電子書籍の表紙画像の作り方は、AmazonのKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)で規定しているサイズが実質的な業界標準となっていますので、それに沿って作りましょう。
ファイル形式
TIFFはファイルサイズが大きくなるので、圧縮が効くJPEGで作るのが一般的です。
JPEGで作る場合は、圧縮しすぎると画質が悪くなるめ、圧縮比率は最小限にとどめることが推奨されています。
縦横の寸法
- 縦横比:8対5 = 1.6対1 (長辺が短辺の1.6倍)※一番美しい縦横比とされる「黄金比」の近似値です。
- 短辺は最低625ピクセル以上、長辺は最低1,000ピクセル以上、最大10,000ピクセル以内。
- 最高品質を求める場合は、長辺:2560ピクセルにする。
- 1024 × 640
- 1200 × 750
- 1600 × 1000
- 2048 × 1280
- 2560 × 1600
縦横比は1.6対1でなくても、よほど極端でない限り、納品販売に支障はありません。
とくにマンガの場合は、紙の原稿がA4サイズやB5サイズなど、A判やB判という紙の規格に合わせて作成されている場合が多いはずです。
A判とB判はともに長辺と短辺の長さの比が1.4141対1(白銀比)になっています。
ですからA判やB判のマンガを電子書籍化する場合は、表紙も本文も1.4141対1で作成します。
1.4141対1の縦横の寸法の例
- 1024 × 724
- 1200 × 849
- 1600 × 1131
- 2048 × 1448
- 2560 × 1810
余談
1024や2048という数字は、中途半端に見えるかもしれません。
実は1024から2560まで、長辺の数字はすべて8の倍数になっています。コンピュータは0と1だけを使う2進数を動作の基本にしており、2進数を人間でもわかりやすく扱うために8bit(=2進数8桁)が情報の基本単位となっています。
そのため、コンピュータ関係の数字は8の倍数になっていることが多いのです。
ファイルサイズ
同じ縦横のピクセル数でも、画像の内容と圧縮品質によって、ファイルサイズは異なるので一概には言えませんが、2560 × 1600ピクセルでJPEG形式で保存した場合、表紙単体でファイルサイズが5MBを超えることはあまりないでしょう。
解像度
「解像度」とは、ある長さの中にどれだけのピクセル(ドット)が入っているかという尺度で、dpiという単位が使われます。dpiとは「ドット・パー・インチ」=1インチあたり何ドット入っているか? という意味です。
一般的な解像度の例
72dpi |
一般的なパソコンやスマホの画面の画面の解像度 |
264dpi |
Retina(網膜)と呼ばれる、最近のiPhoneやiPadの画面解像度 |
300〜400dpi |
写真を紙のプリンターでキレイに印刷するときに必要とされる解像度 |
1200〜2400dpi |
雑誌のグラビアや写真集の印刷に使われる商用プリンターの解像度 |
カラーモード
カラーモードには、RGBのほかCMYKやモノクロ(白黒)などがあります。
フォトショップやイラストレーターで印刷用に作った画像ファイルはカラーモードが「CMYK」になっていることがあるので注意しましょう。
枠線
背景が白い表紙の場合は、販売サイトの背景の白と区別がつかなくなるため、枠線を付けることが推奨されています。
枠線は幅3〜4ピクセルで、薄灰色です。
(参考)
Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング | カタログ・表紙画像の作成(KDPへのログインが必要です)
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