2026年1月19日、北海道医療大学サテライトキャンパスにおいて、北海道医療大学市民公開講座「がんを知る・がんと生きる」の5回目を開催しました。本学薬学部 教授 柴山良彦先生より、「がん治療における化学療法の進歩」をテーマに講演していただきました。参加者は29名でした。
講演では、がんの定義から、がん薬物療法の特徴と基本的な考え方、高齢者のがん薬物療法、最新の治療法やAdvance Care Planning、高額医療費、これからのがん治療について紹介されました。がん検診については、科学的根拠に基づいた検診が推奨されており、対象臓器や有効な検診方法について解説がありました。最近の治療では、がんの治療選択に関わるがん種別のバイオマーカーについて説明があり、薬物療法の効果予測に有用な分子標的薬の選択、がんの可能性や再発、転移を確認する指標として利用されることなどのお話がありました。
また、Advance Care Planningの重要性や高額療養費制度についても説明され、がんは個人ごとに異なる複数の疾患が複雑に相互作用する病態であり、医療だけではなく介護や福祉も併せて治療していくことが重要であると強調されていました。
終了後のアンケートでは、参加者から「色々な角度からのお話を聞けて良かった」、「体系的な説明から始まり、歴史や現在の治療法まで、わかりやすく理解しやすい内容で興味深く聞けた」などの感想が寄せられ、参加者の多くから「役に立った」との回答をいただきました。
(文責: 坂東拓哉)
がんプロ 市民公開講座
市民公開講座は、事業の一環として一般市民を対象に、がん医療の最新情報や療養に役立つ情報の提供を目的として行っています。今年も昨年度に引き続き、北海道医療大学公開講座「がんを知る・がんと生きる」の全6回のうち2回を共催とし開催いたしました。
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① 「緩和ケアを知ろう~緩和ケアって、いつどこで何をすること?~」
2025年12月1日、北海道医療大学サテライトキャンパスにおいて開催し、30名が受講しました。講師は、本事業のがん看護コース責任者である熊谷歌織が務めました。
講演では、まず緩和ケアの定義について、終末期だけのものではなく診断された早期から患者とその家族の生活の質を維持・向上するために行われるアプローチであることを解説しました。そしてそのために緩和されるべき苦痛は、身体的な面だけでなく、精神的、社会的、そして人生の意味を問うようなスピリチュアル・ペインの4つの側面が関連する全人的苦痛(トータルペイン)として存在することを紹介しました。また、緩和ケアを受けられる場所は入院病棟に限らず外来や在宅へと広がっている現状や、困った時の相談窓口であるがん相談支援センターの活用方法について具体的に解説を行いました。最後に、コンパッション都市の考え方を引用し、緩和ケアは専門職や家族だけで担うものではなく、地域コミュニティ全体であるがままの相手を尊重し支え合うことの大切さを伝え、受講者の皆様が自分自身の生き方を考えるとともに、社会の中でできるケアについても関心を持つ機会としていただきました。
終了後のアンケートでは、「緩和ケアという言葉は聞いていたが内容が詳しくわかり、がん以外の様々な病気にも通用すると感じることができた」、「実際に有効であった実践例は参考になり、不安が解消された」、「看取り後の遺族への活動例についても今後詳しく知りたいと感じた」などの感想が寄せられ、緩和ケアに対する理解の広がりがうかがえました。
(文責: 熊谷歌織)