強結合(化学吸着)系
界面電荷移動遷移
新しい光吸収機構として、当研究室では、無機半導体と有機材料の界面で起こる電荷移動遷移(左上図)を研究しています。この光吸収機構の大きな特徴は、無色有機材料を用いて可視光が可能です。例えば、CO2を固定化した有機化合物は無色材料ですが(可視光吸収しない)、界面電荷移動遷移を用いれば可視光吸収が可能になります。さらに、この光吸収機構は、光吸収と同時に電荷移動が起きるため、光エネルギー変換(光電変換や光触媒反応等)を効率よく起こすことができます。最近、当研究室では、地球温暖化の主要原因物質であるCO2の固定物質を用いた太陽電池の開発に成功しています。(左下図)(Fujisawa, et al. Chem. Commun., 2024, 60, 7918)
弱結合(物理吸着)系
分子の凝集は分子間相互作用により生じる現象で、生体内では必要不可欠である一方で、不必要な分子凝集は病気(アルツハイマー病等)の原因にもなります。個々の分子やタンパク質の分子凝集を研究することも重要ですが、凝集の根本的かつ一般的な原理を理解することは非常に重要な課題です。本研究では、酸化還元薬剤として用いられているメチレンブルー系色素の光誘起会合体形成という新しい現象を切り口に、分子凝集を支配している因子を明らかにすることを目的に研究を行っています。(Fujisawa, et al. Chem. Commun., 2019, 55, 14641)