研究目的:
電磁場や量子場の高精度解析アルゴリズムを開発し,その性能を検証する.
また,数値シミュレーションによって,ナノデバイスの特性や量子力学的問題を解明する.
また,数値シミュレーションによって,ナノデバイスの特性や量子力学的問題を解明する.
キーワード:
- Maxwell 方程式
- Finite Difference Time Domain (FDTD) 法
- Non-Standard (NS) FDTD 法
- Graphics Processing Unit (GPU)
- Schroedinger 方程式
- Dirac 方程式
電磁場の数値解析では,その支配方程式である Maxwell 方程式を差分形に書き換えることに始まる.以下の Maxwell 方程式において,B は磁束密度,E は電場,D は電束密度,H は磁場,σ は導電率,ρ は電流密度である.
本研究では,Finite Difference Time Domain (FDTD) 法と呼ばれる陽的な数値解法を用いて, Maxwell 方程式を解析する.しかし,FDTD 法は,単純な中心差分法を用いるため,差分誤差が大きい.この差分精度を向上させることは,精度の向上とともに計算量の軽減が期待できる.FDTD 法の高精度解析手法として,Non-Standard (NS) FDTD 法が提案されている.NS-FDTD 法による精度の改善は,下図のように明らかである.
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最も研究が盛んな量子場の数値解析は,陰解法による定常問題の計算である.これに対して,時間依存性を考慮した量子場の非定常問題を解析することもまた重要である.本研究では,先に述べた FDTD 法を用いて,量子場の支配方程式を数値的に解析し,非定常問題に取り組む.非相対論的な支配方程式は Schroedinger 方程式である. ここで, ![]() ここで,c は光速,p は運動量,α と β は係数行列である.また,それらの高精度解析アルゴリズムを開発する. Dirac 方程式を解き,時間依存問題である正負のエネルギーの干渉によって生じる Zitterbewegung の3次元シミュレーションの様子を下図に示す. |