おいらはオイラーにはかなわない

10月29日。6年教室に行くと、テレビ画面と子どもたちが使っているchromebookに『鳥獣戯画』に出てくる動物らしき絵が映し出されていました。

(国語科で『鳥獣戯画』の教材を使って勉強していたので、その続きかな…。)と思っていると、何やら違うようです。絵は三分割されていて、画面上で動かせるようになっています。

「動かす前に、動物が何匹いるか数えてみて。」という担任の指示で、子どもたちが数えます。すぐに「9匹」と分かりました。その次に、上半分の左右を入れ換えてみます。右上を動かして左に、左上を動かして右に持っていきます。

「上下がうまく重なったね。じゃあ、もう一度、動物が何匹いるか数えてみて。」

「一、二、三…七、八。あれ?八匹かいない!」「どうして?」「えっ?」驚きの声があちこちで上がります。「消したわけでもないのに、どうしてだと思う?」と揺さぶると、子どもたちなりの考えが出てきました。

これがクイズの1問目。2問目はやや複雑な絵。これも真ん中にある矢印を右に少し回すと、描いてある人の数が違ってきます。

この問題も子どもたちは必死になって考えました。

このように、頭の体操をしたあとで、この日の本題。ドイツにあるケーニヒスベルクを上空から撮った写真を写して、「この橋をすべて1回だけ通るのは可能かな?」と問います。

程なくすると、「できた。」「通れた。」という声が上がります。これはそんなに難しくはありません。でも、次に難問が…。
「実は、これは現在の空撮映像であって、昔は違いました。こんな感じです。」と言って、昔の地図を画面に映し出します。

「これもさっきと同じように、橋をすべて1回だけ通ることは可能かな?」

すると、どう考えても不可能。これはつまり、「一筆書き」の問題でした。「ケーニヒスベルクの橋の問題」として知られています。担任は「では、どういうときに一筆書きができて、どういうときにできないのか…それを分かるようにするのが算数・数学なのです。」と続け、その法則を見つけ出した数学者オイラーにも触れました。数学的に考えたオイラーは、やっぱりすごいですね。

最後に、今度はドットの問題。左の赤い印のところからスタートし、曲がるときには必ず90°に曲がり、右上のゴールを目指します。

これは時間中にできなかったものの、休み時間に解いた子が職員室に飛び込んできました。「先生、できました!」と。

登録日: 2021年10月29日 / 更新日: 2021年10月29日