(きたじま ひろつぐ)
マーケティングという言葉は、よく聞く言葉だと思います。新製品の開発や、新しいビジネスの立ち上げ、広告などには必ず使われる概念です。ビジネス、なんて言えば高校生の皆さんには遠く聞こえるかもしれませんが、みなさんは消費者として、このマーケティングの考え方(コンセプト)に基づいた商品やサービスを購入したり、利用したりして生きています。皆さんが利用するネットのアプリや音楽、動画には、さまざまなマーケティングの考え方が使われて作られ提供されているのです、実は。
高校生や大学生でいるうちは、一人の消費者として素直に、それら製品やサービスを楽しんだり、また時には不満を持って文句をいったり、すれば良いと思います。しかし、やがて皆さんが大人になり、お金を貰う側、すなわち製品やサービスの供給側に回る日がやがてやってきます。そのためには、マーケティングの考え方を学び、「使える」ようにすることが必要です。マーケティング論の授業では豊富な実例を使い、理論と実例を行ったり来たりしながら学んでいきます。
マーケティングの全てを説明することは、もちろんここでは出来ません。ただマーケティングは何か、ということを理解するのにあたって、考えていただきたいのは。「Market」とは何か、ということで直訳すれば、市場。市場にing がついているのが、マーケティングです。市場というのは、お客、顧客が集まって、ものやサービスを購入する場所です。このことから、マーケティング・マインドというのは、「お客」側から常に発想することです。
経営にあたっては、もちろん生産を行う、企業側の視点もあります。コストやそれを明らかにする会計、効率的な生産体制、などは重要な企業側の視点、概念です。ですが、実は例えば会計とかコストはお客様には関係がないのですね。ところが往々にして企業は、この会計や生産側の「都合」を、お客に押しつけてしまう。そうなると長期的にはお客様は離れ、企業は苦しくなっていきます。マーケティング・マインドは、まず、お客さまの側から常に発想し、企業側の都合とバランスを取っていく、という心構えです。
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