平成国際大学附属サトエ美術館にて映画『海の沈黙』が撮影されました!!
映画『海の沈黙』(脚本:倉本聰さん、監督:若松節郎さん)のロケ地として撮影協力しました。撮影当日は、小泉今日子さん、石坂浩二さん、佐野史郎さん、萩原聖人さん、中村育二さん、伊藤洋三郎さん、水津聡さん、エキストラ約50名などの方々が来学し、本館にて撮影が行われました。
映画は世界的な画家の展覧会で起こった贋作事件を巡り、人間にとって「美」とは何か? を問う内容で、脚本家・倉本聰さんが60年にわたり構想を温めてきた作品です。本館は劇中の美術館内として活用され、重要なシーンも撮影されました。なお、当館学芸員も「絵画取材協力」として参加し、作品展示やエキストラ出演などをさせていただきました。
また、石坂浩二さんと本学・柏木俊彦学長は慶応義塾大学法学部の同窓で、撮影の合間には偶然の再会に旧交を温める時間を過ごされました。
当館での撮影風景
構想60年。脚本家・倉本聰、36年ぶりの映画作品が始動
学生時代から戯曲を書き始め、脚本家として数々の物語を、人間の感情を、観る者に投げかけるメッセージと問いを紡ぎ続けてきた作家・倉本聰。その活躍の場はテレビだけでなく、映画、舞台、書籍と多岐にわたるが、「どうしても書いておきたかった」と、『海へ 〜See you〜』以来、36年ぶりに執筆した映画脚本が本作『海の沈黙』だ。
「60年前から抱えこんできた僕にとっての大きなテーマがある。美術品の贋作というテーマである」と倉本聰は語る。「美術作品の価値というものは社会的権威によって保証される。だがその価値基準は元々極めて主観的なものである。だから世の中には贋作が絶えない。過去に日本にもそういう事件があった。重要文化財として認定されていたひとつの美術品が贋作と判明し国の指定から外されたのである。美とは何なのか。権威とは何なのか。これは、そうした矛盾に立ち向かったひとりの天才画家の悲劇である」。
作品の発想から60年。人間の環境は大きく変化し、テクノロジーや自然、社会、芸術のあり方や捉え方も変化を遂げた。それでも決して変わらないものがある、どんなに時が流れても人間がまだ答えにたどり着いていない“問い”がある。
本作は、巨匠・倉本聰がキャリアの晩年に満を持して挑む集大成的な作品であり、数々の傑作を世に生み出してきた作家が人類に投げかける最大級の問いでもあるのだ。
Story
世界的な画家、田村修三(石坂浩二)の展覧会で大事件が起きた。会場を訪れた田村が、展示作品のひとつが贋作だと訴えたのだ。主催者は隠蔽を画策するが、田村が会見を開いたことで事実が明らかになり報道は加熱。贋作を保有していた美術館の館長・村岡(萩原聖人)は、田村の妻・安奈に無実を訴えた後、自ら命を絶った。村岡は遺書で遺された者たちに訴える。「私はあの絵に心底惚れ込んでおりました。それはあの絵が贋作であると指摘された今も変わるものではありません」
作者が違うと判明した時、その評価が変わるのだとしたら、“美”とは一体、何なのか?
本木雅弘
小泉今日子 清水美砂 仲村トオル 菅野恵 / 石坂浩二
萩原聖人 村田雄浩 佐野史郎 田中健 三船美佳 津嘉山正種
中井貴一
原作・脚本:倉本聰
監督:若松節朗
製作:曵地克之
プロデューサー:佐藤龍春 製作会社:インナップ
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
海の沈黙
全国公開中
©2024 映画『海の沈黙』INUP CO.,LTD
製作会社:インナップ 配給:ハピネットファントム・スタジオ
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