2025/11/11
キックオフシンポジウム申込み開始。
2025/10/24
2025年12月22日に東京大学農学部弥生講堂でキックオフシンポジウム開催決定!
日時 2025年12月22日(月)13:30
会場 東京大学農学部 弥生講堂一条ホール
プログラム
13:30 開会あいさつ
13:40 来賓あいさつ
14:00 学術講演:鈴木道生(東京大学大学院農学生命科学研究科)
14:30 学術講演:安元剛(北里大学海洋生命科学部)
15:00-15:10 休憩
企業講演会 <石灰化生物の現状>
15:10-15:25 卜部将平(卜部産業株式会社)
15:25-15:40 樋口恵太(株式会社ミキモト)
15:40-15:55 伊地知由美子(日本真珠輸出組合)
15:55-16:10 岡嶋康輔(北海道森町長)
16:10-16:25 安元純(総合地球環境学研究所)「サンゴの白化現象」
16:25-16:35 休憩
企業講演会 <炭酸塩鉱物化事業>
16:35-16:50 森安賢司(株式会社日本海水)
16:50-17:05 山本柱(日本山村硝子株式会社)
17:05-17:20 岡田和成(株式会社鴻池組)
17:20-17:35 大脇英司(大成建設株式会社)
17:35-17:50 橋口昌道(一般社団法人カーボンリサイクルファンド)
17:50 閉会挨拶
18:00-20:00 情報交換会
1.設立の趣旨
近年、海洋の光合成生態系を活用した「ブルーカーボン」への注目が高まっているが、現在は海草やマングローブなどの一部の光合成生物による有機炭素の固定に限定されている。しかし、サンゴや貝類、有孔虫、ウニ、甲殻類、円石藻などの石灰化生物が行う炭酸カルシウム(CaCO₃)形成すなわち鉱物的炭素固定は、最新の科学的知見からCO₂の長期的な生物による炭素固定(bio-sequestration)として再評価されつつある。CaCO₃は海水中でも陸上でも化学的に不活性で、海底への沈降・堆積によって数億年にわたり大気と非交換的な形で炭素を封じ込める性質を持つ。AICaSは、このような水圏における鉱物的炭素固定と有機的炭素固定を統合した全ての生物が対象となる炭素固定の定量的評価法の確立を通じてクレジット認証を行い、生物による炭素固定を推進するために設立された。
2.背景と課題認識
水圏における炭素固定は、石灰化生物による鉱物的炭素固定と光合成生物による有機的炭素固定の二つの経路から成り立つ。しかし、両者の定量的評価や統合的理解はまだ十分理解されていない。石灰化反応では、低pH環境で海水からCO₂が放出されるという化学反応式があることから、石灰化生物による炭素固定が気候変動対策として評価されにくい側面があった。しかし最新の研究により、生物による石灰化は高pHが制御された反応過程でプロトンを外部に放出せず、炭酸を有機物代謝により供給して石灰化を行い、正味の炭素固定を行なっていることが明らかになりつつある。こうした知見は、これまで評価されていなかった生物化学的な鉱物的炭素固定と有機的炭素固定を再評価すべき段階に来ていることを示している。近年、CO₂を炭酸カルシウム(CaCO₃)として固定する工業的CO₂鉱物化(CO₂ mineralization)事業が世界的に拡大している。大気中あるいは排ガス中のCO₂をCa²⁺と反応させてCaCO₃を生成するこの反応は、サンゴや貝類が行う鉱物固定と本質的に同じ化学過程である。加えて、炭素固定量を一貫した方法で測定・報告・検証(MRV)する手法の整備も急務である。AICaSは、こうした自然および人工の鉱物固定を共通の枠組みで捉え、炭素循環における両者の寄与を定量的に明らかにすることを目指す。
3.目的と活動領域
石灰化生物(貝類、サンゴ、ウニ、有孔虫、甲殻類、円石藻など)による鉱物的炭素固定と全ての海洋生物が対象となる有機的炭素固定を統合した「統合的炭素固定」概念の確立と社会実装を推進し、地球温暖化の緩和及び生物多様性の保全に寄与するとともに、ボランタリークレジット機能の確立及び学術的提言並びにコンサルティングを通じた知の社会実装を図ることを目的とする。さらに、生物の石灰化を模倣した生物模倣型CO₂鉱物化技術の社会実装を推進する。AICaSは、生物が行う鉱物固定と工業的CO₂鉱物化を同列の反応系として位置づけ、水圏における自然・人工双方の炭素固定プロセスを共通の科学的枠組みで評価し、その成果を気候変動対策およびカーボンクレジット創出へと展開する。
一般社団法人 水圏統合カーボン固定推進機構(AICaS)
代表理事 鈴木道生
aicas@aicas-org.com