話す no.6「外見は、何を消し、何を生み出している?」
話す no.6「外見は、何を消し、何を生み出している?」
Illustration: るう(X: @ruu_dayoo_ Instagram: @ruu_dayoo_)
考えてみましょう
私たちは、相手の外見から何を感じ取っているのだろうか?
その印象は、会話にどんな影響を与えているのだろうか?
分身ロボットカフェでよく聞かれる言葉のひとつに、「かわいいですね」という声があります。
小さくて、白くて、感情を誇張するような表情はなく、両手をぱたぱたと動かすロボット。
その外見は、多くの人にとって話しかけやすさを生みます。
でも、この「かわいい」という言葉は、いつも同じように操作者に受け取られているわけではないかもしれません。
外見は、会話が始まる前に、相手との距離感を決めてしまうことがあります。
怖くなさそう
攻撃してこなさそう
否定されなさそう
分身ロボットの外見は、そうした安心感を先につくります。
「モニターに知らない人の顔が映っていたら、たぶん近づかなかったと思う」
そんな声が聞かれることもあります。
ロボットの外見は、多くの情報を意図的に消します。
年齢
性別
服装
表情の細かな変化
その結果、会話は「どんな人か」ではなく、「何を話すか」に集中しやすくなります。
人の顔を見ると緊張してしまう人にとっては、この外見のシンプルさが、安心して話せる理由になることもあります。
「“かわいい”って言われるとうれしいから、つい色々しゃべっちゃう。言ってくれる相手も、安心してしゃべってもらえているのかな、と思う。」
こう、恥ずかしそうに言うパイロットさんもいます。
普段は言われることのない言葉を向けられることで、会話が弾み、自分を肯定されたように感じることもあります。
でも同時に、こんな違和感を語る人もいます。
「“かわいい”と言われても、それがロボットの外見に向けられているように感じる。本当の自分に向けられた言葉ではないように思えてしまう。」
分身ロボットは、「誰が入っているかわからない」外見をしています。
それは、偏見から自由になる可能性を広げます。
でも同時に、「かわいいロボットであること」自体が、新しい前提になっているとも言えます。
中立に見える外見も、実は社会の価値観や期待を静かに背負っています。
「かわいい」という評価は、相手を安全な存在として扱う合図にもなります。
味方となってくれそう
共感してくれそう
その一方で、かわいさは、「弱い立場でいてほしい」「やさしく振る舞ってほしい」という期待を、静かに伴うこともあります。
守られているようで、役割を決められてしまう。
その両方が、同時に起きています。
ロボットの外見は、技術の問題というより、関係性のデザインです。
話しかけやすさを重視するのか
本人らしさを重視するのか
偏見を減らすことを優先するのか
その答えは、一つではありません。
大切なのは、外見が会話に与えている影響に、気づいてみることです。
あなたが誰かと話すとき、その会話は外見にどれくらい影響されているでしょうか。
その外見は、相手を守っているでしょうか。
それとも縛っているでしょうか。
改めて考えてみましょう
私たちは、相手の外見から何を感じ取っているのだろうか?
その印象は、会話にどんな影響を与えているのだろうか?
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