呼吸・循環調節システムの概要

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中枢コントローラ

Central controller subsystem

1)呼吸中枢

 呼吸中枢は換気運動を制御する神経系として機能的に定義されたものであり、解剖学的には延髄内の広い領域をしめる。呼吸運動の周期性は脳幹(橋と延髄)にある呼吸中枢によって維持されている。

2)中枢および末梢の化学受容器

○中枢化学受容器(CO2pHの受容器)

CO2pHの受容器は、一部は頚動脈小体にもあるが、椎骨動脈の合流する脳底動脈(延髄の栄養を賄う)の入り口のところ(延髄の延髄腹外側野)に散在している。

○末梢化学受容器(O2の受容器)

O2受容器として、内頚動脈と外頚動脈の分岐部に頚動脈小体があり、舌咽神経(洞神経側枝)を介して呼吸中枢のある延髄の孤束核に求心性情報を送る。



末梢プラント

Peripheral plant subsystem 


3)呼吸筋(横隔膜、肋間筋)を支配する神経

 横隔膜は頚髄(C3C5)から出た横隔膜神経により支配され,肋間筋は胸髄(Th1Th11)から出た肋間神経に支配される.

 換気運動は主に、横隔膜の収縮・弛緩によって営まれる。横隔膜は胸髄の下方に位置するが、横隔膜を司る神経(横隔神経)の細胞体は頚髄(C3-C5)にある。横隔膜のリズム性活動は、延髄の疑核にある吸気性ニューロンによって制御される。


1)肺胞換気式

 呼出された炭酸ガスはすべて肺胞に由来する(吸気終末では、死腔の炭酸ガス=0)。さらに死腔内ではガス交換がおこなわれず炭酸ガスは発生しない)。従って、一分間に呼出される炭酸ガス量(VCO2)は、肺胞内での平均炭酸ガス量(VA ×FACO2)に等しい。                     

VCO2STPD = VABTPS)・FACO2

FACO2 = VCO2 / VA

肺胞炭酸ガス張力をPACO2とすれば

PACO2 = (pB-47)FACO2

4737℃での飽和水蒸気圧

PACO2 = (pB-47) VCO2 / VA

普通VCO2はガスの標準状態(STPD; standard temperature, pressure and dry)でのml量で、VA37℃、水蒸気飽和の状態(BTPS; body temperature, ambient pressure saturated with water vapour)のL量で表す習慣なので、このことによる変換係数を入れると、

PACO2 = 0.863×VCO2 / VA

となる。これより一定の物質代謝のもとで、肺胞換気量とPACO2は反比例的に変化することがわかる。

PACO2 PaCO2 より

PaCO2 = 0.863×VCO2 / VA …①


補足説明

1気圧(760mmHg)の乾燥空気中の酸素分圧)は、760×0.209159mmHg。しかし、実際にヒトが空気を吸い込んだ後の肺胞内における空気(肺胞気)は体温における水蒸気と飽和する。体温37℃における飽和水蒸気圧は47mmHgなので、肺胞内の空気(肺胞気)の酸素分圧は、760mmHgから水蒸気圧47mmHg分を差し引いた圧力すなわち、(76047)×0.209149mmHgとなる。 肺胞では、肺胞気の酸素分圧と毛細血管中を流れる血液の酸素分圧の圧力較差にしたがって、酸素は血液中に拡散し、最終的には動脈血の酸素分圧はほぼ100mmHgとなる。

 一般に、高地では酸素が薄いとよく言われる。しかし、実際の大気中の酸素濃度は20.9%で、高度が上がっても低地と変わりはない。実は、高地では大気圧が低下するのが原因。たとえば8848mのエベレスト山頂の大気圧は約253mmHgであり、低地の約1/3まで減少する。体温37℃での飽和水蒸気圧分47mmHgを差し引くと、吸入気の酸素分圧は、(25347)×0.20943mmHgとなる。つまり、エベレスト山頂では、約7%程度の酸素濃度に匹敵することになる。




2)代謝双曲線Metabolic hyperbola

 代謝双曲線式は以下の関係式より
VE= VT × f

VA= (VT - VD) × f

VA = VE × (1 - VD / VT) …②

②式を①式に代入することで求めることができる。

PaCO2 = 0.863×VCO2 /(VE×(1 - VD / VT))



理想気体の状態方程式

PV=nRT

V:体積(ℓ
n:物質量(mol)
R
:気体定数(J/molK)
T
:絶対温度(K

ボイルの法則

温度が一定の時、体は圧力が上がると気体の体積が反比例して下がっていく

P=k/V

体積(V)と圧力(P)は反比例する
P
VP2V2

お菓子の袋の気圧による変化 [NHKデジタル教材]

第1分野

(1) 身近な物理現象    イ 力と圧力 (イ) 圧力と大気圧 参照

シャルルの法則


圧力が一定の時体の温度が上がると体積も増える

V=kT

体積(V)と絶対温度(T)は比例する

V/T=V2/T2


ボイル・シャルルの法則

体積(V)は圧力(P)に反比例し絶対温度(T)に比例する

PV/T=k(一定)

P1V1/T1=P2V2/T2



飽和水蒸気圧の求め方
(0.00051*(測定環境温)^3+0.00064*(測定環境温)^2+0.435*(測定環境温)+4.375)

絶対温度について

 熱力学温度(ねつりきがくおんど、thermodynamic temperature)は、熱力学によって定義される温度のひとつ。単位はケルビン(記号: K)。絶対零度(熱力学温度が 0 K)の基準点が存在するため、絶対温度(ぜったいおんど)とも呼ばれてきた。
 セルシウス温度(セ氏・℃)は、1気圧の状態で水の氷点(氷の融点)を0℃、沸点を100℃とした。
 ケルビン(K)は、物質の種類に左右されない温度を定める為、理想気体の熱膨張を計算して、絶対温度を定めた。すなわち、あらゆる物質は原子や分子で構成されており、これらはたえず運動をしており、その運動は温度によって変化する。温度を低下させていくと、理論上、分子や原子の運動が完全に停止する状態ができる。その温度を絶対零度という。これより低い温度は存在しない。
絶対零度はセ氏ではマイナス273.15℃。ケルビンはこの温度を0Kと定めた。


つまり、
セ氏(℃)と絶対温度(K)の関係は次の式で表される。
T(K)=t(℃)+273.15 


呼吸の測定について

測定環境温 (計測器の状態)

ATPS;ambient temperature, pressure, saturated with water vapor

       測定環境温(?℃) 大気圧(mmHg) 飽和水蒸気圧(?mmHg)

体温 (生体内の状態)

BTPS; body temperature, ambient pressure, saturated with water vapor

体温(37℃)   大気圧(mmHg)   飽和水蒸気圧 47mmHg

ガスの標準状態 (標準状態)

STPD; standard temperature, pressure , dry

        0℃     1気圧(760mmHg)  乾燥状態 0mmHg


呼吸測定データの処理法について
測定データ(ATPS)を生体内の状態(BTPS)のデータへと変換するには係数(BTPSファクター)が必要。

ATPS
742.6 mmHg (760mmHg [大気圧] - 22.2mmHg [飽和水蒸気圧]), 24℃ [環境温],  
297℃ ( 273+24
P/T=742.6/297=2.48
BTPS
P = 713 mmHg (760mmHg [大気圧] - 47mmHg [飽和水蒸気圧]), 37℃ [体温],
T =  310℃ ( 273+37
P/T=713/310=2.30
BTPSファクターの求め方
PV/T= PV/T
2.48 x Volume (ATPS) = 2.30 x volume (BTPS)

BTPSファクター = 2.48 / 2.30 =Volume [BTPS]/volume[ATPS] = 1.08 [BTPS]/[ATPS]

STPD

P = 760 mmHg (760mmHg [大気圧] - 0mmHg [飽和水蒸気圧]), 0℃ [環境温],  T = 273℃ ( 273+0
P/T=760/273=2.78
STPDファクターの求め方
PV/T= PV/T
2.48 x Volume (ATPS) = 2.78 x volume (STPD)
STPDファクター= 2.48 / 2.78 =Volume [STPD]/volume[ATPS] = 0.89 [STPD]/[ATPS]

 分時換気量VEはBTPS表記。 
したがって、VE (BTPS) = BTPSファクター x VE (ATPS)

 酸素摂取量VO2、二酸化炭素排泄量VCO2はSTPD表記
したがって、VO2 (STPD) = STPDファクター x VE (ATPS)



酸素解離曲線について

酸素分圧(PO2、動脈血ではPaO2)とSO2との関係を示した曲線。直線的な比例関係ではなくS字カーブを描く
 PO2が高いレベルであれば(100~60mmHg程度)、多少PO2が低下しても、酸素飽和度は高値を維持する。⇒血中のヘモグロビンは酸素と結合しやすく放出し難い性質を有している。一方、末梢組織のようにPO2が低いレベルであれば(60mmHg以下)、わずかなPO2の低下で急激に酸素飽和度が低下する。⇒血中のヘモグロビンは酸素と結合し難く放出しやすい性質を有している。



PO2とSO2の関係

  PO2  
  100mmHg 60mmHg 30mmHg
 SO2100% 90% 60%


酸素解離曲線の
右方偏位と左方偏位
 酸素解離曲線は、血液のpHや体温などの影響を受け、解離曲線全体が右側・左側にシフトする。



右方偏位要因 : アシドーシス、高体温、高炭酸ガス血症、2.3‐DPGの上昇作用 : 組織に酸素を放出し易く、動脈血酸素分圧が高くないとHbと結合し難い。

左方偏位要因 : アルカローシス、低体温、低炭酸ガス血症、2.3‐DPGの低下作用 : 組織に酸素を放出し難いが、動脈血酸素分圧が低くてもHbの酸素化が可能



酸素含量(CaO)

血液100mlに含まれる酸素の量を酸素含量とよぶ。血液中に含まれる酸素の量(酸素含量)は、赤血球中のHgと結合している酸素と血漿中に溶解している酸素を合計したもので次式で表される。

CaO2(ml/dl)=Hb×1.36[g/dl]×SaO2[%]+0.003×PaO2[mmHg]
    (正常値 20=14.5×1.36×1.0+0.003×100)

CvO2(ml/dl)=Hb×1.36×SaO2+0.003×PvO2
    (正常値 15=14.5×1.36×0.75+0.003×40)



潜水動物の呼吸調節について
 ペンギンの潜水能力
生態学と進化
記事 : ペンギン達のヘモグロビンは「特別製」かもしれない07年12月08日(土)Penguins Safely Lower Oxygen to "Blackout" LevelsNational Geographic News 12/7

ペンギンというのは「餌を獲得する為に水に潜る鳥」なのですが、非常に長 時間水中で魚を追う能力を持っている、という事が知られています。今回、 南極大陸の厚い海氷に人工的に空けられた「穴」を使って研究が行われ、 ペンギン達が他の生物種なら「Blackout」と呼ばれる意識が消失してしま うようなレベルの非常に低い酸素濃度で活動できている事が報告されました。

研究対象になったのは「Emperor penguins(コウテイペンギン)」で、 実験の為に人工的に厚い氷が存在している領域に空けられた「穴」から 漁に出かけ、同じ場所に戻ってくるように仕掛けが作られました。ペンギン達の「肺(気嚢)」の中に設置された小さなセンサー群によって、 潜水中の彼らの状態が測定され、背中にくくりつけられた装置に無線信号が 送られて記録されたのだそうですが、それによると最長潜水時間は「23分」 だったそうです。もちろんその間、逃げ回る魚を高速で追いかけているので すから … 驚異としか言いようがありません。コウテイペンギンのヘモグロビンと血中タンパク質のmyoglobin(ミオグロ ビン)の濃度が、他の生物よりも高い事は知られているそうです。

同じbody mass(身体質量)で、彼らは人間のおよそ2.5倍の量の酸素を貯蔵している そうです。ですが、肺に存在する酸素のレベルが今回の研究が明らかにしたような非常 に低いレベルになってしまうと、普通の生物のヘモグロビンはそこに存在す る酸素を「取り込めない」のだそうです。それは酸素を必要とする組織に それが届けられず、損傷が生じてしまう事を意味します。また、脳の酸素 不足は「Blackout(気絶)」という状態を引き起こします。水中でそれが 起きたら命が失われます。研究者達は、潜水をする生物種では酸素の貯蔵と消費に関連して様々な適応 が生じているが、「ヘモグロビンの酸素拘束力」も非常に高いのかもしれない、 という仮説を提唱しました。そういった事が判ってくると、人間に生じる低 酸素状態での組織損傷やそれに対する防御手段の研究にもプラスなのだそう です。なににせよ、極寒の南極大陸で辛抱強くデータを集めてくれた人達の努力に お礼を申し上げたいと思います。データが科学の基礎なのですから。新しい研究によって、Emperor penguins(コウテイペンギン)が、 非常に酸素貯蔵能力が高い形式の血中タンパク質を持っているかもし れない、という事が示唆されています。そのタンパク質が、彼らが 一回の息つぎによって20分以上も水面下に潜るという事を可能にして いるのかもしれないそうです。

今回の研究では、南極大陸に生息しているのpenguin(ペンギン)達が、 これまでに野生動物達で記録された中で最も低い血液酸素レベルで、 海氷の下の長い漁獲遠征から戻ってきている、という事が明らかにされて います。専門家達は、他の生物がそのような低いレベルまで酸素を使い果たして しまったとしたら、意識は消失し、身体の組織の損傷に苦しめられる事 になるだろう、と語っています。今回の研究結果は、「emperor(皇帝)」と名付けられている最も大きい ペンギン達が、hemoglobin(ヘモグロビン)と呼ばれる、肺から身体の 組織に酸素を運搬している血中タンパク質の「hyped-up version(非常 に強力なバージョン)」を持っているかもしれない、という事を示唆し ています。

他の生物種では、ヘモグロビンは、酸素の濃度が低い場合には、効率的に 酸素を取り込んで身体の組織に運ぶ、という事は出来ないのです。切実に それが必要とされている状況であっても、肺に取り込まれた酸素を完全に 利用するという事は、他の生物では不可能な事なのです。ですが、ペンギンのヘモグロビンは非常に「高感度」であるように思われ ます。それは鳥の気嚢の中に最後に残された酸素を拾い上げて、それを 生命の維持に重要な役割を果たしている器官に届けている様なのです。「私達は、Emperor penguins(コウテイペンギン)が、他の生物とは 異なった酸素拘束力を持つヘモグロビンを持っているという事によって、 血液中により多くの酸素を蓄える事が可能なのだ、という仮説を立てて います」、と今回の研究を率いたサンディエゴのScripps Institution of Oceanographyに所属するPaul・Ponganisは語っています。「そのことによって、肺に取り込まれた酸素を完全に使用する事が可能に なるでしょう。またそれは、低い酸素圧のもとでもより大きな酸素含有量 を提供する事になるでしょう。つまり組織には一切損傷が生じないのです」

今回の研究結果は、「Journal of Experimental Biology」誌の最新号の issueとして掲載されます。ペンギン達は広大な海洋で狩りをするコウテイペンギンは広大な海洋で、魚、イカ、オキアミといった生物を 捜し求めている時に、565メー撮るという深さにまで潜ることができます。ペンギン達は、酸素を貯蔵する能力と、酸素の消費率をコントロールする 能力を増加させる事を助ける為に、数多くの適応を遂げています。例えば、コウテイペンギンではヘモグロビンと血中タンパク質のmyoglobin (ミオグロビン)の濃度は、より高く成っています。それはコウテイペン ギン達が同じbody mass(身体質量)で、人間のおよそ2.5倍多く酸素を 貯蔵する事を可能にするのだ、とPonganisは強調しています。またペンギン達は、長時間の潜水の際に心臓の拍動速度を1分間あたり5回 という割合にまで遅くすることによって、酸素を保存してもいるのです。 それは彼らが魚を追いかけている間でも、同様なのです。「水中に潜る活動をする動物たちが、なぜ低酸素レベルとより少ない血流 のもとに置かれても組織の損傷を被らないですむのか、という事を理解で きれば、そのような損傷が人間でどのように発生するのか、そしてどの様 にすればそれが防げる可能性があるのか、という事に関する私達の理解が より良いものになるかもしれないのです」、とPonganisは語っています。

今回の研究を行うために、Ponganisと同僚達は南極大陸の南部に有る McMurdo Soundに設置された、「Penguin Ranch:ペンギン牧場」研究 設備に仮住まいし、野生のペンギン達の血管中の酸素レベルをモニター しています。「ranch」の上に存在している海氷の厚い層は、科学者達によってあけ られたダイビング穴の部分でだけ、割れています。他の空気を得られる 氷の割れ目は、ペンギン達が到達するにはあまりに遠い位置に存在する 事になります。ですから、潜水して魚を追ったペンギンたちは、その後 に同じ位置に戻ってこなければならないのです。今回研究されたペンギン達では、気嚢の中に小さなセンサーが複数設置 されていました。それらはペンギンたちの背中に縛り付けられた特別な レコーダーに、データを送っていたのです。装置によって記録された潜水の大部分は、6分未満の長さでした。ですが なかには非常に長い時間を潜っていたものがいたのです。最も長く潜って いたコウテイペンギンは「23分」という時間を潜り続けていたのです。そ れはこれまで知られているコウテイペンギンの潜水時間のなかでの最長か もしれません。

バンクーバーのUniversity of British Columbia(ブリティッシュコロン ビア大学)でdiving duck(潜水ガモ)の生理学について研究している David・R.Jonesは、「潜水をする生き物達の能力は、驚くべきものです。 彼らは、呼吸器系と血液中に蓄えられた酸素のほとんどすべてを使い きる、という状態に自らを置くことが出来るのですから」、と語ってい ます。Jonesは、Ponganisと同僚達が南極大陸の過酷な寒さの中で、ペンギン達 の血液酸素データを集めたというのもまた「凄い事」なのだ、と付け加え ています。「これはダイビング生理学の分野への、本当に重要な貢献なのです」「コウテイペンギン」、「ヘモグロビンと潜水能力」

「科学ニュースあらかると」掲載記事とより抜粋


高山における血液ガス動態(低酸素環境下における)

●エベレスト山頂で、10分間酸素を使用せず測定
肺胞ガス及び動脈血液ガス推定値
                                                                                        動脈 
高度                        大気圧    吸気PO2   肺胞PO2     PaO2   PaCO2   pH   SO2
8848 (summit)        253            43            35            28        7.5        >7.7        70
Sea level                 760            149           100        95        40        7.40        97

West JB, Hackett PH, Maret KH, et al. Pulmonary gas exchange on the summit of Mount Everest. J Appl Physiol 1983;55:678-687.

Arterial Blood Gases and Oxygen Content in Climbers on Mount Everest

Michael P.W. Grocott, M.B., B.S., Daniel S. Martin, M.B., Ch.B., Denny Z.H. Levett, B.M., B.Ch., Roger McMorrow, M.B., B.Ch., Jeremy Windsor, M.B., Ch.B., and Hugh E. Montgomery, M.B., B.S., M.D. for the Caudwell Xtreme Everest Research Group

N Engl J Med 2009; 360:140-149January 8, 2009


エベレスト山頂登下山登山家10名を対象に動脈血液ガスを実測

高度8400m 大気圧272mmHg  
平均PaO2は 24.6 mm Hg (19.1 ~ 29.5 mmHg) 
平均PaCO2は 13.3 mm Hg (10.3 ~ 15.7 mm Hg)

Arterial Blood Gases and Oxygen Content in Climbers on Mount Everest
N Engl J Med. 360:(2) 140-149 January 8, 2009




呼吸管理に関する最近の知見

PEEP or No PEEP — Lung Recruitment May Be the Solution

Arthur S. Slutsky, M.D., and Leonard D. Hudson, M.D.

N Engl J Med 2006; 354:1839-1841April 27, 2006


Ventilation of an ex Vivo Rat Lung.
positive end expiratory pressure
Ventilation of an Ex vivo Rat Lung.
PEEP:positive end expiratory pressure 呼気終末陽圧
 呼気の気道内圧きどうないあつがゼロにならないように一定の圧をかけること。
肺胞の虚脱を防止し,血液の酸素化を改善する。


Rapid Disuse Atrophy of Diaphragm Fibers in Mechanically Ventilated Humans

Sanford Levine, M.D., Taitan Nguyen, B.S.E., Nyali Taylor, M.D., M.P.H., Michael E. Friscia, M.D., Murat T. Budak, M.D., Ph.D., Pamela Rothenberg, B.A., Jianliang Zhu, M.D., Rajeev Sachdeva, M.D., Seema Sonnad, Ph.D., Larry R. Kaiser, M.D., Neal A. Rubinstein, M.D., Ph.D., Scott K. Powers, Ph.D., Ed.D., and Joseph B. Shrager, M.D.

N Engl J Med 2008; 358:1327-1335March 27, 2008


CONCLUSIONS

The combination of 18 to 69 hours of complete diaphragmatic inactivity and mechanical ventilation results in marked atrophy of human diaphragm myofibers. These findings are consistent with increased diaphragmatic proteolysis during inactivity.

人工呼吸器の長時間導入により呼吸筋(横隔膜筋)の委縮が生じる


Low-Tidal-Volume Ventilation in the Acute Respiratory Distress Syndrome

Atul Malhotra, M.D.

N Engl J Med 2007; 357:1113-1120September 13, 2007




"Wake up and breathe" for patients with respiratory failure.Agarwal R, Srinivas R, Gupta D. Lancet. 2008 Apr 26;371(9622):1413-4; author reply 1414-5.

Daily interruption of sedatives, spontaneous breathing trialsの組み合わせによるweaning protocolにより、1年後生存率の改善、人工呼吸器管理時間の減少・在院日数、ICU滞在日数が減少。





Reference

>>>>>>>>>>>>>>>LINK >>>>>>>>>>>>>>>>

 LECTURES:

Introduction
Ventilation
Alveolar Gas Exchange 
Blood Gas Transport
Pulmonary Circulation 
Alveolar-Arterial Equilibration 
Regulation of Respiration

Evaluation of Respiratory Function Tests

Glossary




心拍出量

VO2 (ml/min, STPD)=Q(L/min)*(CaO2-CvO2) mlO2/L血液 

CO2=(mlO2/100ml)

=[So2(%) x0.01 x 1.34 mlO2/g Hb x (Hb)]

 + (0.003 mlO2/mmHg/100 ml x PO2)


CaO2 動脈血O2含量

CvO2 静脈血O2含量

Hb ヘモグロビン

脊椎動物赤血球に含まれる鉄を含む色素(ヘム)とタンパク質(グロビン)とからなる複合タンパク質。肺から全身へと酸素を運搬する役割を持つ。酸素と可逆的に結合するという特徴がある。

色は鉄イオンがあるため赤色。酸素と結合すると鮮紅色、酸素を離すと暗赤色になる。

成人のヘモグロビンの構造は、αとβの2種類のペプチド鎖が各々2本ずつ存在し、合計4つのサブユニットより構成される。

標準値 : (男性) 13.3~17.4g/dL

       (女性) 11.2~14.9g/dL



心臓のしくみ

私達の体は無数の細胞から成り立っており、それぞれの細胞が生命活動をするために酸素と栄養素を必要としています。この酸素と栄養素を細胞に届けているのが血液であり、血液を全身に循環させているのが心臓です。心臓は休む事なく拡張と収縮を繰り返すポンプの働きをしています。心臓は成人で握りこぶしくらいの大きさで、重さは200~300gくらいです。この心臓が1分間に60回前後収縮と拡張を繰り返しており、1日では10万回以上に達します。また、1分間に送り出す血液量は健康な成人で約5リットルにもなります。

 心臓の中は4つの部屋に分かれており、左心房、左心室、右心房、右心室と呼ばれています。左右の心室と心房の間には、心室中隔、心房中隔という壁があり、左右それぞれの心室と心房の間は弁で区切られています。心臓の壁は心筋と呼ばれる特殊な筋肉でできており、この心筋が収縮・拡張する事によってポンプの役割を果たしています。なかでも心室を取り巻く心筋は動脈に血液を送り出すために厚くなっています。


心臓と血液循環

 血液は心臓の左心室から強力な収縮によって大動脈に送り出されます。大動脈は枝分かれして小動脈、毛細血管となり、前身の筋肉や皮膚、臓器などに酸素と栄養素を運びます。このような酸素を多く含んだ血液を動脈血といいます。血液は細胞に酸素と栄養素を渡す代わりに、二酸化炭素と老廃物を受け取ります。この血液を静脈血といい、毛細血管から小静脈、大動脈と運ばれて心臓の右心房に入ります。この一連の血液循環を体循環(大循環)といいます。

 右心房に入った静脈血は右心室の収縮によって肺動脈に送られ、肺の中で二酸化炭素と酸素を交換します。ガス交換によって酸素を多く含んだ血液は肺静脈を通って左心房に送られ、左心室の収縮によって再び全身に送られます。この心臓と肺の間の血液循環を肺循環(小循環)といいます。

心臓と冠動脈


 心臓は休みなく動き続けるために、大量の酸素と栄養素を必要としています。このため、心筋に十分な血液を補給するために冠動脈と呼ばれる動脈が張り巡らされています。冠動脈は心臓から全身に血液を送り出す大動脈の根元から、左冠動脈と右冠動脈に枝分かれしています。左冠動脈はさらに前下行枝と回旋枝に分かれており、この2本と右冠動脈を合わせた3本が主要な冠動脈となっています。

 冠動脈はさらに細かく枝分かれし、心筋全体を網の目のように覆っています。左冠動脈前下行枝は主に左心室の前壁と心室中隔に、左冠動脈回旋枝は左心室の側壁から後壁に、右冠動脈は主に右心房と右心室、左心室の下壁に酸素と栄養素を供給しています。この冠動脈のどこかで血流が細くなったり途絶えたりすると、狭心症や心筋梗塞といった心臓発作を引き起こします。



補助単位にういて

キロ(k) 1000

ヘクト(h) 100

デカ(D) 10

メートル 1

デシ(d) 1/10

センチ(c) 1/100

ミリ(m) 1/1000