開催のご報告


開催報告

第24回創発システム・シンポジウムは盛況のうちに終了しました.多数のご参加ありがとうございました!
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ポスター講演の優秀講演賞について

2018年9月9日(日)に開催されたポスター講演19件のうち,下記2件の優れた講演を表彰しました.

■最優秀講演賞:東松龍英殿(京都大学)「多脚ロボットのピッチフォーク分岐による曲線歩行の出現」
■優秀講演賞:足達哲也殿(東京工業大学)「生物制御ロボットによる匂い源探索における感覚情報統合の解析」


創発現象とは,生命活動や社会現象のように,局所的な相互作用が大域的な秩序を形成し,新たな機能を産みだすことを称します.本シンポジウムは,創発現象をとらえるためのシステムの理論・応用への関心を基盤として交流を深めることを目的とした合宿形式の「夏の学校」です.研究成果の発表とチュートリアル講演・グループディスカッション・ワークショップを通じて,若手・異分野からの参加者と忌憚なく議論する貴重な機会になることを期待しています.

日時・場所

■平成30年9月9日(日)~9月11日(火)
公立諏訪東京理科大学(長野県茅野市豊平5000-1)   交通のご案内はこちら

開催の形式

基調講演と4件のチュートリアル講演,参加者によるポスターセッション,チュートリアル講演に関係するワークショップ・グループディスカッションからなります.WS・GDでは,参加者は4つのグループに分かれ,各テーマにそって討論・実装を行います.GDでは,一般・学生参加者ともに討論を行い,WSでは希望者全員が課題についての実装を行います.WS・GDともに,最終日に学生参加者に討論の内容もしくは実装結果について全体討論の中で紹介していただきます.

基調講演

 
堀 裕和 氏(山梨大学)
「自然知能の数理物理的構造と機能の創発」

自然界に見られる多様な創発システムを,私たちがある価値基準に基づいてその性質を解き明かしたいと考える複雑系と合成し,両者のダイナミックスがその性質と状態に応じて創発する価値指標の比較に基づいて合成系を随伴関係に導くことで,その複雑な問題を“解いた”とみなすことができる.このような自然知能システムの構造を,圏論を基礎とした数理物理的考察に基づいて解明し,意思決定機構など機能の創発への応用例を紹介する.


 

チュートリアル講演・ワークショップ(グループディスカッション)

 石崎 孝幸 氏(東京工業大学)
「モデル低次元化-無駄を省き本質を見抜く-」


本講演では,マルコフパラメータマッチングや平衡実現の打ち切りに基づく既存手法を中心に,モデル低次元化の基礎的な考え方を概説する.特に,対象とするシステムの動的な振る舞いを効率よく再現する近似モデルの導出に,システム論における可制御性・可観測性の概念が深く関連することを述べる.最後に,発展的な話題として,講演者らのグループによるネットワークシステムに対するクラスタ低次元手法を紹介し,今後の展開を議論する.

WS1:大規模ネットワークシステムに対するクラスタ可視化手法の検討
(コーディネーター:池本有助,名城大学)

バラバシ・アルバートモデルなどの複雑ネットワーク上で時間発展する動的システムに内在するクラスタ構造を抽出し,システムの振る舞いをうまく表現するクラスタの可視化手法を検討する.
 

 
東藤 大樹 氏(九州大学)
「マーケットデザインとゲーム理論」


マルチエージェントシステムのための基礎理論として,ゲーム理論やメカニズムデザインが注目を集めて久しい.近年では,工学的応用をより意識した,マーケットデザインという研究分野が認知されてきている.本講演ではマーケットデザインとゲーム理論について概説し,マルチエージェントシステム業界における最近の研究動向を紹介する.

GD2:投票のマーケットデザイン(コーディネーター:染谷博司,東海大学)

投票もマーケットデザインの対象としてモデル化可能である.グループ構成員の個々の考えが全体の意思決定につながる過程をマーケットデザインの視点から論じ,様々な投票制度やその伝統的数理モデルについて自由に議論する.

下田 真吾 氏(理化学研究所)
「未知の克服のためのロボット制御法」


生物の行動創発は,未知環境への巧みな適応がその基礎となっている.生物はその身体を持って未知にあふれる環境と直接触れ合う. 身体を持って動くからこそ未知との遭遇が起き,身体と環境との相互作用を通じてその未知を感じ取り,それを克服していく.その過程で,適応程度を定量化可能して強化学習的に行動学習が可能な場合と,暗黙知として獲得しなければならない場合が存在する.そのような制御システムを理解しロボット制御に応用する方法について議論を行う.

GD3:生物制御における適応と学習,強化学習と暗黙学習

(コーディネーター:増山岳人,名城大学)

自律型のロボットが未知環境に適応するために,生物の動作原理をどのような面で再現することが有望であるか,未知への適応の方法として強化学習に足りないものは何か,その代替案としての暗黙学習の考え方に何が期待できるか,などについて議論する.
 

谷 伊織 氏(関西学院大学)・村上 久 氏(東京大学)
「フレーム問題の肯定的側面: 生命はいかにして『不定』に対峙するのか」

1969 年にマッカーシーとヘイズによって示されたフレーム問題は,有限の情報処理能力しか持たない人工知能は不定性を孕む現実世界の全てには対応できないことを指摘するものである.それに対し,人間を含む生物は,フレームを自律的に再形成する,もしくは不定な対象を無理やり自らのフレーム内で対象化するなどにより,問題を疑似的に解決しているように見える.本講演では巨大単細胞生物である粘菌と,カニの群れを題材に,いかにして生物が「うまく」対峙しているのかを探る.

GD4:フレーム問題的状況を見つけ,利用する
(コーディネーター:白川智弘,防衛大学校)

生命現象,もしくは人間の日常生活などにおいてフレーム問題が「問題」となりそうな状況を見つけ,それがどう解決されているかを分析することを課題とし,フレーム問題への対処法となり得る方法を探るためのリサーチプロポーザルを行う.
 



主催・企画

■公益社団法人計測自動制御学会 システム・情報部門
計測自動制御学会 システム・情報部門 自律分散システム部会,知能工学部会,システム工学部会

■実行委員長:小林祐一(静岡大学),副実行委員長:市川純章(諏訪東京理科大学),池本有助(名城大学)
■実行委員:増山岳人(名城大学),白川智弘(防衛大学校),染谷博司(東海大学)

協賛(順不同)

日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門
■日本ロボット学会
■システム制御情報学会
■電気学会
■精密工学会
■科研費新学術領域「脳内身体表現の変容機構の理解と制御」
■IEEE Rocotics and Automation Society Japan Chapter

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