電子書籍の本文に使えるフォント


 リフロー型の電子書籍の読みやすさは、どんなフォントを使っているかによって変わります。文章の内容が優れていても、フォントが読みにくかったり、文章の雰囲気にそぐわないと、評判に悪影響を及ばす可能性もあります。本文フォントに何を使うかにも気を配っておきましょう。

フォントの種類

 日本語フォントには、大きく分けて明朝体とゴシック体があります。明朝体は横棒よりも縦棒が太く、線の右肩に三角形の飾りがあります。ゴシック体は縦横の棒の太さがあまり変わらず、三角形の飾りがありません。一般に、明朝体は可読性にすぐれ本文書体に向いていると言われます。一方、ゴシック体は視認性に優れタイトルや見出しやキャプション(図版に付随する説明文)に向いていると言われます。また、画面解像度の低い端末ではゴシック体のほうが読みやすいという意見もあります。
 明朝体もゴシック体もさまざまな種類があります。WindowsではMS明朝とMSゴシックが必ず入っていて、基本のフォントとなっています。また最近のWindowsにはゴシック体のメイリオや、游明朝、游ゴシックなども入っています。Macの場合は、ヒラギノ明朝、ヒラギノ角ゴシック、ヒラギノ丸ゴシックなどの書体が入っています。また、MacにExcelやWordをインストールした場合も、MS明朝とMSゴシックが使えます。


電子書籍では、どのフォントが使われるのか

 電子書籍を読むときに、どのフォントが使われるかは、作成環境と読書環境の両方が影響します。
① 電子書籍内でどのフォントが指定されているか
②  電子書籍ビューア側にどのフォントがあるか
 電子書籍で指定されたフォントがビューアにあれば、それが使われます。指定されたフォントがない場合はほかのフォントで代替されます。また、電子書籍側で複数のフォントが指定されている場合は、先頭から順番にフォントがあるか調べ、最初に見つかったフォントを使います。フォントが見つからなければ電子書籍ビューアのデフォルトのフォントが使われます。
 たとえば、「ヒラギノ明朝 Pro W3、游明朝、IPA明朝、MS 明朝」の順で電子書籍側に指定されていた場合、電子書籍ビューア側に「ヒラギノ明朝 Pro W3」があれば、それで表示されます。それがなければ「游明朝」を探し、それもなければ、「IPA明朝」、「MS明朝」と探していきます。游明朝もIPA明朝もMS明朝もなければ、システムのデフォルトの明朝体を使用します。

 ただ、個別に指定されたフォントが端末に入っていたとしても、必ずそのフォントで表示されると保証されているわけではありません。
 電子書籍はさまざまな端末で利用されるので、あまり個別のフォント指定に依存せず、明朝体とゴシック体の使い分け程度にとどめたほうがよいとでしょう。

電子書籍作成時の指定

 電子書籍を作成するサービスやアプリによって、フォントの指定も変わってきます。それぞれの特徴を把握しておきましょう。

ロマンサー

本文:"MS 明朝",serif;
見出し:"MS ゴシック",sans-serif;

 ロマンサーでは、元になるワード原稿に何を指定しても、本文はMS明朝、見出しはMSゴシックが指定されます。

ロマンサーの具体的な使い方は「Wordで作った原稿を電子書籍に変換しよう」を参照してください。

一太郎2016

本文:"MS 明朝" , serif , "Times New Roman"
見出し:"MS 明朝" , serif , "Times New Roman"

 一太郎2016では、何も指定しなければ、本文も見出しもMS明朝が優先されます。しかし、フォントを指定すると、そのフォントがそのまま電子書籍のフォント指定になります。例えば、フォントをメイリオにすれば、電子書籍での指定は”メイリオ" , sans-serif;となり、電子書籍ビューアにメイリオがあれば使われ、なければデフォルトのゴシック体が使われます。

一太郎2016の具体的な使い方は「ちょっと凝った電子書籍を作る(一太郎2016)」を参照してください。

BCCKS

 本文:”HiraMinProN-W3", "ヒラギノ明朝 ProN W3", "HiraMinPro-W3", "ヒラギノ明朝 Pro W3", "Hiragino Mincho Pro W3", "游明朝", "YuMincho", "IPA明朝", "IPAMincho", "MS 明朝", "MS Mincho", serif-ja, serif;
見出し:本文と同じだが、フォントサイズが大きいか、ボールド(太字)指定のどちらかになっている。

 BCCKでは自分でフォントを指定することはできません。BCCKSがiOSでもAndroidでもPCでも適切と考えるフォントが指定されています。

BCCKSの具体的な使い方は「文章と画像を組み合わせて電子書籍を作る」を参照してください。

でんでんコンバーター

本文:sans-serif, serif;
見出し:本文と同じだが、ボールド(太字)指定になっている。

 でんでんコンバーターでは、本文はデフォルトのゴシック体が使用され、ゴシック体がない場合は、デフォルトの明朝体が使われます。Andoridではゴシックを指定しても明朝体のリュウミンがデフォルトになっているので、本文はリュウミンで表示されます。見出しも本文と同じ書体が使われますが、ボールド(太字)となります。

でんでんコンバーター:http://conv.denshochan.com/