(1)学校の位置
学校は、仙台市泉区の西部(東経140゜48´21″、北緯38゜20´39″)に位置し、泉中央の西約8km、根白石の街並より北500mの小高い丘の上にある。
(2)地域の現況
仙台市泉区の西半分を占める根白石を学区とし,福岡,根白石,実沢の3小学校の卒業生を受け入れている。
泉ヶ岳(1,172m)をふくむ豊かな自然に恵まれ,中央を冠川(七北田川)が曲流し一帯を潤している。学校は,この自然の恵み豊かな里に根を置いた地域の人々に支えられながら,地域に根ざした学校としての良さを今日まで引き継いでいる。
山間部の学校であるため年間に10数回,近隣に熊が出没し,警戒に当たらなければならない。
(3)沿革の概要
昭和22年4月,6・3制の施行により根白石村立根白石中学校が,根白石小学校の校舎の一部に創立された。当時は生徒数417名,職員15名,10学級による新制中学校として発足した。
昭和26年現在地に校舎を新築し移転した。創立と同時にはじめられた気象観測事業は山間地の気象把握のうえに大きな功績を残してきたが,自動観測技術の発達により昭和50年閉鎖した。
また,創立以来学校環境緑化教育に力を注ぎ,昭和27年の学校植林優良校として宮城県より表彰を受けた。校地内に梅園を持ち,地域の方々の支援を受けながら管理をしている。震災後,被災して梅の収穫ができなくなった福島県の方を招待し梅収穫を行っている。
昭和53年には,ソフト,バレー,テニスの各部が新人戦で優勝,さらに同年,長年にわたる泉ヶ岳,冠川の清掃活動,自然保護,野鳥保護活動が認められ市政功労者として,宮城県新県民生活協議会より表彰された。また,東鹿野丘に鉄筋3階建ての,白亜の新校舎が落成,地域文化の中心的役割を担い,地域社会と生徒の実態を踏まえた教育を実践してきている。
平成4年からは,「ふるさと学習」選択教科の体験学習に取り組み,「たたら製鉄」の学習は,素晴らしい実績として残されている。平成7・8年度には文科省「伝統文化協力推進地域指定」を受け,その実践を継続発展させている。今年度で28回目を迎える「冠のふるさと伝承まつり」には,「しの笛・鹿踊り」の演奏で参加している。「しの笛」の指導には地域の人材を活用しており,本校の教育活動の柱の一つでもある。地域の人材・素材を生かした学習指導は,本校の教育の大きな特色となり現在にも生かされ,今後も継続されることと思われる。
平成26年度から,泉区まちづくり推進課と合同で避難訓練と防災・減災学習を継続して行っている。