「がん治療における化学療法の進歩」
2025年1月6日、北海道医療大学サテライトキャンパスにおいて、北海道医療大学市民公開講座「がんを知る・がんと生きる」の5回目を開催しました。本学薬学部 教授 柴山良彦先生より、「がん治療における化学療法の進歩」をテーマに講演していただきました。参加者は23名でした。講演では、がん薬物療法の始まりから、がん薬物療法の特徴と基本的な考え方、最新の治療法や治療時に必要な注意事項について紹介されました。がん検診は科学的根拠に基づいた検診が推奨され、対象臓器や効果のある検診方法についてお話がありました。最近の治療では、がんの治療選択に関わるがん種別のバイオマーカーについての説明があり、薬物療法の効果を予測するのに有用な分子標的薬の選択、がんの可能性や再発、転移を確認する指標として利用されることなどのお話がありました。また、高額ながん治療費負担を軽減させるための高額療養費制度についてご説明され、がんは個人ごとに異なる複数の疾患が複雑に相互作用する病態であり、医療だけではなく介護や福祉も併せて治療していくことが重要と強調されていました。
終了後のアンケートでは、参加者から「色々な角度からのお話を聞けて良かった」、「体系的な説明から始まり、歴史や現在の治療法とわかりやすく理解しやすい内容で興味深く聞けた」などの感想が寄せられ、多くの参加者より「役に立った」との回答を頂きました。
(文責: 木村治)
がんプロ 市民公開講座
市民公開講座は、事業の一環として一般市民を対象に、がん医療の最新情報や療養に役立つ情報の提供を目的として行っています。昨年まではコロナ禍の影響によりYouTube配信としておりましたが、今年度より対面開催を再開することといたしました。今回は、北海道医療大学公開講座「がんを知る・がんと生きる」の全6回のうち2回を共催とし開催いたしました。
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① 「緩和ケアを知ろう~緩和ケアって、いつどこで何をすること?~」
2024年12月2日、北海道医療大学サテライトキャンパスにおいて開催し、39名の受講がありました。講師は、本事業のがん看護コース責任者である熊谷歌織が務めました。講演は、緩和ケアとは何かというお話から始め、がん患者が抱えるつらさの本質とがんの治療による心身への影響に関して具体例をお示ししました。そして実際に行われている緩和医療として、病院の外来や在宅でのケアの提供体制の実際や、その利用方法をお伝えし、受講者の皆様が緩和ケアを受けたいと考えた時の相談先、相談の方法について解説を行いました。実際に緩和ケアを受ける時には、「どのように生きたいか」の意思表示をすることが大切であることから、日頃から自分自身が本当に大切にしていることは何かを考えておくと良いことも併せてお伝えしました。最後に、緩和ケアは医療者だけが行うものではなく地域コミュニティにおける連携も大切であり、参加者自身が社会生活の中でできる緩和ケアについても考える機会となるようお話をさせて頂きました。
終了後のアンケートでは、参加者から「友人が緩和ケア病棟に入院していて、今後在宅に移行するため参考になった」、「緩和ケアのイメージが変わり、がんに対する不安が和らいだ、もしがんになっても立ち向かう勇気が出た」、「健常者と緩和ケアを受ける人が能動的に生きるためにどうしたら良いか考えさせられた」といった感想が寄せられ、多くの参加者より役に立ったとの回答を頂きました。
(文責: 熊谷歌織)