第2回概均質ベクトル空間ミニワークショップ

開催概要

  • 日時:2021年9月21日(火)~22日(水)

  • 場所:なし(Zoomによるオンライン開催)

  • 世話人:小木曽岳義(城西大)・杉山和成(千葉工業大)・谷口隆(神戸大)

  • 連絡先:tani[at]math.kobe-u.ac.jp (谷口隆) ( [at] を @ に置き換えてください。)

  • Zoom 接続情報:https://kobe-u-ac-jp.zoom.us/j/83647699104 (ミーティングID: 836 4769 9104)

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講演者

  • 島本直弥(千葉工業大)

  • 田内大渡(九州大)

  • 田嶋和明(東北大)

  • 西山享(青山学院大)

時間割

プログラム

  • 9/21, 13:30-14:30

    • 講演者:島本直弥(千葉工業大)スライド / 講演動画

    • 題:多重旗多様体上の無限軌道の記述

    • 要旨:簡約群Gとそのm個の放物型部分群に対して, 多重旗多様体 (G×G×…×G)/(P_1×P_2×…×P_m) の,Gの対角作用による軌道分解を考える. 特にm=2の場合は古典的なBruhat分解に他ならず, またm=3の場合は対称対(G,K)の二重旗多様体のK軌道との関連もある.

Magyar-Weyman-Zelevinskyでは, 星型箙の表現論を用いてGがAおよびC型の場合に, 軌道が有限個であるならば m は 3 以下であることを証明し, またその場合に軌道が有限個になる放物型部分群 (P_1, P_2, · · · , P_m) の組の分類, そして軌道が有限個になる場合の 軌道空間の具体的な記述が与えられた. また, 松木によるB及びD型についての同様の結果もある.

本講演では, Gを一般線形群, Pをそのミラボリック部分群とした設定の下で, この分類から漏れる4重以上の旗多様体で軌道が無限個になるケースについて, 無限個の軌道を不変式を用いてパラメトライズすることで軌道分解のようすを具体的に記述し, 特に低次元の場合にその閉包関係も与える.

  • 9/21, 14:50-15:50

    • 講演者:西山享(青山学院大)スライド / 講演動画

    • 題:二重旗多様体上の軌道とヘッケ環の表現

Hecke algebra representations on orbits of a double flag variety

    • 要旨:二重旗多様体とは簡約代数群 G の部分旗多様体 G/P と,その球対称部分群 K の部分旗多様体 K/Q の直積である: X = G/P × K/Q .そこには K が対角的に作用しているが,その軌道が有限個のとき有限型と言う.P または Q が Borel 部分群のときには [何・西山・大島・落合 (TG 2013)] によってそのような有限型二重旗多様体は分類されている.たとえば Q がボレル部分群のときには,X が有限型であることと G/PK の作用に対して球多様体であることは同値であり,この分類はその視点から見ても興味深い.

有限型の二重旗多様体 X はベクトル空間ではないが,"概均質" K -多様体とでも言うべきものである.そこで我々はそのような有限個の軌道に関する

      • 幾何学(次元や閉包関係,モーメント写像と余法束多様体など)

      • 組合せ論(軌道の分類や RSK 対応の拡張など)

      • 表現論(ワイル群やヘッケ環の表現,Springer 理論)

などについて考えたい.この講演では特に最後のヘッケ環の表現について,G が一般線型群で G/P がグラスマン多様体のときに,分かったことを報告する.

The talk is based on the on-going joint work with Lucas Fresse at IECL (France).

  • 9/22, 13:30-14:30

    • 講演者:田内大渡(九州大)講演ノート / 講演録画

    • 題:旗多様体上の軌道分解と誘導表現の重複度の関係性について

    • 要旨:Gを実簡約代数群とし、Pをその極小放物型部分群、HをGの簡約代数部分群とする。このとき、G/P上にH開軌道が存在することと、等質空間G/H上の正則表現C^∞(G/H)がGの表現として有限重複度になることが同値であることが小林俊行・大島利雄両氏によって示された。またGc, HcをGとHの複素化とし、BをGcのBorel部分群としたとき、Gc/B上にHc開軌道が存在することと、これら重複度が一様に有界であることが同値であることも、両氏により示されている。このように、旗多様体上のH軌道分解の様子と正則表現C^∞(G/H)の重複度の振る舞いの間には関係性が存在する。この講演では、極小放物型部分群Pの代わりに一般の放物型部分群Qを考え、G/Q上のH軌道分解、またはGc/Qc上のHc軌道分解と正則表現C^∞(G/H)の重複度の関係性についてお話しする。

  • 9/22, 14:50-15:50

    • 講演者:田嶋和明(東北大

    • 題:On the GIT stratification of prehomogeneous vector spaces

    • 要旨:GIT (幾何学的不変式論) による stratification を計算機によって決定する手法を確立し,具体的にいくつかの概均質ベクトル空間について GIT stratification を任意の完全体上有理的に決定したので,これについて解説する.

1980 年代に木村達雄,笠井伸一,室政和,尾関育三の諸氏により既約正則な概均質ベクトル空間のうち群がGL_nの積の空間について,すべての軌道が複素数体 C 上決定されていた.

今回の我々の結果は木村氏らの結果の任意の完全体上への一般化を与える.この研究は雪江明彦氏 (京都大・理) と の共同研究である.


お茶の時間について

Gather town というウェブ会議ツールを使って行う予定です。参加URLは22日の集会中にご案内します。

  • Gather town はブラウザ上で動作します。インストールなど事前準備の必要はありません。

  • アイコン(アバター)をカーソルで動かします。

  • 近くにいる人の声だけが聞こえます。

  • テーブル周りに「着席」する、テーブル外には声が聴こえない、などの機能があります。

  • はじめにチュートリアル(使い方ガイド)があります。(スキップ可能)

  • うまく動作しないとき、別のブラウザを試すと解決することがあります。

  • Zoomを開いたままだと、カメラやマイクが機能しないかも知れません。