西成研究室
五月祭・先端研公開特設サイト
"万物は渋滞する"
ーー水や空気を伝わる波、宇宙空間を伝わるプラズマの波動ーー
これらはソリトン理論という最新の数学を用いて解析することが出来ますが、その様子はまだ完全には解明されていません。そして、このソリトン理論や流体力学と深い関係を持つセルオートマトンという手法を用いると、車や人の流れを空気の流れと同じように調べることができます。高速道路での渋滞や通勤通学時の混雑は嫌ですよね。本研究室では、セルオートマトンを用いたシミュレーションや理論的な解析、そして実際の車や人による実験を行って、渋滞や混雑の解消方法の研究に取り組んでいます。
<実験イベントのお知らせ>
渋滞学実験イベント 渋滞学入門2022
来る 6/19(日) 、2年連続でオンライン開催となってしまった当研究室の人気イベント「渋滞学入門」がとうとう対面で開催されます!
このサイトを見て「渋滞学って面白そう!」と思った中学3年生・高校生の皆さん、ぜひ御参加ください!
物流の危機をドローンが救う??
D3 藤田旭洋
近年、トラックドライバーの不足によって物流が危機に瀕しており、社会問題にもなっています。そこで、助けとなるべく期待されているのがドローンです。ドローンは人手不足を補うことができるため、特に離島や山間部の物流に大きな効果を及ぼすと期待されています。しかし一方で、運べる重量や距離の制限によって運用が難しいという問題点もあるため、本研究ではその問題点をどのように解決していくのかということと、ドローンでどれほどの効果が見込めるのかについて迫っていきます!
水族館の混雑を解消してみよう!!
D3 川口りほ
水族館の混雑を軽減するためにはどんな手法があるでしょうか?
この手法を探るべく、ASEPという数理モデルを用いて来場者の動きのシミュレーションや理論解析を行いました。また、実際にBluetoothセンサを館内に設置し、来場者の行動の軌跡を取得する実験も行っています。実験で得られたデータを使い、現地で実際に使用できるまで精度を向上させた数理モデルから導き出した混雑改善方法を紹介していきます!
ASEP(非対称単純排除過程)とは、非平衡統計力学の分野で理論的な研究が行われている数理モデルです。人や車などの意思を持った粒子の集まりである「自己駆動粒子系」のモデル化に応用されています。
高速道路の渋滞の新しい改善方法!!
D3 Siyu Li
誰しも一度は高速道路で渋滞に巻き込まれた経験があると思います。その中で、いつも渋滞している区間があると感じたことはありませんか?
実際に実証実験によって、ボトルネック区間と呼ばれるいくつかの場所で渋滞が発生していることが明らかになっています。そこで本研究では特殊な車両を導入し人工的に「動くボトルネック」を作り出すことで渋滞を吸収していくことを考えています。どのような仕組みで渋滞が緩和されていくのか、その謎に迫っていきましょう!
歩行者シミュレーションの精度を上げるには??
D3 CUI Geng
歩行者動線シミュレーションにおいてはその精度が重要な問題とされています。今までにも様々な種類の歩行者モデルが開発されてきましたが、これらのモデルの性能はその構造によって大きく制限されていました。そのため本研究では、データ駆動型という新しい構造をもったモデルであるIterative-LSTMとIterative-KNNという二つのモデルで歩行者の動きをシミュレーションすることを考えています。
今回の動画ではその中でもiterative-LSTMについて詳しく解説していきます!
歩行者の動線を最適化していこう!!
M2 Yuming Dong
歩行者の導線を最適化することに興味はありませんか?
私は最適化アルゴリズムやセルオートマトンなどを駆使して様々な場面における歩行者流動の最適化について研究しています。
今まで研究を行ってきた、大規模なスタジアム周辺の避難モデルの最適化や、車線変更の新しいルールの導入による二車線道路の交通改善、航空機の搭乗手続きの最適化を例に挙げ、詳しく解説していきます!
イベントの規制退場を最適化するためには??
M2 宮川陸
昨今のコロナ禍において、音楽ライブやスポーツ観戦といった大規模イベントの終了時に規制退場が行われることが多いです。しかし、この規制退場は経験則によって行われており、その手法をとる明確な根拠がない、というのが現状です。
そこで本研究では、規制退場を数理モデルとして解析し定量的に評価することで規制退場の手法に根拠を持たせ、最適な規制退場の手法について迫っていきます!
改札機周辺の混雑緩和のカギは??
M2 吉川航生
駅の改札が混んでいて不快に感じたことはありませんか?
私はこの問題を解決するために人が快適に通過できるような改札機の配置を検討しています。そのために改札機周辺のシミュレータを構築し、利用者の快適性を人同士の衝突回数によって評価しました。そして、改札機前後で右左折する利用者の数・比率を変更することで、それぞれの比率における最適な移動戦略を導き出しました。どのような戦略が最適なのかについて解説していきます!
遊園地の混雑の解消方法は??
M2 大庭帆貴
遊園地やイベントで多くの行列ができているのを見て、イライラした経験があると思います。また、公開されている混雑情報や行列情報を見て行動したのに実際の並ぶ時間との誤差があってさらにイライラしたこともあると思います。そこで、本研究ではシミュレーションを用いてどのような方法を用いれば混雑が緩和されるのか、どのような情報提供を行えば満足のいくような一日を過ごしてもらえるのか検討しています。
今回はその具体的な方法を解説していきます!
高密度粒子の解析ってどうやるの??
M2 藤丸稜汰
ロケットの固体燃料や薬の混合過程のシミュレーションなど、夥しい数の粒子からなる系を解析するためには非常に負荷の大きい計算をしなければなりません。なぜなら、全ての粒子の動きを一つ一つ計算しなければならず、その過程にも数値計算上のバグが絡むことがあるからです。
特に密度が高く、粒子同士の衝突回数が多い場合には、解析が極めて困難になってしまいます。
そこで本研究では高密度の粉体の解析手法を、その本質を保ったまま簡略化する方法について模索していきます!