吸着剤 JitenABは優れた性能をもつ無機系吸着剤で汚染土処理工法の一つである吸着層工法用の吸着剤です。本製品は各種有害物質に対して高い吸着性能をもち、自然由来汚染土処理剤として公共事業での採用実績が多数ございます。
Jiten ABは自然由来汚染土等の処理工法である吸着層法に使用する材料です。
4種の製品を保有しており、ヒ素、フッ素、鉛、カドミウム、六価セレン、ホウ素、水銀等を含有する汚染土壌処理用の高性能吸着剤として使用頂くことができます。
吸着層工法のイメージ図を図1に示します。吸着層工法は北海道で生まれ、自然由来汚染土壌の経済的な処理方法として、全国の公共事業の汚染土対策として採用されています
吸着層工法は、汚染土壌下部に吸着剤とシルト・細砂を混合したフィルター層(標準的な厚さ30cm、透水係数調整)を設けて、汚染土から溶出した有害物質が地盤に浸透、拡散しないように処理する汚染土の原位置処理工法です。汚染土の上部、側面は、不透水性の舗装、粘土による覆土で覆います
図1 吸着層工法のイメージ
① Jiten AB
ヒ素、鉛等処理用吸着剤、主成分:SiO2,Al2O3,Fe2O3
ヒ素に対する大きな吸着量(環境基準値での平衡吸着量 8mg/g以上)を有します。この吸着量は競合製品の2倍以上の性能です(図2を参照ください)
② Jiten ABL
6価セレン、ヒ素、フッ素、六価クロム、複合汚染処理用吸着剤、主成分: Al2O3, MgO
処理が最も難しい6価セレンの吸着処理に有効です。ヒ素、フッ素、クロムなど複合汚染の処理も可能です
③ Jiten ABe
ホウ素、ヒ素、鉛、フッ素、セレン処理用吸着剤、主成分: SiO2, Al2O3, CaO, Fe2O3
処理が難しいホウ素の吸着処理に対応が可能です
④ Jiten ABc
水銀、カドミウム、鉛、ヒ素等の吸着剤、主成分:SiO2, Al2O3, Fe2O3, SO3
処理が難しい水銀、重金属等による複合汚染の処理に対応ができます
🔳 Jiten AB / 水酸化鉄による共沈、吸着。高い吸着性能をもっています
ヒ素は水酸化鉄に吸着固定されます。Fe(OH)3 + H3AsO4 → Fe(OH)3・H3AsO4↓
🔳 Jiten ABL/ 結晶子がナノサイズの微細な層状複水酸化物(LDH)
[M2+1-xM3+x(OH)2][An-x/n・mH2O] により構成されるハイドロタルサイト吸着剤
ここにM2+、M3+は、2価および3価の金属イオンを、An-は層間の陰イオンを表す
従来技術では処理が難しい6価セレンの処理、フッ素の処理、複合汚染土の処理等に有効です。アニオン型有害イオンはハイドロタルサイトの層間に吸着されます(図3を参照ください)
🔳 Jiten ABc / 硫化物法による重金属吸着
鉛、カドミウム、水銀など重金属イオンはパイライト表面に硫化物として吸着固定されます
Cd2++S2-→ CdS↓ Hg2++S2-→ HgS↓
図2 JitenABのヒ素吸着等温線図
図3 ハイドロタルサイトの構造
当社製品は、粒径範囲100~1,000μmのドライな粉体製品であるため、機械施工による混合作業が容易であり、作業に伴う粉塵発生が少ない特徴をもっています
母材(透水係数10-3~10-4cm/Sの細粒土)に1m3あたり30~100kgの吸着剤を十分混合した後、原地盤の上に敷ならし・転圧して吸着層を設置します。
吸着層の代表的な施工法としては下記の2種があります
①自走式土質改良機で母材と吸着剤を混合 → 原地盤に敷ならし・転圧
②母材を原地盤に敷ならし→吸着剤の散布 → スタビライザー等による混合・転圧
吸着剤混合の均一性は施工後、吸着試験により確認を行います
納入実績
当技術により製造された製品はこれまで、日本国内各地の公共事業において納入実績があります
図4 吸着層工事の状況(自走式土質改良機使用)