宇宙物理学の面白さと林忠四郎先生の功績について、日本を代表する2人の宇宙物理学者が解説します。
マックスプランク重力物理学研究所 ディレクター
京都大学基礎物理学研究所 教授
1994年 博士(京都大学)
1993年〜2000年 大阪大学理学部 助手
2000年〜2008年 東京大学総合文化研究科 助教授/准教授
2009年〜現在 京都大学基礎物理学研究所 教授
2018年〜現在 マックスプランク重力物理学研究所 ディレクター
京都大学 名誉教授
1966年 博士(京都大学)
1964年〜1971年 京都大学理学部 助手
1971年〜1974年 京都大学基礎物理学研究所 助教授
1974年〜1986年 京都大学基礎物理学研究所 教授
1976年〜1980年 京都大学基礎物理学研究所 所長
1986年〜2001年 京都大学理学部 教授
2001年〜2013年 甲南大学理工学部 教授
宇宙の誕生、星、太陽系について輝かしい業績を残された林忠四郎先生(故人)が1995 年に京都賞を受賞されたことを記念して、これまで各地の大学で講演会が開催されてきました。
今年は東京大学駒場キャンパスにて開催されます。
15:00 開場
15:15 開会の挨拶(鈴木建先生)
2015年に2つのブラックホールが合体する際に放出される重力波が、重力波望遠鏡advanced LIGOにより初めて観測された。重力波の直接観測は、アインシュタインが一般相対性理論を発表してからちょうど100年目に達成された偉業であり、この功績が評価され、早速2017年にはアメリカの3人の研究者にノーベル賞が授与された。
さらに2017年には、2つの中性子星が合体する際に放出される重力波が初めて観測されたが、このイベントでは、重力波のみならず、ガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波にまで至る幅広い波長域の電磁波が観測された。その結果、それ以前に長らく謎とされてきた問題解決に対して、貴重な情報が持たらされた。
宇宙の観測は多くの場合、電磁波を観測することでなされてきたが、重力波と電磁波の同時観測を行うことで、以前では取得不可能な情報が得られるようになった。このような観測手法はマルチメッセージャー観測と呼ばれる。本講演では、マルチメッセンジャー観測によって、これまで謎とされてきた問題がいかに解決されうるのかについて紹介する予定である。
京都育ちの林は旧制高校までは京都で勉強したが、大学に進むときに家庭から離れてみたいという気持ちもあって東京大学の物理学科に入学します。時代は太平洋戦争勃発で卒業も繰り上げで学徒動員へ。その直前のガモフの論文との出会いが、戦後京都に帰って京大湯川研究室での巨星構造やビッグバン宇宙の研究を自力で進めるきっかけとなった。
17:10 閉会