8月21日に第2回実力考査を実施した。英数コースの実力考査は、九州大学以上の難関国立大学の二次試験を意識して出題している。ただし、1年次では文理選択、コース変更など進路選択が控えているので、その判断がしやすいように今回の第2回実力考査,11月の第3回実力考査については発展的な問題は極力避け、今まで学習している内容をしっかりと 押さえているなら確実に得点できるような問題を各教科選定し出題している。英数国の3教科の各200点満点、計600点満点で実施した(2年次から理・地歴公民、情報も試験科目として段階的に含まれる)。概ね国立大学の二次試験は5~6割の出来で合格点に達する。今回の実力考査はまだまだ国立大学の二次試験レベルの問題ではないものの、基本的には6割の得点を目標にしてもらいたい。
通常、英数コースの実力考査では九州大学以上の国立大学二次試験を意識した問題を出題する。ただし、今回までの実力テストはコース・文理選択の資料にもなるため、既習事項の定着を問うものにした。約7割(140点分)は授業で扱った文法事項を中心に、残り3割(60点分)は初見の長文問題やこれまでに学んだ文法を応用するような英作文も出題した。現時点で三桁100点以上の諸君は求められる学習を実行できていると思われる。1年生のこの時期ということを考慮しても、既習内容中心であるため80点以上を取れない状況では求められている学習ができていないと言わざるを得ない。
求められるレベルで学習に取り組んできているのならば、見覚えのある問題ばかりであると感じたはず。一番差がつくのは、見たことがあるのに思い出せなかったり、正確に書けなかったりして、なんとなく意味は掴めるのにぼんやりしてしまう問題である。夏期課外の文法事項や夏期課題は徹底的に復習できただろうか。ワークブックなどは単元が終わってから週末課題としてでもよいが、計画的に取り組むこと。英語に限らず、未だにその日の授業ノートを眺めるだけで満足している人も散見される。その学習で点数に繋がっているだろうか。何が足りずに現状があるのかを振り返り、同じ間違いを繰り返さないことが必要である。また、速読英単語と解体英熟語を計画的に覚えていない、文法を理解して覚えていない、学んだことをストックできていない人が多い。隙間時間を利用し、単語や基本例文を口ずさみ、繰り返し基本を定着させること。各人の努力が求められる。
以下、気になった点を数点挙げる。
【1】・【2】は語彙の問題であったが、出来が悪かった。隙間時間の使い方、本気で1冊の単語帳・熟語帳を計画的に覚えるという意識の欠如が伺える。語彙をbuild upする行為は誰かにしてもらうものではない。効果的な習得方法はいろいろあるが、工夫して自分なりのやり方で習得するものである。英語で苦労する人の多くは計画的に語彙を習得しない傾向にある。今から取り組めば、2年次以降がかなりスムーズになるので貪欲に語彙習得に取り組もう。
【3】は夏期課題の記号問題をそのまま30点分出題した。文法の基本的な既習内容で、レベルとしては英検準2級~2級である。8割24点以上は得点できていないと、学習のやり方を間違えているか,反復が不足しているかが考えられる。
【4】~【9】では1学期既習範囲と夏期講座期間中に学んだ準動詞に関する問題を出題した。知識の定着を問うものであったが、反復が不足している。文法に関する問題は答えがなぜそうなるのか、自分なりの説明ができることが肝要。授業、質問、参考書を利用して理解し、それぞれの文法を自分なりの言葉で説明できるようになること。その文法を含んだ例文を「理解した上で」覚えて、瞬時に反応できるようにしよう。それが英作文の問題を解くときにも活かされる。
【10】は「勝者を決めるべきか否か」がテーマである1年生の今の時期でも読めてほしい問題。eagerly【Heartening L.1】すら覚えていないのは問題外。また、動詞のhandleやfaceなどの判別ができていないのはSVOCMを捉えながら意味を考えていないことが原因である。日頃から教科書の英文を使って理解→反復を行おう。特に音読が大事である。意味を考えながら音読を最低でも5~10回は行うべき。速読英単語の小テストは2週目に入る。1冊を仕上げることがゴールである。毎日の生活に単語帳・熟語帳を組み込もう。
これらはあくまで今回の試験で私が感じたことではあるが、ここまでの君たちの学習姿勢を鮮明に表している。つまり、授業中はおとなしくお利口に過ごしてはいるものの、その知識・技術を本気で身につけていこうとする意識や練習時間の確保が欠けている。英語は知識とトレーニングである。英語に触れる時間を増やしていくこと。また、母国語の力以上には英語力は伸びないと言われる。新聞や新書などに触れ日本語の力も伸ばしていこう。
まずは『予習→授業→復習の黄金サイクル』確立。特に復習をさぼらないこと。英語における復習とは知らなかった語彙を計画的に身につけること、文法を理解し演習を重ね覚えるべきことを確実に覚えること、学んだ英文を音源を利用して黙読・音読し、同時に意味が取れるようにトレーニングすること、英文の骨格を理解し日本語に直すことができるようにすることなどが挙げられる。計画的に語彙を身につけることは入試本番まで継続しなければならない。余裕があり10月の英検や進研模試で飛躍したい人は学んだ知識のメンテナンスと並行して、単語帳の3周目、4周目にチャレンジするなど、ライバルに差をつける行動を実践しよう。
今回の実力考査は、夏季休業中の課題であったフォーカスゴールドから数字も変えずに同じ問題を200点分出題した。範囲は「数と式」「論理と証明」「二次関数」で、諸君が入学してから7月までに学習した内容から出題した。試験範囲は定期考査に比べ若干広く対応しづらいと感じたかもしれないが、問題のレベルとしては日頃取り扱っている教科書傍用問題集マテーマタの類題であり、大学入試を見据えるとどれも基礎・基本的な問題である。本来数学の問題は大問形式で(1)(2)(3)と問題が後半にいくにつれて難度が上がっていくが、今回は単純な一問一答形式の問題で、計20問。学習が軌道に乗っている諸君なら十分得点することができる問題で、諸君の学習状況がはっきりとわかる試験であった。
コースに残って理系を考えるのであれば140点以上、文系であれば120点以上取ってほしい。最高点は161点、120点以上は8名。合格点を超えている生徒が少ないのが非常に残念である。もう一度確認するが、今回の試験は問題集から数値も変えず同じ問題。問題がむやみに難しいのではなく、合格点が著しく高いわけでもない。これから受験で数学を使っていくのであれば当然解けなければならない問題である。上位の生徒は取れているものの、下位層に目を向けると、最低点は0点(しかも複数名)。入学しておよそ5ヶ月、ひと夏明けてここまで開くのかというほど点差が開いている。
この点数の差は日頃の学習の差を端的に表している。今回の試験を機に、改めて数学の学習を再考してもらいたい。まずは日々の家庭学習で予習をしているか。次の日の授業をより効果的なものにしていくために予習は必要不可欠。両クラスとも1~2割の生徒はまず毎日の予習の提出がなされていない。教科書傍用問題集マテーマタの授業では、予習で解けなかった問題を中心に解説するのだから、予習で解いていない・問題に目を通していなければ授業が意味のあるものにならないのは火を見るより明らか。また、授業で解説した問題の類題演習が家庭学習で課されるケースも多いので、それを解かないと問題演習量が不足して各単元の内容が定着しないのも当然。今回の試験で50点未満の諸君の大多数がこの状況に当てはまる。まずは家庭学習の時間をきちんと確保すること。
次に予習の質を意識してもらいたい。例えば、方針があっていると思われるが答えと合わない問題について、正しい答えになるまで解き直しているだろうか。計算力をつけるために、答えと合うまで計算することは大切である。また、わからない問題があったときに、授業で取り扱った問題や、参考書のフォーカスゴールドの中に類題がないか確認し、あればマネしながら解いてみることまで予習で実践できているだろうか。わからない問題に対してただ白紙でおしまいではなく、できる限り手を動かして解いてみることはとても大切。ただ問題に目を通して予習を済ませるのではなくて学力をつけることを意識した予習をこの2学期は心掛けよう。
最後に、復習について話したい。各種試験の答案の内容からすると、予習してわからないところの解説を聞いて学習が終わってしまっている諸君が大多数であるように感じる。授業でわかったつもりになっている、数日経つと記憶が曖昧になり、試験になると解答の途中で行き詰っている諸君が多いのではないだろうか。復習の時間を取り、自分で手を動かして改めて問題を考えてみる必要がある。ノートを見らずに最後まで解ききれる状況でなければ試験ではまず解けない。きちんと解けるかを確認する場として復習の時間を確保しよう。復習の差が今回の試験において合格点に達しているか否かに影響しているように感じる。予習のやり方が確立できている諸君は、この2学期「復習」に重点を置いてほしい。
以上述べたような、数学の学習法ができているか再考し、改善してもらいたい。諸君が入学し、高校の学習の流れに乗ろうと努力しているのは見ていて伝わるが、試験の答案・結果からすると、まだ十分に結果が出る学習スタイルは確立されていない。2学期、諸君の学習の質がもう一段階上がることを期待したい。
大問1〜3は模擬試験を参考にしつつ、標準的なレベルでの出題を行った。
大問4については、現段階で学習した古文や漢文の基礎知識を確認する問題を50点分出題した。
合格点は大問3までで80点。加えて、大問4は少なくとも40点以上は取れるはずなので、合わせて120点は欲しいところ。
現代文(大問1・2)に関しては文章内容も設問もそれほど難しいものではなく、取り組みやすかったと思う。しかしながら、漢字の書き取りなど、語彙に関わる部分の出来が良くなかった。また、記述問題に対する取り組みにも差があった。記述問題は、書けば部分点があることが多いので、それを白紙のままにしておくというのはあってはならない。時間が足りなかったなどという事情はあるかも知れないが、次回以降は気をつけてほしい。
古文(大問3)に関してもそれほど難しくない文章を出題したつもりだったが、比喩として出てきた力士をあたかもその場に実在するかのように捉えたり、人物の名前を混同してしまったりと、様々な読み違えをしてしまったようだった。1年生のうちに単語と文法を確実にしておくことが古文を得意になる第一歩なのだが、大問4の出来を踏まえても、現状そこまで頑張れている生徒はほとんどいないようである。2学期中間考査では助動詞も出題するので、まずはそこに向けてしっかりと反省・復習をしてほしい。
復習問題(大問4)に関しては、50点分まるまる1学期の学習内容の復習問題を出題したが、極めて出来が悪かった。用言の活用の種類と活用形に関する問題も全問正解という生徒はほとんどおらず、漢文の書き下し文を作る問題や、訓点を打つ問題も出来はかなり悪かった。この辺りは、きちんと取り組んで丁寧に復習をすれば、確実にクリアできる部分である。にも関わらずこの出来ということは、ハッキリ言って勉強不足である。
国語は入試においても大きな差になりにくい科目であるとよく言われるが、逆に言えば国語が取れないということは致命的な欠点にもなり得る。しかも、国語は英語と同じで語学系の科目であり、成績が上がるまでに時間がかかることが多い。まずはとにかく、国語の『復習』にもっと時間を割くべきだ。