考える no.4「失敗はどこで起きる?」
考える no.4「失敗はどこで起きる?」
Illustration: ちい
考えてみましょう
失敗は、個人の問題なのだろうか?
それとも、状況や関係の中で生まれるものなのだろうか?
分身ロボットを使った場面で、こんな出来事が起こることがあります。
声が一瞬途切れて、返事が遅れた
ロボットがうまく向きを変えられなかった
通信が不安定になって、会話が止まった
そのとき、私たちはつい考えてしまいます。
「いまのは、誰のミスだったんだろう?」
まず思いつきやすいのは、操作している人の問題です。
操作が難しかったのかもしれない
判断を間違えたのかもしれない
慣れていなかったのかもしれない
でも、分身ロボットの操作は、普通の対面接客とは条件が違います。
視野はカメラの範囲だけ
音はマイク越し
操作には少し遅れがある
同じ結果でも、同じ条件ではない、という点を忘れがちです。
では、ロボットの不具合でしょうか。
通信が不安定だった
操作が難しい設計だった
バッテリーが弱かった
たしかに、技術的な要因もあります。
でも、分身ロボットは勝手に動いているわけではありません。
人が使うことを前提に、人と組み合わさって機能しています。
分身ロボットカフェのコンセプトは「実験の場」です。
いろんな新しい試みをしていくと、うまくいかないことは当然起こります。
また、ロボットはそつなく操作されると、逆に「ロボットっぽく」なってしまうという問題もあります。
逆にちょっと失敗しちゃったり、見てる方が応援したい、助けたいって思ってもらえたりするほうが「人間らしさ」、「操作しているその人らしさ」がでてきます。
パイロットが「うまくできた!」と思っても、お客さんからすると、「なんか普通だったね」と言われてしまうこともあります。
「初めて操作する人は“失敗したくない”と思っています。でもここは“失敗しないと、お客様の満足度が下がる”っていう不思議な場所なんです。」
「失敗をしたときは逆にチャンス。
ロボットで“うーん”って悩むポーズを出すと、“かわいい!”って言ってもらえます。失敗が怖くなくなったら、いろんなことにチャレンジしようっていう気持ちになってくるんです。」
もちろん周囲の人に迷惑をかけてしまうような失敗は、ないに越したことはありません。でも、分身ロボットの場では、「うまくいかなかったこと」も、誰かと共有される体験になります。
それは、「失敗」ではなく、その場に関わる人たちのあいだで生まれる出来事なのかもしれません。
では、私たちは普段、どこまでを「個人の失敗」として扱っているのでしょうか?
改めて考えてみましょう
失敗は、個人の問題なのだろうか?
それとも、状況や関係の中で生まれるものなのだろうか?
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