土橋 茂樹
TSUCHIHASHI Shigeki
中央大学文学部教授［哲学専攻］
最終学歴/学位
上智大学大学院哲学研究科・博士後期課程満期退学
専門分野
古代ギリシア哲学、ギリシア教父学、現代倫理学
メッセージ
あくまで古典文献学に即した周到かつ正確なテキスト分析と思想史的な展望に裏打ちされた多層的な哲学理解を心がけています。
研究領域としては、（１）プラトンとアリストテレスの主要著作を互いに補完し合うような形で並行して読み進める一方で、（２）ヘレニズム期から古代末期におけるギリシア哲学とキリスト教思想との相互影響史的な展開にも目を配りつつ、（３）そうした古典的な哲学・思想を現代の倫理的問題意識から読み直す試みに力を入れています。
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担当講義/2023年度
倫理学概論
哲学講義(1)(11)
哲学講義(2)(12)
古代中世西洋哲学史(1)
古代中世西洋哲学史(2)
西洋古代中世哲学研究ⅠA
西洋古代中世哲学研究ⅠB
西洋古代中世哲学研究ⅡA
西洋古代中世哲学研究ⅡB
西洋古代中世哲学特殊研究A
西洋古代中世哲学特殊研究B
主な研究業績
【 単著 / Single-authored 】
『哲学』（中央大学通信教育部、2019年）
『哲学』 (中央大学通信教育部、2003年)
【 編著 / Books Edited 】
『フィロカリア総索引』（ヒルトップ出版、2017年）
『善美なる神への愛の諸相―「フィロカリア」論考集』（教友社、2016年）
【 共著 / Co-authored or Book Chapters 】
『愛と相生―エロース・アガペー・アモル―』（教友社、2018年）
『テオーシス―東方・西方教会における人間神化思想の伝統―』（教友社、2018年）
Christians Shaping Identity from the Roman Empire to Byzantium, Brill, 2015
Prayer and Spirituality in the Early Church, Vol. 4, P. Allen et al. (eds.), St. Pauls Publications, 2006.
『現代社会に於ける倫理の諸相』 (中央大学出版、2003年)
『中世の社会思想』 (創文社、1996年)
【 訳書 】
東方キリスト教霊性の精華『フィロカリア』Ⅵ(新世社、2013年)
『中世思想原典集成』第３巻－後期ギリシア教父・ビザンティン思想－ (平凡社、1994年)
【 論文 】
「始原への／からの遡行――村井則夫先生を送る――」（『中央大学文学部紀要―哲学』第65号、2023年）
「カントの徳理論と徳倫理学の諸相」（シンポジウム「カントと徳倫理学」提題、『日本カント研究』No. 23、2022年）
「善く生きることの意味と成立根拠を問う」（『エイコーン：東方キリスト教研究』第48号、2018年）
「我々はどこから来たのか」（『白門』第70巻第6号、2018年）
「「ある」を表示する「名の正しさ」をめぐって—プラトン『クラテュロス』篇解釈史を手がかりに—」（シンポジウム「「ある」ことをめぐって—教父哲学とスコラ哲学—」提題）（『新プラトン主義研究』第17号、新プラトン主義協会編、2018年）
「書評：土井健司著『救貧看護とフィランスロピア―古代キリスト教におけるフィランスロピア論の生成―』」（『宗教研究］390号、日本宗教学会編、2017年）
「自己投企と受容―東方教父起源の「神との合一」概念のトマス的再生」（『ニュクス』第4号、堀之内出版、2017年）
「書評会：谷寿美『ソロヴィヨフ―生の変容を求めて』司会報告」（東方キリスト教学会編『エイコーン』47、2017年）
「映画『沈黙』を観て」（『白門』第69巻第6号、2017年）
「「神に似ること」から「キリストに倣うこと」へ ― ニュッサのグレゴリオスにおけるプラトン主義的伝統の変容 ―」（『パトリスティカ』第19号、教父研究会編、2016年）
「東方キリスト教における霊性」（『東洋学術研究』第175号、東洋哲学研究所編、2015）
「わたしの生はあなたの生―ポリフォニックな一人称語りとエヒィエロギア―」（『パトリスティカ』第18号、教父研究会、2015）
「教父哲学におけるオイコノミア」（『ニュクス』創刊号、2015）
「抄録者シメオンはマカリオス文書の何を切り捨て、何を残したのか―『フィロカリア』所収の抄録版『五〇の講話』をめぐって―」（『エイコーン』第42号、東方キリスト教学会、2012年）
''Construction of a City in Speech and Purification of the City''（『紀要 哲学』第54号、中央大学文学部、2012年）
''Apatheia and Metriopatheia in Basil of Caesarea’s Consolatory Letters''（Patristica 3, Japanese Society for Patristic Studies, 2011）
「洞窟に降り来った太陽―教父思想への「洞窟の比喩」の影響史―」（『理想』686号、2011年）
2010年度以前については、過去の研究関連情報をご覧ください。
【 国内研究発表 】 2014年度以降
「愛の矢と愛の痛手―オリゲネスとニュッサのグレゴリオス双方の「雅歌」解釈をめぐって―」（仮題）（第162回教父研究会 シンポジウム「愛について―エロース・アモル・カリタス」、2017）
「善く生きることの意味と成立根拠を問う―フュシスとアレテーをめぐって―」（東方キリスト教学会 第17回大会、2017）
「現代徳倫理学の源流（の一つ）と（二、三の）射程」（第8回徳倫理学研究会、2016）
「「ある」を表示する名の正しさをめぐって」（第23回新プラトン主義協会、2016）
「バシレイオス『書簡』38におけるウーシアーとヒュポスタシス理解」（慶応義塾大学言語文化研究所研究例会、2015）
「観想と受肉―ニュッサのグレゴリオにおけるプラトン主義的伝統の変容」（第151回教父研究会、2015）
「思考を理解することと言葉を理解すること」（シンポジウム「哲学の方法としての翻訳の意義」東洋大学国際哲学研究センター、2015）
「可能性としての中世」（シンポジウム司会、第65回倫理学会、2014）
「ハーストハウス『徳倫理学について』の翻訳をめぐって」（徳倫理学WS２「翻訳と展望」第65回倫理学会、2014）
【 国際学会発表 】 2009年度以降
“The Resurrection Body in Gregory of Nyssa's On the Soul and the Resurrection”, 9th Asia-Pacific Early Christian Studies Society, 4-6 Sep. 2014, Toyo Eiwa University
“Descent of the Sun into the Cave: the historical influence of the ‘cave simile’ on patristic thought”, Freedom and the State: Plato and the Classical Tradition, Aug. 2012, Corpus Christi College, University of Oxford.
“Pseudo-Macarius’ Homilies in the Philokalia”, 7th Asia-Pacific Early Christian Studies Society, Jul. 2012, Seoul, Korea.
“Apatheia and Metriopatheia in Basil of Caesarea”, 16th International Conference on Patristic Studies, Aug. 2011, University of Oxford.
“Construction of a City in Speech and Purification of the City”,International Plato Society IX Symposium Platonicum: Plato's Politeia, Aug. 2010
“The Trinity and Political Metaphor in Gregory Nazianzen's Theological Oration 29.2”,6th Prayer and Sprituality in the Early Church, Jul. 2010, Merbourne Australia
“Apatheia and metriopatheia in Basil of Caesarea's consolatory letters”,5th Asia-Pacific Early Christian Studies Society, 9th Sep. 2009
学会・研究会などの活動
International Association of Patristic Studies, International Plato Society, North-American Association of Patristic Studies、 Asia-Pacific Early Christian Studies Society, Honorary research associate of Centre for Early Christian Studies in ACU、日本哲学会（編集委員2015-）、日本倫理学会（編集委員 2009/9-2011/9）、日本西洋古典学会、中世哲学会（理事2009/12-、編集委員2015-、編集委員長2016/12-、編集幹事2009/4-2012/3）、新プラトン主義協会（理事2012-2016、会長2014-2016）、教父研究会（事務局長2007-2013、理事2007/11-2013/6）、多摩哲学会（事務局長）、日本宗教学会、西田哲学会、東方キリスト教学会（理事2009-、編集委員2016-）、ギリシア哲学セミナー（運営委員2017-）、京大中世哲学研究会、上智哲学会、その他
科研費等の活動
2007年度以降
古典教父研究の現代的意義―分裂から相生へ―（分担研究者：基盤研究B、2017/4-2020/3）
ギリシア教父におけるプラトン主義的「神に似ること」概念の受容史研究（研究代表者：基盤研究C、2016/4-2019/3）
古代ギリシア文明における超越と人間の価値―欧文総合研究―（連携研究者：基盤研究B、2016/4-2021/3）
ギリシア教父におけるプラトン「洞窟の比喩」の受容史研究（研究代表者：基盤研究C, 2013/4-2016/3）
プラトン正義論の解釈と受容に関する欧文包括研究（分担研究者：基盤研究B, 2011/4-2015/3）
「慰めの手紙」における東西教父思想への古代ギリシア情念論の影響史研究（研究代表者：基盤研究C, 2010/4-2013/3）
古代ギリシア正義論の欧文総合研究―プラトン『国家』とその伝統―（分担研究者：基盤研究B, 2008/4-2011/3）
ギリシャ政治哲学の総括的研究（分担研究者：基盤研究B, 2007/4-2011/3）
「転換期における「貧困」への取り組みの共同研究―初期キリスト教をモデルにして」（分担研究者：学術振興会・二国間交流事業, 2007/4-2009/3）
研究内容のキーワード
プラトン、アリストテレス、ギリシア教父、ウーシア、徳倫理学(virtue ethics)
指導学生の研究テーマ
（修士論文・学位論文タイトルなど）
アリストテレス『デ・アニマ』における固有感覚論－感覚の生起における作用の受動の問題
実体と本質―アリストテレス『形而上学』Ｚ巻における両者の関係
プラトン『パイドロス』篇における神の位置づけ
アリストテレス『詩学』における「カタルシス」研究
アリストテレス『霊魂論』における感覚論研究
R・ハーストハウス『徳倫理学について』における感情の意義
ギリシア悲劇におけるコロスの意義―アリストテレス『詩学』におけるコロス解釈へ向けて
リンク
2017年6月10日付の「図書新聞」6面「ポートレート」欄に、土橋茂樹の著書『善く生きることの地平―プラトン・アリストテレス哲学論集』に関する著者インタビュー記事が掲載されました。
Department of Philosophy / Chuo University