長野養護学校の取り組みについて紹介します
目指す学校像の最初に『すべての職員が子どもの人権を大切にした教育実践をすすめる学校』を掲げ、年度の初めには、人権研修を行い、全職員一体となって人権に配慮した教育実践をめざしています。
小中学部では、各教科の学習を合わせた指導法として『生活単元学習』を行っています。子どもたちがテーマに沿った活動をする中で、楽しみながら力を付けられるような授業づくりを目指しています。子どもたちの充実した学びを支える授業づくりのため、日々工夫を重ね、年間を通して研究・研修を重ねています。
1人1台ずつiPadを使用して学習に使用しています。また校内はWi-Fi網を整備し、教室をはじめ、いろいろな場所でネットを活用した学習が可能となっています。学級内では電子黒板も活用して学習を進めています。
日常のいろいろな場面で、必要に応じて言葉だけではなく視覚的な教材・教具を併用しています。
保健室で様子を聞く養護教諭
近隣の学校の児童生徒の皆さんを本校に招いたり、本校の児童生徒が訪問して交流学習を進めています。
本校の児童生徒も、相手校の児童生徒も、ともに交流を通して学びを深めています。
居住地の小中学校にも籍を置く『副学籍制度』を利用するお子さんが増えています。入学式や卒業式への参加や各種行事への参加等、今までの居住地校交流よりもさらにつながりが深くなってきています。
個別最適な学習を支える教材・教具・指導法について、専門知識をもとに担任と一緒に考える自立活動専任職員を配置しています。
また、各部、分教室に自立活動担当を配置して、学級担任とともに児童生徒の支援方法・内容を検討し、指導に活かしています。
児童生徒が困っている状況に対して、外部の行動支援の専門家も交えて支援方法の検討を行っております。また、校内でも自立活動専任担当者が中心となって、行動支援について担任と一緒に進めております。
教職員は、年間を通じて授業に関わる研究・研修の他、てんかん発作やアレルギー対応等の医療的な研修、児童生徒の生活課題に対応するための研修などを行っています。
またAEDの使用方法や緊急対応についても、毎年研修の機会を設けています。
様々な専門性を持つ外部の専門家の方の方に授業に関わっていただいています。
音楽の授業で太鼓の先生に教えていただいたり、性教育で産婦人科の先生にお話をしていただくなど、各部で専門家の方の知見を活かした授業づくりをしています。
本校の学習活動は、地域の皆さんに支えられています。
例えば高等部 すざか分教室では野菜の販売や納品を通して地域の皆さんとつながったり、校外での窓ふきに訪問して実地での学習をさせていただいています。
このほかにも、地域の企業の方と一緒に活動を行なっています。
(写真:しんきんボランティアのみなさんと一緒に通学路ペイント活動をしました。)
高等部では、卒後に向けて作業学習を行っています。本校高等部では『農耕班』『手工芸班』『クッキー班』『陶芸班』、朝陽教室は『農耕園芸』、すざか分教室では全員が『ビルメンテナンス』を行うとともに各班に分かれて『農耕班』『手工芸(シルクコサージュ)』『クッキー』を行っています。
高等部の現場実習や、進路決定の際の企業や事業所とのつながりをもつための専任の進路指導主事を配置しています。
現場実習は、高等部で主に2年生以上が毎年6月と11月に行います。この実習を通して、事業所や企業で実際に働く経験を行い、卒後の進路について一緒に考えていきます。
高等部の生徒の中には、技能検定やアビリンピックに挑戦する生徒もいます。
入舎希望した中学部と高等部の生徒が寄宿舎に入舎しています。洗濯をしたり、お風呂に入ったり、身支度を行うといった自立に向けた学習を行っています。また、余暇活動も大切な活動ととらえ、いろいろな体験を行っています。
(寄宿舎入舎は希望人数によって全員が入舎できない場合があります。)
自然の中での体験のほか、バスや新幹線などの公共交通機関に乗る経験、お店で外食をする経験、外泊の経験など、様々な経験ができるように各部で計画をしています。
修学旅行は小学部6年、中学部3年、高等部3年で実施しますが、それ以外にも自宅以外での宿泊経験をすこしずつ持てるように宿泊学習を行っています。
外国の文化に触れ、外国の方と一緒に活動する経験をもてるようにALTが来校しています。
徳間本校では栄養教諭を配置し、調理室で給食を作っています。メニューには希望献立や季節の献立なども盛り込んで、おいしく、たのしく、栄養のバランスのとれた給食を提供しています。朝陽教室では長野盲学校の給食、三輪教室では長野ろう学校の給食を提供しています。(すざか分教室では、お弁当をあっせんしています。)
また、食育の学習も実施しています。
保護者の皆様や学校評議員の皆様には、給食試食会を通じて、給食を実際に食べていただき、給食・食育への理解を深めていただいています。
特別支援学校には、地域の学校を含めたセンター的機能があります。専門の職員が地域の学校や園に訪問もしています。
外部との連携として、毎年学校関係者会議を開催し、各事業所の皆さんや保護者を交えて様々な教育・福祉的な課題について話し合いを行っています。
また、学校評議員として一般企業や地区の自治会、事業所の皆様に依頼して、学校運営に関してのご助言をいただいております。
学校参観(一般公開)では地域の方や本校の教育に関心のある方々を対象に、学習の様子などをご覧いただいています。参加者の皆様にはアンケートを実施し、学校運営に活かしています。
学校評議員会
学校関係者会議 分科会に分かれての討議
学校防災への備えに関して、外部の専門家(大学の先生)を交えて毎年検討を行っております。
また、防災に関する職員の研修も行い、災害に対応する準備や工夫を重ねています。
教育実習をはじめ、大学、専門学校などのフィールドワーク研修などを受け入れ、教職員の指導のもと実際の場面での子どもたちと接することを通して、特別支援教育を学ぶ機会としていただいています。(お申込み等は、こちらをご覧ください)