体力トレーニング科学演習
種目 ウェイトトレーニング


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スポーツ・健康科学演習 1年前期 水曜日1,2限

トレーニング科学演習Ⅰ 1年後期

 スポーツ(運動)を実施する目的は、健康増進、筋力・持久力向上、ダイエット等、実施する個人によって多種、多様である。本実習では、それぞれの目的に応じた効果的トレーニング方法について、その原理・原則を解り易く解説しながら、スポーツフィットネス・トレーニングを中心に実践で役立つ授業を展開していく。また、健康体力に関する測定や講義も行い、スポーツ生理学や栄養学、トレーニング科学等の学問分野に関する基礎的な知識を養う。


出席率を含む授業への取り組み、態度(積極性、協調性)、参加、貢献の程度(60%)、理論と実践に関する理解度(20%)、課題学習の達成度(20%)をそれぞれ評価する。


授業内容

スポーツ・健康科学演習
 摂取・消費カロリー計算(食事・運動)
     カロリー計算(運動・基礎代謝)

トレーニング科学演習Ⅰ

    
トレーニングの科学
    形態測定、身体組成の評価
    体脂肪測定法の説明
        水中体重秤量法
        インピーダンス法
        キャリパー法

ストレッチング

    ストレッチングとは
    ストレッチングの種類とその特性
        伸張の持続時間による分類
        パートナーの有無による分類
    ストレッチングの目的
        A. 疲労回復
        B. 柔軟性の向上(関接可動域の拡大)
        C.ウォーミングアップあるいはクーリングダウンとして
    ストレッチングの効果
    ストレッチングの実際
    ストレッチング実施上のポイントと注意点


レジスタンス運動

    健康づくりとレジスタンス運動
    ●
トレーニングの目的
    形態測定、身体組成の評価
    体脂肪測定法の説明
        水中体重秤量法
        インピーダンス法
        キャリパー法
    ●レジスタンス運動の運類
        A. 筋の活動様式から見た分類とその特徴
            等尺性収縮:アイソメトリックトレーニング
            等張性筋収縮アイソトニックトレーニング
            等速性筋収縮アイソキネティックトレーニング
        B. 運動様式から見た分類

    アイソトニックトレーニングの実際
        A. 適切なプログラムの立案の基礎
        B. 基礎体力の養成
        C. 目的別トレーニング
            最大筋力向上のための条件
            筋肉肥大のための条件
            筋パワーの増大のための条件
            持久力向上のための条件
        D. 最大筋力の測定法
        E. フリーウェイトトレーニングとマシントレーニング
            長所と短所
            身体各部のレジスタンストレーニング
                胸部のトレーニング種目
                上肢の筋群(上腕部・前腕部)のトレーニング種目
                部・腹部の筋群のトレーニング種目
                背部の筋群のトレーニング種目
                下肢の筋群(脚部・臀部)のトレーニング種目

    アイソメトリックトレーニングの実際

    自重や身近な用具を使ったトレーニングの実際
    サーキットトレーニング
        A. 運動プログラムの手順
        B. サーキットトレーニングのバリエーション


『スポーツトレーニングとは、運動刺激に対するからだの適応性を利用し、意志力を含めた人間のスポーツ能力の強化・発達をさせる課程である。』

スポーツトレーニングの目標
  1.     健康にして充実した身体の全面的な発達
  2.     スポーツ種目別の適応能力の開発と充実
  3.     スポーツ技術の習得と練磨
  4.     意志の強化とスポーツマンシップを基礎としたマナーの向上
  5.     スポーツにおける戦術の習得
  6.     スポーツトレーニングについての知的理解
    スポーツトレーニングの5つの内容
  1.     体力のトレーニング
  2.     技術のトレーニング
  3.   戦術のトレーニング
  4.     意志のトレーニング
  5.     理論のトレーニング
    スポーツトレーニングの5つの原則
  1.    全面性
  2.    漸進性
  3.   個別性
  4.    反復性
  5.    意識性

    体力の構成

●身体的要素

    ○行動体力

        形態
            体格
            姿勢

        機能
            敏捷性
            筋力
            パワー
            持久性
            平衡性
            協応性
            柔軟性

    防衛体力

        構造
            器組織の構造

        機能
            温度調節
            免疫
            適応

精神的要素

    行動体力

    防衛体力
            意志
            判断
            意欲
            精神的ストレスに対する抵抗力




身体的要素
    体力の三次元展開図面上の各種競技力構成の体力特性

                                        Z軸    筋力(力)

                            パワー                                力の持久性
       [パワー型:スプリンター、相撲、重量挙げ]    
                    
    Y軸    スピード(速度)                                X軸    持久力 (時間)
                                                                
                                        スピードの持久性 (スタミナ)
                                             [スタミナ型:マラソン]

     [スピード型:卓球 フェンシング]

    体力トレーニングの仕組み

    専門的からだづくりトレーニング

    スピードのトレーニング
    力のトレーニング
    柔軟さのトレーニング
    巧みさのトレーニング
    持久性のトレーニング
    バランス獲得のトレーニング

    全面的からだづくりトレーニング

    身体の調和的発達のためのトレーニング
    総合的スポーツ適応能力の発達のためのトレーニング





        


        



    トレーニング機器使用についての諸注意

    1. 準備運動(ストレッチ)、ウォーミングアップを十分に行う。
    2. エリア内清掃など衛生面に留意する(飲食禁止)。
    3. エリア内を移動する時は、(特に寝た姿勢などで)他のトレーニングを行っている人に注意する。
    4. タオルを持参する。シートや器具について汗はふき取っておく。
    5. トレーニング動作は一定のリズムで行い、怒責による心臓・血管系への負担を避けるため、極力、呼吸を止めないようにする。
    6. 器具を使用する時は、あらかじめ不備や故障がないかチェックする。
    7. トレーニングは、必ず2人以上1組で行う。1人が運動を行っている間、他の1人が動きや機器のチェックを行う。周囲の状況にも注意を払う。
    8. 負荷は軽めのものから行う。特にトレーニングの初期では、動作に習熟した後に負荷の増量を行う。
    9. トレーニングを行う足場に注意する。上履きは必ず着用する。
    10. 床からウェイトを持ち上げるときは、背をのばし、胸をはるようにする。
    11. トレーニング実施中体に異常を感じたら、直ちに運動を中止する。
    12. トレーニング機器の上で休まない。また機器の上に物を置かない


    ウェイトトレーニングは、以下の基本動作を組み込んだ、運動方法です。

    1. 「押す(プレス)」⇔「引く(プル)」
    2. 「上げる(レイズ)」⇔「下げる(ダウン)」
    3. 「巻く(カール)」⇔「伸ばす(エクステンション)」

     ウェイトトレーニングの運動方法の名称に、必ず、プレス・プル・レイズ・ダウン・カール・エクステンションという用語がつくのは、その動作を表しているからです。

    筋力トレーニングの目的は?

        自らの形態的特徴を知った上でトレーニングに臨む

        トレーニング前後の身体計測は必ず実施する。


    皮下脂肪厚(上腕背部+肩甲骨下部)から推定した体脂肪率




    体脂肪測定について

    「自分の体重の何%が脂肪なのか」

    筋力トレーニングによる体重増加は、筋肉がついたから?、ただ脂肪で太っただけ?なのか、トレーニング効果を正しく判断するためには必要不可欠






    社団法人 人間生活工学研究センター(HQL

     人間生活工学研究センターでは経済産業省からの委託を受け、2004年度から2006年度まで、首都圏や近畿圏を中心に、約6,700人の日本人の身長や手足の長さなど1人あたり217項目の寸法計測事業(size-JPN)を行った結果を以下のHPに掲載しています。

    「日本人の人体寸法データベース2004-2006」

    http://www.hql.jp/database/size2004/






    身体計測結果 氏名            計測日    年   月   日

    男性・女性   年齢   歳                           計測者

    項      目

    測定値

    参      考

    身   長

    cm

    体格指数[BMI

    計算式:体重 kg÷身長 m 2

    日本人の平均値(     )

     

    体   重

    kg

    標準体重[IBW

    あなたの身長における標準体重

    計算式:身長 m 2 × 22

    kg

    %標準体重 [%IBW

    標準体重に対する現体重の割合

    肩甲骨下部皮下脂肪厚[SSF

    mm

    皮下脂肪厚[SSFTSF

    mm

    上腕周囲長[AC

    cm

    %上腕周囲長 [%AC

    日本人の平均値( )に対する割合

    上腕三頭筋皮下脂肪厚[TSF

    mm

    %上腕三頭筋皮下脂肪厚[%TSF

    日本人の平均値( )に対する割合

    上腕筋囲 [AMC

    計算式:AC cm TSF cm × 3.14

    cm

    %上腕筋囲 [%AMC

    日本人の平均値( )に対する割合

    下腿周囲長

    cm

    %下腿周囲長

    日本人の平均値( )に対する割合

    腹  囲(臍部)

    cm

    BMI 25以上かつ腹囲(臍部)が男性 85 cm以上,女性 90 cm以上で内臓脂肪型肥満の疑い




    JARD 2001による日本人の身体計測基準値

    (性・年代別平均値)


     

     

    BMIkg/m2

    肩甲骨下部

    皮下脂肪厚(mm

    上腕周囲長(cm

    上腕三頭筋

    皮下脂肪厚(mm

    推定上腕筋囲(cm

    下腿周囲長(cm

    男性

    平均値

    22.71

    15.80

    27.23

    11.36

    23.67

    34.96

    1824

    21.09

    11.64

    26.96

    10.98

    23.51

    35.83

    2529

    22.25

    14.37

    27.75

    12.51

    23.82

    36.61

    3034

    23.48

    16.63

    28.65

    13.83

    24.36

    37.70

    3539

    23.45

    16.35

    28.20

    12.77

    24.19

    37.57

    4044

    23.39

    16.16

    27.98

    11.74

    24.30

    37.15

    4549

    23.17

    14.91

    27.76

    11.68

    24.09

    36.96

    5054

    23.50

    15.62

    27.59

    12.04

    23.78

    36.67

    5559

    22.77

    13.60

    26.89

    10.04

    23.74

    35.48

    6064

    22.81

    13.07

    26.38

    10.06

    23.22

    34.46

    6569

    21.84

    18.26

    27.28

    10.64

    23.94

    33.88

    7074

    21.93

    16.48

    26.70

    10.75

    23.34

    33.10

    7579

    20.99

    15.81

    25.82

    10.21

    22.64

    32.75

    8084

    20.94

    14.57

    24.96

    10.31

    21.72

    31.88

    85歳〜

    20.65

    11.83

    23.90

    9.44

    20.93

    30.18

    女性

    平均値

    21.25

    17.49

    25.28

    16.07

    20.25

    32.67

    1824

    20.34

    13.72

    24.87

    15.39

    20.04

    34.65

    2529

    20.08

    13.48

    24.46

    14.75

    19.82

    34.11

    3034

    20.48

    14.70

    24.75

    14.50

    20.21

    34.00

    3539

    21.11

    16.21

    25.30

    16.14

    20.27

    34.66

    4044

    22.37

    17.33

    26.41

    16.73

    21.21

    35.03

    4549

    22.21

    16.69

    26.02

    16.59

    20.77

    34.38

    5054

    21.84

    15.11

    25.69

    15.46

    20.85

    33.54

    5559

    22.46

    16.17

    25.99

    16.76

    20.83

    32.82

    6064

    22.69

    16.09

    25.75

    15.79

    20.89

    32.01

    6569

    22.53

    23.23

    26.40

    19.70

    20.14

    32.43

    7074

    21.84

    19.57

    25.57

    17.08

    20.24

    31.64

    7579

    21.48

    16.22

    24.61

    14.43

    20.09

    30.61

    8084

    20.49

    15.09

    23.87

    12.98

    19.84

    29.23

    85歳〜

    20.19

    11.92

    22.88

    11.69

    19.21

    28.07

    [栄養評価と治療,19suppl., p.50 60,メディカルレビュー社(2002)]


    筋力トレーニングの基礎

    1.筋力トレーニングの効果

    2.筋力トレーニングの原則とその処方の条件

    3.筋力トレーニング・プログラムの作成





    1.筋力トレーニングの効果


    1)運動筋を支配する神経の働きが増す効果

     トレーニングに伴う筋力の増大は、筋肉そのものの肥大と筋肉を支配している神経回路ともいうべき神経インパルスの機能向上によって起こると考えられている。筋力トレーニングを始めたばかりのころは、筋肥大を伴わない筋力増加が見られるが、これは神経インパルスの電気信号発射が頻発になり、運動に反応する神経が活性化されるためである。このあとトレーニングを続けると筋肥大を伴って筋力も増していく。

    2)筋肥大、筋力、パワー・アップの効果

     筋力トレーニングは筋線維を太くするとともに、筋原線維の数も増やすので、トレーニングを続けると筋肥大が生じ、その分、筋力がアップすることになる。パワーとは力と速さの積であらわされる。人体でいえば力は,すなわち筋力であり,速さは筋収縮の速度というわけで,筋力トレーニングで最大筋力を高めることによってパワーも向上する。

    3)シェイプ・アップの効果

      筋力トレーニングを適正に長期間実施すれば,筋力アップだけでなく体型をある程度変化させることが出来る。相対的に引き締めたい部分,バルク・アップしたい個所等、負荷の調整,処方の仕方によって随時可能である。また、筋力トレーニング実施後、数時間は基礎代謝が増す効果や、筋量の増大効果によって、安静時代謝量が増すため、エアロビクス運動と組み合わせて行えば、より効果的なダイエットが可能となるだろう。

    4)整形外科的疾患の予防,治療の効果

      例えば捻挫,肉ばなれ,腰痛等は、筋力の低下やその部位の筋肉,靭帯、腱などが弱いこと、拮抗している筋肉における筋力のアンバランスなどが生じているために起こると考えられる。これを強化、是正すればそれらの予防になるはずである。受傷後のリハビリテーション・エクササイズとしても筋力トレーニングは原因療法の重要な手法として有効といえる。

    5)生活習慣病の予防,治療の効果

     最近、高血圧や糖尿病といった生活習慣病に対する筋力トレーニングの効果が注目され、その有効性が報告されている。筋力トレーニングの重要性は、今後、さらにモータリゼーション化が進むであろう現代人の生活において、ますますクローズアップされることだろう。

    6)精神(気力)活性化の効果

      強い筋活動は大脳を活性化しやる気を起こさせるという。精神疾患を持つ人,例えばノイローゼ患者等に筋力トレーニングを処方して好結果を得たという報告もなされている。



    2.筋力トレーニングの原則とその処方の条件

    1) トレーニングの原則

     (1)過負荷(オーバーロード)の原則

     (2)意識性(自覚性,意欲性)の原則

     (3)全面性の原則

     (4)漸進性の原則

     (5)個別性(専門性,特殊性)の原則

     (6)継続性(反復性)の原則


    (1)充血法(flushing system)を採用する。

     同一運動種目を続けて多数セットやるか,同一筋群を何種目かの運動で多角的連続的にトレーニングする。一般に初心者にあっては全面的筋力アップを主体に,多種目少セット制を採用し,鍛錬者にあっては専門的筋力アップに重点をおく,少種目多セット制を採用することが好ましい。

    (2)大きな筋肉から小さな筋肉へと強化する

     人間の身体動作は必ず大きな筋肉がゆっくり動くことから始まる。そして、加速した段階で中位の筋肉が動きだし、さらに加速した段階で小さな筋肉が動き、より小さな筋肉へと移っていく。その結果、末端を最も速く動かすことが可能となる。このことは大きな筋肉から小さな筋肉へと順番にトレーニングを進める必要があることを意味している。

    (3)抗重力筋を強化する

     人間は運動を実施しているしていないにかかわらず重力の影響を受けている。この重力に対して姿勢を保持するために緊張している筋肉のことを抗重力筋という。重力に対して姿勢を保持する筋肉をしっかりさせておかなければ、地球上での快適な生活や運動パフォーマンスの向上は考えられないだろう。 重力の影響を最も受けやすい筋肉への刺激をおろそかにした筋力トレーニングは存在しないはずである。 

    (4)拮抗する筋肉をともに強化する

     筋肉は基本的には伸びた状態から収縮する際に力を出す、ほとんどの場合、その筋肉と拮抗している筋肉(反対側で相反する動きをする筋肉)が収縮しながら力を出している。この拮抗している筋肉のバランスを考えずにトレーニングすれば、一方向の収縮力が強くなりすぎたり、反対に弱くなりすぎて、単に運動効果が望めないだけでなく故障や怪我の直接の原因となるはずである。

    (5)上半身よりも下半身を強化する

     人間は全身の筋肉量の約2/3は下半身に集まっている。身体のバランスをとるという意味では、運動時間や質、量的要素などすべての面において上半身と下半身の運動の割合は1:2が理想的であるといえる。上半身のトレーニングばかり行い、大切な下半身への刺激をおろそかにするならば身体のバランスを悪くし、これもまた、故障や怪我の原因となり得るだろう。

    (6)呼吸循環器系のトレーニングも重要である

     筋肉を作る蛋白質を運んだり、トレーニングによって生じた疲労物質をすばやく取り除くのは呼吸循環器系の力である。呼吸循環器系の能力の向上、すなわちエアロビック運動を無視した筋力トレーニングは決して望ましいものとはいえないだろう。


    2)トレーニング処方の条件

     (1)筋力トレーニングの種類


    アイソメトリックスIsometrics;等尺性)トレーニング

    筋肉がその長さを変えないで緊張を持続している状態で行われるトレーニングのことをいう。筋収縮の様式は、筋肉が動かないところから等尺性筋収縮(isometric  contraction)、あるいは静的収縮とよばれている。動かない壁を押すとか手のひらにものを乗せて保持するといった場面に相当する。

    メリット 

    a. 短時間に簡単にトレーニングできる。

    b. 用器具がなくても,何処ででもトレーニングできる。

    c. 疲労が少ない(エネルギー消耗が少ない)ので頻繁にできる。

    d. スティッキング・ポイント(sticking point)の集中的強化ができる。

    e. 緊張筋(tonic muscle)の活性化に特に効果的である。

    f. リハビリテーション・エクササイズの一部として行う筋力強化方法として活用できる。あるいは中・高年者用の筋力トレーニングとしても安全で,オーバー・トレーニングに陥り難いので効果的である。

    デメリット

    a. 動きのトレーニングには不向きである。

    b. 持久力のトレーニングとしても不適当であろう。

    c. 運動が単調で興味に欠ける。

    d. 努責が持続しやすい。中・高年者あるいは呼吸循環器系に若干トラブルのある人,例えば本態性高血圧者などには努責は極力避けるべきである。

    e. 関節角度特異性がある。


    アイソトニックスIsotonics;等張性トレーニング

    筋肉がその長さを変えながら収縮する状態で行われるトレーニングのことをいい,筋収縮の様式は、その時の張力が一定なので等張性収縮(isotonic contraction),あるいは筋肉が動くので動的収縮といっている。動的運動では筋肉はこの状態で収縮している。さらに細かくみれば,筋肉が短縮する状態と逆に伸長する状態がみられる。前者を短縮性筋収縮(concentric contraction,後者を伸長性筋収縮(eccentric contractionといっている。例えば手に重りを保持し,肘をまげながら前腕を上方に上げてそれをまきあげる時は上腕二頭筋は短縮性筋収縮の状態にあり,逆にその重りを下におろすときは上腕二頭筋は伸長性筋収縮の状態にあるといえる。

    メリット 

    a. 自由に動作がコントロールできる。アイソメトリックスが動きの一部分をとらえて実施するのに対して,アイソトニックスは連続的動作として実施でき,フォームや動きの速さ,リズム等も考えて実施できる。

    b. したがって専門的筋力トレーニングとしてはアイソメトリックスよりも行いやすい上、効果的である。

    c. エネルギーの消耗が多いので筋肥大や筋持久力のトレーニングには有効である。

    d. アイソメトリックスより興味あるトレーニングができる。現在どの位の重量で何回位できるといったような達成感が満足できるのでかなり興味深くできる。


    デメリット

    a. 危険を伴うことが比較的多い。特にヘビー・ウエイトでのクイック・リフトやスクワット,ベンチプレス等では重大な事故につながることがある。

    b. トレーニングの効率という点ではアイソメトリックスに幾分劣る。すなわち疲労感が強いのでトレーニングを頻繁にはできない。

    c. 取り扱いが幾分煩雑である。

    d. 用器具,特にマシーン類は高価である。

    e. 格納する,あるいはセットするのに広いスペースを必要とする。


    アイソキネティック(isokinetics;等速性トレーニング


     何れの筋力トレーニング法も一長一短があり,何れが優れているということは一概には言えない。原則的にはトレーニングの目的によって両者を使い分けることが肝要である。



    (2)筋力トレーニングの強度、時間、頻度、期間の条件

    (反復回数、セット数)

     強度(Strength or Intensity):できるだけ強い抵抗をかけたほうが筋力増大効果は大きいといわれている。ただし、強度の条件は、筋肥大を目的で行うか、集中性を高めるために行うかによって異なる。筋肥大を主体に筋力アップを目指す場合は、一般的には最大筋力の約70%以上の負荷が必要。これに満たない負荷をかけ続けても、思ったような筋力アップは期待できない。

     持続時間 (Duration):トレーニングの種類によって異なる。

     頻度 (Frequency):個人差や運動様式のちがい(Isotonics or Isometrics)によって、一概にはいえないが、トレーニングの内容(種目、強度)によって、1日~4日の休息期間が必要。ビギナーやトレーニングレベルの低い者は十分な休息を入れて行う必要がある。


       アイソメトリックストレーニングの処方の条件

       アイソトニックストレーニング処方の条件



    3.筋力トレーニング・プログラムの作成

     筋力トレーニング・プログラムを作製するにあたって、上述のトレーニングの原則及びその処方の条件を踏まえた上で、以下の点を考慮するとよい。

    1)プログラム作製上考慮すべき条件

     (1) トレーニングの目的

    •    体力づくり・シェイプアップの一環
    •    スポーツトレーニングの一部
    •    リハビリテーション・エクササイズの一部

     (2) 利用可能な用器具,施設

     (3) 個人の諸条件

                年齢・性・経験・体力・運動能力等

    2)プログラム作製上考慮すべき原則

    個人個人によって筋力トレーニングの目的は異なる。しかし、一部のボディー・ビルディングを目指している人や、リハビリテーションを目的にトレーニングを行っている人を除けばすべての人に共通していることがある。それは、トレーニングを行うことで日常やスポーツ活動における身体動作、技術動作そのものが改善、向上されることが、その最終目標であるという点である。そのことを常に意識して、トレーニング・プログラムを作成することが極めて重要であろう。以下に、考慮すべきいくつかのポイントを上げた。

    3)筋力トレーニングの代表的システム

    普通,筋力トレーニングはセット法(set system)を採用する。これはレペティション・トレーニング方法であり,強い運動を完全休息を入れながら反復実施する方法である。しかし筋肉は馴化の早い組織であるから,トレーニング刺激のバリエーションを考慮することが重要である。以下にトレーニングの変数を考慮しながら重量の変化,フォームや速さの変化,運動種目の組み合わせの変化等を入れて筋肉に多角的刺激を与えるトレーニング・システムを紹介する。

     (1)最高10回反復法(10RM System

    各セットとも10RMで実施する方法。運動量が多く筋量を増やすため、シーズンオフのトレーニングに適している。

     (2)ピラミッド法(Pyramid System

    セット毎に重量を漸増,漸減していく方法。特に大筋群について強力な筋力を必要とする場合、この方法は有効。

     (3)交互反復法(Super Set System)

    2種目の運動を選んでこれを1スーパーセットとして行う方法

    (例)

    •     拮抗運動または拮抗筋を選ぶ方法
    •     同一筋群を選ぶことのできる異なった運動種目を選ぶ方法
    •     強い運動と弱い運動を組み合わせる方法

     (4)マルチ・パウンディジ法とフォースト・レペティションズ法

            (Multi poundage System and Forced Repetitions System)

        各セットの間にインターバルをおかずに、何セットかを続けて行う方法

     ある運動を重りが上がらなくなるまで続行し、その時点で重りをいくらか落とすという方方法。そしてインターバルをおかずに落とした重量でまた上がらなくなるまで続行し、それを繰り返す。1つの重量を上がらなくなるまで行うのではなく、あらかじめ重さに合わせた回数を設定しておくという方法もある。

     (5)パーシャル・レインジ法(Partial Range Method)

     パーシャル・レンジとは可動域を限定して行う筋力トレーニングのこと。※可動域を目いっぱい使う動作はフルレンジという

     例えばベンチプレスだとバーベルが胸につくまで下さずにバーベルを押し上げる動作を繰り返すトレーニング法のこと。


     (6)スプリットルーティーン;分割法(Split Routine)

    運動種目や運動強度、体のトレーニング部位を日によって分けて実施する方法

     (7)プレイグゾーション法(Pre Exhaustion System)

     スーパーセット法の応用で、2種目の組み合わせ方にさらに工夫を加えています。

     (8)レスト・ポーズ・トレーニング(Rest Pause Training)

     マルティ・パウンディジ法の応用。1~3RMの重量で始め、継続不可能となったら休息(15~20秒)を入れ、この間にすばやく重量を減らして1~2回実施する。

    3)筋力トレーニングのメニュー

    筋トレメニュー一覧 (筋肉大全


    大胸筋 
      ベンチプレス ナローグリップ・ベンチプレス
    ワイドグリップ・ベンチプレス インクライン・ベンチプレス
    デクライン・ベンチプレス ダンベル・ベンチプレス
    ダンベル・フライ インクライン・ダンベル・ベンチプレス
    インクライン・ダンベル・フライ プッシュアップ(腕立て伏せ)
    ディップス  

    大腿、下腿 
            スクワット
                重要なポイント
                    「膝をつま先からださないように」
                    「腰を丸めない」
                                ⇒「骨盤前傾を保ったまま、股関節の軽度屈曲」
            ナロースタンス・スクワット
    ワイドスタンス・スクワット クォーター・スクワット
    フルスクワット シッシー・スクワット
    ヒンズー・スクワット シングルレッグ・スクワット
    ブルガリアン・スクワット フロント・ランジ
    サイド・ランジ レッグ・プレス
    レッグ・エクステンション レッグ・カール
    カーフレイズ シングルレッグ・カーフレイズ
    ドンキー・カーフレイズ


    上腕二頭筋 
    バーベル・カール ダンベル・カール
    インクライン・ダンベルカール ハンマーカール
    コンセントレーション・カール プリチャーカール
    バックハンド・カール ケーブル・カール 


    上腕三頭筋 
    ワンハンド・トライセプス・エクステンション トライセプス・キックバック
    ライイング・トライセプス・エクステンション トライセプス・プレスダウン
    バーベル・トライセプス・エクステンション リバース・プッシュアップ
    ケーブル・トライセプス・エクステンション ナロー・プッシュアップ
    サイドライ・トライセプス・エクステンション ナローグリップ・ベンチプレス

    前腕 
    リスト・カール リバース・リスト・カール
         肩の筋トレ

    肩 
    フロント・レイズ サイドレイズ
    リア・レイズ ショルダー・プレス
    フロント・プレス バック・プレス
    アップライト・ローイング シュラッグ

    背中(上) 広背筋
    チンニング インクライン・チンニング
    ラットマシン・プルダウン ワンハンド・ダンベル・ローイング
    ベントオーバー・ローイング プルオーバー
    ケーブル・ローイング  

    背中(下) 脊柱起立筋
    デッド・リフト バック・エクステンション
    バック・レイズ ボディーアーチ


    腹筋
        クランチ ツイスト・クランチ
    サイド・クランチ シットアップ
    ツイスト・シットアップ ドラゴン・フラッグ
    レッグ・レイズ1 レッグレイズ2
    ヒップ・レイズ ヒップ・スラスト
    Vシット ニートゥチェスト
    サイドベンド リバース・トランク・ツイスト
    シザーズ トランク・カール
    リバース・クランチ

    臀部
    ヒップ・リフト バック・キック
    フロント・ランジ プローン・シングル・レッグレイズ
    ワイドスタンス・スクワット ヒップ・アブダクション


    レスラー・ブリッジ リバース・レスラー・ブリッジ
    ネック・エクステンション ネック・フレクション
    サイドネック・フレクション

    筋肉大全

     

    ウェイトトレーニングクラスの授業風景です。

    理学、鍼灸学科1回生、みなモチベーション高すぎ。とても楽しい授業になりました。

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