神戸整数論ミニワークショップ

開催概要

  • 日時:2020年11月18日(水)~20日(金) (それぞれの日の午後)

  • 開催方法:Zoomによるオンライン開催

  • 世話人:谷口隆(神戸大)宗野惠樹 (神戸大)

  • 連絡先:souno[at]math.kobe-u.ac.jp (宗野惠樹) ( [at] を @ に置き換えてください。)

  • 集会のアドレス : https://zoom.us/j/99671329510 (ミーティングID: 996 7132 9510 パスコード: 17****)

(パスコードの****には2つの正の立方数の和で2通りに表される最小の自然数(4桁)を入力してください.)

参加登録: forms.gle/YAmv2kjTfNnPo4XX9

講演者

  • 石本宙(京都大)

  • 井上翔太(名古屋大)

  • 大井雅雄(京都大)

  • 柴田崇広(シンガポール国立大)

  • 武田渉(名古屋大)

時間割

プログラム

  • 11/18, 13:30-14:30

    • 講演者:井上翔太 (名古屋大)

    • 題目:L関数の多次元中心極限定理の大偏差とその応用

    • 要旨:本講演ではL関数の臨界線(実部1/2)での値を成分とするベクトル値関数の分布関数について議論する. ここでのL関数とはEuler積と関数等式, その他いくつかの良い性質を持つL関数である. BombieriとHejhalはSelbergが予想した直交性予想の下でL関数のベクトル値関数が多変数の正規分布に従うことを示し, L関数が臨界線上で確率変数として独立となることを示した.

本講演ではBombieriとHejhalによる極限定理を大偏差の意味で精密化することに成功したのでその結果を紹介する. またその大偏差の結果の応用として、L関数の平均値に対する新しい結果を得ることにも成功したのでそれも紹介する.特にその平均値定理は特殊な場合としてRiemannゼータ関数に対する新しい結果も含むものである.

本講演の内容はマックスプランク研究所のJunxian Li氏との共同研究に基づく.

  講演スライド


  • 11/18, 14:50-15:50

    • 講演者:柴田崇広 (シンガポール国立大)

    • 題目:Density of points with maximal arithmetic degree

    • 要旨:Given an endomorphism on a projective variety over a number field, we can define the arithmetic degree at a rational point. It is known that the arithmetic degree at any point is less than or equal to the first dynamical degree. In this talk, we see that there are densely many rational points with maximal arithmetic degree. This talk is based on a joint work with Kaoru Sano.

  • 11/19, 13:30-14:30

    • 講演者:石本宙 (京都大)

    • 題目:重さ半整数のベクトル値ジーゲル保型形式に関する伊吹山予想の証明

    • 要旨:伊吹山による、『重さ整数のベクトル値で次数2のジーゲルカスプ形式の空 間』と『重さ半整数のベクトル値で次数2のジーゲルカスプ形式のplus space』 の間にL関数を保つ線形同型がある、というリフティングのような予想がある。 ArthurとGan-市野による保型表現の重複度公式を用いたこの予想の証明を紹介する。

    • 講演スライド


  • 11/19, 14:50-15:50

    • 講演者:大井雅雄 (京都大)

    • 題目:超尖点表現の代数的および幾何的構成の比較について

    • 要旨:抽象的に与えられた群の表現を決定したいとき,あるいは与えられた二つの表現の関係を知りたい (とくに一致を示したい) とき,それら表現の指標を調べるというアプローチがしばしば有用となる.

今回の講演ではこのような観点の下で,p進簡約群の表現の比較についての問題を論じたい.

具体的には,「Yuの超尖点表現」という代数的に構成される表現が,近年Chan-Ivanovによって幾何的に構成された表現と一致する,という結果を説明する.本研究はCharlotte Chan氏(MIT)との共同研究です.

講演スライド


  • 11/19, 16:00-17:00 ~お茶の時間~


  • 11/20, 13:30-14:30

    • 講演者:武田渉名古屋大)

    • 題目:ある4次超曲面の有理点の数え上げについて

    • 要旨:代数多様体の有理点を数える問題における有名な予想としてManin予想と呼ばれるものがあり, 未解決な部分が多いものの多くの数学者によって様々な結果が証明されてきた. 例えば, 2017年にLiu,Wu,Zhaoらは x^3=(y_1^2+・・・+y_n^2)zで定まる3次超曲面に対するManin予想を解決した.

本講演ではx^4=(y_1^2+・・・+y_n^2)z^2で定まる4次超曲面の有理点の数え上げに彼らの方法を適用し, 有理点の個数の漸近評価を得たため, それをお話しする.

また, この超曲面はManin予想の枠組みから外れた超曲面であるため, BatyrevとTschinkelによって導入された 一般化Manin予想の枠組みで考える必要があるが, それらに関する今後の展望についても触れたいと思う.

お茶の時間について

Spatial Chatというウェブ会議ツールを使って行う予定です。19日の講演終了後に、詳細をご案内します。