EpubCheckを使って事前にチェックしよう

 自分で電子書籍を作って、販売申請を行ったけど「EPUBに問題がある」と言われて審査が通らなかった。もしくは販売した電子書籍について、読者から「表示が乱れる」と言われたけど原因がわからない。電子書籍のセルフ出版をやってみて、こんな経験をした人もいると思います。
 こういった電子書籍の問題の原因は、EPUBファイルの不具合です。EPUBファイルは文章や画像や目次など複数のファイルを集めてひとつにまとめ、圧縮したものです。EPUBに含まれたこれらのファイルの作り方や関連付けが間違っていると、電子書店が発売前に行っているチェックにひっかかったり、発売後に読者の端末で表示の不具合が出たりするのです。
 一度販売申請を終えてから、再度のチェックや作り直しは面倒です。販売申請をする前にEPUBに問題ないかチェックしておけば、あとから面倒なやり直しに悩まされることもありません。

電子書籍ビューアの目視チェックの限界

 販売申請前のチェック方法としては、電子書籍ストアが提供するビューアアプリで実際に読んでみる方法があります。これは必ずやっておきべきなのですが、これだけではチェックしきれない以下のような点があります。
  • 電子書籍ビューアは提供するストアによって作りが異なる。ストアAで問題がなくてもストアBでは問題が出るかもしれない。すべての書店のビューアアプリでチェックするのは労力の面で非現実的。
  • 電子書籍の内容が厚くなるにしたがってチェックが大変になる。
  • 人間の目でチェックする限りは問題の見落としが発生する可能性がある。

EPUBの問題点をまとめてチェックしてくれるEpubCheck

 「EpubCheck」は、電子書籍の国際標準を決める団体である「IDPF」が無償で提供している、EPUBをチェックするためのプログラムです。
 EpubCheckでチェックすると、EPUB内の問題をリストアップしてエラー表示してくれます。問題がなにもでなければOKです。
 便利なEpubCheckですが、専門家向けのツールなので、コマンドプロンプトの黒い画面でキーボードから命令を打ち込んで実行する必要がある、一般の人には使いにくいありません。そこでEpubCheckをマウスとウィンドウで使えるようにした「pagina EPUB-Checker」という無料のアプリがあります。これを使って、自分が作ったEPUBのチェックをしましょう。

EPUB-Chekerの使用手順


1. EPUB-Checkerをダウンロードする

以下のURLにアクセスします。


スクロールして、自分のパソコン用のファイルをダウンロードします。


2. ダウンロードしたファイルを展開し、アプリを起動する

ZIPファイルを展開します。


展開するとアプリが現れます。ダブルクリックで起動します。


3. EPUBファイルを選んで、チェックする

「choose EPUB File」のボタンを押して、チェックするEPUBファイルを選択します。


EPUBの選択が終わるとすぐにチェックが始まります。
問題がなければ、以下のように「no errors or warnings detected.」と表示されます。


4. エラーの例1

以下の画面ではひとつのエラーとふたつの警告が出ています。


「エラー」は致命的な問題とEPUB-Checkerが判断したものです。
「警告」はEPUBとしては正しくないけど、致命的ではないと判断されたものです。
下の画面のエラーは、「1.png」という画像があるはずなのに、EPUB内で見つからないというエラーです。表示するはずの画像がないわけです。

警告のひとつ目は「1_.png」という画像ファイルがEPUB内にあるけど、表示するときに使用されていない、という警告です。警告のふたつめは、EPUBの中に「名称設定.xhtml」という日本語を含んだファイル名があるためです。EPUBを作るときは、内部に含まれるファイル名に日本語を使わないほうが無難です。

EPUB-Checker使用時の注意点

 EPUB-Checkerはかなり厳密にチェックを行うので、どこの電子書店でも問題は起きないのに、EPUB-Checkerではエラー表示されることがあります。たとえば、一部のサービスで作った固定レイアウトのEPUBは、「Undefined property: 'rendition:orientaion’.」というエラーが表示されますが、実際にはどこの電子書籍ビューアでも問題なく表示できたりします。EPUB-Checkerのチェックも絶対ではないことは、知っておいてください。