文法スケッチ プロジェクト概要

 

文法スケッチについて

 言語を記述する際,最低限必要なものとして,文法書・辞書・テキストの三つを「三点セット」と言うことがあります。「三点セット」がまだない言語を研究する人ならば,自分で文法書なり辞書なりを書きたいと思い,すでに文法書や辞書のある言語を研究している人も,よりよいものを書きたいと願うのは,言語研究者として極めて自然な発想ではないでしょうか.

 「文法スケッチ」部門は,ワークショップ企画の一つです.まず,メンバーは文法の概略を20ページ位で記述します.電子メールを利用して回覧した後,皆で集まって品評会を行う,という流れをイメージしております.現在まで,第1集・第2集が刊行されています。

 このプロジェクトの意義ですが,文法を書くこと自体,記述の訓練になるし,不足している知識の補充を促すと思います。また,近隣の言語,タイプの似た言語の研究者にとっても,参考になることでしょう。色々な考えの人が集まってこその「コミュニティ」,文法観をぶつけ合いましょう。  (江畑 冬生  2008.11.03改稿)

刊行物

執筆方針

  • 専門外の人が対象言語の全容・おもしろみを端的に把握できるようにすることを第一の目標とする。

スケッチで扱うトピックのリスト

目次

  • 見出しのリスト

はじめに

  • この言語の特徴をひとことで(いえたら)
  • スケッチの概要(何がどこに書いてあるか)

1. 言語の概略  1p.

  • 地図
  • 基本情報:地域・系統・話者数
  • 社会言語学的情報:(民族の母語保持率)・(子供等の使用・習得状況)・メディア・教育・正書法の有無・(文字の一覧)
  • 研究の現状
  • 方言,(借用),(接触による影響),(表記法について).

2. 音声・音韻  2-3p.

2a 音韻論

  • 母音・子音(・その他)
  • 音声的実現
  • 音節構造・(音素配列)
  • 超分節素:ストレス・(トーン)・(イントネーション)・(その他プロソディ)

2b 形態音韻論

 (異形態について),(複合の際などに起こる現象)

3. 形態論  2-8p.

3a 品詞分類

  • 品詞分類の根拠

3b 語の内部のもの

  • 語の内部構造
  • 名詞の屈折,動詞の屈折,(その他の品詞の屈折)
  • 派生
  • (重複).

3c 語を越えるもの

 (複合),(抱合).

4. 文の構造  2-8p.

 基本語順,主要部-従属部の順番,名詞述語文・動詞述語文の性格,主語,目的語,一致,ヴォイス,テンス,アスペクト,ムード,句同士の等位接続,節同士の等位接続,複文,関係節.

  • ヴォイス,テンス,アスペクト,ムード等を形態・統語両面の変化によって示す場合は,それぞれの章で相互参照できるよう書くのが望ましい.
  • 「統語」とした際の違和感をなくすため,章タイトルを「文の構造」に変更しました.('07/03/04)

5. 民話テキストと分析  2p.

1行目 表層的 word form
2行目 形態素分析された形
3行目 グロス
4行目 word ごとの訳
5行目 文の訳

6. 参考文献  1p.

  • もっと知りたい!という人たちのための文献リスト
  • 引用は最低限に抑える
  •  

文法スケッチの書式

マージン変更しました!!
↑に合わせてtex用スタイルファイルのサンプルも変更しました!!

これまでの書式についての決定事項をもとに再編集しました.
まだ見にくいかもしれませんがご容赦ください.改善していきます.('06/12/03 YY)

全体にわたる書式

  • 使用言語:日本語(グロス・例文訳も含む)
    • もちろん文献に言及する場合などは外国語の使用可.
      • ラテン字以外のもの(キリル文字,ギリシャ文字,タイ文字,チベット文字,モンゴル文字など)についてはラテン字に転写すること.
        ・おそらく各文字ともに伝統的な転写方式があると思いますので,およそそれに準拠してください.
        ・キリル文字にかんしてはwikipediaのRomanization of Russianにおもな転写方式があげられています.もしかしたら今後,このうちのいずれかの方式に統一するかもしれません.
      • 中国語の場合「簡体字」はできるだけ避けること.(『大辞典』同様,簡体字が読めない人にもわかるようにする.繁体字にはしなくともよい)
  • 原稿サイズ:A4
  • マージン:上下40mm, 内側(奇数ページの左側/偶数ページの右側)37mm,外側(奇数ページの右側/偶数ページの左側)27mm

本になったときに見開きの内側が見づらいという意見があったため,上記のように変更します

  • 1行あたり40文字;1ページあたり32-34行程度が見やすい.過度に詰めすぎないこと.
  • フォント
    • フォントサイズ
      タイトル:12ポ
      脚注:10ポ
      その他すべて10.5ポ
  • 地の文, 脚注
    和文:MS明朝
    欧文:Times New Roman
    例文などのIPA:ゴシック系ではなくローマン系で.特にフォントは指定しないが,イタリック,ボールドが揃っているものが望ましい.
    • 推奨IPAフォント
      データ処理ツールのページでユニコード対応のIPAフォントを紹介しています.ご活用下さい.
  • タイトル,章見出し,目次
    和文:MSゴシック
    欧文:Arial
  • 脚注:各ページ末につける
  • 句読点:「,(カンマ)」「.(ピリオド)」で統一.
  • 数字:できる限り半角アラビア数字(Times New Roman)を用いる.

tex 使用の方へ

参考のために、第1弾でつかった設定を添付しておきます。
(2006/07/28)修正版アップしました。filesketch_tex_style_etc.txt --nagasakii
(2007/01/29)余白の設定を第2弾用に変更。filesketch_tex_style_070129.txt

  • クラスオプションに twoside を追加、oddsidemargin を 11mm に

Word使用の方へ

サンプルを作ってみました.余白は代案1を採用しています.めんどくさいのでスタイルシートにはしていません.ごめんなさい.fileSample.doc --yamakoshiy

細かな書式

全体の流れ

  • 書き出し(タイトル/氏名/所属)
  • 目次(章見出しの一覧表)
  • 本文
    • 見出しの書式
    • 例文
    • 略語
    • 5章のテキスト書式
  • 参照文献欄

書き出し

1行め:タイトル(MSゴシック,12 ポイント)
2行め:氏名(MS明朝,10.5 ポイント)
3行め:所属(MS明朝,10.5 ポイント,全角かっこでくくる)

※ 3行ともセンタリングを施す.

※タイトル:○○語 もしくは ○○語××方言 のように言語名のみ記す.

※氏名:名字と名前の間に半角スペース

目次

  • 3行立てで見出し第2階層(n.n ○○○)までを列挙.
  • 四角で囲む

見出しの書式

n.見出し第1階層("n."も含めMSゴシック)
n.n 見出し第2階層("n.n" と欧文は Arial,日本語はMSゴシック.章番号と見出しのあいだに半角スペースを入れる)
n.n.n 見出し第3階層(第2階層と同様.以下(望ましくないが)第4階層になる場合も同様)
※ 第2階層以下では章番号最後のピリオドは不要.

例文

  • ()(半角カッコ)で番号をふる.
  • 基本的には例文,グロス,日本語訳の3行立て.
    (x)	れいぶん れいぶん れいぶん
    グロス  グロス  グロス
    「日本語訳」
    • ただし表層形と基層形とを区別して表示したい言語, 「語」ごとの訳をつけたほうがいいような言語の場合は4行立ても可.
  • 例文フォントはノーマルな書体で(イタリックをかけたほうが見やすいかもしれない.とりあえず現段階では各自のペーパー内で統一が取れていればよい)
  • 強調部分はイタリックやボールドで.強調の方式も各自のペーパー内で統一すること.
  • できる限り例文とグロスの語頭(?)は揃える.揃え方はタブでもよいし表などでもよい.
  • 例文が2行にわたる場合は
    (x)	れいぶん れいぶん れいぶん れいぶん
    グロス  グロス  グロス  グロス
    れいぶん れいぶん れいぶん れいぶん.
    グロス  グロス  グロス  グロス
    「にほんごやく」

のようにする.2段目をインデントするかしないかは各自自由.

  • 例文が2ページにわたることはできる限り避ける.

略語

  • グロスの略語はスモールキャピタルにする.略語は文法用語・略語リスト に従う.リストに無い場合は自らリストに赤字で加える.
    • 略語一覧は各自つける必要なし

  • 表見出しはMSゴシック
    • 2ページにわたることは避ける.本文をうまく組み合わせて調整する.

5章のテキスト書式

  • フォントは例文と同様.
  • テキストのタイトルは見出しに二重カギ括弧に囲んで,タイトルのあとにカッコでジャンルを示す
    • 例: 5.テキスト資料『ハロウィンかぼちゃの彫り方』(談話)
    • 例: 5.テキスト資料『さるかに合戦』(民話)
  • テキストの行番号は[]で囲む (例:[1])

1行め:表層的word form(この行のみイタリック をかける)
2行め:形態素分析された形
3行め:グロス
4行め:wordごとの訳
5行め:文の訳
※ 2行めを形態音韻formにしてもよい.


5.テキスト資料『さるかに合戦』(民話)
[1] mukasi#mukasi  aru  tokoro=ni
  mukasi#mukasi  aru  tokoro=ni
  昔#RDP        ある  ところ=DAT
  昔々         ある  ところに
  「昔々あるところに」

参照文献欄

  • 『言語研究』の書式に準ずる.
  • 日・英・仏・独以外の参考文献はできれば英訳もあるとよい.
  • ロシア語文献はキリル文字をラテン字化する.転写法はいまのところ問わない.
  • 中国語文献はできるだけ簡体字を避ける
  • 2行目以降はインデントする.

コメント・質問・提案など

  • ペンディングとなっている「余白」についてですが,現行「左右32mm」では見開きの「内側」が見づらいという意見が出ています(1号参照のこと).いくつか代案をあげましたのでご意見をお聞かせください. -- yamakoshiy 2006-12-03 17:50:10 (日)
  • 第一号を読んで思ったのですが、右肩の余白にでも「○○語」とか「△△語スケッチ」とか入れられないですか? あると親切だと思うんですが。 -- yamara 2007-04-26 18:06:36 (木)
  • ああそうだ,このあいだの研究会でもその話題になったんでした.ヘッダ,たぶん入れます.いや,入れましょう!たぶんこれは,編集時に入れることになるので各自で対応する必要はありません.きっと. -- yamakoshiy 2007-04-26 18:29:06 (木)