101-270-271

問題文、設問文からの情報

薬剤は特定薬剤治療管理料算定（TDM）が認められている抗腫瘍薬。経口投与で用いられる。最小有効トラフ濃度を確認する。

（薬剤の）吸収は速やかであり吸収にかかる時間は無視できる ＝ 投与後、ただちにCmaxとなるので、Cmax = C0と見なすことができる。

パラメータ（101-271）

繰り返し経口投与間隔（τ）：12 h・・・①

投与量（単回経口投与）： 100 mg において、最高血中濃度（Cmax）：400 ng/mL、血中消失半減期（t1/2）：12 h・・・②

重要な基礎知識

半減期と繰り返し投与間隔が同じ場合（τ = t1/2）は、Css,min = C0、Css,max = 2＊C0・・・③

すなわち、定常状態におけるトラフ値 ＝Css,min

（参考）重要な公式

R = 1/[1-exp(-ke・τ)]、Css,min = C0 * R * exp(-ke・τ)

今回の場合、t = t1/2のため、exp(-ke・τ) = 0.5。よって、R = 2。Css,min = C0 * 2 * 0.5 = C0 になる。

101-271（薬剤）

（答２：250 mg）

①、②、③より、Css,min = C0

単回経口投与（100 mg） における最高血中濃度（Cmax）は400 ng/mL。

定常状態におけるトラフ値が1,000 ng/mL 。これが単回投与のC0に相当するように投与量（X mg）を算出すればよい。

よって、X mg: 1000 ng/mL = 100 mg : 400 ng/mL

X = 250 mg

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（参考テキスト、重要公式②）

参考

101-270（実務）

（答１：イマチニブメシル酸塩）

2012 年 4 月にイマチニブの TDMが特定薬剤治療管理料に追加された。定常状態のトラフ濃度を確認する。1,000 ng/mL以上であれば有効濃度域である（2019まで授業未出）。これは覚えておくしかない。

ゲムシタビン、ドキソルビシン、ペメトレキセドは注射剤なので除外。TDM対象薬でなく、注射剤であることは実習に行けば理解できるが、イマチニブのTDMも基本は外注で稀である。

メトトレキサート（MTX）はTDM対象薬であるが、大量投与時の副作用回避目的で血中濃度を確認する。なお、抗がん剤としてのMTXは注射剤として使用される（⇔抗リウマチ薬は経口投与。投与量 抗がん剤>>抗リウマチ薬）。