令和6年1月1日に令和6年能登半島地震が発生し、石川県を中心に大きな被害をもたらしました。また、同年9月には地震被害の激しい奥能登地域が豪雨災害に襲われ、重ねて大きな被害が広がりました。被害が広域かつ甚大であった平成30年7月豪雨(西日本豪雨)、令和元年度東日本台風に加えて、2011年以降は全国で各地で記録的短時間大雨情報が多数発表されており同様の被害が出てもおかしくない状況が続いています。次なる巨大災害の危機も高まる中、新型コロナウイルス感染症のような世界的流行への対応も加わり防災に係る課題は、これまで以上に多岐に亘りかつ複雑となりました。国難クラスの巨大災害では、産官学の連携だけにとどまらず、民間・個人も担い手と考えたガバナンスの構築が求められます。特に事前防災・BCP・災害対応・復旧復興において多様化するステイクホルダーが適切な備えや対応行動を取るためには、これまでの情報活用に加えて、AI技術や先端的なデータサイエンス技法を用いた精度の高い短期予測を効果的に活用することが求めらます。
本研究発表会では、近年新たに取り扱えるようになったリアルタイム性の高いデータの利活用による次世代の減災社会形成に焦点をあて、地域防災に携わる土木工学、建築学、地学、情報学、心理学、社会学などの研究者と災害対応を行う実務者が一同に集い、 実践的・理論的な研究発表と様々な視点から討議するとともに、地域防災に関する今日的課題や今後の展開について議論する場とし、 防災計画学の体系化を目指します。
また、ここで得られた知見が各地域に還元されることにより、全国各地の地域防災力が向上することを期待しています。 平常時から広く地域防災力に関する情報交換を行い、研究上の課題を継続的に発見して対応し、その成果を共有化するとともに、 社会に還元していくためのネットワーク構築を目指しています。
防災計画・地域防災システムに携わる多くの研究者・実務者に参加していただけると幸甚です。
日 時―――2025年9月15日(祝)、16日(火)午前
16日午後はワンデイセミナーを開催します。詳しくはこちらをご覧ください。
場 所―――ハイブリッド開催(京都大学宇治キャンパス 連携棟大セミナー室/オンライン(ZOOM))
宇治キャンパスへのアクセスはこちら
宇治キャンパス内の地図はこちら(連携研究棟は77番にあります)
主 催―――京都大学防災研究所
共 催―――国際総合防災学会(IDRiM Society),土木学会 土木計画学委員会 災害データサイエンス研究小委員会
参加費―――無料
懇親会―――1日目終了後に懇談会を開催予定
発表件数――30件程度
申込締切――研究発表:2025年8月31日(日)
聴講参加:当日参加も可ですが、運営上2025年9月7日(日)までに申し込みいただけますと幸いです。
申し込み――下記のページより登録を行ってください
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聴講希望の方 こちら
プログラム 概要まとめてDL
9月15日(月)
12:55-13:00 オープニング
セッション1 司会:⾼⽊朗義(岐阜大学)
13:00-13:30 清水 智 自然災害による廃業事業所数の試算 概要
13:30-14:00 榊原 弘之 オンデマンド交通による避難支援の有効性及び実現に向けた課題の検討 概要
ー山口県宇部市を事例としてー
14:00-14:15 休憩
セッション2 司会:柿本竜治(熊本大学)
14:15-14:45 角 有司 JAXAのロケット回収船の研究開発と防災船としての利活用について 概要
14:45-15:15 松木 彰 データ起点の避難行動モデリングと評価指標の構築を目指して 概要
15:15-15:45 廣井 慧 災害時情報通信のエンドツーエンド 概要
15:45-16:00 休憩
16:00-17:00 ⾼⽊朗義・畑⼭満則 全体討議(発表者を交えての討議)
9月16日(火)
セッション3 司会:畑山満則(京都大学)
10:00-10:30 土橋 喜人 緊急支援時の支援物資に関する考察: 能登半島地震の災害弱者支援を事例に 概要
10:30-11:00 宮川 祥子 被災者の生活再建・健康維持における重層的情報マネジメントに関する検討 概要
11:00-11:30 多々納裕一 気候変動適応戦略:不確実性に立ち向かうための方法論 概要
11:30-12:00 ⾼⽊朗義・畑⼭満則 全体討議(発表者を交えての討議)
12:00-12:05 クロージング
ワンデイセミナー継続的な水害時の避難行動調査の提案と活用
https://sites.google.com/dpri.kyoto-u.ac.jp/oneday2025/
13:30-13:40 開会挨拶、開催主旨説明 畑山満則(京都大学、小委員会幹事)
13:40-14:10 柿本竜治(熊本大学) 継続的に行う避難に関するアンケート調査
14:10-14:30 杉浦聡志(高知工科大学) アンケート調査を用いた避難行動分析
14:30-14:45 休憩
14:45-15:10 梶谷義雄(香川大学) 2018年西日本豪雨時の世帯の避難状況調査について
15:10-15:35 髙木朗義(岐阜大学) 豪雨災害時の住民避難行動における「避難しなかった」と「避難できなかった」の比較
15:35-16:00 畑山満則(京都大学) 継続的なアンケート調査結果の活用した避難研究の展望
16:00-16:15 休憩
16:15-16:50 総合討論 松田曜子(京都大学)
16:50-17:00 閉会挨拶 髙木朗義(岐阜大学、小委員会委員長)