周波数オークション(続き2)争点の背景

posted Dec 14, 2011, 6:26 AM by Yorkshire Mac   [ updated Dec 16, 2011, 7:46 AM ]
周波数オークションは最先端? 0 1 2 3 ←各パートへ飛ぶ

さて、このように世間を騒がせたこの問題は、少し穿った見方で背景を考える事によって、またもう少し面白くなってきます。

900MHz帯議論の背景

  • 全ての携帯電話事業者が、900MHz帯を含むプレミアバンドで新たな周波数帯を獲得する事に情熱を持っているが、各社の方針はそれぞれ異なる。(12月9日電波監理審議会会長会見資料のp47「700/900MHz帯移動通信システムに係る参入希望調査の結果概要」)ただし、(当然ながら)落札価格の高騰を誘発する可能性のあるオークションには、どの事業者も賛同している訳ではない。
  • この周波数帯に興味を持つ事業者のうち、ソフトバンクモバイルは、通話エリアの充実が他の大手2社に比べて遅れている事が課題であった。このため、ぜひとも900MHz帯を獲得して、自社の提供するiPhoneを武器に事業を拡大したい。900MHz帯においてオークションを行う事は、先行する2社が、比較審査方式で低コストでプレミアバンドの利用権を得た事に対して、不公平となるという主張がされうる。
  • ちなみに今販売されているソフトバンク用iPhoneや、技適認定を受けたグローバル対応の第3世代、3.5世代携帯機種は、基本的にはハードウェアのままで変更なしに新たな900MHz帯のサービスにも対応できる。
  • 一方で次に予定されている700MHz帯の割当方針も、900MHzの議論に影響を与える。ただ、この周波数帯はまだ完全に対応できる機種は、一般に発売されていない。これは世界的にこの周波数帯の利用方針が定まっていなかったからであるが、ようやくAPT(Asia Pacific Telecommunity)のAWF(APT Wireless Group)検討案で方針が固まってきた。700MHz帯においては30MHzx2(上りと下り)の帯域を確保できる見通しとなったので、携帯電話事業者用の「椅子」は2社分あるいは、少し小さめでも良ければ3社分用意できる可能性がある。年末から年始にかけて、この帯域の周波数利用方針も提示される事になると思われる。
  • プレミアバンドとも言われるこの周波数帯で、2011年現在事業を行っているのはdocomoとauであるが、この両社が持つ800MHz帯域は、今までかなり入り組んだ周波数帯の利用状況であった。このため徐々に交通整理を進めて、ようやく2012年3月にdocomoのmova、7月にはauのCDMA 1X系のサービスが終了し、新しい800MHz帯の周波数プランが実現する。この交通整理に要する費用は、当事者である2社が賄って来た経緯がある。
  • 一方で政治側では、行政刷新会議の「提言型事業仕分け」B3-1 情報通信:電波行政のあり方(新たな周波数の割当等)で評価が行われ、報道のように既定の総務省方針に反して、3.9世代よりオークションを導入し、一般財源の国庫収入とする提言が固まった。同時に電波行政の透明性、公平性をより高める必要も明示された。

つまり、逼迫する周波数帯需要はもちろんですが、これに伴う携帯事業者間の駆け引き、周波数帯の既存利用者の移転問題に加えて、政治的な方針による一般財源化の争点が加わりとんでもない混乱が起こってしまった訳です。(まだまだ続く)

周波数オークションは最先端? 0 1 2 3 ←各パートへ飛ぶ
Comments