令和6年度おかやま学びたい賞には、小学校35校から55作品、中学校17校から42作品の応募があり、県教育庁義務教育課において審査し、最優秀賞及び優秀賞を決定しました。
応募作品全てにおいて、地域の「人・もの・こと」と関わりながら探究的な学びを進める姿が見られました。特に、受賞作品は、題材を自分事として捉え、自己決定し、試行錯誤を繰り返すなど、児童生徒の「学びたい」があふれるすばらしい作品です。
最優秀賞(小学校)
笠岡市立神島外小学校 「防災学び隊」
テーマ:安心・安全な町、神外!(防災)
瀬戸内海の近くにある小学校で、地震避難訓練が海沿いの道を避難する形で行われていることに疑問を感じた児童が「防災」について探究を始めました。学んだことを発信するため、防災体験館を作成し、地域を巻き込んで避難訓練を計画・実施しました。
最優秀賞(中学校)
玉野市立荘内中学校
「地域振興イベント『桜花祭』実行委員会」
テーマ:福祉をテーマに地域振興イベントを開催し、共生の街づくりを推進
ボランティア生徒が福祉をテーマに地域振興イベントを立案し、市内の福祉施設や事業所と協力して桜花祭を開催しました。福祉体験や展示、障害者施設の方々の和太鼓演奏などを通じて、市内外の多くの来場者に福祉について考える機会を提供し、楽しみながら学ぶ場をつくりました。
優秀賞(小学校)
井原市立県主小学校 「KATU」
テーマ:そうだ!県主へ行こう! Episode4「あがた未来プロジェクト」
子どもたちは、児童数の減少や井原市の「C-2」評価に課題を感じ、今年度「未来につながる伝統をつくり広げたい」との願いから、あがた未来プロジェクトに取り組みました。20年後も「戻って来たい」「住みたい」と思える県主を目指し、その一環としてフォトスポット作りや大通りを輝かせる企画を地域と共に進めました。
和気町立佐伯小学校 「佐伯小学校5・6年生」
テーマ:片鉄の魅力調査隊
和気町には、廃線になった片上鉄道を活用した片鉄ロマン街道というサイクリングロードがあり、美しい景色や美味しい食べ物が魅力で、サイクリストに県内トップクラスの評価を受けています。しかし、他の市町村に比べて発信が少ないため、この学習で和気町の魅力を見つけ、積極的に発信していくことを目指しました。
優秀賞(中学校)
岡山県立岡山操山中学校 「pulupulu」
テーマ:天然素材の魅力を伝える〜綿糸、天然染料を使った商品の制作 ~
便利なものがあふれる一方で、失われた物もあるのではないかと感じた生徒達は、素材の良さや環境への影響を考え、「天然素材の良さを伝えたい」との思いから、天然素材で布を染めることや綿花から糸を紡ぐことの研究に2年間取り組みました。専門家と交流し、より良い商品作りのために実験を重ね、時間をかけて試作品を作成しました。
赤磐市立磐梨中学校 「自分の町を守り隊」
テーマ:地域おこし
SDGsの11「住み続けられる町づくりを」を目標に、少子高齢化や町の活性化、地域おこしについて考えました。なかでも「地域おこし」に興味がわいたので、調べてみることにしました。現在、地元の地域おこしに取り組んでいらっしゃる地域おこし協力隊の人と連携して、地域の人を集めたお茶会を企画・実行する取組を行いました。
学びたい賞フォーラムの様子
岡山県総合教育センターをメイン配信会場として、岡山県内各地の小・中学生がオンラインでつながりました。31校43チームが12グループに分かれて意見交流をし、各グループのファシリテートを倉敷古城池高校、高梁城南高校、勝山高校の高校生が担いました。
今年度のフォーラムでは、探究的な学習に取り組んだ過程の中で「うまくいかなかったな。」「困ったな。」「むずかしいな。」と感じたことについて意見交流をしました。地域や校種を超えた児童生徒がオンラインで交流する(フィードバックし合う)ことで、新たな気付きや学びを得ることができました。
【おかやま学びたい賞フォーラムの内容】
1 開会あいさつ
2 児童生徒による意見交流
3 最優秀賞、優秀賞及び奨励賞発表
4 夢育アドバイザーからの講評
5 児童生徒による振り返り・発表
6 教育長からの講評
参加した児童生徒の感想(一部抜粋)
【小学生】
・他の地域のことももっと知りたいです。違うから面白いことが分かりました。色々な課題解決の方法があって参考にしたい
です。アンケートを失敗したから、成功した例を次は参考にしたいです。中学校でも探究していきたいです。
・これからは町内だけではなく、町外、または県外へも目を向けて自分たちにできることを考えて実践していきたいです。
【中学生】
・これから高校に進学しますが、今回の件を通して情報の収集の仕方やそれのまとめ方などを再度学ぶことができた。これから高校に進学した際に自分にできることをしていきたいと思いました。
・失敗したときにも諦めるのではなく、前向きに考えることで新たな発見があることがわかりました。他の学校の意見を聞い
て身近なことから手をだすだけでも、課題発見に繋がると分かりました。
・進行役の高校生が言っていたように、探究学習をするときに失敗を恐れずに、どんどんチャレンジしたいと思いました。
・想像以上にたくさんのチームが参加していて、私達よりも小さい小学生でもそれぞれいろんなイベントや取組を行っていて
驚いたし、見方も広がった。学校生活を通してチャレンジするものを見つけていきたいと思う。
【高校生】
・「問題を解決したいという意思」をもって学習に取り組んでいることが良いと思った。
・失敗した先で何をするかが大切だと思う。失敗を恐れずにチャレンジしていって欲しいと思った。
学びたい賞フォーラム参加者へのメッセージ
夢育アドバイザー
中山 芳一
「知行合一(ちこうごういつ)」
来年度新しい挑戦をする時には、「知識をもち、その知識をもちながら行動し、さらに行動しながら知識をさらに深め、また行動していく。」知ることと行うことを同時に行っていきながら、新しいものを生み出していってください!
岡山県教育委員会 教育長
中村 正芳
「新しいことを知る」
フォーラムに参加してくれた積極性が素晴らしいです。新しいことを知ることはなぜ必要なのでしょうか。私は「よりよい考え方・判断ができる」ようになることが、勉強をする一番大きな意味だと思っています。これからも、「こうしたい!」 という思いをしっかりもち、どんどん前に進んで欲しいと思います。期待をしています!