第3回実力考査が11月5日に実施された。前回同様,英数国の3教科,各200点計600点満点であった。英数コースの実力考査は九州大学以上の難関国立大学の二次試験を意識して出題している。ただし,今回の実力考査までは文理選択・コース変更をするかどうかの判断材料にしやすいように,思考力を試すというよりは知識が定着しているかを測る問題を多く出題している。したがって,問題のレベルは決して高くない。
上位の諸君を見てみると,実力考査の目標点である6割360点を超えたのは両クラスで2名,あと一歩と言う5割300点を超えた諸君は11名。つまり,600点満点中5割300点を越えた諸君は81名中12名であった。ここ最近の試験結果の通り,上位層が薄い。各教科とも応用的な問題はほとんどなく,基礎事項を中心に出題していることを考えると,5割を超えている生徒が今の倍の人数がいて然るべき。逆に,600点の3割(=180点)すら取れていない諸君が34名もいる。これは受験者の4割以上にも相当する。したがって,例えば「自分の席次が30番くらいならまぁ大丈夫だろう」といったことは決してない。事実,30番でも,1/3ほどの点数しか取れていないのだから。つまり,どの層の諸君も今回の試験の結果について強い危機感を持つべきである。今回の実力考査までは,進路選択がしやすいよう配慮して出題しているが,次回の実力考査から,思考力を測る問題など応用力を問う出題を増やしていく。今回の考査の点数状況を考えると,これからの試験に不安が残る。諸君には大きな変化を求めたい。
それではまず今回の考査について振り返ろう。諸君は前回の第2回実力考査で,高校で学習した内容すべてが試験範囲になると,試験の1~2週間前からのやっつけの勉強では対応できないこと,日々の質の高い学習で内容をその都度押さえていかなければ点数が取れないことに気づいたはず。それから,およそ2か月。やったりやらなかったりする予習,予習に追われてほとんどできていなかった復習を改善できただろうか。求められる学習内容に対して,家庭学習において量を確保できていたか,質を高めることができていただろうか。高校の学習は中学までのものと異なり,適切な方法をとった上で十分な努力をしなければ成績は上がってこない。諸君にはそろそろそれに気づいてもらいたい。改めて,今回の考査での手ごたえ・結果を通して,前回の実力考査の反省点を生かすことができたのか,改善できていたか振り返ろう。
それでは,各論として教科担当の先生から諸君の答案から感じること,そしてこれからどのように学習していけばよいかコメントをいただいている。是非参考にしてもらいたい。
通常,英数コースの実力考査では九州大学以上の国立大学二次試験を意識した問題を出題するが,今回の実力考査ではコース・文理選択の時期ということもあり,諸君の現時点での学力状況がはっきりとわかるように基礎内容を多く出題した。具体的には既習範囲の語彙・文法問題を6割120点分,長文読解問題を4割80点分出題した。まず各大問で気になる点を列挙する。
【1】,【2】は単語・熟語の問題。どちらの大問も決して難しいものではない。だが採点した印象としては出来が悪く,単語帳・熟語帳を計画的に覚えるという意識が非常に低いように感じた。
【3】~【8】は既習の文法内容を問うもの。ほとんどの問題が基礎的なレベル(英検準2~2級レベル)。例えば【3】7.【be used to doing】と【used to V原形】のように,単純に知識を問うものをたくさん出題している。一部で,1つの設問に対し複数の文法知識を問うものもあったが大学入試を考えると標準的な問題。これらの大問について,文法の内容が身についていない生徒には難しく感じたかもしれない。
【9】,【10】が長文読解問題。【9】はe-mailを読んで問題に答えるもの。【10】遠隔治療をテーマとした文章。ともに,レベルとしては英検2級程度。各設問とも,既習の文法内容が身についていれば解答できるものにしている。また,長文中の語彙についても決して難しいものは含まれていない。日頃の授業でも話しているが,英文の切れ目や文章構造を捉えながら読めていただろうか。レベルがさほど高くない英文なので読めていないのであれば,明らかに日頃の学習が不足している。
合格点は100点とする。既習範囲の知識問題を多く含んでいる考査であったため,120点以上の諸君は現時点で求められている学習に十分ついてこられているといえる。一方,80点未満の諸君は学習した内容が身についていない。学習不足ないし誤った学習方法が考えられる。ここで,1年次の学習のポイントならびに学習方法について改めて話をする。
国公立大学の合格通知を手にするためには,各教科とも1年次で基礎を固めることが最も大切である。英語でいうならば,基礎に相当するのが,①語彙力,②文法力である。
➀について,今回の【1】,【2】でわかるように諸君の語彙力不足が露呈されている。2年次以降長文演習が本格化していくのだが,諸君の現状だと,語彙力不足が影響して長文で何が書かれているか全くわからない,最終的には英語がもう手つかずの状態になることが十分考えられる。また,英語を苦手にしている諸君は,そもそも単語すらまともに覚える努力すらしていないケースが多々ある。入学オリエンテーションの際にも話したが,高校英語は中学と比べ習得すべき単語数が多いのが特徴である。量が膨大なのですぐに身につけられるものではない。なので計画的に語彙を習得していくことが大切なのである。語彙を習得するために効果的な方法は様々あるが,まずは入学当初に話した学習方法に沿って覚えること。諸君が購入している「速読英単語」,「解体英熟語」はこの1年生のうちに完璧に身につけてほしい内容である。あの2冊を本気で1年で仕上げる覚悟を持っているだろうか?隙間時間をうまく使いながら語彙力養成に励んでもらいたい。学習に余裕があり1月英検や進研模試で飛躍したい生徒は,上記単語集の4週目,5週目にチャレンジするとよいだろう。
②について,文法はこれから長文を読んでいく上で,文章の構造を把握するのに大切な要素となる。きちんとした考えで文構造を捉えられるようになるために,1年次では文法問題を答えるときに言語化することを意識しよう。教科書・問題集の解説,授業中の説明を通して理屈を理解し,自分なりの言葉で説明できるようになってほしい。また,文法では構文・慣用表現など覚えなければならないものも多い。試験中瞬時に解答できるように,その表現を含む例文を覚えることも有効。
これら➀,②をもとに英文解釈力を徐々に向上させていく。また,1年次では学習を軌道に乗せる,つまり学習内容をきちんと消化させていくことも大切である。改めて『予習→授業→復習の黄金サイクル』を確立できているかを考えよう。特に復習まで手を回せているかが内容定着の差に繋がっているように思える。出てきた語彙の習得・文法内容の確認はもちろんだが,音源を利用しての学習,英文の骨格を捉えながら再度和訳してみる学習などまでできているだろうか。まさかいないと思うが,その日の授業ノートを眺めるだけの復習では結果に結びつかないのは明らかである。
1年生のうちに学習の仕方を確立し,基礎知識を定着させないと,2年次以降伸び悩んでしまう。一方で,入試本番までの残り時間は限られている。今のうちに覚えるべき事は覚え,同じ問題は二度と間違えないという気持ちで,学習に継続的に取り組むこと。試験では見覚えのある問題を得点できるかどうかが一番差になる。合格通知を手にするその日まで一緒に頑張ろう。
今回の実力考査は参考書のフォーカスゴールドから170点分出題し,残り30点は実力問題を出題した。前者については,夏休み~2学期で学習した2次関数,場合の数・確率,図形の性質を中心に出題。さらに,数字も変えずそのまま同じ問題を出題したので,今回の考査に向けて学習した成果や日頃の学習状況が反映されやすい試験であった。
まずフォーカスゴールドの部分について,上位層と下位層の出来の差が激しい。上位層はこちら側が意図している解法で解いており,答案内容も申し分ない。基礎が固まっているのを感じる。一方点数が取れていない諸君は,解法が初手から違っている状況。そのため,部分点も全くもらえない答案内容。さらに全く白紙の答案も散見された。基礎が全く身についておらず,高校の学習についてきていない状況がはっきりとわかる。日頃授業で解説しているマテーマタと今回試験範囲であったフォーカスゴールドの問題は大きく異なるわけではなく,どちらの問題集も今後諸君が大学入試問題を解いていく上で最低限身につけなければならない基礎的な問題が網羅されている問題集にあたる。諸君が大学進学を考えるのであれば,これくらいは最低限できなければならない。そのような内容に対して,きちんとこなせている生徒とそうでない生徒の二極化が進んでいるのが非常に気がかり。十分な得点ができなかった生徒は,日頃の学習スタイルを再考すること。まずは予習を怠らずきちんとやれているか。簡単な内容のときはやるがそうでないときはやらないなどムラのある学習になっていないか。また,入学当初に言われたような質の高い予習になっているか。わからない問題があれば白紙・放置するのではなく,フォーカスゴールドで類題がないか探す,類題があれば解答をなぞりながら取り組んでみる学習までできているか。また,授業後十分な復習の時間を確保できているか。前回の実力考査のコメントにも書いたが,これらが高校数学の学習を軌道に乗せるために必要な学習方法。高校の学習は正しい方向で十分な努力をしないと結果には繋がらない。学習方法を再考し,修正してもらいたい。
また,実力問題については東北大文系,二次関数の問題を出題した。旧帝大の問題なので難しいと感じたかもしれないが,交点が問題文に記載されているので,交点をそれぞれの関数に代入すれば,3変数の連立方程式の問題に帰着され,あとは単純な計算になる問題。さほど難しくない。交点⇒関数に代入という基本ができていれば,自ずと解法が見えてくる問題で,1年生の諸君でも十分完答できる問題であった。完答できた生徒はいなかったが,これからはこのような旧帝大の問題にもチャレンジしていく。今後の実力考査では,実力問題の出題比率を上げていく。今回のような問題に手を出せるようになるためには,まずは基本的な解法のパターンを定着させること。そして日頃から「なぜそのような解法をするのか」を考える学習を心がけること。
最後に,12月上旬には数学ⅠAの解説が終わる。すでに大量の積み残しができている諸君も少なからずいるだろう。2年生になるとより進度が早くなっていくことを考えると,1年生のうちに是が非でも積み残しを解消しなければならない。土日や長期休暇を使って計画的に進めよう。マテーマタの重要例題を中心に解き進め,定着が悪い部分はA,B問題も解くのが効果的なやり方である。
まずは直近の期末考査に向けての学習になると思うが,期末考査後は文理選択・転コースをするかしないかも決まり,来年度に向けて動き出すことになる。長期休暇での学力向上や各単元の総復習の成果は次回第4回実力考査で見える。諸君の飛躍に期待したい。
○出題の意図
この時期に行われている各種模擬試験を参考にしながら問題を作成した。現代文分野については全統模試,古典分野については進研模試を参考にしている。特に,古典分野の古文においては,ここまでに習った文法事項や,最近の単語テストに出題されていた単語が多く出てくる文章を探して出題している。問題は標準的なレベルであった。合格点は120点。
○採点を終えて
・現代文分野 (第1問・第2問)
まず,漢字の問題での失点が痛い。共通テストや国立大学の個別学力試験では漢字の読み書きが出題される。配点や割合はあまり大きくない一方で,受験においては1点(場合によっては1点未満)で合否が変わることもある。大げさな表現に聞こえるかもしれないが,漢字の書き取りが人生を変えるのである。漢字については毎回の定期考査でも範囲にしているので,各回きちんと覚えるとともに,時折以前の範囲の復習も行っていこう。
第1問は文章内容が難しかったものの,記号問題・記述問題共に取り組みやすかったようで,他の大問と比べて出来は良かった。記述問題もほとんどに部分点が出ていた。
第2問はここまでの試験のパターンだと小説ということになるが,あえて随筆(随想・エッセイ)を出題した。作家である幸田露伴を父に持つ幸田文が,父の読書について語るという筋だったが,言い回しが少し難しかったこともあって,話の中身が十分理解できていないような解答が見受けられた。
・古典分野(第3問・第4問)
第3問については,用言の活用と助動詞で合わせて10点を出題。4月に確認した月の異名と季節の話,さらに単語テストで出題した単語の意味を活かしながら解く問題もかなり多く(問四,五,六,八)あったので,点数は取れるはずだと思っていたが,結果は惨憺たるものであった。1学期内容からの丁寧な復習が必要であろう。
第4問については,漢文の文章読解を出題した。授業においても「推敲」「鶏口牛後」と授業をしてきたし,ここまでも夏の模擬試験などで漢文が出題されており,そろそろ漢文の文章にも慣れてきたかと思われるところではあるが,こちらも出来はいまひとつだった。頻出語の漢字の読み,再読文字を含んだ文章などの基本事項から得点出来ていない人は早急な復習を。読解についても比喩と現実の区別ができていないものが多かった。「蕭何が臣等に命令を出して戦をすること」を「人が犬に指示を出して狩猟をすること」に喩えていたが,「蕭何が犬を使って敵軍を倒した」かのような解答が数多く見受けられたのは,本当に「いとあさまし」という感じであった。
○冬休みに取り組んでほしいこと
1年時に理解しておくべき,古文の三大要素として「用言」「助動詞」「敬語」を挙げていた。そのうち,1学期に「用言」,2学期に「助動詞」と学習を進めてきた。今年は冬期課外が5日しかなく,自分で自由に使える時間が多い。国語に限らず,すべての教科で既習範囲の復習をしていくだろうが,こと国語に関しては「助動詞」の復習に焦点を当ててほしい。「助動詞」が理解出来ているか否かによって,今後の古文の出来には大きな差が出てくる。
また,毎週テストを行なっている「古文単語」の出来はどうだろうか? 文法が理解出来ていても,結局語彙力がないと文章を読むことはできない。この点は英語とも近いかもしれない。
例年実力考査では,「数学や英語はイマイチでも,国語は取れる」というケースが多かったが,今年の1年生は国語の出来が今のところ最も良くないという状況である。この状況を打開するためにも,日頃の授業,そして基礎事項の復習をしっかりとしてほしい。ちなみに,冬休みも『論読』と『読み解く古典』を課題として課すので,そちらも答えを写すなどのレベルの低い行いはせずに,「解いて,丁寧な答え合わせをして,解説をきちんと読んで,必要な知識を頭に入れる」という流れを徹底してほしい。
今回の実力考査の平均点を見てみると,英語68.8点,数学65.2点,国語61.9点であった。平均だけ見るとバランスが取れているようにも見えるが,内容はどうであろう。受験において数学は点差が開きやすい科目なので,数学が出来れば合格に近づく(逆に数学で点数が取れなければ他教科でより点数を取る必要ある)。しかし,受験の科目は数学だけでなく,当然他の教科も課される。いわゆる「教科のバランス」が大切だ。諸君を見ていると,特に英語についてまだまだ高校生としての学習ができていない。試験の度に,「単語を毎日覚えておけばよかったです」「試験前から単語を覚えるようになりました」というコメントを聞くが,いつまで言い続けるのだろうか。一時だけその思いになるだけで,具体的な行動に移せていない,または長続きしない諸君が非常に多い。英語において単語を覚えることは成績を伸ばすための必要条件であるが,十分条件ではない。他には熟語もそうだし,文法の理解,文の構造把握・長文読解であっても会話文・説明文・物語文における読み方,和文英訳の書き方,課題作文の書き方,さらにはリスニング(共通テストではリーデングと同様,100点満点)など様々なことを学び,訓練しなければ点数は伸びない。その最初の1歩の単語すらできていないのでまさに話にならない。早急に着手しなければ状況はより悪化する。そのうち,書いている英文が宇宙語,全く意味がわからないといった状況が来る(このままでは多くの諸君がその状況になると思うので,この言葉は覚えておいてください)。そうならないように,英語の学習も毎日取り組むこと。国語も同様である。諸君には教科のバランスを意識した学習を実践してほしい。
1年生の間は国公立大学の二次試験を意識して「英数国」を主要教科として学習している。しかし,2年生になると理系では「英数国」に「物理・化学」を加えて日々学習を進めていく。3年生になると,理系であれば「英語・数学・国語・物理・化学・地理・情報」,文系であれば「英語・数学・国語・歴史・公民・生物・地学・情報」のすべての教科を満遍なく学習していくことになる。国公立型として学習していく上で一番苦労するのはこの6教科8科目をこなしていくことである。国公立型としてよくあるのは,「英語が苦手な生徒がいる。英語を何とかしようと英語を集中的に学習するが,なかなか伸びない。その一方,その期間あまり学習していなかった数学・国語などの科目が下がってしまい,結果として合計点を下げてしまう。そのスパイラルでどの教科もできなくなってしまう。」ということだ。まだ諸君に求めている科目は「英数国」だ。「その3教科ならある程度大丈夫ですよ。」という状況にしてもらわなければ,今後コースに残って国公立型として学習するのが非常に厳しくなる。
諸君が次取り組むべき科目は英語だ。一般的に高校の学習で躓きやすいのは,数学と英語と言われている。逆にこの2科目を押さえておけば,ある程度入試で有利になるのは間違いない。
10月上旬から中間考査・学力コンクール・第3回実力考査と実施され,約1週間後に期末考査が控えている。おそらく,日々の学習がそれぞれの試験に対応するためだけの学習,やっつけの勉強になっていたと思う。期末考査後は,1月上旬の実力考査まで試験はない。さらに,3年の三者面談が始まる頃から講座が原則なくなり,その後冬期講座が始まっていく。授業数が少なくなるので,今まで学習した内容の総復習・苦手教科・分野の学習に十分時間をあてることができる。今回の考査で,様々な課題が見えてきた。諸君には腰を据えて自身の課題に取り組んでもらいたい。まず,自分が弱い分野・単元,そして今まできちんとこなすことができていなかったこと(速読英単語・単語帳の暗記,マテーマタの復習,古文単語の再度暗記など)を紙にすべて書き出してほしい。そして12月~1月実力考査までの計画を立てること。これからの1ヶ月半を是非有効に使ってもらいたい。
諸君の学習を見ていると,日々こなさなければならない量の多さから,本質を見抜く学習が疎かになり,暗記中心の学習になっているように感じる。受験で,暗記は必須のものであり,英単語・英熟語,数学の公式,古文単語など,はっきり言うと覚えるしかないものは幾つもある。しかし,数学であればその公式をなぜこの問題で使うのかという理由はある。英語であっても,英熟語に含まれる前置詞には当然意味合いがあり,いろいろな英熟語を覚えていくと共通するニュアンスはある。そのようなものを感じるのが学ぶことの面白みである。数学の問題で言うならば,解法を暗記すること自体には意味はなく,その解法の論理の流れを理解し,それを他の問題でも応用するのが本質を理解するということである。
諸君が2年後受験する共通テストは,現在年次進行で変更中である。今の日本社会は,グローバル化の進展や技術革新,生産年齢人口の急減など目まぐるしく変化しており,先を見通すことが難しい時代になっており,“予測困難な社会で必要となる,自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,判断して行動できる「生きる力」を身につけてほしい ――” こうした思いを反映し,新学習指導要領では「知識・技能」だけでなく,「思考力,判断力,表現力」なども含めた「資質・能力の三つの柱」をバランスよく育むことをめざしている。現3年生の受験する共通テストからは,「情報」が新たに出題教科に加わる。「国語」では現代文に大問が1題追加され,試験時間は変更前より10分長く,90分になる。 配点は現代文が110点(45点,45点,20点),古典が90点(古文45点,漢文45点)に変更される。さらに数学②においては,『数学Ⅱ,数学B,数学C』の1科目を出題し,試験時間は最大2科目70分(10分増加)になるなどの変更がある。いずれにせよ,諸君が受験する際には,知識を身につけていることは当然で,いかにそれを活用できるかが求められることに変化はないだろう。このような試験に対応するためには,日々の学習で「疑問」を持ちながら問題に取り組むことが必要である。諸君の学習はそのようなものになっているか今一度考えてもらいたい。
2学期も終わりに近づき,文理選択そして転コースについて大部分の生徒は決まっている。そこで改めてその選択をして自分は何をどう頑張るのかを考えてもらいたい。
コースに残る諸君について,席次的にまずまずだから残るのではなく,コースに残るということは「国公立大学を目指していきます!そのための努力は惜しみません。」という意思表示をしているということを確認してほしい。覚悟をもってもらいたい。さらに,現段階での学力は別として,まずは九州大学を目標にしてほしい。自分の経験,過去の卒業生たちを見ていて,間違いなく言えるのは,九大は努力すれば届きうる大学であるということ。ここからの2年間の努力次第で合格しうる。心の中でしっかり意識してもらいたい。
また,転コースを決めている諸君。転コースするかどうかを考えている最中に比べ,決断した後は皆晴れやかな表情になったように思う。次の場所でしっかりと頑張っていきたいという気持ちは伝わる。しかし,実際に動き出しているだろうか?現実的には英語がかなり厳しい諸君が多い。それを克服しなければ3教科に絞ったといってもまた同じ結果になってしまうのではないだろうか?すでに3教科に絞ることを考えているのであれば,今までより多くの時間を英語に割くことができる。高校になってあまり覚えていなかった単語・熟語,ほとんどわからない状態になってしまった文法。期末考査が終わってからの期間でしっかり取り組むことができる。ここで何とか立て直して,第4回実力考査では今までと違った手ごたえを感じてもらいたい。そうすると,いざ2年生で新クラスになったときには,いいスタートが切れるはずだ。頑張ってもらいたい。