第2回神戸整数論ミニワークショップ
開催概要
日時:2021年1月20日(水)~21日(木) (それぞれの日の午後)
開催方法:Zoomによるオンライン開催
世話人:谷口隆(神戸大)宗野惠樹 (神戸大)
連絡先:souno[at]math.kobe-u.ac.jp (宗野惠樹) ( [at] を @ に置き換えてください。)
集会のアドレス : https://zoom.us/j/92268440494 (ミーティングID: 922 6844 0494 パスコード: ****11)
(パスコードの****には2つの正の立方数の和で2通りに表される最小の自然数(4桁)を入力してください.)
講演者
内田幸寛(東京都立大)
梅澤瞭太 (名古屋大)
沖 泰裕 (東大)
関真一朗 (東北大)
時間割
プログラム
1/20, 13:30-14:30
講演者:沖泰裕 (東大)
題目:スピノル群に対する志村多様体のbasic locusについて
要旨:pを奇素数とする. Hodge型志村多様体でpに関するいくつかの条件を満た
すものに対し, Kisin-Pappasはその整モデルを構成した. この整モデルは, 幾何
的特殊ファイバーにおいてNewton分割と呼ばれる局所閉集合による分割をもつ.
このとき, 閉集合であるような唯一のNewton階層をbasic locusという. 志村多
様体のbasic locusの構造の記述は, 数論的交叉理論などへの応用があることが
知られている.
本講演では, スピノル群に対する志村多様体のbasic locusについて考察する.
より正確には, pでのレベルがスペシャル最大パラホリック部分群で与えられる
場合に, 既約成分などの情報の明示的な記述を与える.
1/20, 14:50-15:50
講演者:関真一朗 (東北大)
題目:Green-Taoの定理の数体への一般化 / 講演スライド
要旨:GreenとTaoは素数で構成される等差数列に関する有名な「Green-Taoの定理」を2008年
出版の論文において証明した。これを有理数体に関する定理と考えたときに、そのGauss数体版を
2006年出版の論文でTaoが証明している。同じ論文でTaoは他の数体にも、少なくとも整数環が
UFDで単数群が有限群であれば、拡張できるであろうと予想していた。本講演では、このTaoの予想
を全ての数体に対して精密な形で解決したことを報告する。また、2元2次形式に関する類似の定
理も証明したので合わせて紹介したい。本講演の内容は東北大学の甲斐亘、見村万佐人、宗政昭弘、
吉野聖人との共同研究に基づく。
1/21, 13:30-14:30
講演者:梅澤瞭太 (名古屋大)
題目:多重ゼータ値と反復log-sine積分の関係について
要旨:多重ゼータ値の間の関係式は現在盛んに研究されている対象である.
講演者が導入した反復log-sine積分は多重ゼータ値と様々な関係を持つことが知られている.
本講演では多重ゼータ値と反復log-sine積分との関係に関するいくつかの結果や予想を紹介する.
1/21, 14:50-15:50
講演者:内田幸寛 (東京都立大) / 講演スライド
題目:矩形求積公式の有理性に関する不定方程式と準直交多項式
要旨:数値積分に用いられる矩形求積公式(quadrature formula)において,
ノードと重みがすべて有理数のものが存在するかという問題を考える.
これは,Waringの問題の研究において用いられる
Hilbert恒等式とも関連する問題である.
この問題は,ある不定方程式が有理数解を持つかという問題に
帰着されるが,準直交多項式の有理零点とも関係がある.
本講演では,この準直交多項式との関係を用いて得られた,
ある条件の下で不定方程式に解が存在しないという結果について解説する.
また,この研究における計算機の利用についても触れたい.
本講演は澤正憲氏(神戸大学)との共同研究に基づく.
1/21, 16:00-17:00 ~お茶の時間~
お茶の時間について
Gather town というウェブ会議ツールを使って行う予定です。21日の講演終了後に、詳細をご案内します。