をあてた本かと思ってしまうが、著者によると国家・国民を脅威から守ることに主眼に置くならば自然災害に対する対応も「防衛」という言葉がふさわしいと述べている。実際、令和4年12月に出された「防衛力整備計画」(国家安全保障会議決定及び閣議決定)では、防衛力の果たす役割の中に国民の生命・身体・財産を保護することを目的に自衛隊による大規模災害等への対応が掲げられている。つまり国は今後想定される大規模災害への対応は国家防衛だと位置づけていることになる。このような国の大規模災害への危機感に対し、皆さんは自分自身が遭遇するかもしれない自然災害リスクを積極的に認識し、最悪の事態を想定した備えが出来ているでしょうか?ちょうど101年前の大正関東地震によって起こった関東大震災は1923年9月1日午前11:58に発生した。当時は木造家屋が中心であり、また昼食時でもあったことから大規模な火災が起こり、多くの犠牲者が出たといわれている。しかし、次の地震は全く同様の条件とは限らない。震源地、地震の規模、発生時刻、季節などにより様々な被害が想定される。この本を読むことで皆さんの防災意識がさらに高まり、自分や家族、そして地域社会の防災・減災に役立てて欲しいと期待している。
★岡野 優佳 先生★
(理科)
のおすすめ本
『少女』湊 かなえ
☆依頼人☆
図書委員 2A 橘 玲那
(2024年度)
今回は湊かなえ作の『少女』をお薦めします。私は『告白』で有名な湊かなえさんの作品が大好きです。登場人物それぞれの視点からみる斬新な物語の展開、最後にゾッとくる内容に強く惹かれます。その中でもこの『少女』という作品は、衝撃を受けました。冒頭は謎の遺言という手紙から始まります。その後、転校生がきっかけで「人の死」に興味をもつ2人の女子高生の話が始まる…。人の死をみたくなり、夏休みにそれぞれ老人ホームと小児科病棟でボランティアをする。少女2人の視点からこの夏休みをみていくストーリー展開がまさに湊かなえらしいが、実はこれは表のストーリー。いつの間にか裏のストーリーが少しずつ繋がっていき、気がついた時には読むのを止めることができなくなるはず!!冒頭の遺言の意味は何か。
私も「世間は意外と狭い」と思う事が多々ありますが、このお話ではより感じることができます。
そして何より、何気ない自分の発言や行動がどう周りに影響するのかを考える良いきっかけになると思います。ぜひ、この衝撃を体験してほしいです。
★杉本 由香里 先生★
(国語科)
のおすすめ本
『たゆたえども沈まず』原田マハ
☆依頼人☆ 図書委員
3B 池田 ちひろ
(2024年度)
「ひまわり」などの作品で有名な画家のゴッホですが、「ひまわり」の印象とは逆に、なかなか壮絶な人生を送ったのを知っていますか。最後は銃で自らを撃ち、37歳でなくなっています。。
そして、ゴッホはパリの店で浮世絵に出会い、日本画に影響を受けたことでも有名ですね!
そんなゴッホを描いた『たゆたえども沈まず』をおススメします!
美術界を舞台にしたアートミステリーが得意な原田マハさんの作品で、ゴッホと弟のテオ、実在した日本人画商の林忠正が登場します。
ゴッホの死んだ部屋を見たいという謎の日本人研究者のシーンではじまり、壮絶なゴッホの人生と日本人との関わりなど…世界観に入り込みマハワールドで一気読みできてしまう作品です。
★越 朋美 先生★
(家庭科)
のおすすめ本
『乱反射』貫井 徳郎
☆依頼人☆
図書委員 2E 吉田小春
(2024年度)
強風で街路樹が倒れ、側を歩いていた女性が押していたベビーカーに直撃し、最愛の息子を失うことになった夫婦。被害者でありながら、新聞記者でもある父親は、息子の死を事故で片付けることができず、独自の取材を開始します。つきとめた息子の死の真相は、街路樹伐採の反対運動、街路樹の診断を怠った業者、担当業務を途中で止めた市役所の職員、飼い犬の糞を放置する老人、救急外来を利用する大学生など、誰にでもあるちょっとしたモラル違反・怠惰・身勝手な行動による罪の連鎖でした。これらが法では裁くことのできない殺人に繋がっていたこと=誰もが犯罪者になり得ることを知った時の衝撃はとても大きかったです。ラストの父親の叫び(この叫びの真意が、この物語をさらに引き締めています。)も忘れられません。この小説は長編ですが、次々と展開されるその内容に引き込まれ、あっという間に読み終えてしまいました。日常生活に潜むモラル違反について考えてみませんか。
★田邊 時久 先生★
(地歴公民科)
のおススメ本
ビギナーズ・クラシックス 『万葉集』
☆依頼人☆
図書委員 2A 王 梓伊
(2024年度)
今回私が紹介するのは角川ソフィア文庫のビギナーズ・クラシックス『万葉集』です。私は今、社会の先生として日本の歴史を教えていますが、歴史を教える先生になるにあたって、大学進学時に1つ心に決めていたことがあります。それは授業の中でその時代の人々の心に触れる授業がしたい、というものでした。とはいえ、同じ時代を生きる人の気持ちや考えを伝えるのと違って、歴史上の人々は記録が残されていないとそれを知ることは容易ではありません。この『万葉集』は、『古今和歌集』などと異なり、防人の詠んだ歌や東歌など、皇族や貴族以外の市井の人々の歌が含まれているのが特徴です。この中には、額田王と大海人皇子の微妙な関係を示すような歌や、処刑された大津皇子を思う姉の大伯皇女の心情が伝わる歌、妻に先立たれた柿本人麻呂が妻を想って詠んだ歌など歴史の授業に出てくる人物の心を感じさせる歌や、人々の心情がありのままに詠まれている歌がたくさんあります。こうしたものを読むと、千数百年前の人々も、今の私たちと変わらない一人の人として、時空を超えてその心に共感をすることが出来ます。みなさんもぜひ手に取って、古代の人々と心を通わせてみてはいかがでしょうか。ぐっと歴史が身近に感じられることと思います。
★黒沼 千鶴先生★
(国語科)
のおすすめ本
『童話物語』向山 貴彦
☆インタビュアー☆
図書委員1A 奈良 星璃
(2024年度)
あなたは世界が滅びるべきだとおもいますか?
この本『童話物語』は、そんな恐ろしい問いをめぐって繰り広げられる一人の少女ペチカと妖精フィツとの物語です。この本は黒沼先生が「中高生のうちに読んだ方が良い」と、おすすめしてくれました。
黒沼先生は友達に紹介されて高校生の頃に読んだそうで、人の心の動きがすごくよくわかる点、人同士が関わって成長する点にとても感動できるそうです。
人前で泣くことが大嫌いな黒沼先生ですらこの本にあまりに感動し、電車の中で泣き出してしまうほどだとおっしゃっていました。ちなみに黒沼先生の好きなキャラはフィツだそうです。ファンタジーが好きな人、感動したい人、黒沼先生が好きな人はぜひ読んでみてください!
★芝原 真琴 先生★(理科)
のおすすめ本
『星の王子さま』サン=テグジュペリ
☆依頼人☆
図書委員 3C 大原 陽香
(2024年度)
私のおすすめの1冊は『星の王子さま』です。この本と出合ったきっかけは中学受験の過去問でした。特にこの頃は天体が好きだったこともあり、タイトルにも惹かれていたのかもしれません。単なる国語の問題の中の1つのだと思いながら解き進めていくととても奥深い内容なことに気づき、1冊丸々読んでみたいと思って購入をしました。内容は、王子さまが住んでいるとても小さな星で大事にしていた1輪のバラとケンカをしてしまった王子さまが、様々な星を訪れる中で色んな人や考えに触れて大事にしていたバラへの愛や責任に気づいていくという話です。この本にはいくつかの名言がありますが、その中でも私は、王子さまが地球に来て仲良くなったキツネに言われた、「さあ、オイラの秘密を教えよう。すごく単純なことなんだ。それは、心でしかものはよく見えないってことだよ。いちばんたいせつなものは、目には見えないんだ」というセリフがこの中に愛や生き方への思いが込められていると感じられて好きです。このセリフは、バラは宇宙で1輪しかないと思っていたのにも関わらず地球に来てたくさんのバラを見てショックを受けた王子さまが、たくさんのバラと王子さまのバラとの決定的な違いをキツネに気づかされた後に言われるセリフです。
この本を子どもが読んだ感想と大人が読んだ感想では大きく違うと思います。どの世代でも読める、大事なことに気づかせてくれる本だと思いますのでぜひ読んでみてください。
★松原 亜沙美 先生★
(国語科)
のおすすめ本
『自由死刑』島田雅彦
☆依頼人☆
図書委員 2E 藤波 桃々
(2024年度)
ページをめくるたびに指先までピリピリするような、体の内側の動きを明確に意識させられるかのような「生」の感覚。高校時代の私がそれを鮮烈に感じさせられた作品、それが島田雅彦作『自由死刑』です。一週間後に自らを死刑に処すことを決めた青年が「その日」を迎えるまでの緻密な記録。それはどこにでもある日常で、誰もが少しずつ抱えている薄暗い空白で、越えてはならない一線の先にある、誰もが知らない時間の流れ。読み終えた瞬間、きっとあなたは「死にたくなくなります」。
大学生になり「自由」となった私は、作者・島田雅彦先生の講演を聞きに行くことに。作品の語り口を現実に耳にできた貴重な体験も、帰りのエレベーターで先生と鉢合わせ、握手していただいたなんて偶然も、私が今、この道を歩めている原動力の一つなのかも。
自分自身の、本の中の誰かの、そして、その先につながる様々な人達の「生」を感じるような刺激的な非日常体験、あなたもご一緒にいかがですか?
技術・家庭科 下川慎太郎先生より
『信長のシェフ』 梶川 卓郎 著
「戦国時代」×「料理」タイムスリップしたら1568年(永禄11年)だった!?!?
記憶を無くした主人公のケンだが、料理の知識だけはなぜか覚えていて、いつの間にかあの「織田信長」の料理頭に!?木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)や徳川家康をはじめ、戦国時代を彩った個性豊かな武将たちに巻き込まれながら、苛烈で血生臭い戦国時代を得意の料理で生き抜いていくケンの様々な葛藤とそれを乗り越えていく姿をぜひ読んでみてください。
(恋愛♡要素もちょっとだけアルヨ!!) (2024年度)
下川先生のおすすめ★『信長のシェフ』は、週刊漫画TIMES 4/12号掲載(3/29発売号)の最終話で完結!
本図書館には年度末に1巻~9巻が入りました。今後、シリーズを順次そろえていく予定です。
(全巻所蔵 2025.7追記)
国語科 松浦奈穂先生より
成瀬あかりは変わった中学生だ。探求心と行動力にあふれている。周りがどう思おうと関係ない。「200歳まで生きる」、「M-1に出てお笑いの頂点を目指す」と自分が思ったように突き進む。友人の島崎はそんな成瀬の行動に巻き込まれながらも、その行く末を見届けたくて離れられずにいる。果たして成瀬の野望は叶うのか?
一方で、成瀬が投じた石の数々は、思わぬところで人々の人生を動かしていくことになる。成瀬のように自分の思いに正直に生きてみたい、と思う人は多いはず。もしかしたら少しぐらいならできるかも……。そんな勇気をくれる一冊。「やりたいならやったらいい。」成瀬の声が聞こえる気がする。2024年本屋大賞受賞作品。続編『成瀬は信じた道をいく』も刊行。 (2024年度)
英語科 松田※万里阿先生より
「成功」の定義は人それぞれですが、みなさんは誰もが平等に与えられた24時間を日々どのように過ごしているでしょうか。技術革新に伴い、毎日の生活は昔よりもはるかに便利になりましたが、それと同時に、効果的な時間の使い方が昨今問題になってきています。中学・高校というかけがえのない青春の時間を何に費やし、夢に向かってどのように過ごしていくのかを考えるきっかけになる1冊です。※ 当時
大手コンサル会社で解雇寸前から社内1%のS評価を得るまでになった著者が、成果を出す人の頭の中にあるピラミッドのイメージ…「具体・抽象力」について、クイズを通してその思考パターンや思考力アップのノウハウを披露。62のドリル問題は実践形式で「具体化思考」と「抽象化思考」の階層だてや、「相違思考」や「分析思考」による比較、分析の仕方まで平明に解説されていて、頭の中にあるピラミッドのたくさんの引き出しのどの階層にどの情報を格納するかの整理整頓力も鍛えられます。さあ、情報弱者の「おじいちゃんにスマホの便利さを比喩で伝え」るなら、あなたはどんな説明をしますか?
1984年に初来日したコアラ。日本各地の動物園のコアラたちも代替わりし新しい命をつないでいます。ユーカリを食べ樹上で暮らし、1日の大半を寝ることと食べることに費やすのんびり屋さんのイメージで謎につつまれていたその生態が、近年の研究で明らかになってきました。本書は豊富なカラー写真とともにコアラのヒミツを丁寧に解説しています。ぬいぐるみのようで一様に愛らしいその顔やお尻の模模はみんな違っていて実は個性的。何を考えずとも見開きいっぱいのコアラにほっこり癒されます。
偏り・歪み・思い込み、世の中はバイアスだらけだという、情報文化研究の第一人者である著者。
情報”過多”の社会を賢く生きる術とは?
バッシングが起こる原因「公正世界仮説」とは?
とりあえず選ぶときに真ん中を選びがちになる「極端性の回避」「松竹梅効果」とは?
認知バイアスに陥らないために必要なのは、賛成・反対のいずれにしても「論点」を3つ挙げる「論理的思考」の習慣によって、コミュニケーションが各段にスムーズになるといいます。本書を読んで、自分の頭で考える術をつかみましょう。
幼い頃から物静かで引っ込み思案、「男らしくない」と気に病んでいた著者の野島智司さんは、雌雄同体でスローペース、自在に殻に引きこもるカタツムリに親近感と憧れを感じてきたといいます。そんなカタツムリの不思議で驚きに満ちた生態が愛情たっぷりにつづられる本書。”ぬるぬるネバネバ”粘液の謎や、休眠中に用いる殻のフタの高性能な秘密とは?著者の手書きイラストにもほっこり♡カタツムリの生き様から経済効率優先の私たちのライフスタイルを見直すヒントが見つかるかもしれません。
美しい写真とスケッチで巡るレトロな宿の探訪記。
大学院で建築学を学ぶ傍ら、日本文化の継承をめざしてWEBサイトを運営する著者の吉宮晴紀さんは、幼少期から家族で各地を旅行し、様々な宿に宿泊。その数なんと100軒以上!
長い時間を経て育くまれた宿の風情は、一朝一夕には叶いません。今もなお見学したり宿泊したりできること自体が奇跡的ともいえる、そうした「ときを感じる宿」をじっくり堪能してみませんか。
いざ小説を書こうと書き始めてみても、途中で「やる気がなくなり完結できない」、せっかく書いた原稿も「いつも同じ設定」で「キャラの魅力が乏しい」…そんな人のためにネタづくりからプロット作成、キャラや世界観の設定、文章術など、製作のコツを物語形式で解説しています。「作品のテーマなんて後付けで良くない?」「長編が苦手なら連作短編でいいみたい」…目次をながめているだけでも書けそうな気になり、自分史、シナリオ、マンガの原作作りなどにも役立つ一冊です。
カラー図版を多用し、浮世絵とは? にはじまり、ジャンル、技巧、歴史、絵師、版元をわかりやすく説明した基礎知識編と、美人画、役者絵、名所絵/風景画、花鳥画、武者絵、風刺画、化け物絵の各ジャンルの特徴紹介編、そして押さえておきたい人気絵師と名作解説編の3編から構成されています。
版元の項では、今年の大河ドラマ『べらぼう』の主人公、蔦屋重三郎が取り上げられ、浮世絵が当時の流行の今を伝える重要なツールであり、蔦重がその庶民文化の立役者であったことがうかがえます。
浮世絵初学者にとっても頼りになる一冊です。
この本は、鳥たちがいくつもの意味のかたまりを組み合わせて言葉(意味を持つ伝達手段)で会話している、ということを解明した鳥語研究の第一人者によるエッセイです。イラストも全て著者の手によるもので、研究対象の「シジュウカラ」をはじめ、とにかく鳥たちへの愛にあふれています。何かを「好き」「楽しい」と思う気持ちを大事にし、日常のふとした疑問や驚きを丁寧に観察し根気強く検証し、心から楽しんで取り組むからこそ、世界中の人の共感を呼び起こすことができるのだと気づかされます。自ずから伝わるワクワクや感動は、鳥好きもそうでない人も、また理系文系を問わず読んで楽しめると同時に、研究とは何かというヒントがもらえます。
本校の選書ツアーでもお世話になっている紀伊國屋書店新宿本店で、25年間文学書売り場に立ち続けてきた元店員の小出さんが語る、人気作をめぐる珠玉の裏話の数々。日々変動する発注数の見極め、様々な会社の書店員さん達が連携する応援ペーパーの存在、外国文学フェア驚きの作戦、東日本大震災発生当日の夜の秘話等々、一人でも多くの人に推し本を読んでもらいたいという、書店員さん達の熱い思いがあふれるベストセラー回顧録です。
臨場感たっぷりの楽しいイラストや漫画で飽きずに読める、池上彰さん監修の「最強のピンチ脱出マニュアル」です。章ごとに「危険生物」「自然・災害」「ケガ・事故」「犯罪」「身の回りの危険」からの災難回避術について、解説しています。
先日も大雨に見舞われた首都圏。そういう場合の避難のタイミングは、「カサをさしてもぬれるどしゃぶりで、道路に水たまりが広がる時」だといいます。ぜひ、一読を!
宗教にからんで争いが収束しない世界の現状に心をいためている方も多いと思います。宗教とは、文明構造の基礎、「発達した大脳皮質が産んだ、不安と欲望をコントロールする叡智」という、宗教学の研究者で麗澤大学でも教鞭を取られていた保坂先生が、三大宗教の基本と歴史を、地図と写真、イラストでわかりやすく解説。揺れる国際情勢の流れがスーッと頭に入る一冊です。
暑いと疲れやすいのは、自律神経が脳の温度を下げるために、発汗や呼吸器に多くの指令を出して脳への負担が増しているせいだと、疲労研究の第一人者の著者はいいます。「飽きた」「眠い」は脳からのSOS、「飽きた」と感じたら休憩を!
睡眠の質が究極に上がる「脳を冷却する呼吸法」や、疲労軽減4大成分を効率良く摂取する食事術等、ぜひ本書で科学的に正しい疲労回復法を学んで、猛暑を乗りきりましょう。
日本史に登場する歴史的人物の「なぜ?」を取り上げ、地理の視点を用いながら読み解けば、史実の全体像が浮かび上がり、10倍楽しくなるという本書。「地形・気候」「貿易・産業」「農業・工業」「人口・まちづくり」「宗教・文化・民族」という地理の5大カテゴリー別に、駿台予備校講師の著者が解説。
手始めは、ペリーの黒船来航。さて、背景にある日本史のミステリーとは?
「アジェンダ agenda」「オーディオ audio」「モニター monitor」……現代生活に欠かせないこれらの言葉がラテン語だと知って驚きました。そんな身近なラテン語は実は格言の宝庫だそう。「carpe diem(カルペ・ディエム/一日を摘み取れ)」は、激動の古代ローマ時代の詩人・ホラーティウスが、「今日一日を大切に。今この瞬間を楽しんで!」という意味を込めた警句。語感とリズムが良いですね!ローマでは、「carpe diem」と書かれたマグネットが土産物屋の定番だとか。自分の心情・信条にフィットするmy格言を本書で探してみてはいかがでしょうか。
小学生の頃からお父さんが買ってきてくれた『時刻表』を毎日朝から晩まで眺めるのが大好きだったお笑い芸人の吉川正洋さん。「この駅とこの駅を結んだら便利!」という素朴な発想から妄想が膨らみ、架空の「吉川急行」の社長になりきります。
”吉急”の路線を構想し、”吉急”計画予定地の実地調査にも出かけちゃいます。車両のパースや制服に名札まで製作、東急電鉄社員との座談会ではアドバイスまで!自分の夢や憧れを膨らませて理想の人物になりきる楽しさを形にしていく過程をぜひ味わってみてください。
悲しみと静かな怒りをたたえた男性の表情にハッとして手に取った本書。いとうせいこうさんは、8年にわたってハイチや南スーダン、ガザ地区、ヨルダン川西岸地区などで「国境なき医師団」の活動を見て現地で感じたことを発信してきました。難民の人々から直接丁寧に話を聞き、「今ある世界の過酷さの根源」に向き合っていきます。バングラデシュには住む場所を追われたロヒンギャ難民が100万人近くもいると知り衝撃を受けました。夜更けのキャンプに銃声が響くことも。私たちにできることは、まずこうした事実を知っていくことだと痛感する一冊です。
小手先の対人スキルや心理学的アプローチで日常抱える人間関係を乗り切るのではなく、人としての在り方や考え方の根本を見つめ直し、自分(人間)の心の動きやクセを知って、自身を省みることで少しずつでいいから相手を思う気持ちや真に周囲と調和する利他の心、感謝の心を育てることの大切さを説いています。マンガで分かりやすく、傍目の「いい人」疲れを卒業して、真に信頼される人間関係を築き、人生の好循環を創出するための自分育て、心育てへの一歩を踏み出す気づきをくれる良書です。
著名な演劇評論家が、歌舞伎の310作品を丁寧に解説。1作品見開き2ページで「物語」(あらすじ)や「みどころ」(鑑賞のポイント)を中心に「芸談」「成立」「初演・作者」「蛇足」と、項目別にコンパクトに紹介。観劇前の鑑賞の手引きとしてだけでなく、広く歌舞伎の世界にふれられる手軽な演目事典としても有用です。夏に定番の「四谷怪談」「番町皿屋敷」「牡丹灯籠」など、ちょっと涼しくなれる 日本の古典文化に触れつつ、世界の諸芸能と比較してみるのも一興です。
この辞典は手のひらサイズのミニ版ながら、うれしい、くやしい、うらやましい、つまらない、…など気持ちをあらわす多くの類語・類表現と使用例を2500項目掲載しています。日常の何気ない表現も、別の言い回しをすることで、ちょっと素敵に感じたりすることってありますよね。 相手の心を打つ豊かな語彙力と表現力を身につければ、自身の日常がより豊かなものになります。スキマ時間に好きなページから摘まみ読みもでき、読み物としても楽しめます。
フランツは暖かい野の朝、谷間で「ハルロオ」と呼びかけ、木精の答えを聞くのが好きだった…時を経て気づくと木精は死んで…? …文豪の名作に現代のイラストレーターが自由な感性でイラストを添える、絵本感覚のコラボレーションシリーズ「乙女の本棚」第34弾に、森鷗外の名作が新たな息吹を与えられ蘇りました。美しい装丁画でも人気の高いシリーズで、いとうあつき氏の絵で鮮やかに現代リミックス。お気に召したら、ぜひシリーズ読破を!
「世界史」は、私たちの「先輩」にあたる過去の人々が作り上げてきたユニークなストーリーにふれ現代に応用可能なところを学べる科目。東大の入試問題には、そんな世界史のおもしろさが遺憾なく発揮されていると現役東大生の著者は言います。選りすぐりの東大過去問「大論述」10題について、「講義編」「演習編」「章のまとめ(解答例)」の3部構成で徹底解説。本書を読めば、「知識を詰め込むことよりも、持っている知識を関連づけて解を導く能力の高さを重視」する東大のアドミッション・ポリシーを真に理解できるようになるのではないでしょうか。
2022年時点の日本の絶滅危惧種は3,716種。そのうち半分以上は植物で、「秋の七草」でおなじみの「キキョウ」も絶滅危惧種と知って驚きました。草地の管理が放棄され、生命力の強いススキに取って代わられている可能性があるのだとか。代表的なものから、珍しい種まで100種以上が貴重な写真とともに収録されています。清楚で可憐、気品ある維管束類、南方の風景に欠かせないシダ類、「ピンクの色っぽい幽霊?」菌従属栄養植物など、摩訶不思議な希少植物の世界をぜひ、味わってみてください。
難しそうに感じてしまう「憲法」。『声に出して読みたい日本語』でおなじみの齋藤孝さんは、「『憲法』を知ることは、あなたがどんな権利を保障されているか知ること」、「『憲法』は不安な社会を照らしてくれる羅針盤」だといいます。本書では、「憲法」を章ごとに区切り、かみ砕いて解説。各章の冒頭には、原文と書き下した現代語訳をセットで収録。イギリス、ドイツ、アメリカなど海外の憲法も「コラム」で紹介。比較してみるのもおすすめです。楽しみながら憲法について学んでみませんか。
黄色いカステラを物欲しげに見ている白い子犬がか可愛くて手に取った本書。29名の豪華な作家陣が古今東西の文学に登場する「忘れられない一品」を切り口に読書体験を描きます。くどうれいん氏に「書くこと」を開眼させた武田百合子『ことばの食卓』の「枇杷」。藤野可織氏を妄想に駆り立てるブローティガン『西瓜糖の日々』の「西瓜糖」。枝元なほみ氏が伊藤比呂美さんとの交流を織り交ぜてつづる、石牟礼道子『苦海浄土』の呪文「カカヨママタケ」とは?作家陣一人ひとりのバックグランド、憧れ、心ときめく瞬間が珠玉のように連なる食にまつわる作品集です。さて、みなさんは今何が食べたいですか。
近年の物価上昇に加え、トランプ関税で特に米の流通が滞り価格が高止まりしていますが、そもそも物価とは何ぞやと改めて考えると、意外と何も知らないことに気づきます。本書では「経済の体温計」といわれる物価について、変動の要因、金融政策との関連、金利や生活への影響、インフレ・デフレ、失業率との関係等々を分かりやすく図解しています。「物価が上がると借金をしている人が得をする」…このしくみ説明できますか?さまざまな角度から物価を考察して、経済への理解を深めてみませんか。
お笑い芸人、霜降り明星のせいやの半自伝的小説です。中学時代、お笑いで人を楽しませる人気者のイシカワはいつも仲間の輪の中心にいましたが、高校入学と同時に壮絶ないじめを経験することに。自らの置かれた状況や心理、周囲や親への思いや考え方の描写がリアルでヒリヒリと切なくてやるせない。そして、いじめへの立ち向かい方、コントでの乗り越え方が素晴らしい。また、どんな状況でも母の愛はとても偉大で、大切なものだと再認識します。
多様な文化的背景をもち、日本史、法社会学史が専門で、哲学にも造詣が深い、ジェイソン・モーガン麗澤大学准教授と作家で予備校講師、歴史系YoutuBer の茂木誠さんとの対談がまとめられた本書。まず、日本人にとって、「哲学」が難解、無用と思われがちな根本原因が、歴史、語源をさかのぼって解き明かされます。初心者でも大丈夫!深遠な学識、経験から紡ぎだされるお二人の視点はユニークかつ多面的、丁寧でやさしい語り口に思わず引き込まれることでしょう。さあ、「世界を読み解くカギ」を見つけに出かけませんか。
青少年に生物学の面白さや楽しさを体験してもらう生物学オリンピック。その国内予選や世界大会で出題された、植物の解剖学・生理学に関する問題を難易度別に紹介します。植物体の成り立ちから、栄養吸収、環境応答までを写真やグラフ、図形とあわせて丁寧に解説したうえで、コラムでさらに深く掘り下げます。傾向と対策、さらに世界の潮流についても学べる一冊です。
歴史や地理、公民からなる社会科で学んだ知識は、よりよい社会を実現していく武器になると著者はいいます。中学生時代からロボットコンテストに出場していた優秀なエンジニアの卵だった人の例を挙げ、「ロボット配送」支援事業立ち上げの際には、地方自治体との連携が欠かせず、社会科で学んだ国やまちの成り立ち、社会のメカニズムが大変役立ったとのこと。学校の学びを社会で活かすヒントがいっぱいつまった本書。「暗記が大変だから社会が苦手」というみなさん、試しにご一読してみてください。
会話の中で四字熟語がスラスラ出てくると「デキる人!」と一目おかれる気がしませんか。そんな四字熟語の世界観をあじわうための本書。この一冊で、現国、古典、漢文、日本史、世界史、仏教、時事問題、流行語まで幅広く網羅。テーマ別に、意味、用例、類語、一口メモにて解説します。イワイヨリヨシさんのゆるめだけどインパクトが大きいイラストが楽しく、ことばの意味がイキイキ伝わってきます。ぜひ、自分好みの推しの四字熟語を見つけて、周囲の大人にそらんじてみてください。
あのヨシタケシンスケさんが、日常のちょっとしたひとコマから、先の未来を見通すような場面まで、私たちの身に起こりうるさまざまな事柄を「そういうゲーム」と見立てて、想像の空間に案内してくれます。なじみの絵とともに、誰しも経験があるような過去の記憶にクスッとしたり、人生や生き方に客観的な視点をそえてくれたりと、奥深い絵本です。
トランプ氏が米大統領に返り咲いて以降、何かと騒がしいアメリカですが、そのアメリカの「今」を、分かり易く図解する教養書です。多様なキーワードから覇権国アメリカを総合的にとらえ、歴史・政治・宗教などの基本情報から、軍事・学術研究・カルチャー・ビジネスなど世界トップクラスの分野、さらに人種差別・格差、銃などの暗部や、日米関係の過去・現在・未来にも言及していて、今後の世界の動向を考えるのに役立ちます。
「感謝にはパワーがある。感謝で奇跡が起き現実が変わる!」と、精神科医で260万部のベストセラー作家でもある樺沢紫苑さんは力説します。学術的な根拠を踏まえたくさんの事例を盛り込んで、世界初の「感謝の教科書」を書きたいという樺沢さんの熱い思いが、感謝に根ざしたコミュニティづくり・ビジネスマッチングプロデューサーとして活躍する田代政貴さんの思いと響きあいます。「感謝する人」が夢を実現する法則を体系化し、「感謝思考」を積み重ね、「感謝の三段階」を経て「感謝脳」に至るまでを、誰でもが再現できる方法として提示します。なんとなく「感謝」は大切だと思って慣習的に「ありがとう」と言っていた日常から、感性を研ぎ澄ませて、夢の実現への一歩を踏み出しましょう!
米の価格が高騰している日本。2021年度の食料自給率はカロリーベースで38%!カナダ233%、オーストラリア169%、アメリカ121%、フランス131%、ドイツ84%、イギリス70%、イタリア58%、スイス50%、韓国33%……諸外国の数値と比べるとその低さが際立ち慄然とします。1965年の日本の食料自給率は73%あったとか……この60年間に何があったのか。フランス、ドイツ、イギリスも努力により低かった自給率を改善してきたとも。著者の小泉武夫さんは、東京農業大学の名誉教授で、2021年度まで農水省の全国地産地消推進協議会会長を務め、農業再興に向けたアイデアも豊富にお持ちの方。食べ物のことは、成長過程のみなさんに大きく関わる大切な問題です。ぜひ、自分事として読んでみてください。
やわらかいタッチの模式図とともに人体の構造や形、器官どうしの立体的なつながりをイメージしやすく、苦手な人でも感覚的に理解しやすく解説していて解剖学の基本を学ぶのにピッタリです。細胞、組織、器官等の二次元的なつながりがわかってきたら、層ごとの模式図を見ながら奥行きをイメージしましょう。本書をお手本に自分でも描いてみたり、自分の体を観察し、指を曲げて、神経、筋肉、関節の協調運動を意識してみたり、サイダーを飲んでみる。甘くてシュワシュワ美味しく感じる第一ステップは、舌に1万個あるという味蕾(みらい)のおかげと気づいたり。解剖学にふれると、自分の体がいつもと違って奇跡の連続に感じられることでしょう。
元公立高校教員の著者の涌井兄弟いわく、21世紀のエネルギーや環境、情報の問題を考える際、人間の創り出した「モノ」の”すごい仕組み”を理解することは必要不可欠だと。そんな「モノ」の中から100項目を厳選しカラー図解で解説する本書。身近な文房具「付箋」は、開発過程で偶然できてしまったはがれやすい「失敗作」が元となっているとのこと。「ムダ」や「失敗」の定義を一度疑ってみても良いかもしれません。「タワークレーン」「耐震・制震・免震構造」「自動改札」「電子レンジ」「ポテトチップスの袋」「生体認証」「ⅤR・AR」…気になるページからめくってみてください。身近な「モノ」に秘められた驚きの技術に感動必至の一冊です。
友だち、家族、学校、恋愛、SNSでの人間関係についてモヤったり、人との距離感に悩んだ経験が誰しもあるのではないでしょうか。スクールソーシャルワーカーとして日々中高生の困りごとに向き合ってきた著者は、同調圧力、毒親、性的同意、スマホルール…等々の起こり得るエピソードを題材に、モヤモヤの原因や自分と他者の間の越えてはならない境界線「バウンダリー」の引き方・対処法を読者の目線から丁寧に読みといていきます。本書についても、どこから読んでもどう使うかも読者が決めてよいというバウンダリーは「私が決めていい」の小さな積み重ねで守られていく、という言葉が印象的です。
先日本校でご講演くださった気象予報士の斉田季実治氏から寄贈されました。気象学の必要性、気象の異常、気象災害から身を守る方策など、気象学を一から丸っと学べる一冊です。斉田さんの夢は「宇宙天気予報」を確立することだといいます。「太陽フレア」など宇宙空間で起きる現象がわたしたちの生活に大きな影響を与えることがわかってきた昨今、正確な予報を出してわたしたちの生活を守りたいという斉田さんの熱い思いが伝わってきます。ぜひ、本書を読んで、天気図の読み方など、そのコツをつかみ、生活にいかしていきましょう。
古代から現代まで、医学の発展に貢献した研究や取組み、医学者・科学者について「身体を知る」「病気を知る」「身体を診る」「感染症に挑む」の4章立てで紹介。今では身近な医療も、医学者・科学者一人ひとりの思いや努力、失敗と成功、柔軟な着想から結果を導くロジカルシンキングによる「ひらめき」が積み重なって今の私たちの生活に繋がっていることがよく分ります。例えば「花粉症」の最初の医学的記述は、1819年イギリスのボストックによる目と肺の周期症状の報告で、1910年にはヒスタミンの発見、翌11年には花粉症の予防的接種療法の開始とありますが、抜本的な解決策が今も待たれます!
変化が激しい社会の中で学び、身につけなければいけないのは国語力…「思考力」「推論の力」「ことばの力」だと著者の今井むつみさん。慶應義塾大学教授で、認知科学、言語心理学の専門家です。わたしたちは、今この瞬間にも文章を読みながら思考力を駆使しつつ、「推論の力」を働かせているといいます。この力があるのは人間だけでAIにはないとのこと。その違いと謎を、母語を習得する仕組みや、「ことばの力」と「思考力」との関わり、抽象的なことばが出てくる「9歳の壁」、人間が試行錯誤を繰り返して磨いている直観などの観点からひも解いていきます。
生成AIに関する基本事項に活用方法、現状の問題点や未来予測までわかりやすく解説されていて入門に最適です。流布している「AIに仕事を奪われる」は本当でしょうか?新進気鋭の研究者である著者は、仕事の場にAIが導入された場合に必要なのは、自分をAIの雇用主だと考え、部下のAIから望ましい結果を引き出すための指示や命令を最適化するプロンプトエンジニアリングのスキルだと言います。著者の師匠で、国のAI戦略会議の座長を務める松尾豊東大教授は、日本の置かれた状況を杞憂するよりも、まず、自分が活躍するためにはどうしたらいいか?という問いを立てるべき、と提言します。さて、みなさんならどう考えるでしょうか?
世界的ベストセラー『失敗の科学』『多様性の科学』を生み出した、元卓球オリンピック選手でジャーナリストの著者が執筆したスポーツコラムをまとめた本書。時代や文化を超えて人々を夢中にさせるスポーツの本質、通底する常勝の法則を解き明かします。四大大会で14回の優勝を果たした、元プロテニス選手の”ピート”・サンプラスが熱く語る「禅の境地」とは?全盛期のFCバルセロナでは、メッシのドリブルのすごさばかりが協調されがちだが、チームの在り方をよくよく調べてみると「より目立たないことが最も重要」とか……忍者なみの「不可視性」とは?一流選手たちの秘められた栄光への足跡をたどれる好著です。
寒さが厳しくなってきた今日この頃。風邪など引いていませんか? 管理栄養士で防災士の著者が提唱する、災害時にも役立つ「お湯ポチャレシピⓇ」本のご紹介です。ほっこり温まる「鰤大根の生姜煮」や「チーズダッカルビ」に「海南鶏飯」、おしゃれで栄養満点の「サーモンラタトゥイユ」などが、ポリ袋の湯煎調理で簡単にできるといいます。調理後は、お皿のうえに中身をポリ袋ごと広げれば後片付けもラクラク。水や洗剤の使用量も減らすことができて一石二鳥! ぜひ、作ってみてください!
「透視」「パノラマ」「場面」等、3種類60点もの立体的なイラストで歴史の秘密に迫る本書。巻頭の大年表で歴史の流れを大きくつかみ、気になるページをめくると見開きいっぱいに時代を象徴する出来事がイラストで展開されています。ページ左端にはポイント解説や写真、図版も配され、要領よく歴史を学ぶことができます。さあ、空から三内丸山遺跡や平安京を眺めたり、安土城や戦艦「大和」の内部をのぞいたり、関ヶ原の戦いや江戸の長屋暮らしの現場に立ち会って、歴史的日本史の世界にひたってみましょう。
ロシア文学研究者で翻訳者の著者が、自身の留学体験や翻訳経験から、母語以外の言語の魅力や、言葉、文学、翻訳の神髄を考察し、エッセー調に優しく書いています。読書体験という魔法、他言語で表現された「異文化」を翻訳することの醍醐味とその奥深さ、それら言語と言語の間で戯れる喜びが、自然に溢れ出るように伝わってきます。“クエスト方式”の構成により、翻訳の重層的な世界へと、また、言語や言葉の探究と冒険の旅へと読者は誘われ、他言語を学ぶのはとても楽しいことなのだと気づかされます。
主人公の新夏はカメラマンとして働き、恋人の啓久と交際して5年になります。プロポーズを受けた翌日、啓久が通勤中に電車内で女子高生を盗撮してしまいます。その時を境に二人の関係、周りの人々が一変していきます。自分の大切な人がこのようなことになってしまったらと、どうしても想像してしまうような話でした。読む前と後では考え方や見えてくるものが変化するように思います。出来心や軽はずみな行為が自分の今後や周りの大切な人、人間関係や社会的な立場にまでも影響を及ぼすことの怖さ、それでも他人を信じていくことの大変さや強さを感じられる一冊です。
「数学を勉強しても社会では何の役にも立たない」という言説に「A4用紙を使えるのも桜の開花予測ができるのも、ゲームのガチャを引けるのも、すべて数学のおかげ」と異を唱える東大出身のクイズ王。食材や物が値上がり傾向の昨今、分量について敏感になりますが、”面積”と”体積”の直感には反する関係があるとのこと。10%増量が見た目でわからないのは、例えば1辺の長さが10cmの立方体の豆腐を10%増量しても、1辺の長さは3mmしか変わらず見た目の変化に気づきにくい。逆に見た目の面積を2倍にすると、体積換算では2.8倍にもなってしまうので「食べ放題では要注意」と。ほか「万能の天才ニュートンでも”投資”では大失敗」など、「面白くって役に立つ」 ”数学の世界” を味わってみましょう!
「考えすぎて疲れてしまう人の会話の ”正解” がわかる」という頼もしい本書。著者は『声に出して読みたい日本語』で日本語ブームを巻き起こし、40年間にわたってコミュニケーションの講義を行ってきた明治大学の齋藤孝教授。その経験から「話が上手・下手は性格ではない」、「”否定された” ”嫌われた” も思い過ごしかもしれない」、「コミュニケーションはコツさえ知れば誰でも上手になって人生が変わっていく」と力説します。「永遠に話が続く速攻ワザ ”〇〇といえば ” 話法」等々、人と話すのが楽しくなるコツをつかんで、もう一歩を踏み出してみませんか。
注意力、記憶力、抽象的なコンセプトを考える力、困難なタスクを続ける力において、人間の脳には限界があるという著者。結果を出すトレーダーは必ずしも教育水準や知性が高い人ではなく「内受容(体内から湧き上がる)感覚のシグナルに敏感な人」だとも。「身体を使う」「環境を変える」「書き出す」「仲間と取り組む」だけで記憶力が上がり、生産性が高まり、思考力が深まる、そのワケとは?
最新科学でわかった、思考力を研ぎ澄ます技法が満載!勉強に行き詰まりを感じたら、ぜひ、本書で学んでみてください。
飾らない人柄で、You Tubeの人生相談でも大人気のタレント、藤本美貴さんの語録がまとめられています。「人間関係」の章では、「友達は変わっていっていい。友達との関係に『ちょっと違うかな……』と思ったら、まずは自分の(気持ちの)変化を受け入れる。『関係性が変わってもいい』と、自分が思うことが大切」と説きます。日常のモヤモヤに共感してくれつつ、歯切れ良い痛快な語り口で、お悩み解決!読めばスーッと心が軽くなる一冊です。
長年にわたり麗澤大学で教鞭を取られた、故生方徹夫名誉教授が、祝日や季節の行事の由来についてひも解く一冊です。私たちの祖先が培ってきた、四季折々のならわし・しきたりには、季節を感じ、暮らしを楽しむヒントが満載だといいます。来る11月3日「文化の日」は、GHQとの議論 を経て1946年に日本国憲法の公布を記念し定められたとのこと。今、改めて 「自由と平和を愛し文化をすすめる日」として、日本で平和に暮らせる幸せを味わいつつ、手にとってみることをおすすめします。
人気マンガ『ラブひな』の作者で参議院議員の著者が、国会議員の働き方や、法律ができる過程などをマンガとともにつづる本書。著者の選挙への出馬決意から当選にいたるまでの経緯や、国会議員の職場や待遇、国会では何をしているのか、国会のない期間の過ごし方等について詳しく解説。「パーティーは何のため?」「委員会や党内審議とは?」という素朴な疑問を解消してはいかがでしょう。選挙結果が波紋を広げている今回の衆議院議員総選挙、この機会に国会議員の仕事について学んでみませんか。
祝儀袋や正月飾り、月飾りにあしらわれた鶴や亀の細工がちょっとレトロ……、そんな「水引」のイメージが一新されます。著者は京都を拠点に、四季折々の風物詩や世界遺産にインスピレーションを受けながら創作活動を行っています。色づく秋をイメージした「木の実の蔓のラッピング」「ポインセチアのブローチ」「お正月のリース」等々、オシャレでかわいい新感覚の作品が満載!「人、心、縁を結ぶ♡」と言われる「水引」。結び方もわかりやすく解説されているので、ぜひ作ってみてください。
「なぜ、野鳥の雛を拾ってはいけないのか?」「山はいったい誰のもの?」 …環境やいきものに関する法律は年々厳しくなっており、「鳥獣保護管理法」や「外来生物法」等の法律を知らないと、無意識に法律違反を犯す可能性も。野鳥の雛は、触れられるとショック死してしまうこともあるそう。公園では、昆虫採集はOKでも「トラップ」設置は問題になることも。ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミは「鳥獣類保護法」の適用除外のため、誰でも許可なく取って良い等々。身近な自然との付き合い方をストーリーマンガと解説で分かりやすく学べます。
2024年本屋大賞第2位をとった『水車小屋のネネ』の著者、津村記久子氏による読書案内です。絵本や児童書、料理本、動物に関する実用書など、実に多様な本が紹介されています。どのページから開いても、津村記久子節のエッジがきき、洞察が深いながらも掴みどころがないような考えが笑わせてくれ、わくわくさせられます。本の紹介のみならず、エッセーとしても楽しめ、本を読みたいけれど何を読めばよいのか分からない、という人にぜひ手に取ってもらいたい一冊です。
フィンランドのことわざを文字通りに解釈し、愛嬌のあるイラストとともに紹介しています。本書の中には、日本語の「そっくり(瓜ふたつ)」と同じ意味のフィンランドのことわざが紹介されており、そのかわいらしさに実際に自分でもこのことわざを使ってみたくなる気持ちにさせられます。
ことわざや慣用句の背景、由来などはあまり記されてはいませんが、本書をフィンランド語を学ぶきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
「自分を知るための第一歩が”からだを知ること”、からだを知れば、曖昧だった自分の存在が少しずつはっきりと見えてくる」。若い世代にもぜひ読んでほしいと小児科医の著者は言います。「人間のからだには何個の骨がある?」「小腸の長さは?」「1日に作られる尿の量は?」「なぜ胃は自分自身を消化しない?」等々、「人体クイズ」で始まる本書。これらの問いの答えを探そうと読み進めるうちに人体に関する断片情報が整理されて、「からだのつくりと仕組み」の精巧さに畏敬の念がわいてきます。高度な仕組みのすべては、わたし達一人ひとりを生かすため。絶妙なバランスのうえに健康が成り立っている驚きの事実を解き明かしていきましょう。
本書は、国内に生息する約300種類の野鳥について、1頁につき1羽ずつ、カラー写真とともに、観察ポイントや見わけ方、大きさの目安、観察に適した月、その特徴などをわかりやすく紹介した図鑑です。「チーチュルピー チュルチーチュル」…掲載されているメジロの鳴き声を真似してみると親近感がわいてきました。近年問題になっているムクドリは繁殖後の6月末から秋にかけて最大数万羽にも及ぶ「ねぐら」を作るそう。南柏や柏の駅界隈で騒がしい様子を目撃した方も多いのでは。また、白地に黒帯のネクタイ姿が愛らしいシジュウカラは、「警戒しろ」「集まれ」「ヘビ」などの言葉を使って仲間に状況を伝えているとか。身近な野鳥観察のお供にぜひ。
千葉県内112のお寺や神社について、テーマ、ご利益別に紹介、境内のポイント、御朱印の基本から参拝マナーまでを網羅し、巻頭特集には、柏神社の透かし紙重ねの見開きなど、とても見応えのある御朱印がズラリ。JR北小金駅から徒歩圏内の本土寺は5万本のアジサイ、1500本のモミジ、5000本の花菖蒲で有名な県内屈指の花のお寺。旧水戸街道沿いにある豊受稲荷本宮は、不動明王を祀るなど神仏混淆の神社で、金運・財運アップが期待できるとか。さわやかな秋の一日、散歩がてら探訪してみてください。
空前の”ヌン活”ブーム、予約のとれない紅茶教室主宰の研究家が、留学で培った知見を元に英国紅茶とアフターヌーンティ―の歴史をひもときます。アフターヌーンティーとは、一杯の紅茶を通してマナーやホスピタリティ、陶磁器や銀器、アンティーク、建築様式やコーディネートに至る歴史や教養を深め、美意識や感性を磨き、五感を使ってトータルで堪能する”生活芸術”だと著者は言います。階級によって作法も異なるイギリス社会。「紅茶のルーツは?」「エレガントな紅茶のいただきかたとは?」「3段スタンドのスマートな食べ進め方は?」……読めば自信につながる一冊です。イギリス研修や日々の生活に”英国流茶道”のエッセンスをいかしてみては。
「断捨離」提唱者の著者自らが、新居を公開して、その極意をくわしく解説する最新版。1日5分でできる「断捨離」の実際や「目の前の引き出し、1つからで、いい」「断捨離するとモノが減る→きれいになって気持ちがいい!→1つひとつのモノ、空間の手入れがしやすい→空間と時間にゆとりが生まれ、前向きなエネルギーがわいてくる→運が増える」論が展開されます。試しに自宅台所の棚を整理したところ、とても爽快な気分になりました。棚の使い勝手の悪さがずっとストレスだったようです。たった1か所の改善が自信にもなり、もっと断捨離したい!という意欲も湧いてきます。みなさんも、「1日5分」「引き出し1つから」、「断捨離」を始めませんか。
『三千円の使いかた』や『ランチ酒』で有名な作家・原田ひ香により2015年に刊行された単行本を文庫化したものです。瞳は夫の過労死による寂しさを紛らわすかのように、同窓会で再開した健児と再婚します。前夫の母・静江と健児は妙に仲が良く、それが瞳は気に入りません。
一話ごとに語り手がかわり、瞳、健児、静江がそれぞれに抱える問題や寂しさにどう向き合い、変わっていくのかが見所です。
血のつながりのない奇妙な三角関係が迎える未来とは…。
「ピンチをチャンスに。チャレンジを成功に。図書館は人生を変えるパワースポット!」と豪語する著者が、図書館の活用方法、価値のある情報の収集方法等について解説する本書。図書館で友人を見つけたり、資格試験に合格したり、仏師という夢の職業に就けたりと“セレンディピティ”(幸運)を引き寄せた学生達や、スパイと図書館の関係等々、図書館にまつわる驚きのエピソードも満載。イーロン・マスク、ビル・ゲイツ、ラリー・ペイジという先端デジタル企業創業者3人の背景には無類の図書館好きという隠れた共通項があるとも。「図書館を歩き回ると創造性が増」し、「イノベーションは図書館で起きる」のかもしれません。みなさんも“本の森”で、思いがけない出会いをお楽しみください。
ミドリムシ…0.05mmの微生物を、小学生の頃に顕微鏡で覗き見たことがある人も多いのでは。学名はユーグレナ、これを社名としたベンチャーの起業前から今に至るまでの苦節、挑戦、支援、成功、未来への展望等を、研究者であり取締役でもある著者は、ミドリムシが世界の食料(貧困)問題、温暖化(エネルギー)問題の救世主となりうる研究結果を社会還元し貢献する最短ルートが起業であると熱く語ります。国家的プロジェクトの挫折にも屈せず、試行錯誤を重ねて研究を続け、掴んだ夢への一歩は、どんな夢に向かう人にも必ず勇気をくれる普遍性を秘めています。共同経営者で社長の出雲充氏著『僕はミドリムシで世界を救うことに決めた。』も併せて読むと実相がより詳細に分かっておすすめです。
有職故実(ゆうそくこじつ)とは「古い時代から伝わる知識や事実」という意味合いから、現在では平安時代以降の宮廷文化全般、衣食住にわたる約束事・しきたり・マナー全般をいい、なかでも装束(衣装)はその文化の美意識の中心的な役割を果たしていました。本書では、大河ドラマでも話題の紫式部の生きた時代の装束・文物など50点以上を美しいカラー図版で一目瞭然に分かり易く掲載しています。また、それら文物に関連する『源氏物語』の一節や紫式部の略歴、衣装のかさねの色目や絹の種類、染色技術などについての解説もあり、当時のいでたちや遊戯、年中行事等に思いを馳せてみるのも一興です。
本書は女性皇族初の海外博士号取得という偉業を成した三笠宮家彬子女王殿下(髭の殿下こと故寬仁親王殿下のご長女)の オックスフォード大学時代の留学記です。当時の喜怒哀楽が包み隠さず記され、と同時にその時々を客観的に振り返った感想が述べられ、また厳格な父宮とのやりとりや愛情深いお気持ち、支えてくれた周囲への感謝も綴られていて、その文才のみならず素敵な人となりに惹かれページを繰る手がとまりません。研究者としての学問に対する熱意と勤勉さは一般人と何ら変わらず、しかし、英国女王陛下との謁見や宮内庁とのやりとりなど皇族ならではの件もあり、興味深い英国留学記です。
確かに最近あまり見かけないタピオカ屋さん。その謎が知りたくて手に取りました。ページをめくると「コンビニの向かいになぜ同じコンビニがあるのか」「AI時代になぜSNS公式アカウントが大事になるのか」「千疋屋のメロンはメロンでなく“贈答品”」等、日頃疑問に感じていた事柄や興味をひかれる見出しが並びます。著者は「脱!税理士」を標榜する人気の中小企業経営コンサルタント。youtube登録者数はなんと68万人!とも。経営の知識がなくてもワクワクしながらスラスラ読めて経済社会の仕組みが自然と頭に入ってきます。企業活動 の中身についてもイメージがふくらみます。
第二次世界大戦の勝敗を分けた戦いの陰には、米陸・海軍で対戦国の暗号解読を担った1万人以上の無名の女性達がいたという。アメリカ人ジャーナリストが、長らく機密文書扱いにされていた膨大な数の資料、関係書籍、関係機関にあたり、存命の暗号解読者20名以上にインタビューし、執筆された本書。口絵には、当人達の顔写真や執務室での業務風景等30点以上の写真が並び、当時の様子が生々しく伝わってきます。本書を読むと大変複雑な心境にもなりますが、戦争の陰にあった重要な史実の一端にふれ、あらためて、生と死、戦争と平和、わたしたち一人ひとりの生きる営みについて考える機会になりました。
『ざんねんないきもの事典』や『わけあって絶滅しました』などの人気本の執筆者による魅力的な毒の図鑑です。進化の末に、毒をもつようになったすごい生き物たちが大集合!見開き図解で、毒をもつ動植物を50以上紹介、「毒レベル」つきで見ていて楽しく分かりやすい図鑑です。生き残るために毒を進化させたと思いきや「たまたまわずかな毒をもって生まれた時に生き残るのに有利であれば多くの子孫を残し、その積み重ねによって進化した」すなわち「進化は偶然の積み重ね」だと。攻撃するための毒、身を守るための毒、様々な毒に驚嘆します。あなたの知らない毒の世界を探検してみませんか。
昭和世代までは理解できていたような和の生活言葉が、世代間で伝わらないことが増えている昨今、着物を通じて日本文化を伝える講師として教育機関で活躍する著者が、言葉だけでは通じにくい所作や態度や様子にまつわる「ふるまいことば」を300語ほどを厳選解説しています。立ち振る舞いの基本動作、おしゃれ装い、生活動作、人間関係などをテーマごとに章立て、こと?ばのニュアンスが理解しやすいイラスト100点以上、英訳、文豪の引用文やマナーに役立つ所作アドバイス等も添えられています。「にじる」「たんかをきる」「しなをつくる」…和のふるまい言葉で、語彙力と教養を高めてみてはいかが。
「選挙に行くのは何のため?」「消費税 上げる?下げる?」「社会保障 どう考える?」「多様性と人権」などについて、みなさんはどう考えますか?社会で生きていくうえで必要不可欠なこのようなテーマを考えるには情報収集が欠かせませんが、本書にはその基本材料・データがふんだんに盛り込まれ、キーワードの解説や図解が大変わかりやすく提示されています。主要諸国のデータも掲載されているので、日本の立ち位置を客観的に確認しながら、自分の考え・意見をもつ、まとめるのに大変役立つ、頼もしい相棒になりそうな一冊です。
星座の見つけ方とその神話や物語、惑星、流れ星などについて、やさしい解説と美しい写真、かわいいイラストで学ぶことができる本書。梅雨明けの頃、半夏生(はんげしょう)から広がる夏の夜空は、夕涼みがてらゆっくり星座を探すのにとても良い季節だと著者は言います。はくちょう座やさそり座、いて座などが出現し、この時期の天の川は、冬にくらべていっそう濃く見え、格別の美しさなのだそうです。夏休み、海や山へのお出かけの際には、双眼鏡や星座盤を持参してみてはいかがでしょうか。読めば夜空を見上げるのが楽しくなることでしょう。
人生は、「幸福の時間」「投資の時間」「役割の時間」「浪費の時間」の「4つの時間」でできているという、編集者で、ベストセラー作家でもある著者。表紙のプリンのような美味しそうなものを前にした時、すぐに食べれば「幸福の時間」を手にでき、ダイエットと思ってガマンすれば未来への「投資の時間」になるとのこと。せっかくプリンを食べるなら美味しさを味わって、「幸福の時間」を過ごせたことを意識をすれば、罪悪感も減って満足感がアップしそうです。人生に正解はなく、あるのは自分の選択のみ、とも。「時間複利の法則」「時間のプロローグ化」など、本書で「後悔しない時間の使い方61のコツ」を学んで人生にいかしましょう。
日本を代表する建築家・隈研吾氏の作品の中から厳選した51点について、写真家の著者が、豊富な写真とともに独自の視点で解説しています。予算や敷地条件の制約を逆に活かして、地元産の材料を使い、周囲の自然や環境に合わせつつ、人々の目を引く造形を設計する中で新しい考え方や構造を創出してきたという隈氏。年代による建造物の変遷も味わい深く、圧巻の作品写真をながめるだけでも、心がわき立ちます。浅草文化センターや、「地獄組み」の「ヒノキの森」南青山のサニーヒルズなど、近郊の施設を訪ねてみるのも一興です。
星座と季節にちなんだオリジナルメニューが楽しい本書。夏のラインナップは、清涼感たっぷり!秘宝が眠る深海をゼリーとジュレで模した「ダイビングソーダ」、夏の日差しを浴びたレモンがいっぱい「日光のレモネード」、夜空にきらめく月をイメージした「月光のレモネード」、流星の降る夜はカラフルな惑星アイスでひんやりと。「熱帯夜のごちそうメニュー」で、猛暑の疲れを癒しましょう。
30年以上にわたって河合塾で教えてきた著者が、地政学の観点から、世界の国々の思惑がからむ紛争や、興亡を解説し、世界史をひもときます。本書は、A4横の見開き1ページを大胆に使って、年代順に各章が展開されます。中ほどには関係する世界地図がドンッと横たわり、左側には章の概要が記され、各国のリーダーがイラストで登場。吹き出しには、彼、彼女らの思惑・本音が描かれていて史実が生々しく伝わってきます。主要な事件、キーワードの一口メモが脇を固め、全体を通してまるで人気講師の講義をワクワクしながら聞いているような感覚が味わえ、いまにつながる世界の歴史がリアリティをもって見えてくることでしょう。
9兆円のビジネス市場ともいわれるアート。NYタイムズではアート関連の記事が1面を飾るなど、欧米エリートにとってアートは不可欠な教養である一方、日本では、アート関連の記事はもっぱら文化面での扱い。この差が日本と欧米のイノベーション格差の表れと、元外交官で世界97カ国で経験を積み、現在は芸術大学で教鞭をとる著者は言います。民族、政治、経済が凝縮されているというアート。ドイツで現代アートの作品を主題にアートを通じて歴史を学ぶワークショップの活動に携わってもいた著者は、アートに向き合うときに最も重要なのは、仮説を立てて思考を深めることであると言います。本書はその手ほどきになることでしょう。
オリエントとヨーロッパ世界に存在した12の時代を料理を通じてふりかえります。パリ・オリンピック開会式にも登場した!?マリー=アントワネット王妃はどんな食事をしていたのか、興味をひかれて開きました。フランス料理の定番「ヒラメの元祖ホワイトソースがけ」はブルボン期(18世紀)が発祥、トマトはこの時代に食用になったとか。「牛肉とキャベツのトマト煮込み」「マグロのマリネ」など、ふだん目にする食材で作ることができそうな品々が並び、各時代テーマに関するエッセイも秀逸です。往時の生活・歴史に思いをはせながら、各時代の料理を作ってみませんか。
著者は、数字の感覚・データセンスを磨いてほしいと大人向けの数学教室を日本で初めて起業したという。大人向けの数学教室があると知ってビックリ。確かに決算書の数字の桁がピンとこない時がある……。「コンビニの売り上げはいくら?」「ポイント還元の計算」「2桁×2桁(2倍と半分のテクニック)は実は応用範囲が広い」等々。身近なシチュエーションに即した例題にふれるうちに概算・暗算力が鍛えられる一冊です。
相手に対してはっきりものを言うことを勧める本を書いてきた著者、好評を得る一方で現実的には難しいという声に応えようとたどり着いた答えが、古都・京都で長年にわたって育くまれてきた、「言いにくいことを賢く伝える技術」だといいます。国際的に見ても、本音を言わないイギリス人の毒をふくんだユーモアには定評があるとも。「無理な依頼を断わりたい」「相手の間違いをスマートに指摘したい」「ほめられすぎて居心地が悪い」とき等々、京都人にインタビューして得た対処法も盛りだくさん!論破して関係を壊してしまうのではなく、言いにくいことをエレガントに伝える方法を学んで、「この場さえ我慢すれば」とつい思ってしまう自分から脱却しましょう!
『街に躍ねる』で第11回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞した川上佐都の2冊目の作品です。塾で講師として働く男性とその恋人が価値観の違いに戸惑う話、大学生活になかなかなじめない女子大生がアパートの隣人のおばあさんと仲良くなる話など、誰かと時間を共にし暮らしていく中での不自由さや切なさを描きながらも、読み終わると自分も身近な人にも優しくなれるような一冊です。
めくるのが楽しくなる図鑑です。「洗濯表示」や「日本式天気図」など日常で役立つ知識や、「〇〇をあらわす日本語」「二十四節気」などの日本文化的な言葉を学ぶことができます。今の時代、スマホやパソコンで手軽に調べることができてしまいますが、図鑑で調べることで色々な気づき、学びを得ることができます。デザイン性が豊かで、眺めるだけでも楽しめます。お気に入りのページをぜひ見つけてみてください。
人気心理学者が、心理学の基本から日常で役立つ心理学まで、豊富な図解で解説する本書。「そもそも心理学ってどんな学問?」「人前がこわいのは当たり前」「途中で挫折するのはなぜ?」「愛情は減るが友情は高まる」「直感は意外と頼りになる」等など、漠然と感じているトピックについて、アカデミックな研究の調査結果を基にわかりやすく解説されています。
自分や他人の心、社会心理を学んで、日常生活で感じるモヤモヤ、イライラを解消しましょう。
レジェンドブロガーで人気料理家が、長女がひとり暮らしを始めることになったのをきっかけに執筆したという本書。初心者でも最小限の調味料・食材・手順で味が決まる厳選レシピを中心に、調理グッズ、調味料、万能食材、使いやすい野菜一覧、お得な買い物のコツ等、自炊ビギナーに必要な情報がコンパクトにまとまっています。
「週1500円以内に夜ごはんの食費を収める買い物のコツ」「豚こま、鶏もも、鶏むね、ひき肉、鯖缶のレシピ」「超速のっけごはん」等など。進学後の一人暮らしの不安が解消できそうな一冊です。
夜空にきらめく月と星、深いブルーが目を引く本書。扉には「ここは疲れた人だけが訪れることのできるお店」とあります。「シリウスのレアチーズケーキ」、青く発色するハーブ・バタフライピーを使った清涼感もたっぷりの「空色ソーダ」「夏の大三角のアイスキャンディ風星くずゼリー」……きれいで美味しそうなスイーツのイラストや写真を見ているだけで心が満たされます。もうすぐ七夕。天の川に想いをはせつつ、とっておきのスイーツを作ってみては?
なんと偏差値35から東大を目指して3年目に合格を果たしたという著者。東大受験者の語彙力の高さに気づき、言葉の知識=語彙力こそが頭の良さを作る源泉と考え、小学校の漢字練習帳を見直し、中学・高校の国語の語彙力の参考書で勉強したところ、一気に成績が上がったといいます。
語彙力はなぜ大事なのか、5教科それぞれの重要語彙等、頭が良くなりたいなら知っておくべき語彙が、実践問題とともに丁寧に紹介されています。読むと「地頭」を底上げできそうな一冊です。
自身の息子の食物アレルギーをきっかけに、腸内環境を整えることの大切さに気づいたという著者。
みそや麹を発酵させて作る調味料の発酵過程のおもしろさ、おいしさにハマり、発酵食品中心の食生活にしたところ、息子の湿疹が治まり、乾燥していた配偶者の肌はしっとりツルスベに。自身の便通も整い、朝の目覚めもスッキリしたとのこと。
「細胞が喜ぶ」料理写真も美しいレシピ集付き。
本書を読んで「腸活」を始めてみませんか。
「ある日、突然に何かをつかむ瞬間が現れるかもしれない。だから毎日練習したくなる」これは、29歳のプロ野球選手「世界の大谷」の言葉です。本書には、子ども時代から今日にわたる大谷選手の言説の中から厳選された90の金言が、背景の出来事とともにつづられています。
スーパースターは一日にして成らず! 日々黙々と練習を積んで非常に丁寧に繊細に微調整を繰り返して試合に臨んでいる姿が垣間見え、勇気づけられます。「伸びしろですか?伸びしろしかないと思ってます」「やってみる。で、実感する。自信はその後についてくるものなのかなと思います。」
感動した本や漫画、映画、アイドルやバンド、誰かにその推しの魅力について語りたい!発信したい!と思うのに、うまく言葉にできない……こんなもどかしい経験はありませんか。
書評家の著者は、自分の感想を言葉にするために必要なのは、語彙力や観察力ではなく、ちょっとしたコツだといいます。推しについて語ることで、自分の好みを言語化でき、結果的に自分への理解が深まり信頼が増すとも。
本書を読んで、自分の大好きなものを自分の言葉で語れる幸せを味わいませんか。
チャーチルからスナクまで、歴代首相の40人ほどが名門パブリックスクール出身という英国で、20年にわたって名門校の受験指導を行ってきた著者が推奨する「役に立たない学び」とは?
何を、どう読み、どう書き、どう語るか、未来のエリートに求められる門外不出のレッスンの一端がのぞける本書。一見、敷居が高そうですが、第一章の必読リスト(114冊)は、簡潔でストレートな文体が小気味よく、これに目を通すだけでも、リーダー層の文化的背景にふれることができ、世界が広がります。村上春樹、カズオ・イシグロの作品も挙げられています。
月間470万PV突破の日本有数の数学系ウェブサイトの1000を超える記事から人気の高い62 編を厳選( 加筆・修正)した本書は、どの定理、公式、証明も「美しい」が大原則、かつ高校数学までの範囲で理解できる物語(一部の数学マニアの間では語り伝えられているくらい有名な話)を掲載しているそう。数学のセンスゼロを自認する自分もその世界の美しさ?を体験しようと手にとり、かの有名なピタゴラスの定理(100以上の証明がある?!)は本書では簡単で美しい4つの証明を紹介していて、なるほど~!と。人工知能の研究開発に携わる著者ならではの書き下ろし巻末付録「高校数学と人工知能の関係」とともに、より身近にディープに楽しんでください。
パンダ好きにはたまらない、パンダの魅力がつまった一冊です。日本の動物園にいるパンダたちの写真が数多く掲載されています。上野動物園の有名な双子パンダのシャオシャオとレイレイや和歌山県のアドベンチャーワールドの楓浜の見分け方が書かれています。パンダにも個性があって眺めているだけでもおもしろいです。この本をきっかけに推しのパンダを見つけてみてはいかがでしょうか。
2024本屋大賞にノミネートされ、堂々の第4位。
主人公の雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く30代後半の内科医。妹を病気で亡くし、将来を嘱望されるほどの地位を築いていた大学病院を辞め、残された妹の一人息子、龍之介と暮らしています。地域病院では最先端の医療とは異なり、高齢者の看取りが中心に描かれ、哲郎の患者への温かな誠実さに引き込まれます。哲学者スピノザの考えを通し、病を前にして無力な自分にできることは何かを深く考えさせられる一冊です。
古典入門に最適なビギナーズクラシックシリーズに中国古典伝奇「西遊記」が登場です。西遊記という言葉に馴染みがなくても、孫悟空といえば知らない人はいないでしょう。映画やドラマ、アニメの題材などでも多く取り上げられているこの話は、天竺へ経典を取りに行く玄奘三蔵とお供の3匹(妖仙)が行く手をはばむ妖怪・妖仙たちを退治しながら目的を果たす旅の道すがらを描く摩訶不思議な痛快冒険譚です。そこには単なる勧善懲悪ではない登場人物たちの人間?らしい欲望やさまざまな感情が渦巻いています。全100回の壮大な物語のエッセンスが現代語訳、原文、解説、コラムで1冊に凝縮されていて、初心者でも読みやすく気軽に楽しめます。
東京の大学(神奈川・千葉・他も少々)が所有する博物館、記念館、美術館、資料館、文学館、水族館、等々…意外と一般には知られていないけれど一般の人も利用できるスポットが100か所以上掲載された、コンパクトながら充実した内容のガイドブックです。学術と文化貢献に資する大学所有の施設ならではで入館料無料のところも多く、建物そのものに歴史的価値があったり、お宝を所蔵していたりと、散歩がてら立ち寄ってみたい施設が満載で、大学見学を兼ねてこうした文物に十代の感性で触れる機会をぜひ大事にしてほしいと思います。文学はもちろん、骨、マンガ、魚、美術など扱っているテーマもバラエティーに富んでいて、今の自分にヒットするものがきっと見つかるはずです。東京スカイツリータウンにある千葉工業大学の展示や体験型アトラクションもおすすめです。まずは出かけましょう!
コロナ禍に滞在先のカナダで乳がんを宣告された著者による、初のノンフィクションです。カナダの医療体制についても詳細に書かれており、日本との違いに驚かされます。闘病という言葉を使わず、自身の乳がんと向き合い続けた著者は、手術後の自身の身体を愛おしいと綴ります。まだ学生の皆さんにとっては病が遠いことのように感じられるかもしれません。著者が伝えたい思いをぜひ受け取ってほしいと思います。紀伊国屋書店にて開催中のブックフェア第10回「高校図書館職員が選ぶ生徒に読んで欲しい本」にノミネートされています。
皆に広く親しまれているマンガの登場人物を運命論の視点で考察している本書。『岸辺露伴は動かない』や『鬼滅の刃』、『HUNTER×HUNTER』などが挙げられています。自分がマンガを読んでいるときとは異なる切り口で考察しており、登場人物の深い心情の読み取り方が興味深い一冊です。新書をあまり読み慣れていない学生の皆さんにも、読みやすく、マンガと並行して読むことで、より深い理解ができると思います。本書をきっかけに、自分が好きな漫画についても多様な視点から読み深めてみてはいかがでしょうか。
創業100年を超える老舗書店の有隣堂が手掛けるYou Tubeチャンネルをご存知ですか?鳴かず飛ばずの低迷期を乗り越え現在フォロワー数20万人越え。視聴者は本を読まない、本好きではない、が大前提で、「有隣堂しか知らない様々な世界を、スタッフが愛を込めてお伝えする」をコンセプトに人気チャンネルに育つまでの紆余曲折と、それにかける思いや秘話などが制作陣により語られています。その手法や未知のものに挑戦する姿は、万事に通じて参考になります。周囲を楽しませるって、まず自分が楽しまないとだな~とつくづく。動画もぜひチェックを!
ニュートン式超図解最強に面白い!! シリーズの『 地球46億年』(2020年刊)が新書版で登場です。地球と生命の46億年の歴史を初学者向きに順を追って解説しているコンパクトな1冊です。岩石が集まって今の地球の姿になり、小さな生命が誕生してから人類へと進化していく過程を楽しみながら学べます。コラムやマンガもありトリビア満載です。地面を掘り進むとどうなる?…地球の反対側に出る?いえいえ(笑)…では、地球の掘削の世界記録はいったい何メートルでしょうか?中高生にとってとても馴染みやすく分かりやすい入門書となっているので、気軽に手に取って楽しんでください。
この本は現代でバーを開く紫式部とお客さんとして来店する藤原道長の話です。教科書で学んだ歴史の1つひとつの裏話や、歴史上の人物たちの生々しい人間関係が分かり、歴史に興味が湧いてきます。平安時代の人たちは自分とかけ離れた生活を送っていたと思い込んでいましたが、いつの時代も人間関係のストレスはつきもの。けれど悲しいことも楽しいこともあるからこその人づきあい、人生の醍醐味なんだと思わせてくれる本です。
この本は科学者たちの言葉が可愛らしいイラストと軽快なタッチで綴られている読書案内です。「朝永振一郎」「牧野富太郎」「中谷宇吉郎」「湯川秀樹」といった名科学者たちがある学生寮に住んでいるストーリーです。彼らの著作にも触れ、実際に原著を読んでみたくなります。科学のことに苦手意識を感じるでも、不思議な魅力で引き込まれます。身近なことに疑問や興味を持ち、自分で調べ、考え、学んでいくことにワクワクしてくるような本です。
ガーナのアグボグブロシーというスラム街に世界中から集まる電子ゴミを10億円の価値に変える昨今話題のアーティスト長坂真護氏の活動と信念をつづったドキュメントです。現地に私設の学校、美術館、リサイクル工場を設立し、現地の人が自分たちの力で永続的に生活を継続してゆく仕組みを考案、整え、実践しています。既存の枠にとらわれず活躍の場を広げる長坂氏の目に映る「資本主義の先」とは…。世界規模でSDGsを見据える時、“次の取り組み”に未来へのヒントが見出せるのでは。。。著者が唱えるサスティナブルキャピタリズム、新しい資本主義のあり方を一緒に考えてみませんか。
ホテルオークラ、帝国ホテル、山の上ホテルなどの老舗ラグジュアリーホテルから隠れ家的ミニマルホテルまで、東京近郊の23のホテルを写真と精密水彩スケッチで紹介。東京芸大大学院出身で一級建築士&カラーコーディネーターの著者の精緻な水彩スケッチによる間取り、インテリア、アメニティや食べ物はとても魅力的に描かれていて、隅から隅まで見入ってしまいます。水彩スケッチだけでこんなにも旅愁やリラクゼーションステイを誘われるものかと、また合間のコラムもなるほど…と感心しきりのホテルガイドです。家庭科の間取りの参考にも〇
詩人の谷川俊太郎、ライターのブレイディみかこ両氏による東京ーブライトン間の往復書簡のやりとりで、日常の中のふとした瞬間に誰もが感じるような思いを掘り起こして互いに語りかけ、あるいは独り言ちて自問自答するようでもあります。記憶から呼び起こされた思い出や、過去の偉人や家族・知人、音楽や言葉などが語られるにつれ、哲学的?宇宙的?な時空を旅しながら思考しているような感覚になります。奥村門土氏の挿し絵も相まってシュールで深遠かつ現実的でもあります。
将来、自分が働くときに思い出してほしい「わ」の話です。本書の主人公は新入社員の"わ子"。初めての仕事に不安や緊張でなかなか成果を上げることができません。そこで祖父がかけてくれた言葉である「大きな人になりなさい」「わ子を包み込む輪を大きくしていくといい」という言葉を大切にしながら働いていきます。仕事をする中で大切な心の部分を教えてくれる本書ですが、学生生活を送る中でも大切なしなやかで大きな心を学べるような一冊です。
アンニョンハセヨ!
いま日本ではK-popや韓ドラがブームになっていますが、私の周りでも韓国の話題を多く耳にするようになってきました。大学生になると長期休暇で海外に旅行する人も増え、その中でも韓国は身近な海外として人気が高い印象です。実際に行かなくてもその国の言語や文化に触れるだけで自分の可能性を広げるとてもいい機会になると思います。この本は、韓国語初心者でもわかりやすく実用会話が学べるので身近な異文化交流の糸口におすすめです。
学生アルバイト 麗澤大学国際学部
国際交流・国際協力専攻2年 I.A.
物語終盤でのどんでん返しが読む人を惹き込む作品です。
ある罪を犯して死んだ魂が再生と救済の機会を得て、自殺を図った中学生・小林真の体に宿ります。真としての人生を歩みながら、自分の罪を思い出し、真実が明らかになっていきます。
カラフルは、人生のさまざまな「色」を受け入れ、自分自身の多様な「色」を理解する旅を描いた、心に響く物語となっています。同世代の中高生にぜひ読んでもらいたい一冊です。
学生アルバイト 麗澤大学国際学部
国際交流・国際協力専攻2年 I.A.
この本は世界に大きな影響を与えた10冊の本をたった一冊で分かりやすく解説した本です。例えばマルクスの「資本論」や「聖書」、ダーウィンの「種の起源」など、授業で一度は聞いたことがあるような本も解説されています。この本を読むことで世界で起きている様々な現象について、より深く考えることが出来ると思います。何よりたった1冊で世界の名著10冊分の教養を得られるというのは忙しい中高生にとって非常に嬉しい話ではないでしょうか。歴史、特に世界史が好きな人にはおすすめの1冊です。 学生アルバイト 麗澤大学経済学部
経営学科・AIビジネス専攻2年 H.C.
入学試験や発表、部活動の試合など重要な場面で、頭が真っ白になったことや、本番直前に心臓がドキドキし不安になった経験はありませんか。この本では、本番で実力を発揮できるようにするための対処法を本番前、本番の最中、日常生活の3つの場面ごとに紹介。特に特定の色を活用して気持ちを切り替える方法は日常に取り入れやすく、おすすめです。ぜひ気になったメソッドを実践し、自分に合った気持ちを落ち着かせる方法を探してみてください。
学生アルバイト 麗澤大学外国語学部 外国語学科英語コミュニケーション専攻2年 佐々木 天徳
この本は、情報を処理するうえでの人間の脳のクセや、陥りやすい思考パターンの傾向を気鋭の脳科学者が明らかにし、偏見や思い込みがもたらす「バイアス」にあふれる現代社会(日本の世間)をどう捉え、どう生き抜くべきか著者の意見を分かりやすく述べています。あらゆる情報に何らかのバイアスがかかっているという認識に立って、それらとどう向き合うか、改めて考えるきっかけになります。近い未来すら予測困難な不確実性の時代に、物事のスタンダード(基準)は日々容易に移り変わるものだということを踏まえ、それらに柔軟に対処する参考にしてください。
ニュートン式超図解最強に面白い!! 『人体』(2020年刊)が新書版で登場です。部位別パーツ別に章立て、項目立ててそのしくみとはたらきを見開き1~2ページずつ分かりやすく解説しています。例えば、体中をめぐる血管・毛細血管の全長は約?km、皮下組織まで含めた皮膚の総重量は約?kg、心臓は1分間に約?リットルの血液を送り出す、腎臓は1日に牛乳パック約?本分の血液をろ過する、消化管の全長は約?m……などなど、知っているようで意外と知らない自分の体について本書で知識を深めてみてはいかがでしょう。知れば知るほど驚異の人体に拍手を送りたくなります。
昨今必須とされる英語4技能がなぜ必要なのか、何のために英語を学ぶのかが、仕事との関わりの線上で説明されていて、将来の進路を考えるうえで参考になります。学校での英語の勉強の先にある社会との関連性について、実際に英語を使って働く職業人のインタビュー等に触れることで、よりイメージしやすく身近に感じ、目標や意欲を明確にしやすくなるはずです。「聞く(リスニング)」「話す(スピーキング)」「読む(リーディング)」「書く(ライティング)」の4技能をバランスよく 身につけて、学びの先に広がる世界をさらに探究できるといいですね。
本書は、花絶景365か所が季節ごと、エリアごとに、また50音順インデックスでも調べることができ、「映える」スポットのアクセスから問合せ先までカバーした完全ガイドです。コンパクトながらとても充実した内容で、花を巡る旅ガイドとして、そして品種や原産地や花言葉までわかる花図鑑として、さらに絶景写真集として、何通りにも楽しめます。
各地の桜の名所、菜の花畑、藤棚、つつじ園、紫陽花寺、ひまわり畑、そして一面の芝桜やコスモスの丘等々、現地を訪れるもよし、まずは本を旅して美しい花の景色に癒されてください。
ミステリー作家として有名な父親の隠し子である主人公は、二年前に母を亡くして以来、穏やかな生活をしていた。しかし、テレビで見ることしかなかった父の死をきっかけに義理の兄弟である松方朋晃から依頼され、彼が残した作品を探し回ることになる。主人公は、父親が付き合っていた多くの女性の話を通して、謎に溢れている父親が最後に書いた作品、そして父親自身の事を知るようになる。私達は、どんなに話したくても死者と対話する事はできない。だからこそ、自分の意志を持って生きるしかない。物語の全貌が明らかになると、もう一度読みたくなるような物語です。
高校図書委員 林文香
著者は農林水産省の職員であり、国家公務員YouTuberの白石優生です。日本の農業について熱く語っています。日本では、スーパーに行くといつもきれいな食材が揃っているのが当たり前ですが、世界では傷んでいる食材が混じっていて選ぶのが要注意なことも。日本の農畜産物の質の良さを握る鍵は一体何?と、読みながら勉強になることがたくさんあります。農業は「命」を扱う産業です。私たちが普段口にしている食材に興味を持ち、食材を、生産者を大切にすることでSDGsの取り組みにもつながっていきます。
この本は、本校卒業生の手による受験指導に特化した指南書です。難関志望大学合格実績83%を誇る塾経営者である著者いわく、大事なのは「勉強スケジュール」「生活習慣」「モチベーション」の管理を徹底的に行うこと。 やる気が出ない、勉強方法が分からない、成績が伸びない、などといった誰もが経験する悩みに具体的で分かりやすいアドバイスをくれます。成果を実感できる正しい自己管理の仕方や具体的な勉強方法など、最短ルートで志望校合格を勝ち取るためのノウハウは、あらゆる場面で活用できるので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
有名なイギリス児童文学、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』を日本の文豪が翻訳したら……そんな夢のような話が1927年芥川龍之介と菊池寛の全訳による『アリス物語』の刊行で実現しています。その『アリス物語』に、さらに今の私たちが分かりやすいよう注釈や解説を施し、原書にあったいくつかの不足を補ったのが、この『完全版アリス物語』です。日本の文豪の翻訳は今読んでも新鮮で、タルトが饅頭と訳されたりしていて、アリスや不思議の国の登場人物たちもいきいきとユーモラスに描かれ、色あせない魅力に溢れています。
本書はさくらももこの旅エッセイです。ロンドン、ローマ、スリランカ、中国など色々なところを旅しています。その土地の素敵なところも、これは…あんまりと思うところも気持ちの良いビターさと温かさのある文体で面白く書かれています。色々な情報が詰め込まれている旅行雑誌やちょっと背伸びしたようなエッセイ本とは違い、くすっと笑えて、自分もこんな心地よい旅がしてみたくなる一冊です。
生まれた時からまめつぶのように小さい"まめまめくん"は小さいけれど色々なことができました。しかし学校へ行くと他の人たちとの違いに気付き、皆と同じようにできないことが増えていきます。将来彼はどのような仕事に就くのか…
私たちは日々他人との違いや苦手なことに直面し、苦しい思いをすることがあります。しかし自分が好きなことを大切にし、自分の凸凹な個性を受け入れていくことで少しずつ成長していけるのだと思います。
主人公は少し大人びた12歳の少年リツ君。将来のことを考えるため、隣町の「つむじ風食堂」に通い、お客さんに仕事のこと、人生について話をきいていきます。登場人物一人ひとり仕事に対する思いがあり、自分の大切にしたいことは何かを考えさせられる一冊になっています。当たり前になってしまっている日常を振り返り言葉にすることで、初心に帰り、日々を紡いでいくことが宝物であることに気付かされる、心が洗われるような物語です。
生物の進化について教科書的な視点からではなく、考えることのできる一冊です。進化は徐々に起こるのではなく、ある種が存在していた環境が何らかの理由で空いた際により良い環境を求めて急速に起こるというのが現在の学説だそうです。長い時間の中で徐々に変化し、進化するものだとばかり思っていました。どの生き物も役割があって、繋がっている。読み進めていくうちに、今までとは違う視点で身近にいる生き物たちを観察してみたくなります。
この本は、絵本作家ヨシタケシンスケ氏が人気作家11人と対談した内容をイラストつきで紹介した初の対談集です。登場する作家陣は、糸井重里、かこさとし、岸本佐知子、クリハラタカシ、坂崎千春、柴田元幸、junaida、鈴木のりたけ、ブレイディみかこ、穂村弘、モリナガ・ヨウ(敬称略)という充実ぶり。それぞれに創作の原点やウラ話、芸術への思いなどが語られていて、また絵本や写真集などコレクションも披露されていてブックリストとしても楽しめます。対談後の感想をかいた「…とお話しして思ったこと」では、著者のユニークで温かいまなざしと緻密なイラストがなんともいえず素敵です。
ヒューマンセクシュアリティをテーマにした著者の大学講義をまとめた『恋人とつくる明日』(2006)の再編集、追加取材版です。当時学生に話した内容の要約と、彼らがその講義をどう捉えたのか、リアルな声(レポート)を掲載しています。「人間と性」についての学生たちの生の声は、共感でき深く考えるきっかけになる点が多く、性のはなしはSEXだけではなく、心と体のこと、恋人たちにとって日常と切り離せない大切なコミュニケーションなのだとわかります。複雑なからだ・性の仕組みを学び、性について語る「言葉」を持つことは、大切な人との関係性と来たるべき未来を明るくする助けとなります。
相手と対等な関係を築き大切にする上で、またデートDVやレイプなどを防ぐ意味でも、性行為に関して「同意」が基本であることを、若者の気持ちにそって理解できるよう書かれたフィクションコミックです。欧米と日本の文化の違いはあれど、大切な心と身体を守るためにできること・すべきことを学ぶ機会は、より良い人間関係をつくっていくためにも早くから準備する必要があります。「同意」とは何か、恋人やパートナーとの関係ではどうなのか、対等な人間関係を考えるきっかけをくれます。
ChatGPTをはじめとする生成AIについては、その使われ方をめぐり教育界をはじめ各方面で話題になり、メディア等でもよく見聞きするようになりましたが、産業や社会構造の変革に今後大きく関わり影響を及ぼすと予測されています。そうした期待と懸念と可能性を秘めた生成AIを取り巻く社会問題やその影響はさておき、本書では、そもそもChatGPTとは何なのか、どんな使い方ができるか、という基本が学べます。今後の社会、経済、生活スタイルなどの大きな変革に備え、暮らしを豊かにするためのAI活用の第一歩として、使い方を理解し、正しく使いこなすための一助にしてもらえたらと思います。
「民主主義」と聞いて、何を思い浮かべますか?
選挙や議会の仕組み?建前にすぎない形骸化したもの?、漠然と何かほかよりも良いらしいもの?、…
そのイメージは人それぞれ違うかもしれません。
本書は東京大学社会科学研究所の宇野重規教授が、「民主主義」とは何かを、中高生など初学者にも分かりやすくゼロから丁寧に解説しています。
自分たちの生活する基盤であるこの社会を、誰かが勝手に力を使って動かしている、という認識ではなく、どうしたら自分たちの手でこの社会をより良く変えてゆくことができるのか、今いちど見つめ直すきっかけとしてぜひ手に取ってみてください。
皆さんはコミュニケーションが得意ですか?誰とでもどんな場所やシチュエーションでも会話が弾み、自分の言いたいことが誤解なく相手に伝えられる…という人はむしろ珍しいのかもしれません。仲良くなりたいのになかなか打ち解けられない、あるいは、自分のミスを反省しているのに謝罪の気持ちが相手にうまく伝わらない、などという経験は誰にでもあります。この本は、ストレスを最小限にして、誰でも、誰とでも上手にコミュニケーションが取れるよう、会話や対応を分析し、シーン別タイプ別にとても分かりやすくその手法が東大生の会話メソッドとしてまとめられていてヒントがもらえます。
「このミステリーがすごい! 2023年版」国内篇、「ミステリが読みたい!2023年版」国内篇で2冠を達成し、第167回直木賞候補作にもなった本作は、爆弾魔と刑事が繰り広げる頭脳戦謎解きミステリーです。とある傷害事件で警察に連行されたスズキタゴサクと名乗る冴えない中年男が、秋葉原での爆発事件を予言します。しかも同じような爆発はあと3回起こると予告。警察の取調室でタゴサクと刑事の会話が緊迫感を孕んで、具体的てがかりとなる自殺した元刑事の謎も絡んで進行します。謎解きに伏線が張られていてミステリーやクイズが好きな人、受賞歴のあるしっかり骨太な作品が読みたい人におすすめです。
地球の地殻変動や火山噴火等により、地中奥深くで長い年月をかけて創られ地表に押し上げられ、ついに人類に発見されるに至ったキセキの石たち。その希少性と美しさから人々を魅了してきた宝石の、種類、産地、強度、語源、歴史的価値から結晶の元素成分や分子構造まで、宝飾的価値にとどまらない魅力と秘密がわかる図鑑です。情報量が多すぎず、自然界の偶然と人の技術のコラボにより生み出された奇跡の芸術品が美しい写真とともに通覧できます。何より宝石の成分や構造が気になりだすと、苦手?な元素周期表が新鮮に見えてくるから不思議です。
この本は、その時々の時代を彩ったCMや宣伝広告のキャッチコピーを集めた名言集です。
平明でありながら万人をハッとさせたり、誰もがドキッとするような珠玉の言葉が目白押しで、言葉の力や煌めきに満ちています。
帯のコピー「悩んだり、迷ったとき。言葉は力になってくれる。」もまたしかりでしょうか…
癒しや気づきが欲しい人、言葉のセンスを磨きたい人におすすめです。(以下本文より引用)
「前に進めるのは、
できる人じゃない。
やると決めた人だ。」
本書は、英単語の語源図鑑のように同じパーツを共通して持つグループをイラストつきで関連づけて紹介していて、語源の意味が分かりやすく、また類語も覚えやすくなっています。漢字の共通する部分(音符と意符…偏へんや旁つくりを引いてあとに残ったもの、本書では親字)に着目し、語源を解説しています。親字の意味がわかると派生的に関連語もおさえることができ、類語の把握に役立ちます。各章間にある漢字にまつわるコラムも、なるほどな、と思うトリビアに溢れていて興味深く楽しく読めます。
北海道旭川にアイヌに怖れられている《黄泉の森》という禁域があり、その森には「ヨモツイクサ」という謎の生命体が潜んでいた。この禁域をリゾート開発する会社の作業員6人が失踪し、残虐な跡だけが残される。遡ること7年前、《黄泉の森》近くに住む家族が失踪し、その行方を捜していた外科医の茜と、茜の姉の婚約者(同僚刑事)の小此木は、事件の関連性をみてとり未知の生命体に挑んでいく。
終始ハラハラわくわくドキドキのラストどんでん返し、医師でミステリー作家の著者のバイオホラーをぜひ堪能してください。
常識ってなに?
どっちが常識はずれなの?
出禁にする店員・お客さんの生態・マスター・・・
それぞれ ヤバい!?
生成AIが話題の昨今、人間に本当に必要なのは、無から新しいものを生み出す創造力や独自の意見を主張するコミュニケーション能力で、インプット3:アウトプット7が理想の比率なのだそう。「書くこと」は「記憶すること」…書けば書くほど記憶が定着、幸せになりたければネガティブの3倍ポジティブを口にする…ポジティブ3行日記、「人前で話す」が得意になる「3つのキーワード」、失敗体験から感情を切り離す「賢者のワーク」..と実益が盛りだくさん。筆者はコミュニケーション力の差は、単に「こなした数」の差だと言い切ります。アウトプットを毎日続ければ学力が劇的に向上し、人間関係も改善すると聞けば、読んで実践あるのみです。
家族や学校、お金や仕事、病気やケガ、介護や障害…日常生活で困難に出会った時に、知っていると役立つ社会保障制度について、ピンチに遭遇した10人のエピソードを通して、分かりやすく学べます。
自分自身はもちろんのこと、周りの誰かを助け、守るためにも最低限の社会保障制度の知識を身につけておくことは、これからの時代を生きるためにも大切です。QOLに関わる大切なツールとして、先ずは本書で制度の内容を把握しておきましょう。
「自律神経のバランスが乱れている」などよく耳にしますが、自律神経とは簡単にいうと「内臓の働きを調整している神経」だそう。本書は、交感神経と副交感神経の仕組みや、深呼吸で気持ちがやわらぐ理由、緊急時に馬鹿力が出たり、怒ると心拍が上がったり、嫌悪感を抱くと体温が下がる仕組み ....など自律神経の機能を科学j的に考察し、全身の臓器とつながり身体の内部環境を守ってくれている自律神経の歴史的な研究をたどりながら、新たに発見された「第三の自律神経」の働きまで丁寧に解説しています。心身のメンテナンスの一助におすすめです。
ヒトとキリン…見た目は全く違うけれど、実は骨格の構造や赤ちゃんの育て方などで共通点も多くあるのだとか。似ている部分に注目すると、複雑な進化の仕組みも理解しやすくなります。手足、首、皮膚、心臓など8つの器官の「比較」を通して、さまざまな動物の体に刻まれた進化の歴史をひも解きます。「キリン博士」こと人気解剖学者によるユニークな進化のお話で、ヒトとは異なる環境に適応してきた動物たちの体の構造と進化に触れてみませんか。
「色相」「彩度」「明度」など色の基本から、色の組み合わせ、イメージと特徴、そして「錯視」「色相対比」「色覚」など、脳の錯覚や脳の処理による影響や違いまで分かりやすく解説しているありそうであまりないハンディな色の図鑑です。標識の色の意味やリンゴが赤いわけなど、暮らしの中のさまざまなシ-ンで出会う色の不思議や秘密をひも解いていてコンパクトながら色の解説書として、色・々・と楽しめます。
2022年本屋大賞第2位の青山美智子さんと新進気鋭の水彩作家U-ku(ゆーく)氏がコラボした、ショート・ショートと水彩画アートの作品集の第2弾です。静かな青を基調とした1巻と対をなすように華やかな赤を基調とした水彩画と素敵な掌編?詩?48篇がオールカラーで収められています。美しい絵と優しくも鋭い言葉のマリアージュがどれかきっと心の琴線にふれるはず。日々を一生懸命に生きる自分へのご褒美になる一冊です。
ねこの表情、しぐさ、姿態と四字熟語のマッチングが絶妙な写真集?熟語辞典?、ベストセラー待望の第2弾です。とにかく被写体のにゃんこたちの、可愛らしく面白いショットにほっこり癒されます。第1巻で主要な四字熟語を扱っているためか、このパート2は四字熟語とにゃんこ写真の組み合わせに若干苦労されたようですが、いずれにせよ1巻同様、可愛いにゃんこたちの姿を眺めて心温まりながら、印象深く四字熟語をマスターして賢くなれます。
「曾祖父のために新聞の字を拡大できるアプリを開発したプログラミング好きの高校生、数百万円する装置を3万円で手作りし『火星の水』を研究した定時制高校の科学部―オリジナリティあふれる研究で賞を獲得した10代の若者たちは、どう好奇心を育み、新しい考えを形にしたのか」…
気鋭のサイエンスライターが贈る「理系の時代に必要な力をどうつけるか」を考える書。ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章氏へのインタビューも必読です。
「発達科学が解き明かす子どもの心の世界」という副題の本書は、大人とは全く異なる存在としての子どもの在り方を、歴史、科学、心理学などさまざまな側面から解説しています。大人より子どものほうが論理的!?だったり、子どもは人間と犬を平等に扱う!?など、最新の研究を通してみえてくる子どものすがたを、トロッコのジレンマやマシュマロテスト などの実証実験の解説を盛り込みつつ検証していて、中高生でも楽しく読める工夫がされています。
「ナメクジ、ダンゴムシ、モヤシ、雑草…。一見『つまらない』、『にぶい』、『みっともない』、と思われがちな生き物たちは、奇想天外な独自のスタイルで最先端の進化を遂げている」と著書は言います。こうした生き物たちの生態に触れることで、私たち人間も、自分自身について、短所、弱みと決めつけていた思い込みを再考するきっかけをもらえます。中学入試問題等にもよくとり上げられる著者が、生き物の個性と進化の話をやさしくひも解いていて、話題提供にも一役買える一冊です。
さて、ナマケモノは、なぜ怠ける???
「いま最も本が売れているという落語家が、『落語流のこころの整え方』を伝授する」とうたわれている本書を手にすれば、落語の基礎知識や、江戸から昭和に至る時代背景、文化についても学べ、2時間で落語通に!
落語を評して、師匠の故立川談志は「人間の業の肯定」、著者の立川談慶は「人類のミステイク大全」と。そんな落語を聴いて「人間はみんなドジ。自分にも他人にも優しくしよう」と思えたら、誰もが生きやすい寛容な社会を築けるかもしれません。
本書は、中学男子バレー部員を主人公にした小説仕立てになっている部活動自治に関する解説書です。ある日、校長から突然廃部を言い渡された男子バレー部員たちが、部の存続のために自分たちで部活動の運営に乗り出すというストーリーを追いながら、顧問主導ではない、生徒が主体となって運営し成果をあげるノウハウを追体験できるようになっています。また、部活動の運営に主体的に取り組む経験やリーダーに何を求めるかなどの考え方は、後々の入試面接の際にも力となり、社会活動の基本として活かすことができるでしょう。
マンガで読みやすく、とても分かりやすい性教育についての本です。教育というと大人が子どもに教えることをイメージしますが、また本書は実際に大人から伝えることをメインに書かれてはいますが、子どもの側からもぜひ手に取って、伝える伝わる大切さを自身で納得しながら読んでもらえたらと思います。「その個人と個人が出会って、自分と相手の体と心を大切にしながら生きていく」ことは年代に関係なく大事なことで、性についての発達段階に応じた正しい理解は、自分も相手も尊重し守ることにつながり、将来にわたって役立ちます。
俳句を気軽に一句詠んでみたいけれど、コツがわからない…と思う人は意外と多いのでは。4冊にわたる本シリーズでは、俳句の歴史やルール、創作方法、季語や名句等が豊富な図版とともにわかりやすく解説されています。俳句は「自然や人間の心の奥底まで写し取る不思議な力をもった詩」で「日本人の心の結晶」と監修者は言います。また、俳句を作る過程では、発見力、考える力、ひらめき力、日本語力が身につくのだそうです。小中学生が作った句も数多く掲載されていてとても参考になり、すぐに句作に取り組もう!という気になります。
名作文学の数々が手軽に読める文庫版サイズのマンガで甦った本シリーズ、手元にあれば便利、原典にあたるキッカケにいかがでしょうか? 芥川龍之介『薮の中/羅生門』、竹山道雄『ビルマの竪琴』、太宰治『人間失格』、『走れメロス/富嶽百景』、夏目漱石『こころ』、『坊っちゃん』、『三四郎』、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』、『風の又三郎/よだかの星』、武者小路実篤『友情』、森鴎外『ヰタ・セクスアリス』、『山椒大夫』等々豊富なラインナップになっています。日本が誇る文豪たちの世界にぜひにふれてみてください。
本書は数々の学校改革で成果をあげてきた著者(校長)が自身の学校の生徒におこなった全8回の特別講座をまとめたものです。組織やチームを率いるために必要なエッセンスを中高生にも分かりやすく説いています。また、重要ポイントがマーカーや太字で分かりやすいよう工夫されていて、視覚的にもすっきり要点を把握しながら読めます。メンバー全員を当事者に変える魔法の言葉や、伝わるプレゼンの極意など、読めばなるほどと納得できます。リーダーは才能や人気がないとなれない、自分にはチームをまとめるなんてムリ、と思っている人にこそ読んでほしい本です。
人が美を感じる視覚的メカニズムには一定の法則や比率があり、パルテノン神殿やルネッサンス絵画、クレジットカードの縦横のサイズなどに、「黄金比 1:1.618」が見え隠れするといいます。ヒトのDNAの長さ、幅の比も黄金比に近いそう。紀元前14世紀のエジプトの妃から現代に至る各民族ごとに典型的な美男美女の顔を解析すると、パーツ(瞳、目頭、鼻、唇、あご)配置や顔の幅等が、すべて黄金比に当てはまるともいいます。時代、洋の東西を超えて、美的感覚には共通するものがあるようですね。美しい図版が豊富な本書、パラパラめくって見て解説を読むだけでも楽しめます。不思議な美の法則の世界にふれてみてください。
『エンド・オブ・ライフ』『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場 』『エンジェルフライト 国際霊柩送還師』など数々のベストセラーを手掛けるノンフィクションライターが、諸外国と比べ極端に低い難民認定率の日本の入国管理局、移民・難民問題に切り込みます。元々日本語教師として在留外国人と接してきた著者いわく「勝手にこちら側と、あちら側で区別するものは、人間が頭の中で作った境界にすぎない。」と。命からがら国境を越え日本にたどりつき難民申請する人たちの扱われ様や彼らに寄り添い闘う「難民弁護士」の奮闘、入管に収監されている在留外国人の取材など、日本人として人として心の在り方を問われていると痛感せずにはいられません。
著者のズラータさんは、マンガと小説が好きな引きこもりがちな少女だったといいます。その少女がどのような経緯で戦禍のウクライナから全財産16万円をもって単身来日することになったかや日本での暮らしぶりが活写されている本書、絵も日本語の文章もズラータさん本人の手によるもので、とても上手で驚きます。困難な状況下でも、自分の心に真っすぐで、家族や周囲への感謝の気持ちを忘れないズラータさん。好きなこと、夢や憧れ、ドキドキわくわくするものに出会えることがどれほど勇気を与え自分を強くしてくれるのかを教えてもらった気がします。好きなことがよくわからない、人付き合いがうまくいかない、夢はあるけどくじけそう…そんな悩みを抱えている同世代のみなさんにぜひ読んでもらいたい一冊です。
手前味噌な紹介になりますが、タイトルが目を引くこの本、読めばきっと図書館スタッフの仕事に興味が湧くはずです。…ひょんなことから図書館でアルバイトすることになったヤンキー主人公が、図書館での仕事や出来事、人間関係を通して図書館員として成長する、というお仕事マンガです。他にも医師、助産師、看護師、獣医、塾講師、社会福祉士、水族館員…などさまざまな職業をモチーフにしたお仕事マンガが本校メディアセンターには揃っています。職業や仕事の内容に興味を持つきっかけとして、また深く調べ学ぶための一助に、あるいは息抜きにお仕事マンガをぜひ手にとってもらえたらと思います。
本書は、京都本大賞受賞経歴の著者による、京都が舞台の、文学を題材にしたミステリー系の話が4つ収められている短編集です。それぞれの短編では、史実と物語、過去と現在が絶妙に絡み合って、独特な京都の世界観が紡ぎだされています。川端康成の『雪国』や中原中也など、京都に縁のある文学を題材に描かれる不思議なめぐり逢わせのお話は、とても興味深く読むことができ、ミステリーというよりは情緒ある趣きの不可思議な物語…という体で、読後はきっと京都へ旅してみたくなることでしょう。
将来の夢はありますか?…何になりたいか、何をやりたいか今とりたてて思い浮かばず、具体的な目標がない、だから何となくやる気もでない…という人にぜひ手にとってもらいたい本です。著者は通称「ビリギャル」を書いた人で、数多くの生徒の心に届く教育方法で短期間に偏差値を伸ばす個別指導や、企業の人材育成コンサルティングにも取り組んできています。できない理由やあきらめる言い訳を探すのではなく、できることやれる理由を見つけることに目を向けることの大切さを再認識します。視点を変え、発想を転換し、前向きにとらえて行動するための筆者の具体的な言葉かけは、読者に一歩を踏み出すきっかけをくれます。
正月に定番のかるた遊びですが、コツコツ覚えた百人一首で年明けにかるた大会を開催する学校も多いと思います。麗澤には「競技かるた部」があり、マンガや映画の『ちはやふる』で見知っている人も多いと思いますが、競技かるたは単に百首を覚えればいいわけではなく、スピード感のある知的なスポーツを思わせます。本書では競技かるたの基本ルールから勝つためのポイントまで写真や絵を交えて、わかりやすく解説しています。ルールが分かると、歌を覚えるのも楽しく、読んで覚えて実践して札が取れればより競技の魅力を感じることができるはず。初心者から競技経験者のスキルアップまで、ぜひ本書を参考に競技かるたの世界を楽しんでください。
5歳でステージ4の白血病になり、7歳で死亡宣告され、妹から骨髄移植をうけた著者は、再発と入院と手術を繰り返しながら「にゅうーいん」というハンドルネームのYouTuberとして自身の病気などの情報を発信し、そして大学在学中に再発しこの本の発行直後の昨年9月に24歳で亡くなりました。困難な病気と向き合いながらも自身の体験や状況をかざらない言葉で日常生活として語っています。病気が生活の一部となっていて特別感みたいなものを感じさせないそんな彼と、病気を一緒に乗り越え寄り添ってきた家族のありのままの姿が誰かを癒し、元気にし、つながれることの大切さを教えてくれます。
Put yourself in someone's shoes という言い回し、他人の靴を履いてみろ、つまり相手の立場になって物事を考えろという意味で、この本はエンパシー(相手の立場になって想像すること)について、シンパシー(共感、共鳴)のように感じるのではなく、身につける必要があるスキルだと言ってます。著者はイギリス在住のブレイディみかこさんで、異文化で生活する中でエンパシーとアナキズムを深く考え、単なる異文化共感とは異なり、政治や社会的意見の異なる相手を理解する知的な能力として、これからの時代、国際性や多様性の中で生きてゆくにはエンパシーが必要だと語っています。真に自由に生きるためには、異文化や他者を理解し尊重する能力がスキルとして求められているのだと考えさせられます。
日本人の平均睡眠時間は諸外国に比べて1時間以上も短いそうです。そんな睡眠不足の日本人がぐっすり眠り、気持ちよく目覚めるための快眠サイクルについて理解し実践できるよう、丁寧に分かりやすく説明してくれているのが本書です。眠くて眠くて仕方がない人も、寝つけなくて眠れなくて困っている人も、質の良い眠りを実現するためにはどうしたらよいのか、生きることの基本である睡眠について、本書を通じて科学的に理解し、快眠のための知識を深めてください。動物の冬眠や脳の働きについても書いてあり初心者でも楽しめる睡眠の入門書です。
まもなく還暦を迎える著者が自身がこれまでたどってきた人生と経験を振り返り、若かりし日の自分に語りかけるスタイルで書いた、若者に向けての応援メッセージです。くよくよするのもいいものだ、自分らしさってなんだろう?、日々の暮らしで学びとるもの、人とのかかわりでわかること、ココロとカラダはやっぱり基本、これら5つの章立てのどこを切りとっても当たり前すぎるほど当たり前だけれど、誰もが経験するであろう考えや行動や悩みについて、優しく温かく、ちょっと厳しく、さりげなく鋭く背中を押してくれます。失敗を恐れて踏み出せない自分にあなたなら何と語りかけますか?
本書は地方の公立高校から塾や予備校に通わずに東大に現役合格したカリスマ塾講師による、読書が苦手な人、読書の習慣がない人に向けて書かれた読書のすすめです。読んでいくと読書へのハードルがさがり、まずは読んでみよう、続けてみようという気にさせてくれます。受験で培われた勉強法や思考法など、著者の経験も踏まえて読書の素晴らしさや大切さとその効用を伝えてくれています。毎日10分の積み重ねで自分が変わり、生き方にも影響する…そんな素晴らしい体験を、まずは読書をする環境を整え、読書を習慣化することからはじめてみよう、と思わせてくれる一冊です。
無礼な人、まわりにいませんか?原著者のクリスティーン・ポラスは活気ある職場づくりの提案をおこなう経営コンサルタントですが、その理念をマンガで分かりやすく書いたのが本書です。いわく「礼節は最大の武器になる」です。無礼な態度やふるまいは伝染、伝播し、結果的に周囲を不幸にし、組織全体をむしばみます。礼儀正しさや品性のある行動もまた伝播します。礼節はまた道徳科学でもあります。本書には、無礼な人から身を守る対処法や無礼な人を更生させる方法など、無礼を排し効果的に礼儀正しさを強化する科学的なメソッドが紹介されていて、人付き合いや組織運営に役立ちます。
英検1級をもつ俳優の鈴木亮平がナビゲートする中学英語で通じる英会話のガイド本です。本書では海外旅行編、国内ガイド編、受け答え編など、海外の旅先や訪日外国人との日常会話で役立つフレーズを紹介しています。彼の留学経験をいかしたアドバイスもあり、堅苦しくなく自然体で中学レベルの知っている英単語を駆使していかに相手に伝えるか、また伝わる言い回しなど、コミュニケーション手段としての英語の活用法がわかりやすく紹介されています。難しい単語を使わなくても上手く言い換えれば伝わるんだ、というコツがつかめると、英語で会話することがいっそう楽しくなりそうです。
鏡に映った自分の姿勢を残念に感じたことはありませんか?誰でも良い姿勢が大切なことは分かっていますが、これがなかなか難しい。特にスマホやパソコンを長時間見る若い世代を中心に「頭下がり」という不自然な姿勢の人が増えているのだとか。また猫背など悪い姿勢は身体の不調や健康に大きく関わります。腰痛、頭痛、肩こり、腸などの内臓にも影響が及び、睡眠の質の低下を招きます。体幹力を高め良い姿勢を保ち、セルフケアして長い人生を快適に充実させ身体の内側から健やかでハッピーになるために、本書で体幹力の鍛え方や無理なく続けられる具体的なトレーニング方法を習得してください。
月経前に体や心に不調が現れるPMS(月経前症候群)を聞いたことがあるだろうか。最近はTVや雑誌でもよく特集されていたりする。この物語の主人公の一人は、PMSで苦しんでいる28歳の女性、藤沢美紗である。もう一人の主人公は、突然動機やめまい、発汗などの発作が起きる、パニック障害になり生きる気力を失ってしまっている25歳の男性、山添孝俊。小さな会社で働いている二人だが、お互いに接点をあまり持たずに過ごしていたある日、美紗はPMSの影響で山添に当たってしまう所から物語が始まる。人生は大変なことや辛いことも多いけれど、誰かの力になることが自分の力にもなっていくことが伝わってくる物語です。
東京とシドニーを舞台に紡がれる12のオムニバスストーリーです。1つ目のお話は川沿いの桜並木の傍に佇む喫茶店で働く、ある青年が主人公です。いつも同じ曜日、同じ時間に来店してホットココアを頼むお客さんに恋をしています…。友人や知人、仕事で知り合った人、私たちが普段生活している中で出会った人を大切に思う気持ちが巡り巡って誰かを救っている。読み終えたら、誰かに優しくしたくなるような、自分にも優しくなれるようなそんな温かい物語です。
「天気」と「気象」と「気候」の違いは?…本書を監修したテレビの「お天気コーナー」でおなじみの気象予報士の木原実さんと著者でジャーナリストの稲葉茂勝さんが、これらの違いや基礎基本をしっかり学べるように工夫を凝らし執筆されています。また、地球環境における重要課題であるSDGsの観点からもこれら3つの意味の違いを教科横断的に各パートに分けて解説していて、さまざまな「天気」「気象」「気候」について、クイズ形式で興味深く学べます。写真やグラフや図などを多用した見やすく分かりやすい絵図鑑です。
平たくいうと自分たちのことは自分たちで話し合って決めるのが民主主義ですが、本書はPert1~4まで順を追って民主主義についての考えを深められるよう構成されています。Pert1でギリシア・ローマ時代から中世ヨーロッパ、アメリカ大陸、フランス、中国、敗戦後の日本まで民主主義の歴史をひもとき、Pert2で日本社会における民主主義の仕組みと機能を列車の構造に例えて説明、Pert3では民主主義指数ランキングが世界で17位の日本と他の国々との比較や違いを考察、Pert4は民主主義の危機、破壊、諸問題にふれ未来の在り方を探ります。写真や似顔絵、図解が豊富で、堅苦しくなく世界の主要な政治の動向にも触れられます。
自宅と学校の往復が日常の多くの時間を占める生徒は、その世界で適応できないと人生が終わってしまうように思いがちです。学校生活が思うようにならず辛い思いをしている人には、実は世界はもっと広く人生ももっと自由で柔軟なものであるということ知って肩の力を抜いて先々を模索してほしいです。本書は不登校、中退、ひきこもりの受験生を10年以上にわたり支援してきた著者が、大学受験に向けての具体的な勉強方法や人生、社会、人との向き合い方等をアドバイスしてくれています。当事者だけでなく色々な立場の人に読んでもらいたい一冊です。
国内2位(2020年度)のシェアをもつ長谷川香料という会社が著した本書は、自然界に存在するさまざまなにおいから科学的に合成さられる香料まで、化合物としての化学構造のみならず、歴史、生活全般、脳科学、工業など多様な分野での効能・効果、役割などを紹介・説明しています。例えば、何かのにおいが特定の記憶を呼び起こすことを「プルースト効果」と呼ぶそうですが、そんな誰もがもつ経験を科学的に説明し、そう呼ばれる謂れも解説。また、においと味の相互作用でうまみが増したり、くさみを抑えるマスキング効果など、不思議で多様なにおいと香りの奥深い世界を体験させてくれます。
今年の大河ドラマの主人公は徳川家康。本書はその家康に仕えた2代目服部半蔵(服部正成まさしげ)を中心に描かれた歴史小説です。この小説で半蔵は、激動の戦国時代を生き抜き主君を天下人へと押し上げた剛腕な部下として描かれます。14歳どうし出会い頭に「天下人になれ。おれがてつだってやる」と強気な半蔵と、「嫌だ」と気弱でマイペースな家康が、時代の流れに翻弄されつつも着実に天下統一に向かって長く険しい戦いの日々を歩んでゆく様子がリアルで、会話から伝わる人物造形も魅力的です。歴史の一側面として、大河ドラマを観つつ読んでみるのも面白いのではないでしょうか。
料理界のカリスマ、三國シェフは自称「三流シェフ」…その意味とは?本書では彼が歩んできた道のりと70歳を目前に店を閉じ、新たな夢にむかって前進するに至る境地が語られます。出身の北海道増毛という小さな町での極貧生活、志をたてつつも鍋ばかり磨いて料理をさせてもらえなかった帝国ホテルでの下積み時代、大使の料理番として随行したスイスジュネーヴなどヨーロッパでの修行時代、その後も数々の苦労と努力とアイデアで活路を開いてきたカリスマシェフの人生と人との出会いには、料理に限らず全ての職業、生き方に通じるものがあり胸に迫ります。何かを成し遂げようとする全ての人に。
「地政学」とは地理と政治を組み合わせた造語で、国政関係論や国際政治学的なものも含まれますが、何より地理的な条件に注目して、軍事や外交などの国家戦略、国同士の関係などを分析、考察する学問をいいます。古来人類の歴史は、「隣の異民族や異教徒、隣の経済体制を滅ぼしていかに自分の領土を広げるか」に終始してきました。「絶対的な地理条件のなかで、我が家は隣との関係をどうするか。」…ロシアのウクライナ軍事侵攻をはじめ、韓国と北朝鮮、日中、日韓、日ロ間などの諸問題をみても複雑な事情が絡みあっています。世界の国々が置かれている状況が図解でわかりやすく説明されていて世界情勢の把握にぜひ手に取ってほしい一冊です。
何かというと嫌われもモノの“G”についてのちょっと面白い研究考察本です。著者は昆虫館に勤めるかたわら、ゴキブリの研究をしています。研究を始める前はごくフツーにGが苦手だったそうです。読み進めると、人並みに苦手としていたGをペット?として飼育・観察・研究するまでになった著者のGへの熱い想いが伝わってきます。カマキリと共通の祖先から分岐し、シロアリと親戚(同じゴキブリ目に属する)のあのGについて、本書で新たな視点を得て、客観的に昆虫としてのトリビアに触れてみませんか?読後はきっともっと優しい気持ちで見られるようになっているかもしれません…
バスの降車ボタンや信号機の押しボタンなどアナログなボタンからエレベータの非接触式センサー内蔵ボタン、タッチパネルやスクリーンにあらわれるバーチャルなボタンまで、人の生活と社会を動かすために必要不可欠なさまざまなボタンとその活用シーン、製作現場、コレクション等々について興味深い切り口で紹介しているハンディ図鑑です。「ボタンを押すことで機械が動き社会が動く」…人類文明の維持発展と切っても切れない重要な装置であるボタンついて、今いちどじっくり見てみるのも楽しいものです。
古代から現代までの時代を彩ったイギリスの城郭や歴史的建築物500点あまりが建築・改築年代順に掲載されている貴重な図鑑です。オールカラーで、数々の美しい写真とともに歴史背景、建築様式、王侯貴族の生活等々が説明されていて、年表・地図・用語解説・索引もついているので、とても見ごたえ、読みごたえのあるガイドとなっています。イギリス研修を予定している中3生のみならず、英国の歴史や文化に興味のある人、城郭や歴史建造物マニアにもおすすめの英国情緒をたっぷり堪能できる一冊です。
東京電力福島第一原子力発電所…通称「1F」。この作品は、東日本大震災後の福島原発で2012年と2014年に一補助作業員として働いた著者が、その体験をもとに描いたドキュメンタリータッチの漫画です。「いちえふ」とそこで働く作業員の日常が淡々と描かれていて、私たちが知り得ない現場の様子をよりリアルに伝えてくれています。マスメディアでは報じられない作業員の置かれた状況やナマの声を知りうる貴重な作品です。原子炉稼働の是非や今後の環境課題を考えるきっかけにしてほしいと思います。
1986年韓国ソウル生まれ、16歳で高校中退、家出、独立後、イラストレーター、漫画家として仕事を始めた著者のイ・ランさんは、日記代わりに録りためた自作曲が話題となり、シンガーソングライター、エッセイスト、コミック作家、映像作家などマルチに活動するアーティストとして注目を集めるようになりました。本エッセイでは「芸術製造業者」を自称し、生活感を隠さず日頃さまざまなシーンで感じる思いをまっすぐに書き綴っています。こんな視点、価値観、物事の捉え方もあるのだなと刺激を受けます。
「博物館のすごい裏側大図鑑」という副題のとおり、普段は見えない展示物のウラ側の仕事に迫ります。ファラオの黄金のマスクの修復、恐竜の骨格見本の再現、動物のはく製をよりリアルに仕上げる、河や海底など特別な環境におかれた遺物を壊さずに引き上げる、甲冑を復元する...などなど展示物の発掘や修復、クリーニングから保管はもちろん、展示や広報まで多岐にわたる仕事を知ることができます。人類の貴重な遺産を守り伝えるこんな仕事もあるのだと世界が広がります。
苦手な人向けに分かりやすく書かれた元素の本かと思いきや、文系頭にはちょっと難しく3時間では足りません。が、生活に身近な視点から元素を説明しているので興味をもって読み進めることができ、ある程度素地のある高校生ならきっと3時間なのでしょう。8章立てで、各章5~10ほどのテーマについて説明されています。特に光と色を扱った第6章は、花火の色の作り方、タコやイカの血が青い理由、ルビーとサファイアが同じ石…などについて楽しく読むことができ、なにより世界(自然界)が元素から成ることに畏敬の念を覚えます。
「面白い」とは「目の前が明るくて楽しい気持ち」のことで…これを仕事にするにはどうすればいい?…99.9%の人は思いついて終わり、と著者。この言葉にうなづいてしまう人は読んでみください。行動にうつすこと、トライ&エラーで見えてくる世界。「おもしろい」を見つけるコツとそれを仕事に繋げていく方法がマジメに楽しく書かれています。ちょっとしたことの積み重ねで人生が何倍も楽しく広がるなら読んで実践しないと損ですね。
ラーメンを食べている何気ない日常の瞬間を切り取って、隣のミケから隣の子、隣町の子、隣の国のそのまた隣の国の子と、同じ時に何をしているか、視点を移していく話です。そこでは赤ん坊を背負う子、水をくむ子、牛をひく子、倒れている子などさまざま。地球の裏側の遠いとおい国の子たちや出来事と今の自分、平和の大切さに自然と思いがめぐります。シンプルな絵と構図と言葉がよりいっそう読み手の想像力をかきたてて心にささります。
アウシュビッツ強制収容所の壮絶な状況から生還した101歳のエディが語る生きるとは?幸せとは?「命あるところに、希望はある。そして、希望があるところに、命がある。」「人はいまもっているもので幸せになろうと務めるべきだ。幸せであれば、人生はすばらしい。」…絶望的な状況下を諦めず生き抜き、トラウマを乗り越え語られるその言葉の力強さと歴史の真実を肌で感じてください。
物語を読んだ時の感じ方は人それぞれ。自身の読書について、もっと深く感じる読み方ができたら、物語はより味わい深いものになるのではないでしょうか。本書は物語の定義に始まり、より深く味わうための「カギ」を38紹介しています。さまざまな読みの視点を参考に物語を再読すると、その楽しみ方が深まることを実感できるはずです。これらのヒントは生活全般の観察眼にも繋がり、受験の国語にも役立つスキルとなることでしょう。
保健室 高部先生おすすめの本👇
日々元気に生活しているつもりでも、何とはなしに疲れや不安や不調をため込んでいませんか?この本は、心と身体に問題を抱え辛い思いでいる多くの人を診てきた精神科医の著者が、コロナ禍で心と身体のバランスを崩した人やそれを見守る人におくる「休み方」の処方です。「休むこと」の大切さや、「休んでいいんだ」ということに自ら気づき再生していくためのアドバイスが、イラストやQ&Aで分かりやすく書かれていて、すうっと読めます。ときには休むことも必要ですね。元気なうちに予備知識を得るのもおすすめです。
中高生の皆さんは10年後の自分を想像してみてください。将来の進路を明確にあるいは漠然と思い描いている人も、全く未定の人も、未来で自分らしく生きられるように、様々なキャリアのケースモデルを早くから知っておくことは大事です。中高時代「勉強もスポーツもできない」「特にやりたいこともなく、自分に自信も持てなかった」自称元落ちこぼれで、ダンサー・舞台役者・料理人・教師を経て国際協力機関で働く著者が、自身の体験をもとに具体例を交えて将来を模索する若人にエールを送ってくれています。将来の扉はいろいろで多様だなと実感します。
この物語は、父親が日本人、母親がロシア人の中学生ミハイルと、日米ミックスルーツの転校生で大の「蟲」(ムシ)好き葉奈を中心に、科学部員たちが生物班の存続をかけて「科学的な取り組み」に挑むお話です。読めば自然とムシや生き物たちの生態や豆知識を知ることができ、私たち人間も含め生き物にとって多様性や環境がいかに大切かを再認識します。ムシ好きはもちろん、そうでない人も児童文学の名手が贈るどこかコミカルでとってもバイオロジカルな中学生たちの日々を追体験してみませんか?
この本は、両親の仕事の関係で7歳から思春期にかけてロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダの6か国4言語で転校生生活を経験したナージャが、各国の学校での経験から、習慣の違いや発見を独自の視点で捉えてまとめた学校生活異文化紹介エッセイです。授業の違いからノート、ランチ、座席、夏休み等々さまざまな事柄にいたるまで国による違いを知ることができます。「正解はない。違いがあるだけ。」互いの違いを認め合う、目からうろこなグローバル体験を覗いてみてください。
学校生活の中で自己紹介、授業課題、調べ学習他、プレゼンの機会はままあります。発表資料をスライドに作りこんで既に何度も発表を経験している人も多いことでしょう。そんな皆さんにお薦めなのが本書です。伝えるための魅せるプレゼン資料が400例載っていて、効果的なポイントもページ内に示されているので、まさに百聞は一見に如かず!で、有用なノウハウを得られます。見ているだけでも楽しい作例集です。
数“奇”な運命をたどった“書”物について、歴史(世界史)的な切り口でアプローチし、書物からひも解いた歴史の側面を語るベストセラーの第2弾です。世界一有名な占い師『ノストラダムスの大予言』についての見解や、かの独裁者のジェノサイド(大量虐殺)に影響を与えた書物について、はたまた私たちの生活に根付いている“お盆”の風習「盂蘭盆会」が実は儒教と仏教の仲を取り持った「偽経」だった?(偽書ではない)…などなど、読めば読むほど歴史が楽しくなること請け合いです。第1巻も見どころ満載なのであわせて読むことをおすすめします。
和菓子屋さんを舞台に、お客さんと和菓子に秘められた謎を解いていくミステリー小説の第3弾です。主人公は、食べることが大好きな女の子、通称アンちゃん。1冊目の『和菓子のアン』、2冊目の『アンと青春』で、アンちゃんはみつ屋でアルバイトをしていく中で社会人として踏み出し、少しずつ成長してきました。『アンと愛情』ではアンちゃんが成人式を迎えます。今いる場所で働く上で大切なこととは何か、好きなことを勉強することの楽しさに気づいたりと、一歩一歩進んでいきます。アンちゃんの成長もさることながら、美味しそうな和菓子が沢山登場するため、和菓子屋さんに足を運びたくなるかもしれません。
今年の第167回直木賞を受賞した、『夜に星を放つ』は5つの短編集です。主人公たちは皆、大切な人との関係性に悩んだり失ってしまったり、喪失感や寂しさを抱えた人たちです。5つのうち、2つの短編にコロナが関係しています。今私たちが生きる世界とシンクロしているようで読んでいて当たり前になってしまっているコロナ禍の窮屈さが意識されました。喪失感に直面する登場人物たちに寄り添うことで、読み終わると人の暖かさや前を向いて生きていこうと思わせてくれるようなお話が詰まっています。
昨今もてはやされているメタバースですが、改めてメタバースとは?と聞かれて簡潔に即答できるでしょうか。昨年話題となった『竜とそばかすの姫』 を思い浮かべる人もいることでしょう。かつてはSFの世界であった概念が技術的進化により、3次元のインターネット世界で現実のものとなり今現在も発展し続けています。メタバースが今後のビジネスモデルや経済の行方を大きく左右する一大市場であることは否めません。進化を続けるメタバースが牽引する未来社会で生きてゆく前提として、まずは基礎知識を身につけ概要を把握しておきたいですね。
AIや知識がものをいう時代ですが、生きるために最も必要なのはその人自身の人間力です。本書は学祖である廣池千九郎博士の格言をはじめ道徳・倫理を堅苦しくなくわかりやすく伝えてくれます。何気なく繰り返される日々の暮らしの中で、ささやかなことにも幸せを感じ、感謝し感謝されることが当たり前にできるような自分でありたいものです。この本には短いけれど中身の濃いお話が100話つまっています。読めばハッとし自分の心の在りようを見つめ、何かが変わる、何かを変えるキッカケとなることでしょう。
高校生が宇宙食開発、そんな夢みたいなこと…をただの夢に終わらせず、皆で実現する夢に変え、遂には成し遂げた福井県立若狭高校(統廃合前小浜水産高校)の生徒たちとそれを支え続けた先生方の13年間がこの本に凝縮されています。宇宙飛行士用の日本食(宇宙食)開発の舞台裏…衛生管理システムなどあまり表にはでないことも説明されていて、クリアするべき課題の多い厳しい検査や審査、様々な困難を乗り越えて、先輩から後輩へバトンをつなぎ、皆で夢を実現させたその苦節の過程に胸打たれます。
本書は、農業産出額や名水総選挙、芥川賞・直木賞作家出身地などの統計ランキングと、県別魅力大図鑑の二部構成で、47都道府県の魅力が凝縮されていて面白ネタが満載です。各種統計データから見えてくる土地柄や県民性はもとより、各県の絶景・珍名所・郷土料理・グルメ・伝統工芸・行事・祭・秘湯・見どころなど知りたいことがコンパクトにまとまっていて、調べ学習にとどまらないネタの宝庫となっています。ぜひこのマップエンターテインメントを熟読して、トリビアを体得披露してはいかがでしょうか?
この絵本は、ウクライナの作家が描いた反戦をテーマにしたものです。
現在も続くウクライナでの戦争は、2022年2月から始まりました。ウクライナから地理的に遠い日本では、日々いろいろなことが起こり、遠い場所で戦争が起こっていることが当たり前になってしまっているように感じられて、怖いです。絵の表現がポップで愛らしい反面、”戦争”の表現は独特で禍々しいものを感じます。子どもたちだけでなく、大人にも読んでほしい、そんな一冊です。今一度平和とは、希望とは何かを考えるきっかけになるはずです。
お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹さんと人気絵本作家のヨシタケシンスケさんがコラボしたとっても楽しい本のお話。年をとって目が見えなくなり大好きな本を読むことができなくなった王様から珍しい本についての話をたくさん持ち帰るよう命じられ、旅に出た二人の男。帰還した二人からたくさんの本の話を聞いて満足し、その本の編纂を命じて王様は亡くなりました。めでたしめでたし。。。?ん??でもなんかヘン??世にも珍しい本の話を最後まで読んで、笑ってください。
感情・五感、日常生活、料理、学校生活・友人づき合い、身体・健康、おしゃれ・ファッション、仕事・ビジネス、算数・数学、動物の9項目に分けて日常良く使われるけれど、意外に言えそうで言えない約2000の英単語が収録されています。言いたい単語(表現)が分かってスッキリ!知れば知るほど英語がもっと楽しく使ってみたくなる!小数や分数、累乗など英語でスラっと言えたら格好言いですよね。ネットで使われる略語なども載っていて、生きた英単語を楽しく学べます。
今夏の異常な猛暑は誰もが体感するところです。日本のみならず世界中、地球規模で異常な気温上昇、極端な降水量の増加、干ばつの長期化、破壊的な台風や発達した低気圧、北極圏の氷の融解、海面上昇や洪水などがおきています。本書は脱炭素化への取り組みや技術革新など、具体的な数値や絵や図表を用いて見開きごとのテーマで分かりやすく説明しています。誰もが地球環境への配慮を模索する今の時代、まずできることから行動をおこすための一助に手に取って欲しい入門書です。
人為的なミスや故意の情報漏洩、サイバー攻撃や物理的な破壊、窃盗など情報資産にまつわる様々なリスクと適切な対応と危機管理などについての役立つ情報が満載です。図解まるわかり…しくみシリーズは、他にもWeb技術、プログラミング、データベース、ネットワークなどが入りました。これからより多様で積極的なICT活用のための基礎知識と技術の向上に役立ててください。
音楽、ダンス、芸術などものづくりと表現、そして発表の場は、SNSの普及に伴って急速に敷居も垣根も低いものになり誰もがトライできる世の中になってきています。そんな中で物語を作ろう、小説を書こう、あるいは実際に取り組んでいるという人も少なくないはず。執筆前に知っておくと良いであろうスキルやちょっとしたコツなど、現役作家さんのアドバイスを参考に小説を書いてみませんか?角田光代、辻村深月、誉田哲也各氏のインタビューも興味深いです。
日本が世界に誇る文化や発明、科学や技術が、縄文時代から令和まで4章立てで64紹介されています。今や当たり前になったものも元をただせば、すごい発見や技術開発の上に成り立っているのだと改めて気づかされます。発酵食品やインスタントラーメンから使い捨てカイロ、QRコード、カーナビ、ナノカーボン、iPS細胞、非接触ICカード(電子定期券)等の技術が分かり易く説明されていて、日本人も捨てたもんじゃない、と頼もしく元気づけられます。
世界中で愛されている日本の漫画。東大生もマンガから学びを得ています。マンガで想像力を養い価値観を問い、教科書の勉強とも関連づけて深い学びにつなげています。勉強が好きになるマンガの読み方とポイント、国語・数学・理科・社会それぞれに役立つマンガの紹介と解説。現役東大生が選んだためになるマンガ55選、あなたはどのマンガをどんなふうに読みますか?
クラシックギタリストの男性と国際ジャーナリストの女性の大人の恋愛ストーリーです。芸術や国際問題、戦争、親子関係など多くのテーマについて考えさせられる物語です。2019年には映画化もされています。
深い苦しみや葛藤を抱えながらも、お互いを大切に思い合っている姿に、二人の恋が成就してほしい、幸せになってほしいと願いながら読んでいました。
重厚感のある文章で、読み終わると余韻に浸ってしまうような一冊です。
主人公の桂木繭は、江ノ島にある写真館を経営していた祖母が亡くなり、遺品整理の為に久し振りに写真館を訪れます。繭は自身が起こしたある事件によって大切な人、大好きなカメラと距離を置いて生きてきました。写真館にあった未渡しの写真を通し、写真館に関わる人たちが抱える秘密を解いていくミステリーは、ページをめくる手が止まりません。主人公の繭を通して、自分が手放した大切なことは何だったのかを振り返るきっかけになる物語です。
1970年冬に親友と婚約者に裏切られる主人公のダン。技術者の命である発明と財産をだまし取られてしまい、挙句の果てに冷凍睡眠させられてしまいます。目覚めた世界は、30年後の2000年でした。
主人公が失ってしまったものや大切な人との絆を取り戻すため、突き進んでいく物語です。
この物語は1956年に発表されていますが、未来の描き方が今読んでもわくわくします。そして、1970年に生き別れてしまった愛猫ピートとの関係も最後まで目が離せません。
二人の不器用な“ハル”の物語です。一人目はマイペースで興味があることに没頭すると周りが見えなくなってしまい、周りに誤解されてしまう不器用な少年。二人目は田舎で育ち、周りに合わせようと必死で、本当の気持ちを隠し窮屈な思いをしている優等生で美人の少女。1991年から2020年代までの二人を描き、別々の場所で暮らしていた二人が、震災を機に出会いお互いが大切な気持ち、“しるし”に気づきます。登場人物たちの心理描写がとても丁寧に描かれており、人の強さや優しさに触れることのできる物語です。
イギリス児童文学の読み継がれている傑作を紹介している本書は、イギリスを文学的な側面から理解するのに役立ちます。『マザーグース』『ロビンソン・クルーソー』『クリスマス・キャロル』『不思議の国のアリス』『クマのプーさん』ほか、名作をとおしてその背景にあるイギリスの社会や文化、生活、倫理観や歴史などに触れることができます。そして物語の作者が何を意図してその物語を書いたかという観点とは別に、私たちが物語から何を読み取れるか、どう読めるかという視点を新たに授けてくれ、さらなる文学の森の奥深くへと誘ってくれます。
週休3日を唱えた本かと思いきや、日本社会や個人のあり方、働き方や生き方、生活様式、あえて「しない」ことで生まれる有意義な時間の有効性とその使い方、情報発信や発信された情報との距離の置き方等々…コロナ社会の日常における様々なことを考えるきっかけになるエッセイ集です。軽いタッチで気負わずに読め、私たちのライフスタイルを見つめなおす気づきがあちこちに散りばめられています。筆者の在り方とは対極にある「水曜日も働く人たち」…チームラボの猪子さんとのエピソードも多様な価値観を共有していて、ちょっと素敵です。
先日参院選がありましたが、選挙のたびに思うこと、開票率1%でなぜ当選確実と言い切れるのか…とか、テレビの視聴率ってどしてわかるの?どんな風に調べるの?、トーナメント戦の試合数を0.1秒で計算するには?などなど様々なトピックを集めて私たちに身近な数学を具体的に説明してくれています。数学って実は私たちの日常生活にとっても身近に関係していたり役立っている、ということを再認識して、もっと気軽に楽しく数学を味わってみませんか。
この4月から成年年齢が引き下げられました。すでに18歳成人として学校生活を送っている6年生にも、これから成人する17歳以下の皆さんにも、成人になるとはどういうことかを理解する一助になるコンパクトな冊子です。18歳で成年になると何ができて何ができないのか?特にお金に関する契約や電子マネー等については、充分な知識を得たうえで慎重に対処したいですね。ゲームの課金やクレジットで気づいたら手に負えない負債を抱えていた…とならないように、あるいは気づかないうちにトラブルに巻き込まれたり、消費者被害にあったりしないよう早くから正しい知識を身につけましょう。
見るだけでちょっと華やかな気分になれるハンディな花火の本です。その歴史から種類、大きさなどの基礎知識、色の作り方や化学的な火薬の配合、打ち上げ方など、花火職人の仕事ぶりと心意気が伝わってきて、夏の夜空を彩る大輪の美しさに思いをはせることができます。巻末の花火大会の豆知識や全国の有名な花火大会の紹介も◎ 暑い夏の短夜に枕元でちょっと花火大会の気分を味わってみるのもオツですね。
お家時間が増えて、自宅での過ごし方が多様化しています。何か新しいことに興味を持ったらまず、図書館を訪ねて調べてみましょう。生徒の新たな興味に応えて収蔵した本書は、多種多様な「サボテン」の仲間について、その特徴や栽培のコツがたくさんの美しい写真とともに掲載されていて、読んで眺めて飽きません。多肉植物ってこんなにも多彩で可愛らしかったんだと気づけて、関連書を探しに質問に来てくれた男子高校生に改めて感謝です。コケ栽培と観賞用テラリウムの本も一緒に入りました。
情報科 野口紘司先生 推薦
「1冊でしっかりわかる本」シリーズが入りました。大学入学共通テストの、実際の試験問題を徹底的に分析・解説。要点を把握し、目標を見定める一助に。苦手を味方にして目標合格を目指そう!左に紹介している他にも数Ⅰ・A、物理、生物、生物基礎、英語、現代文、古文・漢文、世界史B、日本史B、倫理・政経などもあります。ぜひ活用してください。
また生物・生物基礎のグラフデータ、高校の漢文読解、高校の英文法、高校の英文読解、中学校の公民、中学校3年間の英語なども入っています。先取り学習、学び直しに役立ててみませんか。
ロシアによるウクライナ軍事侵攻が常態化して久しく、戦争の悲惨さ酷さに心が痛みます。旧ソ連では第二次世界大戦中100万人をこえる女性が従軍し武器を手に戦いましたが、戦後は戦争体験をひた隠しにしなければならなかったそうです。そうした従軍女性500人以上から丁寧な聞き取りをして戦争の真実を明らかにした、ノーベル文学賞作家の主著(右)をコミカライズ(左)した小梅けいと氏の作品を読んで、戦争の現実・真実と向き合い、何気ない日常や平和の尊さに目を向けてみてください。
マンガ化で視覚的に分かりやすくサッと読めます。「けテぶれ」とは、「計画→テスト→分析→練習」というサイクルの勉強法で、麗中生には「PDCA」といった方が馴染み深いでしょうか。「勉強のコツ」というより「勉強のやり方」が伝授されていて、「やらされる勉強」ではなく「自分で学ぶ」喜びの大切さに気づけます。勉強とは、本来、楽しいものであるということを、再確認して、自ら学ぶことを実践していきたいですね。
お金好きですか?あって邪魔になるものでなし、先立つものがなくては困る場面も多いでしょう。ファイナンシャルプランナーの著者も述べていますが、お金以上に、お金の知識のあるなしは人生設計や人生における充実度に大きく影響します。時代とともに変化するお金の知識を正しく身につけ、賢く運用する。自分事として考えマネーリテラシーをしっかり身につけられるように図解やマンガがお金にまつわるあれこれの小難しさを和らげ理解を助けてくれます。
市立船橋高校吹奏楽部で青春を謳歌し、20歳で逝った浅野大義さんと恩師や仲間をめぐる実話をもとにした感涙の物語。スポーツの強豪校でも知られる市船の野球部の神応援曲「市船soul」をめぐる感動秘話が明かされます。大義が遺したものとは…
母校の市船や船橋近辺でロケがおこなわれた映画が公開中です。原作も映画も見逃せません。
あなたの伝えたいことは相手に伝わっていますか?大事なのは、伝える技術ではなく、伝わる技術です。つまり相手の立場になって伝える姿勢をどれだけ実践できるか。自分主体で伝えるのではなく、相手主体で相手にわかるように伝わらなくては意味がありません。そこには伝わるようにと配慮する思いやりや優しさが欠かせません。本書で伝わる伝え方の極意(技術)をマスターして、調べ学習のプレゼンに活かしませんか?
過去に戻ることができる不思議な喫茶店フニクリフニクラを舞台に、それぞれ問題を抱えた4人の女性が過去にさかのぼって大切な人に思いを伝える物語です。
過去に戻ったことで、これからを前向きに生きてく心温まるお話をぜひ読んでみてください。
近所に住む”むらさきのスカートの女”と友達になりたい主人公の”わたし”は、どうにかしてお近づきになるために試行錯誤をくりかえします。しかし、同じ職場で働けるように仕向けるのに成功はしますが、次第にむらさきのスカートの女は言動が変化していき、それに伴って主人公の人生もおかしくなっていきます。登場人物たちに違和感を感じ続ける、そんな不思議なお話です。