個人的な理想としては、多少時間をかけてでも自分自身の納得の行くテーマを探してほしいとは考えていますが、とは言えいきなり自分で考えるのは多くの学生にとっては困難なので、結果的に初めの方は私の方からアイデアを提案する形に落ち着くことが多いです。徐々に自ら研究テーマやその解決のためのアプローチを考え、自分自身がその研究の意義に納得して取り組む / 納得できない場合は方向修正できるように目指してもらえたらと思います。もちろんそのような能力を身に着けられるよう、私の方でも最大限サポートしていきます。
逆に、現実的にどのくらい自由にテーマを振り切って良いのかについても触れておきます。一般的に科研費などの多くの予算は研究プロジェクトに対して割り当てられるものであり、私もいくつかの研究プロジェクトについて、そのプロジェクトのための予算をもらっています。そのため、どのプロジェクトに対しても紐づけられないような研究テーマの場合、どうしても予算の都合で実現が難しいこともあります(この辺りの事情は弊研究室に限らず多くの研究室で同様かと思います)。とは言え研究計画がガチガチに固められて一切の脱線が許されないわけではないので、ある程度の関連性が見出されれば既存の研究プロジェクトに組み込むことができます。あるいは紙とペンと PC さえあれば着手可能な研究テーマであれば(幸い情報系・信号処理系はそのようなテーマも多いです)ひとまず立ち上げてしまって、必要に応じて新たに研究予算の獲得を狙うこともあり得るでしょう。この辺りの実現可能性については、研究を始めたばかりの学生にはピンとこないと思いますので、まずはやってみたいことは何でも提案・相談してもらえると嬉しいです。私個人としては研究テーマに多様性がある方が望ましいと考えているので、学生からの研究テーマの提案は積極的に歓迎します。
1 週間の中での定例的な活動は全体ミーティング、研究ミーティングの 2 つです。それ以外にコアタイムは設けていません。
全体ミーティングは事務的な連絡・相談とその週での研究ミーティングの予定の調整のみで、週 1 日・10 ~ 30 分程度で終わります。研究ミーティングは全体ミーティングの日 + さらに別の日で合計週 2 日行いますが、こちらは個別でのディスカッションを順番に回す形をとっており、全体向けの進捗報告の場は設けていないので、学生目線で言えば 1 ~ 2 週間に 1 日研究ミーティングが入る形になります。いわゆる進捗報告の場にはなりますが、基本的にはスライド発表のようなものは不要で、なるべくざっくばらんに話し合えたらと考えています。もちろん学会発表前などは必要に応じてプレゼンの指導・アドバイスも行います。
研究ミーティングの順番はその週に調整する形ですので、結論としては「週 2 日」午後の予定を空けておいてもらう必要があります。ただ、あくまで予定調整のために空けてもらうだけで、実際にミーティングを行う時間以外を拘束するものではありません。学生目線で見ると、実質的な拘束時間に比べて長い時間の予定を空けておく必要があり勿体ないと感じるかもしれませんが、教員の業務の都合や研究ミーティングというもの自体の性質上、予め時間をがっちり決めるよりは柔軟に調整できる方が円滑に進められる恩恵が大きいので、この点はご了承ください。多くの研究室では週 2 日以上何かしらのミーティングやコアタイム等で拘束されるかと思いますので、むしろその緩い版と捉えてもらえると嬉しいです。
勉強会や輪読のような場は設けていませんが、代わりに学部 4 年生には毎週 1 ~ 2 題、計 15 ~ 20 題程度の演習課題(数学・信号処理・プログラミングなどに関する基礎的な問題)を与えています。こちらは研究ミーティングの際に個別に確認・フィードバックを行っています。