話す no.4「見えないことは不利?それとも自由?」
話す no.4「見えないことは不利?それとも自由?」
考えてみましょう
私たちは、何を手がかりに「話しやすい」と感じているのだろうか?
見えることは、いつも安心につながっているのだろうか?
「話している相手の顔が見えないと、何を考えているかわからない」
「表情が見えないと、会話しづらい」
私たちは普段、相手の表情や視線、うなずきといった視覚的な情報を手がかりに会話をしています。
だからこそ、顔が見えない状態には、不安や戸惑いが生まれやすいのです。
顔が見えると、相手が笑っているか、困っていないか、話を聞いているかが、すぐにわかります。
その情報は、会話を円滑にする助けになります。
「見えない=不利」と感じるのも、無理はありません。
一方で、顔が見えることで増える情報もあります。
年齢、性別、表情、雰囲気。
私たちは無意識のうちに、それらを読み取り、調整しながら話しています。
こう言ったらどう思われるだろうか?
期待に応えなきゃいけないかもしれない
変に思われないだろうか?
こうした気づかいは、知らず知らずのうちに疲れを生みます。
分身ロボットを介した会話では、相手の顔は見えません。
また例えば、車いすに乗っているとか、ベッドに寝たきりだという状況も見えません。
その代わりに、声、言葉、間、反応が中心になります。
すると、見た目による先入観が入りにくい、「どう見られているか」を考えすぎなくていい、言葉そのものに集中できる、と感じる人もいます。
見えないことは、情報が減ることでもあり、余計なノイズが減ることでもあるのです。
「ロボット越しだと、年齢や性別、障がいのことを先に判断されない感じがするんです。一人の“話し相手”として向き合ってもらえる気がします。」
「こちらは相手が見えているのに、向こうは見えないのは不公平では?」
この問いには、対等性をどう考えるか、という問題が含まれています。
対等とは、同じ情報をすべて共有することでしょうか。
それとも、それぞれが安心して話せる状態でしょうか。
顔が見えないことで守られる人もいます。
それは、隠しているというより、どこまで見せるかを自分で選んでいる状態とも言えます。
見えることで安心する人もいれば、見えないことで安心する人もいます。
あなたにとって、話しやすい会話とはどんな状態でしょうか。
そしてその条件は、すべての人にとって同じでしょうか。
「人と対面で話すと、どうしてもうまく言葉が出てこないことがあります。でもロボットを介しての話だと、あまり気負わずに話すことができるんです。」
こうした感覚は、話す側だけでなく、聞く側にも起こることがあります。
相手がロボットだからこそ、会話に集中できて、思いがけず深い話ができた、ということもあります。
見えることと、話しやすさは、いつも同じとは限らないのかもしれません。
あなたにとって、話しやすい会話とはどんな状態でしょうか?
改めて考えてみましょう
私たちは、何を手がかりに「話しやすい」と感じているのだろうか?
見えることは、いつも安心につながっているのだろうか?
本資料の文章部分は、クリエイティブ・コモンズ表示4.0国際(CC BY 4.0)ライセンスのもとで公開されています。
出典を明記すれば、自由に改変・翻訳・再利用が可能です。
イラストは本ライセンスの対象外です。無断での改変・再利用はご遠慮ください。
ダウンロード
上記のカード/解説記事は、それぞれPDFでダウンロードできます。
📮カードをダウンロード / 📝解説記事をダウンロード
※ファイルは現在準備中です。公開まで今しばらくお待ちください