大学院教育研究支援センターについて

センター長挨拶

大学院教育・研究活動の拠点として

大学院医学系研究科長 調 憲

群馬大学大学院医学系研究科の大学院教育研究支援センター(Education and Research Support Center, ERSC)は、平成21年に「大学院教育研究センター」と「共同利用機器センター」とが合併して発足しました。従来の「大学院教育研究センター」は「教育研究部門」に、「共同利用機器センター」は「共同利用機器部門」に統合・改組されました。いずれも医学系研究科の教育・研究を支援する組織ですが、「教育研究部門」は様々な教育・研究プログラムを通じて大学院生・研究支援者・研究者を対象とした教育・研究支援活動を行い、「共同利用機器部門」は研究機器の管理・運用や技術支援を通じて大学院教育および医学系研究科の研究を支援しています。  前身の「大学院教育研究センター」は、平成15年度の医学系研究科の大学院講座化に伴って大学院教育の実質化を目指す組織として設置されました。当時の多くの医学系大学院では、大学院博士課程の教育や研究技術の指導はその大半が講座に任せられており、大学院として共通のカリキュラムを通じて大学院教育を行っているところはほとんどありませんでした。そこで群馬大学大学院医学系研究科では、専任の教員を配置するなどして体制を整え、日本で唯一の「大学院医学教育に特化した教育研究センター」として本センターを設置しました。その後、大学院のカリキュラムは系統的に整備され、ERSCを中心として基礎的実験技術から最新の研究法までが修得できる教育プログラムを実施しています。また、大学院生の国際学会での発表や国際共同研究などを支援するなど、国際的に活躍できる研究者の育成を図ってきています。平成19年には、医学系研究科に生命医科学専攻(修士課程)が設置されましたが、ERSCは修士課程の大学院生の教育プログラムも担当しています。  共同利用機器部門は、昭和33年に「特殊実験室」として発足しました。当初より、電子顕微鏡・分析用超遠心機・分光光度計など、高価で共同利用性の高い装置を中心に整備されています。その後、形態系機器と分析系機器とに分けて運営されるようになり、現在の「形態系実験室」「生化学・分析系実験室」へと発展しています。昭和62年には臨床研究棟(B)が建築され、その1、2階に移転すると共に遺伝子組換え実験室が設置され、名称が「共同利用機器センター」と改められました。遺伝子工学や分子生物学の進展に伴い、DNAチップアナライザーや細胞内カルシウム画像解析システムなどの機器が導入されています。また、基礎医学棟3階には「医学部分室」があり、ナノLC/質量分析装置やプロテオミクス解析システム、スライド作製装置などが整備されています。

 この他の関連する研究支援施設として、動物実験施設、RI研究棟、生体調節研究所附属生体情報ゲノムリソースセンター、総合情報メディアセンター昭和分室などがあります。このように医学系研究科では、ERSCを中心として大学院生の教育や研究を支援する体制が整っています。これらの施設が大いに活用されて、大学院生の教育・研究が推進され、医学系研究科における研究が発展することを願っています。