防災教育 ~その2~

3月11日。朝の避難訓練で前振りを済ませておいた「焼きそばU.F.O.」の話を、午後2時35分から放送で行いました。

子どもたちは、それぞれの学級で、わたしの話に耳を傾けてくれました。

放送で伝えたのは、東日本大震災が起きた際、住民と一緒に避難されていた公務員が3日ぶりに口にできたもの……それがカップ焼きそばを作る際の「捨て汁」だったという話です。避難したところにとどいた何食かのカップ焼きそば。その公務員は、わずかばかりの麺を住民に分け、自分はその捨て汁を飲まれました。「3日ぶりに飲んだ捨て汁のうまかったこと。この世にあれほど『うまい!』と感じたものはなかった。」と話してくださいました。

これが復興支援に携わったときに聞いた「焼きそばU.F.O.」の話の概要。この後、「震災で亡くなられた方、行方不明者は合わせて22,192人にものぼる。その中には、赤ちゃんやみんなと同じ小学生もたくさんいたんだよ。」と話し、地震が発生した午後2時46分になったときに、全校のみんなで亡くなった方々に黙祷を捧げました。

震災を体験した人の気持ち、大切な家族や友人、知人を亡くされた方々のつらさは、当事者にしか分からないのかもしれません。でも、そういった人たちの気持ちに「寄り添う」ことはできると思います。防災教育で置き去りにしてはならない原点です。

登録日: 2021年3月11日 / 更新日: 2021年3月11日