皆さん、合格おめでとうございます！愛知東邦大学にようこそ！

　教職員一同、在学生、そして同窓生の皆さんともに、皆さんの入学を心よりお待ちしております。

　皆さんは、長く続いたコロナ禍で中学・高校時代を過ごしてきました。不自由な生活を強いられながら、きっと、将来に対する不安な気持ちを抱いて過ごされたのではないでしょうか？しかし、皆さんは、そのような苦境の中にあっても日々弛むことなく勉学に励み、晴れて大学生としての一歩を踏み出すことができました。その努力に対して敬意を表するとともに、４月から始まる新たな大学生活を大いに楽しんでいただきたいと思います。

　さて、愛知東邦大学は、今年で創立23年を迎えるまだ若い大学です。しかし、その前身である東邦学園短期大学設立からは59年、さらに、東邦高等学校の前身である東邦商業学校の創立は100年前、1923年にまで遡ります。大学の母体である東邦学園は、大変歴史と伝統ある学校です。

　その創立時の100年前、時代は第一次世界大戦を経て、エネルギー革命とスペイン風邪の大きなうねりの中にありました。そのような変革、混迷の時代において、学園創設者である下出民義先生は、「現代社会の求む着実なる実業青年を養成し以て社会的報恩の一端に資する希望の下に創立」するという人材育成ビジョンを掲げて東邦学園を創設しました。その心が本学の建学の精神である「真に信頼して事を任せうる人格の育成」です。

　それから100年後の現在、世界はICTの急速な進展によってグローバル化、デジタル化、ソーシャル化が加速し、私たちの生活様式は大きく変わろうとしています。自動車産業において100年に一度の大変革期と言われるように、産業社会は第四次産業革命と言われる一大転換点を迎えています。そして同時にまた、私たちは、新型コロナウイルスのパンデミックを経験しました。さらには、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ地区など地域戦争によるダメージは世界規模で拡大しています。このような時代に私たちは生きています。

そして、そのような困難な時代を迎えている今だからこそ、東邦学園の建学の精神を受け継ぎ、中部経済圏において地域社会に貢献し、グローバル社会で活躍する人材を育成することが愛知東邦大学の使命であると考えています。

　愛知東邦大学は、学園創立100周年を契機に、次の100年において地域における高等教育の中核を担う中堅大学として発展することを期し、長期ビジョン“AICHI-TOHO NEXT CHALLAEGE 2030”を掲げました。すなわち、

　「建学の精神を受け継ぎ、きらりと光る独創性を如何なく発揮し、人材育成と学術で地域社会の活力を生む創発大学として新たな時代を切り拓き、そして、個性を磨き、地域・世界へと繋がる共感力を育む人材育成拠点を実現します。」

　そのために、「学生と教職員が一体となり、それぞれ自らの能力を磨き、独創性を発揮し、そして、互いに共感して繋がる創造性豊かなキャンパス」を目指しています。それが、愛知東邦大学がめざす「創発大学」です。

　皆さんと一緒にそんな大学を築いていきましょう！

　さて、入学を前に皆さんにお願いしたいことがあります。

　学生の皆さんにはPCの必携をお願いしています。皆さんに、ICTツールというハードウェアを身にまとい、ソフトウェアを使いこなす技量を養って頂きたい、という大学の願いからです。これからはデータの時代と言われています。集積された膨大なデータを分析し、活用することが求められる時代です。新型コロナウイルス感染拡大もあり、世界では一気にデジタル化が加速しています。昨今の生成系AIの進化は、眼をみはるばかりです。そこで、皆さんには、自分自身のPCを有効に用いて授業に臨むとともに、キャンパス生活でも大いに活用して充実したキャンパスライフを過ごして頂きたいと思います。愛知東邦大学は、対面授業とリモート授業を有効にブレンドしながら、PCを開いた場所が皆さんのキャンパスとなる、そのような大学を目指しています。

　愛知東邦大学は、皆さんの若いエネルギーと可能性を最大限に活かせる教育環境を整えています。自立した一人の人間として力強く生き、広い世界に向かって活躍したいという皆さんの意欲を、愛知東邦大学は全力で支援いたします。予測不可能な時代を前にして、皆さんは、自ら進む道を自分の力で切り拓いていかなくてはなりません。その道標となるのが諸先生方、先輩方の声です。柔軟に耳を傾けて下さい。

　それでは、入学式でお会いしましょう！