標準語にはないけれど

11月15日。5年1組の前を通りかかると、理科で「もののとけ方」を学習していました。黒板には、
水にとけて見えなくなった食塩は、どうなったのだろうか?
と書かれています。これがこの日の学習課題です。

もう少し寄ってみると…。

子どもたちから出てきた意見らしきものが書いてあって、その中に、
○下にとごる ○時間がたつと、とごる
という文字が見えました。「とごる」というのは、液体の中に溶かそうと思って入れたものが、どうしても溶け切らずに沈殿してしまうこと。つまり「溶け残る」ことです。この前、職員室で、この「溶け残る」ことを、ふだんどのように言っているかが話題になりました。というのも、「とごる」というのは奈良界隈でしか使われない方言だからです。標準語にぴたっとくる表現はありません。九州から奈良に来ている教員も、「『溶け残る』以外にない。」と言っていました。蛇足ですが、わたしの連れ合いは「こずむ」と言っています。これも方言なので、食卓などでお互いに方言を使うと、なんとも言えない違和感(「とごる」なのになあ… VS 「こずむ」なのに…)を感じてしまいます。

またもや脱線してしまいましたが、とにかく子どもたちが「こずむ」という生活用語を使って説明しようとしていることをほほえましく感じ、教室をあとにしました。

登録日: 2021年11月15日 / 更新日: 2021年11月15日