国際模式地とは

地球の歴史を紐解き、過去の地球環境の変遷を明らかにすることは、人類の根本的欲求であると共に将来予測にとっても非常に重要です。
ユネスコ
UNESCO)の機関である国際地質科学連合International Union of Geological Sciences; IUGS)では、その基礎となる時間の尺度の標準化のため、それぞれの地質時代の境界を地球上で最も観察・研究しやすい1箇所を国際模式地(国際標準模式層断面とポイント:GSSP)と認定しています。(GSSP tableはこちら
この中でも,前期・中期更新世境界は,模式地が決まっていませんでしたが,房総半島には日本初のこのような国際模式地の候補地があります。その場所は養老川上流の市原市田淵付近の地層である「千葉セクション」です。
また、その他の候補地点は、イタリア南部のモンテルバーノ・イオニコ (Montalbano Jonico) とヴァレ・デ・マンケ (Valle di Manche) の2カ所です。

地質年代表
地質年代の名称および年代値は、国際地質科学連合の国際層序委員会(International Commission on Stratigraphy; ISC)によって、
「国際年代層序表」として提示されています。

以下、2015年1月版国際年代層序表(International Chronostratigraphic Chart)の日本語版です(出展 日本地質学会)。

http://www.geosociety.jp/uploads/fckeditor//name/ChronostratChart2015.pdf
*上記の図は日本地質学会のサイトに直接リンクしています。

ゴールデンスパイク
GSSPとして認定され、地質年代境界の国際模式地が決定すると、模式層断面となる箇所にゴールデンスパイクが打ち込まれます。
かつては実際に金色の杭が打たれていたようですが、最近は以下の様なパネルが表示される事が多いようです。


スペインにある始新世ヤブレシアン/ルテシアン境界のGSSP。Finnely教授(カリフォルニア州立大学)提供


千葉複合セクション
千葉セクションは、第四紀更新世の前期と中期との境界を含む、市原市田淵付近の養老川沿いの露頭で観察できる地層で、その周辺地域に分布する同時期の地層を総称する千葉複合セクションを中心となるセクションです。
千葉複合セクションに相当する地層は、上総層群国本層という地層の中部に相当し、同じ年代の地層は房総半島や東京湾の反対側である神奈川県・東京都の一部にも広がり、第四紀という時代を研究する上で非常に重要な地層です。




千葉セクションのGSSP
千葉セクションでは、詳細な解析によって地磁気の逆転が連続的に記録されていることが分かってきました(Suganuma et al., 2015; Hyodo et al., 2016; Okada etal., 2017)。とくにOkada et al. (2017)では,市原市田淵付近の養老川沿いの露頭において試料を採取し,詳細な地磁気逆転の記録を復元しました.
また、このブルンー松山地磁気逆転境界の約1 m下には,御嶽山起源の火山灰が認められることがわかりました(Takeshita et al., 2015)。
GSSPはこの火山灰、「白尾火山灰」の下に置かれる予定です。

注:以下の写真は,千葉セクションの特に市原市田淵付近の養老川沿いの露頭で撮影されたものです.Okada et al. (2017)の結果に基づき模式的に図化しております。