2025年9月16日発行
ものづくりワールド2025 出展レポート
CAM-TOOL海外導入事例のご紹介
CAM-TOOL海外加工事例のご紹介
展示会情報/サポートからのお知らせ
※本号をPDFで見る(WEBページをPDF化しています)
AIQと先進ソリューションで描く生産革新
~ DMS2025 出展内容ダイジェスト / プレゼンテーションを音声でお届け ~
先般開催された「DMS2025(設計・製造ソリューション展)」において、弊社は生産管理システム 「AIQ(アイク)」 を中心に、製造業のDXを支える多彩なソリューションをご紹介しました。ブースでのプレゼンテーションでは、IoT機器やOCR/RPA、AI顔認証との連携によるスマートな周辺システム、さらにスマートファクトリー実現を見据えたフレキシブル生産システム(FMS)まで、幅広い事例と取り組みを取り上げています。
これらは、現場の生産性向上や属人化解消、さらには効率的な工場運営を支援する具体的なソリューションとして、多くの来場者から高い関心をいただきました。
なお、本コンテンツでは当日のプレゼンテーション資料をもとに、対話形式(AI)による音声ダイジェストとしてご視聴いただけます。展示会にご来場いただけなかった方や、改めて要点を確認されたい方におすすめの内容です。
~ 販売代理店である「Createwell社 」よりユーザー事例をご紹介 ~
1986年に金型製造業として創業した鑫銓科技股份有限公司(Zing Chuan Technology)は、創業者・葉増松氏の革新性を原動力に成長を続けてきました。2003年にはプラスチック射出成型工場、2009年にはアッセンブリ部門を設立し、設計から生産、組立までを一貫して提供する「ワンストップサービス」を確立。これにより、短納期対応や高品質の維持に加え、コスト競争力をも実現しています。同社の製品は、家電、医療機器、自動車部品など国内外で幅広く活用されており、近年では自社ブランドのスマートフォンカバーも手掛けるなど、新たな価値創造にも挑戦しています。こうした多様なニーズへの対応力は、高い技術力と柔軟な開発体制に裏付けられています。
現在は、金型設計チームを含む約120名の従業員が在籍し、各部門が連携して事業を支えています。特に金型加工部門では、2018年にCAM-TOOLを導入し、5軸加工機を併用することで加工効率と精度を大幅に向上。お客様の製品仕様に忠実に対応しながら、高品質な金型を安定的に提供できる体制を築いています。
次世代金型製造への挑戦:積層造形との融合
社長葉氏:『当社が積層造形(アディティブマニュファクチャリング)技術を導入したのは、単に“新しい技術だから”という理由ではありません。この技術には、成型サイクルを短縮し納期対応を強化できるだけでなく、環境面への貢献という可能性も秘められていると感じたからです。もちろん、未知の技術で新たな生産体制を築くにはリスクもありました。しかし、金型製造工程において必要不可欠と考え、私たちが信頼を寄せてきたのが、従来工法で確かな成果を積み重ねてきたCAM-TOOLでした。当社が確立した手法は粉末合金、たとえばSKD61を3Dプリンティングで成形し、その後、48HRC前後に仕上がるよう熱処理を行います。最終的には5軸加工機にセットし、CAM-TOOLの同時5軸モジュールで生成したNC データに基づいて仕上げ加工を行う、というプロセスです。導入当初は多くの試行錯誤を伴いましたが、今では確立されたビジネスとして軌道に乗せることができました。そして何より、この手法によって得られた効果こそが、その有効性を物語っています。』
医療機器にも対応可能な高精度成形の有効性
社長葉氏:『冷却水管のレイアウトを自由に設計できるようになったことで、成形サイクルタイムを約20%短縮。さらに、成形品の品質を大きく左右する変形率を従来工法比で50%以下に抑えることに成功しました。これにより、生産効率の向上だけでなく、医療機器をはじめとする高精度製品においても、厳しい公差条件に安定して対応できる体制を確立しています。』
※一般的な変形率のボーダーラインは、一般製品で±0.1mm程度、医療機器などの高精度製品では±0.005mm程度とされている。
積層造形×CAM-TOOLで切削精度と効率を最大化
金型部門責任者の葉孟庭マネージャーは、CAM-TOOLについて次のように評価します。
『当社は積層造形技術導入以前より、CAM-TOOLを継続して使用しています。CAM-TOOLは他の追随を許さない圧倒的な加工精度を実現できる唯一無二のCAD/CAMシステムであり、数多くの実績があります。積層造形技術の最大のメリットは冷却水管を効率よくレイアウトできる点ですが、反面、造形時間が掛かるというデメリットもあります。そのため、一発勝負である積層造形されたワークの仕上げ工程において、切削による対応時間を極限まで短縮するには、微細加工を要する箇所も安定して切削できることが重要です。CAM-TOOLの最大の特徴である高精度CAMエンジンは、小径工具による微細加工に不可欠であり、工具径が0.1mmのような極めて小さなエンドミルでも工具を破損することなく安定した加工を実現し、高精度なものづくりを力強く支えてくれています。
また、オート・マニュアル合わせて非常に豊富でユニークな仕上げモードが搭載されている点も魅力的です。多くの金型メーカーは簡便な操作を求めがちですが、私たちの目標はそこに留まりません。作り手の意図を最大限に反映させたツールパスを自由に製作すること。これこそが、ものづくりに深くこだわる私たちにとって最も重要な要素であり、豊富な切削モードを駆使することで、その真価を遺憾なく発揮できています。さらに、同時5軸機能は直感的で習得が容易であるだけでなく、工作機械をよりスムーズに動かす独自の5軸変換機能を有しています。干渉チェックや切削シミュレーションにより、安全確保はもちろんのこと、最も効率の良いツーリング設定も自動算出できるため、安心して加工に臨めるのです。』
資源ロス削減とESG貢献を両立する先進的加工プロセス
社長の葉氏は、AM技術導入がもたらした相乗効果について次のように語ります。
『荒取り工程が削減されたことで、CAMデータ作成の時間だけでなく、材料費や工具費用も大幅に削減できました。そして、最終的な形状を決定する仕上げ工程においては、積層造形後の複雑な形状であっても、これまでと同様にCAM-TOOLが不可欠であり、自由度の高い加工表現が可能となっています。金型製作からアッセンブリに至るまで、あらゆる“資源のロス”を省くことで、ESG(環境・社会・企業統治ガバナンス)の観点からも価値ある企業活動につながっていると感じています。』
同社が培ってきた積層造形のノウハウは、地場の造形機メーカーとの協業にも広がりを見せ、新たな局面を迎えています。台湾のものづくり産業に新たな風を吹き込み続ける同社の取り組みは、その挑戦的な精神と、それを支えるCAM-TOOLの確かな技術によって、未来のものづくりを力強く牽引していくでしょう。
鑫銓科技股份有限公司 (Zingchuan Technology)
住所:No.116,Zhongxing N. ST.,Sangchong Dist.,New Taipei City 241,Taiwan.
電話:+886 2 7717 9289
CREATEWELL CORPORATION
住所:12F-9, No.268, LienCheng Rd., Chung Go City, Taipei Hsien 235, Taiwan
電話:+886-2-8227-3510
~ 関連会社「CGSAC」 の現地ローカルスタッフによる加工事例をご紹介 ~
三要素の融合が可能にした高精度リフレクター加工
こちらは、CBN工具を用いて加工したリフレクターのサンプルです。TOWA社製の特殊工具を採用し、わずか1回の切削で表面仕上げを実現しました。リフレクターのような形状はシンプルかつ幾何学的であるため、加工パターンの標準化が可能です。そこでCAM-TOOLの「CLエディタ」を活用し、コピー&ペーストにより効率的にCL(カッターパス)を生成。計算時間を大幅に短縮しつつ、高精度な仕上げを実現しました。この加工は、「高精度なカッターパス生成」「リニア駆動マシン」「CBN工具」という三要素の融合によって、1回の切削で高硬度材の加工を可能にした事例です。
材 料:STAVAX(52HRC)
サイズ:85mm × 85mm × 150mm
機 械:UH430L(ソディック)
最終平面ピッチ機能で実現する極細ピンの高精度ダイレクト加工
こちらは、直径0.12mm・高さ16mmの極細ピンをダイレクトに切削したサンプルです。CAM-TOOLの「最終平面ピッチ」機能を活用し、各Z毎で荒加工直後に仕上げ加工を行う独自の戦略を採用しました。これにより、高精度かつ効率的な切削を実現しています。加工後には、CAM-TOOLから出力されたNCデータを用いてRENISHAW製OMP600プローブによる機上測定を実施。さらに、シミュレーション機能により干渉を事前に確認することで、「高精度」「安全」「最適」なCL(カッターパス)を作成できる点も大きな特長です。
材 料:NAK80(42HRC)
サイズ:40mm × 40mm × 40 mm
弊社は、2025年10月22日(水)~25日(土)まで開催される「メカトロテックジャパン2025」に出展します。是非この機会にお立ち寄りください。皆様のご来場心よりお待ちしております。
会場:ポートメッセなごや(新第1展示館・第2展示館・第3展示館)
主催:株式会社ニュースダイジェスト社
小間:1C16(新第1展示館)
概要:主催者サイト
詳細は次号でお知らせいたします。
Windows 10 サポート終了に伴う移行準備のお願い
Microsoft社による Windows 10 のサポートは2025年10月に終了 いたします。サポート終了後は、Windows 10 を搭載したパソコンへのセキュリティ更新プログラムの提供も停止されるため、セキュリティリスクが高まります。安心して弊社製品をご利用いただくために、Windows 11 プリインストールPCの導入、OSのアップグレード などの移行準備を進めていただきますようお願い申し上げます。その際、周辺装置やソフトウェアの対応状況についても、あわせてご確認ください。
ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽に最寄りの支店までお問い合わせください。
CAM-TOOL サポート情報
工具カタログ(工具メーカすべて)を8月8日にリリースしました。
V21.1バージョンアップ説明会資料/モデルを8月20日に公開しました。
V21.1の機能アンケートにご協力ください。
EXCESS-HYBRIDⅡ / PartsCAM サポート情報
修正版「V10.1.3.1」を8月1日にリリースしました。
工具カタログ(工具メーカすべて)を8月28日にリリースしました。
CG Series サポート情報
工具カタログ(工具メーカすべて)を8月28日にリリースしました。
SW2025SP3.0対応版を9月1日にリリースしました。
AIQ サポート情報
HASPドライバーを8月4日にリリースしました。