県情報教育研究会秋季研修会

 長い名前ですが、県内の先生方が集まって、3,5,6年生の授業を参観しました。大勢の先生方に囲まれながらも、子供達はしっかり学習をしました。来年度も1学期に、さらに多くの先生方をお迎えしての県大会を開催することが決まっております。昼間小の子供達が、タブレット端末をしっかり使って、自分の学びを深めている姿を見せられるよう、ICTの可能性をもっともっと広げながら、授業をしていきたいと考えています。

 今年度多くのお客様が来校しています。子供達は、参観日にお家の方が後ろにいたり、お客さんがたくさん教室に来たりすると、緊張して手を挙げられないとか、声が小さくなるなどの状況があります。誰しもふだんと違う状況では、何らかの形で緊張することは当たり前です。そういった意味でも、プレッシャーをどのようにコントロールするかという能力は、学校にいる間に身につけてほしいことの一つであると考えています。運動での試合、何らかの発表会、代表としての挨拶、テストや面接など学校では、様々な場面に直面します。

 緊張せずふだんの通りできたら良いのになと思うこともしばしば。ちょうど良い緊張は、良い結果をもたらすことも多いですが、緊張しすぎて、いつもの調子が出ないということも、多くの人が経験していることです。解決策としては『慣れ』というのがあります。また、自分から先に声をかけるということも、その解消につながります。昼間小の子供達はお客さんに対しての挨拶もしっかりできています。たくさんのお客さんが訪れるからこそ、それらを良い意味での『慣れ』につなげたいなと考えています。

違いを解決できる手段を

 世界で繰り広げられる複数の戦火のニュースは、子供達にどのように映っているのでしょうか。一番の被害者は、紛れもなくその市民であり未来を担う子供達です。人間は、その時々の状況で、簡単に偏見や差別の感情を抱いてしまうものです。そして、他国や他人のことを上に見たり下に見たり、敵か味方かと色分けしたりと。そしてそこにネットやメディアの片寄った情報が加わると、正常な判断ができなくなります。だからこそ、心を磨き合う学習が大切です。 

 アメリカのケネディ大統領は、「同じ惑星に暮らす運命共同体として、意見の違いから目をそらさず、共通の利益に目を向け、違いを解決できる手段を探しましょう」と述べたそうです。同じ地球に暮らす中で、なぜこのような悲惨なもめ事が起こるのか、子供達はおそらく疑問に思っているでしょう。その子供達の素朴な疑問を大切にしたいですね。


環境が育てるもの

 先日出張で青森の学校を訪問する機会を得ました。三沢市は自衛隊と米軍基地のある場所で、外国人が大変多く住んでいます。そのため、町の中では自然と英語を耳にする機会が多くあります。ランチのために立ち寄った寿司屋でも、店員さんは普通に英語で対応しておりましたし、ファストフードのアルバイトの高校生も、英語で自然に対応ができておりました。それだけで「すごい」と思う自分もどうかと思いますが、身の回りの環境が身につけるべき資質や能力を育てているんだなとつくづく感じました。昼間小学校でも、子供達は英語の時間を頑張っています。アルファベットに興味を持つ子供達も増えていることは、嬉しいことです。

 ちなみに訪れた学校は、全校児童が60人の小さな学校でしたが、写真のようにとても美しい学校でした。

難しいアンラーン

 ラーンは、学ぶという意味ですが、『アン』が頭に付くと、否定の意味になり、アンラーンは、学んだことを一度捨てる、つまり、「○○は、こうである」というような当たり前と思っていることを一度捨て、一から考え直すようなことだと言われています。文化庁次長の合田哲雄氏は、アンラーンの例として、「学校でも職場でも同一年齢で一斉に競争に追い立てられる仕組みの転換が必要である。いくつになっても、どんな立場でも、学ぶ意欲を持ってチャレンジできる人がワクワクできる。そんな土台を個人に対しても社会に対しても提供するのが学校教育の役割だ」と述べています。

 まさに、本校では、コミュニティスクール活動の他に、今年度様々なゲストティーチャーをお迎えしたり、施設にお邪魔したりして、教科書にはない体験活動を数多く実施しています。ついにGDPが世界3位から4位に下がってしまったことが、衝撃を与えておりますが、子供達が主となって活躍する10数年後には、どのような社会になっているのでしょうか。

 そのようないわば別の意味で価値観の変容が求められる社会においては、学ぶ意欲が大きな武器となります。子供達のそういう土台をしっかり身につけるために、ICTを活用しながら、常に社会との関わりの中で多くの体験から学ぶ機会を増やしていきたいと考えています。

四国の料理は・・・・

 先日秋田県知事が、四国の料理についてけなしたことがかなり話題となっておりました。正直あの話を聞いたときには、怒りを覚えた方も多かったと思いますが、売り言葉に買い言葉となれば、さらに収拾つかなかったかもしれませんが、四国の各知事の落ち着いた対応で、逆に両地域の話題が良い方向に進んだという見方が多くを占めました。

 このようにちょっとした言葉の過ちで相手を不快にさせてしまうことも数多くあります。学校の中での子供達同士のもめ事も、このような言葉の過ちから、気分を害してしまい、トラブルになることもあります。言葉がまだまだ未熟であるというのもありますが、多くは、思いやりを忘れた言葉が、相手を傷つけてしまうことにつながったというものです。人間の成長にとってこれらの失敗はつきものではありますが、同じことを繰り返さないということを第一に、より成長していってほしいと願っています。