研究について

現在の研究は三つに大別されます。

 一つめは大学院時代以来続けている社会調査データの分析です。いくつかのトピックがありますが、①内閣評価と投票選択、②マスメディア/ソーシャルメディアと投票行動・政治参加、③ジェンダーや家族構造が政治意識に与える影響、について研究をしています。狭い意味での政治というよりは、人々が暮らしている社会的環境や、メディアからの情報摂取が、如何に政治行動や態度に影響を与えるかに興味があります。

 二つめは、より現実政治に近いテーマですが、内閣支持率のことを勉強しています。調査結果の報道を新聞やテレビで見たことがない、という人はまずいないと思いますが、意外と研究の蓄積がない分野です。ミクロデータの分析ではなく、新聞社が行った調査の数値を整理して検討することが多いのですが、具体的な政治的出来事に有権者がどのように反応しているかをうかがい知ることができます。

 三つめは、統計制度や標本調査の研究で、政府統計やマスメディアの世論調査を含む社会調査データの収集方法や保存・公開の実務について勉強しています。近年は研究データはできるだけ保存し、多くの研究者と共有することが求められるようになりました。研究データの扱いを巡る政策動向や、具体的なデータ保存・提供の仕組みについて勉強を続けています。


前田の研究や経歴の詳細については以下のリンクからご覧ください。

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 この書籍は、2009-2012年の民主党政権(鳩山・菅・野田内閣)を徹底的に分析したものです。ジャーナリストによる民主党政権論はいくつかありましたが、学術的に最も徹底的・体系的に分析したのは私たちの研究グループあったと考えています。

 現在の政治状況、特に野党のあり方、を考えるうえでも参考になりますので、ぜひ、ご一読ください。

前田幸男・堤英敬編著『統治の条件』千倉書房、2015年