素堂も顔負け

10月26日。廊下を通りかかると、2年生が国語の時間に創作した俳句が掲示されていました。

しばらく立ち止まって、一句一句に子どもの顔を重ね合わせました。どの句にも子どもらしい感性が感じられましたが、特にわたし(校長)の目に留まったのが次の二句。

赤とんぼ とびたつときが やっときた
赤とんぼの飛び交う季節が到来したことが感じられます。

くつわむし ふうせんかずら あかとんぼ
俳句の約束は季語を一つ入れること。その原則からすれば約束違反(季語が三つも入っている)になりますが、下の句と比べてみてください。

目には青葉 山ほととぎす 初鰹
これは江戸時代の俳人、山口素堂の句です。見聞きされた方も多いと思います。素堂は松尾芭蕉と同門で親交があり、蕉風の確立に寄与したといわれている名人。先の「くつわむし…」は、これに劣らぬ作風です。

放課後に校長室で担任と話をすると、俳句作りは最初だったので、あえて約束(季語は一句に一つ)は伝えなかったということが分かりました。自分なりに純粋に「秋」を表現した結果、この句ができたわけですね。
なお、2年生が創作した俳句は、担任がまとめて新聞に投句しました。さて、採用されるかな?

【後日談】
上に紹介した作品は、その後、11月8日の奈良新聞に採り上げられました。こちらをどうぞ。

登録日: 2021年10月26日 / 更新日: 2021年10月26日